東京喰種 CINDERELLA GIRLS [完結]   作:瀬本製作所 小説部

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(ぼく・私)は似た者同士かもしれない


表裏

金木Side

 

 アイドルフェス ーーー 当日

 

 

「ついにやってきた....この時を!!!!」

 

ヒデは今まで溜め込んでいた気持ちを、思いっきり大声で出した。

 

「ははは....そうだね....」

 

ぼくはそんなヒデの姿にすでに呆れていた。

アイドルフェスの入り口で叫ぶのはどうかしている。

 

「なんだよ!その態度は!お前は嬉しくはないのか!?」

 

ヒデはぼくの両肩を掴み、激しく揺らす。

 

「ち、違うよ....」

 

ぼくはヒデのアイドル愛に疲れ、返す気力はなかった。

 

「まさか...昨日卯月ちゃんに告白したら、フラれたとか」

 

「そ、そんなことしないよ!」

 

突然ヒデの口に"卯月ちゃん”に告白したという冗談に反応し、

疲れが一瞬に吹っ飛んだように感じ、大きく否定をした。

 

「ははは、嘘だよ。そんなことしちゃ、ファンにぶっ殺されるもんな」

 

ヒデは笑い、ぼくの肩をぽんぽんと叩く。

 

「さすがにそんなことなんてしないよ....」

 

ぼくはため息をし、夏の暑さのせいかカバンにあった冷たい水を一口飲んだ。

今日は346プロダクションの"サマーアイドルフェス"だ。

メインは"シンデレラガールズ"だが、ぼくが注目しているのは"シンデレラプロジェクト"だ

卯月ちゃんが入っているシンデレラプロジェクトの初の"全体曲"を披露する重要なイベントだ。

彼女たちと交流したぼくが行くのは"当然”だと思う。

 

(....大丈夫かな、"卯月ちゃんたち"は?)

 

でも期待している反面、ぼくが不安に感じているのは、

卯月ちゃんが入っているユニット"new generations"だ。

初ライブの時は輝かしい登場ではなく、今回は成功するかどうか不安だ。

 

「....ん?」

 

するとぼくのポケットに入っていた電話が鳴った。

誰かからメールが来たみたいだ。

 

(誰だろう.....?)

 

そのメールを見ると、

 

(あ...卯月ちゃんからだ)

 

おそらく挨拶のメールかもしれない。

そういえば昨日は、メールではなく電話をした。

いつもはメールで済ませるのだが、初めて電話をした。

ヒデの言葉に押され、メールじゃ物足りないような気がしたので、

電話で話した。

 

(....今回は頑張って欲しい)

 

ぼくは心にそうつぶやいて、卯月ちゃんのメールを開こうとしたその時、

 

「ん?どうした、カネキ?」

 

横からヒデがぼくの携帯を覗いた。

 

「ちょっ!?ヒデ!?」

 

ぼくは慌てて携帯を隠した。

 

「なんだよ?急に隠して?」

 

「い、いや...学校から連絡があったんだ...」

 

それは嘘。

さすがヒデに携帯の画面を見せたらまずい... 

 

「お前、もしかして卯月ちゃんからメール来ただろう?」

 

「ち、違う...!」

 

「じゃあ、見せろよカネキ!」

 

この後このやり取りがしばらく続き、なんとかそのメールを見られずに済んだ。

 

ちなみに卯月ちゃんからのメールは

『おはようございます!』と言う文であった。

 

ちなみに昨日電話については....

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

  アイドルフェス ーーー 同時間

 

 

文香Side

 

 

「なぜ私もでしょうか....」

 

本当ならば、今日は家でじっくりと本を読む予定でした。

しかし"ある方"によって打ち壊されました。

 

「いやー今日はいい天気だね〜」

 

私の声が小さいせいか彼女は私の方に振り向かず、

ステージを眺めていました。

その"彼女"は”志希さん”でした。

 

「そう思わない?文香ちゃん?」

 

「え、ええ...そうですね...」

 

私は志希さんのお誘いを一度お断りしましたが、

次の日の早朝、つまり今日の早朝に志希さんが私の家にやってきたのです。

 

「あの...志希さん?」

 

「ん?」

 

「今日はどうしてサマーアイドルフェスに..?」

 

どうして志希さんが私をサマーアイドルフェスに連れて来たのか、

実は"まだ"わかっていません。

電車で移動中に何度か聞きましたが、

志希さんは『秘密〜♪』と言うだけでした。

 

「文香ちゃんはアイドルのステージを生で見たことないよね?」

 

「はい....そうですね....」

 

私の現在のお仕事は基本、他のアイドルのサポートをする形です。

舞台の主役というのは程遠い気がしますが、これも大事なことだと思います。

 

「だから、ライブの舞台裏はどういったものなのか知りたいわけ。そう思わない?」

 

「確かに...そうですね...」

 

志希さんの言う通りでした。

私は基本、企業及び公共事業を宣伝するアイドルのサポートが中心で、

ライブでのサポートは未だやったことはありません。

ですので、アイドルのライブの舞台裏は一度も行ったことがありません。

 

「それに"美嘉ちゃん"に会わないとねー」

 

「"美嘉さん"にですか?」

 

私はそれを聞いて疑問を持ちました。

なぜあのシンデレラガールズの"城ヶ崎美嘉さん"に会うのかと。

 

「この前に友達になったんだー」

 

「お友達に?」

 

「うん。それで『ライブ来てくれる?』と言ってたから、ここに来たわけ♪」

 

「そうですか...でも私を連れて来るのは...」

 

「それは文香ちゃんにお友達をもっと作ったほうがいいかなーって思って」

 

志希さんはにゃはははっと笑いました。

確かに私はお友達は少ないのですが、

さすがに強引ではないかと思います...

それに私は夏が少し苦手のため、まだ朝ですがもう疲れてきてます。

 

「ちなみに今、カネケンさんが来ていると思うよ?」

 

「.....えっ!?」

 

私はそれを聞いて、驚きました。

私を取り付いていた疲れはどこか行ったかのように感じました。

 

「か、金木さんがいるのですか...?」

 

私は真剣な顔で志希さんを見ました。

どうしてそんなに金木さんに反応したのか自分にもわかりません。

 

「まぁまぁ落ち着いてよ、文香ちゃん。カネケンさんが来る理由はわかるよね?」

 

私たちが来ることを知って、ここに訪れるなんてまずあり得ません。

考えれるのはただ一つ.....

 

「確か...シンデレラプロジェクトの卯月さん.に..?」

 

「そお!正解〜♪」

 

志希さんは「文香ちゃん賢いね〜♪」と笑いながら言いました。

 

「カネケンさんは卯月ちゃんとは友達だし、来るのは当然だしね♪」

 

「そうですよね...」

 

私たちはそう話しながら会場裏へと行きました。

そういえば、私はまだ金木さんにメールも電話もしていません。

まだ心が整ってはいないというか、かけるのに勇気がいるようです。

そろそろやらないといけません

 

金木さんのために

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

     会場 ーーー 開始数分前 

 

 

金木Side

 

「やっとステージの前にこれたな!」

 

「そうだね...」

 

ぼくたちは会場のステージの目の前にいた。

今までのライブは室内で座って見ている形だったが(大きいライブは)、

今回は野外でライブをするため、皆は立っていた。

 

「美嘉ちゃんがもっと近くで見れるな!」

 

「そ、そうだね.....」

 

ぼくはヒデのその発言に胸が複雑に感じた。

なぜならぼくは美嘉ちゃんとは"友達"だからだ。

もしそんなこと言えば、間違いなくこの近くにいる美嘉ちゃんのファンに殺される。

 

「お!始まった!」

 

すると明るかったステージが暗くなり、

スクリーンに大きな時計が現れた。

時計の針の音がこのライブの開始のカウントダウン

それにこれは”お願い!シンデレラ”の始まりのところでもある

 

 

 

そして今、ライブが始まる

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

   

  ステージ裏 ーーー 同時刻

 

 

文香Side

 

 

「二人とも今日よろしくね」

 

「おねがいしまーす!」

 

「おねがいします....」

 

私と志希さんはスタッフさんと同じ服に着替え、

現場の責任者さんに挨拶をしました。

今日は舞台裏のサポートをするという形でやることになりました。

 

「えっと...私たちは一体何をすればいいのでしょうか...?」

 

他のスタッフさんを見ると、衣装を手がける方やステージの機材を扱う方など、

私には務まるような気がしませんが...

 

「ステージに出るアイドルたちのサポートをしてください」

 

「アイドルのサポートですか?」

 

「例えば声をかけるけたり、何かリラックスさせたりなど緊張を和らぐことをお願いします」

 

私にはできる自信は少しありませんでした。

今まで私は志希さんやプロデューサーさんに助けられています。

私はできるのか心配でした。

 

「あと今日暑いですので、"熱中症"に気をつけてください」

 

そう言いますと、現場責任者さんはこの場を去りました。

 

「ねぇねぇ、リハーサル室に行かない〜?」

 

すると志希さんは何かを企む子供のような顔をし言いました。

 

「どうしてでしょうか?」

 

「多分そこで誰かがやっていると思うから〜♪さあ、行かない?」

 

わたしはすぐに志希さんがサボると頭に浮かびました。

先ほどスタッフさんに言われたことを無視するかと思い、

躊躇いました。

 

「い、行きますか...」

 

躊躇った末、私は志希さんのお言葉に従いました。

また許してしまいました。

 

「じゃあ、行こ〜♪」

 

私は志希さんに手を引っ張られリハーサル室に向かいました。 

おそらくそこでステージに出る方がいて、志希さんは楽しくお話しをすると思います。

そしてリハーサル室の目の前につき、ドアを開けました。

 

 

でもこのドアの先にトラブルが起きているだなんて、考えもしませんでした

 

 

「え?」

 

私はリハーサル室のドアを開けた瞬間、固まってしまいました。

 

「た....助けてください!」

 

一人の方が涙ぐんだ目で私の元に駆けつけて来ました。

その方はあのシンデレラプロジェクトの"智絵里さん"でした。

 

「ど、どうなさい.......っ!?」

 

智絵里さんの後ろを見ると、"倒れている方"がいました。

よく見ますと、あのシンデレラプロジェクトの美波さんでした。

 

「美波さんが突然、体調が悪いと....私..私...」

 

"智恵理さん"は溢れる涙

 

「あー緊張で体調崩しちゃったみたいだね」

 

志希さんは美波さんに近づき、「大丈夫?」と声をかけた。 

 

「......き..気持ち.....悪い....」

 

美波さんは本当に

 

「"まずいね..."」

 

「え?」

 

私はその志希さんの言葉に嫌な予感を感じました。

 

「智絵里ちゃん、美波ちゃんは確か...ステージに出るんだよね?」

 

「...えっ!?」

 

驚きのあまり体が固まっていました。

智絵里さんは震える口で「はい...」と答えた。

 

「....文香ちゃん、今すぐ救護室に向かって!」

 

志希さんは私を見て、

先ほどの子供じみた顔とは違い、真剣な顔でした。

 

「は、はい...!」

 

私はすぐにリハーサル室に出て、救護室に向かいました。

まさか、こんなことが起きるだなんて

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

   救護室前 ーーー 数十分後

 

 

「いやーまさかのトラブル発生だなんてねー」

 

「はい....急に起こりましたね....」

 

私たちは救護室の前にいました。

先ほどシンデレラプロジェクトの皆様がいらっしゃいました。

その中に金木さんのお友達の”卯月さん”がいました。

声をかけようしましたが、彼女は心配そうでしたので声をかけませんでした。

 

「大丈夫でしょうか....美波さんは...」

 

「大丈夫だよ。すぐに治ればいいんだけどね」

 

彼女はこれからステージに出るはずでした。

この大舞台に

 

 

『待ってください!私が出られないのは、自分のせいです!』

 

 

先ほど救護室から聞こえた声。

とても悲しく、悔しそうな声でした。

私はその声を聞いた時、胸が張り裂けそうになりました。

 

「志希さん」

 

「ん?」

 

「もっと早く美波さんのところに訪ればよかったですね...」

 

私はそういうと、下に向きました。

あの時は志希さんのサボりに少し躊躇っていましたが、

今思えばすぐに答えればよかったと思います。

 

「もっと早く来ていたら.....美波さんはこんなことに...」

 

 

私があの時、躊躇していたから

 

 

美波さんがあんなことに....

 

 

「文香ちゃん」

 

すると志希さんが私の肩をポンポンと叩き、

「こっち向いて」と私に優しく声をかけました。

そして私は志希さんの方に顔を向けました。

 

「別にこれは文香ちゃんのせいじゃないよ?」

 

志希さんの目はまっすぐと私を見てました。

 

「文香ちゃんが全て悪いわけじゃないし、智恵理ちゃんも美波さんもそうだよ」

 

「......」

 

私は何も言わず、頷きました。

 

「それに」

 

 

 

『抱え込んじゃダメ』

 

 

 

「......っ!」

 

志希さんの言葉が私の耳に大きく響いたように聞こえました。

その言葉はとても意味が込められているように感じました。

 

「文香ちゃんはカネケンさんと同じく抱え込んじゃうから、ダメだよ」

 

「......」

 

金木さんの顔を思い出しました

あの悲しそうな笑いを

辛いことを誰にも口にせず、抱え込み、

自らを責めてしまうことを。

 

「....すみません。志希さん..」

 

私は頭を下げ、謝りました。

 

「.....ふふっ」

 

「ん?」

 

すると志希さんは、真剣な顔つきから笑顔に変わり、

 

「にゃはははっ!」

 

「っ!?」

 

急に志希さんが私を抱きしめました。

 

「ど、どうしたのでしょうか?」

 

「文香ちゃんはやっぱり可愛い♪」

 

志希さんは抱きしめるのをやめ、私の頭を撫でました。

 

「は、はぁ...」

 

先ほどまで真面目に話していた志希さんが、

急にいつも見る子供じみた志希さんに戻ったことに、

なんて受け止めればいいのかわかりませんでした。

 

「あ!美嘉ちゃん!」

 

すると志希さんが私の後ろに指をさしました。

振り向くと、あのシンデレラガールズの美嘉さんの姿がありました。

 

「美波ちゃんってここ?」

 

衣装を着た美嘉さんが私たちの前に現れました。

 

「そうだよ。でも今は入らないほうがいいと思うよー?」

 

「あー確かに、そうみたいだね...」

 

「......」

 

私は無意識に、美嘉さんに見とれていました。

彼女から"輝き"を感じたからです。

普通の方とは違い、とても輝いていて、美しく感じました。

まるでこの世にない美しき宝を発見した探検家みたいに

 

「あのー?」

 

「...え?」

 

気がつくと、美嘉さんに何度も声をかけられていました。

 

「ちょっと座らせていいですか?」

 

「あ、は、はい....」

 

私は慌てた様子で返しました。

志希さんは私の姿に『どうしちゃったの〜?』とからかうように言い、笑いました。

美嘉さんは志希さんと私に挟まれる形に座りました。

 

「美嘉ちゃんはライブ出るよね?」

 

「そうだけど、まだ時間があって」

 

「......」

 

美嘉さんと志希さんはお互い楽しく話していました。

しかし私は、二人の会話を見るしかありませんでした。

 

(....本が読みたいですね)

 

おそらく私に声をかけられることもなく、美嘉さんはここから立ち去ると思います。

そう思った瞬間、

 

「文香さんですよね?」

 

「え?」

 

気がつくと、美嘉さんは私の方に顔を向けました。

 

「は、はい...そ、そうですけど...」

 

私はぎこちない様子でしゃべりました。

なんだか美嘉さんと話すのが緊張しました。

 

「そこまで緊張しないくださいよ」

 

美嘉さんはそんな私の姿に少し笑いました。

 

「まぁ、アタシも緊張すること結構あるんだよね」

 

「え?美嘉さんもあるんですか..?」

 

驚いてしまいました。

私は美嘉さんには気が強い人だと思っていましたが...

 

「アタシも"人"だし、緊張するのは当たり前じゃん♪」

 

「......はい」

 

私は美嘉さんの言葉に、なんだか安心しました。

アイドルの方は緊張しないかと思いましたが、

まさか美嘉さんも緊張をすることを。

 

「文香さんは結構かわいいじゃん☆」

 

「えっ!?そ、そうでしょうか...」

 

私はそれを聞いて、なんだか恥ずかしくなりました。

 

「じゃあ、美波ちゃんに会いに行くね」

 

美嘉さんはそう言い、救護室に入って行きました。

 

「どう?美嘉ちゃんは?」

 

志希さんは私に近づき、答えを求めていました。

 

「素敵な方でした...」

 

「え?素敵な方?」

 

志希さんはきょとんっと頭を傾けました。

 

「とても良い方でした....」

 

「....なら良かったー♪美嘉ちゃんといい友達になると思うよ♪」

 

志希さんはそう言うと、にゃはははっと笑いました。

 

 

 

 

この出会いが、私たち"3人"の出会いだなんて

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

     会場  ーーー 同時刻

 

 

金木Side

 

 

「どれも最高だわ!!」

 

「みんないいね」

 

やはりヒデは、アイドル愛を存分に出していた。

ヒデはどのアイドルにも何度も叫ぶようにコールをしていた。

 

(えっとその次は....”LOVE LAIKA"だね)

 

そして次はLOVE LAIKAだ。

アナスタシアちゃんと美波さんのユニットで、卯月ちゃんたちとは同じ時にデビューしている。

二人の歌は"Memories"はとても美しく、いい音色だ。

そして李衣菜ちゃんとみくちゃんがステージが去った後、彼女たちは現れる。

本来なら美波さんとアナスタシアちゃん二人が出てくるのだが、

 

 

 

今回は"違った"

 

 

 

「あれ?なんで蘭子ちゃんが...?」

 

アナスタシアちゃんの横にいたのは"美波さん"ではなく、蘭子ちゃんであった。

先ほど歌ったのだが、なぜなのか?

会場にざわつく中、"LOVE LAIKA"の曲"Memories"始まった。

 

(....えっ!?)

 

先ほどステージにも出たにもかかわらず、アナスタシアちゃんと息ぴったりに踊り、

歌っている。

 

「す、すげ.....まじ息ぴったりじゃん!!」

 

ヒデは二人の姿にとても感動していた。

そして美波さんが歌う場面に蘭子ちゃんは歌う。

 

(すごい...!とてもいい声を出している....!)

 

先ほど激しく踊り、歌っていた蘭子ちゃんがここまでやるなんて、

とても感動をした。

そして最後も、彼女たちはうまく決まった。

ぼくは蘭子ちゃん、アナスタシアちゃん二人に拍手をした。

誰よりも大きく拍手をした。

 

「結構よかったぞっ!!」

 

ヒデは蘭子ちゃんとアナスタシアちゃんに向かって思いっきり叫んでいた

 

 

 

その時だった

 

 

 

(ん?)

 

ぼくの肌に"何か"を感じた。

冷たい水滴なようなものを

 

「あ...め?」

 

ぼくは空を見上げると、ぽつぽつと空から水滴が襲ってきた

終わった直後、雨が降り始めたんだ

 

 

 


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