私、二回目の人生にてアイドルになるとのこと   作:モコロシ

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雪歩が可愛過ぎて夜しか眠れない。


第23話 土曜日は休日か、それとも平日か

 

ひゃっほーい、明日は休みだー!

 

金曜の二十一時頃、明日が土曜日だという事実に浮かれて内心はしゃいでいた。ベッドでゴロゴロしながらいい加減バッテリーの寿命がやばい携帯を手に取り、トゥイッターで広告用の“CB/DS”のアカウントを開いた。実は最近フォロワーが遂に二万人を超えてしまった。ついこの間まで千人超えてやべーってなってたのにいつの間にか五桁に突入していた。一つ呟くたびに二万人に見られていると思うと少しだけ指先が震える。

 

「『明日は仕事』……っと」

 

明日の写真撮影の仕事について少しだけ触れる内容を考えながら指先でフリックする。最近メンバーの写真をあげる度に私の素顔はどんなのか云々というリプライが多くて困る。あれが素顔なんだよ。プロフィールにも書いてあるでしょうが。まあ、普段から悪魔メイクやってる訳じゃないから上げようにも上げれないだけなんだけどね。

 

……あっ、花屋の凛ちゃんからMINE。そういえば最近なんかの部活に入ったらしくて楽しみみたいな事MINEで言ってたな。一体何部に入ったんだろう。後で返事を返すとしよう。

 

そんな感じでふんふんと気分良く鼻歌を歌いながら先の文に肉付けしていると、私はふと悟った。

 

「明日休みじゃないじゃん……」

 

確かに明日は土曜日で世間一般的には休日とされている。それに写真撮影自体はそれ程時間がかかる事はないだろう。しかし、寮を出てから帰ってくるまでの合計時間を考えるとどうだろうか。

 

明日の写真撮影の開始時間は十八時。メイクとか衣装の飾り付けを考慮するとそれの一時間前以上は先に事務所に着いておかなければならない。メイクの予約を十七時に入れているので余裕を持ってその十五分前には到着しておこう。寮から事務所までは十五分程掛かる。……そういえばライブの練習が終わったら少し余裕があるけど、その間どうしよう?

 

撮影時間は順調に進行すれば三十分で済むが、遅いと一時間くらいは掛かる。そこから駄弁って寮に帰って一時間弱程掛かるとして撮影に費やすのは合計三時間ってところか。つまり一日の八分の一だ。そう考えると意外と長いよね。そして朝は学校の宿題と試験勉強でしょ? 土曜日なのに自由時間が夜しかないとはこれいかに。

 

…………いやまあ、だからどうしたって話だけども。気は乗らないけど仕事だからやるしかない。実働時間三十分だとしても仕事は仕事。カメラの前で腕組んで仁王立ちするだけの簡単なお仕事さ。休日出勤? いいや、違うね。土曜日は平日なんだよ!

 

朝グダッとして夜に宿題等の書き物をやってもいいんだけど、練習と仕事の後だから夜くらいはゆったりさせてほしい……。

 

おっと、思考が少しネガティブになってしまったな。こういう時こそノリノリでアゲアゲな曲を聴いてスーパーハイテンションにならねばなるまい。いつもであればここで“世界のYAZAWA”や“デーモン一族”を選択する私だが、今日はなんか気分ではない。携帯で曲を探し、少し悩んだ挙句エスパーユッコの“ミラクルテレパシー”を選択した。

 

「……やっぱりこっちにしよ」

 

しかしやはりなんか違うと思い直し、私は曲を高森藍子ちゃんの“青空リレーション”に変更した。この曲聴いてるとテンションが上がる……っていうか楽しくなってくるんだよね。正に心ウキウキルンルン気分。藍子ちゃんと相葉夕美ちゃんの曲って思わず笑みがこぼれる程温かくて可愛い曲ばっかりで好き。ホント好き。

 

「……ん? 武内さんからメールだ」

 

トゥイッターの呟きの肉付けを再開していると画面の上にテロップが出る。このメールアドレスから送っているということは恐らく事務所のパソコンから送信しているのだろう。いや、持ち出し用のモバイルパソコンの方だろうか。どちらにせよ遅くまでお務めご苦労様である。

 

 

差出人 : 武内さん

件名 : 4/11(土) アー写の件

 

CP各位

 

お疲れ様です。武内です。

 

夜分遅くに申し訳有りません。明日の日程をメールにて記載致します。

 

突然ではありますが4/11(土)はレッスン(15:00〜18:00)を中止し、アーティスト写真の撮影を行います。

 

集合時間は16時45分、場所は1Fの第4スタジオとなります。事務所までの服装については特に指定はありません。撮影時のメイクは此方で対応致しますので、自分らしい姿で通勤願います。

 

直前での決定ではありますが、撮影時は私も立ち会いますので、その際に詳細の内容を話します。

 

以上、確認の程、宜しくお願い致します。

 

 

……は? いやいや、工程被っちゃってるんですけど。え、なに。CPの方でもアー写の予定があったの? でも突然ですがって書いてあるし、昨日今日決まった事なのかな? 私参加出来なくない? 武内さん、私の工程把握してる筈なんだけど……。

 

先程も言ったように私の方も“Unknown Invaders”としての写真撮影が十八時に控えているのだ。そしてその為のメイクの予約は十七時。……うーん、どう足掻いても被るんだよなぁ……。唯一被ってない十五分があるけど、流石に十五分ぽっちじゃ私も終わる気がしない。どうしたものか。

 

いや、そんな事を考える前に武内さんに電話した方が良いか。そう考えていると唐突に目の前の携帯から着信音が流れ始めた。少し驚きながらも確認すると、相手は丁度今からかけようと思っていた武内さんであった。

 

「はい、小暮です」

『お疲れ様です。武内です。夜遅くに申し訳有りません』

「いえいえ、お疲れ様です。先のメールの件ですよね?」

『ええ。既に目を通していましたか』

 

電話越しでも伝わる彼の響きのある素晴らしいバリトンボイス。一度でいいから彼の歌声を聴いてみたい。絶対に上手い筈。

 

「はい。あの、私の工程と被ってるのも承知の上での決定なんですよね……?」

『ええ、勿論です。伝達が遅れてしまいましたが其方も既に対応済みです。メイクアップアーティストの方への予約は十七時から十七時三十分まで融通が効くように、そして“Unknown Invaders”の撮影はメイクアップが終了次第参加して頂く流れとなります。其方のレッスンは予定通り十六時に切り上げて準備が出来次第スタジオまでお越しください』

「成る程、了解しました」

『ではよろしくお願いします』

「此方こそ。ではお疲れ様でした」

『はい、お疲れ様でした』

 

ピッと通話を切る。よし、これで後顧の憂いは無くなった。予定の前日であろうと事前に情報さえ頭に入っていれば困りはしない。

 

そういえばどうして急にCPのアー写が決まったんだろう。あ、もしかして遂にCPが始動するとか? 確か前に四月には恐らく始動出来るとか言ってたような気もするし、言ってなかったような気もする。今の電話で聞いておけばよかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

土曜日、今日は輝子達と新曲の練習を行っていた。新曲といっても既にPVは発表されている為、現在は近くにある初の単独ライブに向けての調整といったところだ。今まではイベントでの野外ライブだったり番組での演奏ばかりであったが、今回はなんと単独ライブ。しかもそこそこ大きなホールを貸し切ってである。宣伝は十分だし彼女らの元々の知名度も合わさっているので盛り上がりに欠ける人数という事態はないと思われる。

 

反省会を行い最後に一度だけ曲を通して練習を終了した。ギターを壁へと立て掛けると前髪を掻き上げて汗を相棒(タオル)で拭う。

 

「なぁ深雪。さっきのサビ前のところなんだけど──」

 

アクアリウスを飲もうとすると声を掛けられた。茶色の長髪をストレートにほんのり焼けた肌が特徴の彼女。名前を“松永涼”という。勿体振らずに言うと彼女こそ私達、“Unknown Invaders”の新たなメンバーなのである。

 

「あー、そこは……ちょっと貸して」

「おう」

 

ギター経験はあると言う彼女ではあるが、ベース経験は流石にないらしいので度々私に質問を投げかけてくる。私もベース歴数ヶ月程度と経験は浅いので教授できる事は少ないが、それでもライブ経験は何度かあるので軽いアドバイス自体は可能だ。

 

「──みたいな感じだと思う」

「成る程……やっぱ経験者は違うな。アタシも練習はしてるんだけどよ……」

「PVの時には出来たんだから慣れの問題だよ。回数こなして自信付ければ大丈夫……な筈」

「筈って……まぁ、そうだよな」

 

今回のライブはまず前提として松永さんは登場しない事になっている。しない事になっている、なので登場はする。とはいえ終盤の方になるのだが、まあそれも仕方がない。既存曲を練習する暇が彼女には無かったのだ。

 

流れ的には彼女を除いた四人でこれまでミニライブなどで演奏してきた既存曲や、彼女らのソロ曲でひたすら会場を盛り上げる。会場のボルテージが最高潮となり、そろそろライブ終わりますよー的な雰囲気を醸し出した所で満を持して松永さんが登場、からのソロ曲(Live ver)と新曲を披露という流れとなる。盛り上がらない訳がないと346プロ専属の演出の方も太鼓判を押していたらしいので間違いないだろう。

 

「緊張もあると思う。新曲の前に松永さんのソロ曲が入るから、そこでリラックス出来るよ」

「しかもライブ仕様で前奏長めだからな。サイコーにカッコ良くキメてやるからしっかり聞いとけよ?」

「深雪……夏樹……」

 

初の試みという事で緊張と不安を露わにする松永さんに夏樹がフォローを入れる。因みに松永さんには私がエキストラだと言う事は既に公言している。

 

「て、テンションリラックス〜……♪」

「……何だよそれ?」

「ふひ、わ、分からない。この前何かのアニメでやってた」

「──プリ○ラね」

「え?」

「なんだい、それ?」

「……この前仁奈と観賞したわ」

「あぁ……仁奈、のあさんに懐いてるからな」

 

そうなの? いいなーのあさん。私も仁奈ちゃんとテレビ見たい。冬とかモコモコ着ぐるみ着てそうだから股の間に座らせてもふもふしたい。仁奈ちゃん見てるとめちゃくちゃ子供が欲しくなってくるから困るんだよね〜。

 

……おっと、そろそろ退散せねばならない。

 

「それじゃあ、私行くから」

「おう!」

「また後でな」

「……後で」

「ま、またな。正確には二時間後くらい」

「ふ、まぁそうなるね」

 

そうしてレッスンルームから退室した私はシャワー室へと直行した。流石に汗べたべたのままアー写なんか取りたくないし。社会人たるもの身嗜みにはしっかりと気を配らねばなるまい。

 

シャワー室に入ると左に化粧台、右側にいくつかの仕切りと扉が見える。その扉の先で服を脱いで、そのまた一つ先にある浴室でシャワーを浴びるというシステムだ。適当な場所を選び、脱いだ衣類をすぽーんとカゴに投げ捨てて浴室へと入ると、シャワーの蛇口をひねる。

 

「うひぃ、冷たっ! ……ちっ」

 

畜生め! なんでノズルこっち向いてんだよ! ……あ、気持ち良い。

 

「情熱の赤い薔薇〜」

 

某マイホームな歌を歌いながらフローラルな香りが広がる石鹸で身体を洗っていく。身体を洗う度に自分の若い肌に感動してしまう。冗談抜きで絹のような触り心地なのだ。ふくらはぎとか頬の感触ホントヤバいから。ビバ★柔肌、と言ったところか。

 

ザーッとシャワーで石鹸を洗い流してタオルで体を拭き、替えで持ってきていた下着を着用しながら少し気合の入ったオシャレ服を取り出す。例によって例の如く店員さんコーディネートの物である。この前買ったスカジャンもどうかなとほんの少し考えたけど、クールとはなんか違うしそもそも武内さんにそれで事務所に来るなと珍しく語勢強めで言われたのを思い出したのでやめた。

 

「……よし。着替えOK」

 

後は化粧台に設置されているドライヤーで髪を乾かして身嗜みを整えるだけだ。そういえば何処かで聞いた話だけど、髪って自然乾燥させると禿げやすいんだって。情報源がはっきりしてないから眉唾なんだけど……それでも怖いよね。うぅ、ハゲは嫌だ……。前世では禿げたら潔く五厘刈りって決めてたけど、今世ではちょっとアレだからなぁ……。髪はある意味では最高の味方であり協力者ではあるものの、いつの日か最大の敵にもなりうる可能性を秘めた危うい存在。裏切られないように気をつけないと……。

 

さて、そうと決まれば早速禿げないように髪を乾かすとしよう。

 

ガチャリと扉を開くと、右の方からも同時に扉を開く音が聞こえた。どうやら私と同じタイミングでシャワーを浴びていたらしい。

 

見たことあるような、無いような……と思いながらも口にはせずに互いに軽く会釈をして化粧台へとおもむろに座りロールブラシを取り出しドライヤーを手に取る。先っぽがつぶつぶしてて凄く気持ちが良い。ホットな風を吹かせながらブラシで髪を梳かしていく。見慣れたテンパとはいえストレートにも多少の憧れを感じる為、少しでもストレートになるようロールブラシを使用しているのだが、どうにも治る気配がない。やり方が適当過ぎたか。

 

そんな風に半ば諦め状態で髪を梳かしていると再び浴室の方からガチャリと扉を開く音が聞こえた。

 

「ふぅ〜……あら、美優ちゃんもう上がってたのね」

「早苗さん。ええ、軽く汗を流した程度ですから」

 

“早苗”という名前には聞き覚えがあった。確かウィンターライブの時にも出演してたし、エスパーユッコとあと一人めっちゃおっぱいデカい子とユニットを組んでいた筈だ。“美優”と呼ばれる長髪の彼女も、顔には見覚えがあるのだが残念ながらハッキリとは思い出せない。

 

早苗と呼ばれた女性は髪を拭きながら知り合いであろう美優と呼ばれる女性の隣へと腰をかけた。どちらも別に知り合いという訳ではないので私は我関せずで髪を乾かし続けた。

 

「いや〜、今日のレッスンは汗が止まらなかったわ〜」

「確かに、今日は比較的暖かい陽気でしたね」

「こんな日はビールがほんっとうに美味しいのよね!」

「もう、早苗さんいつもそれですよね。それで、今日の予約は何処に?」

 

なんだこの二人、飲みにでも行くのだろうか。私も連れてって頂戴な。いやさ、出歩く時になんとなく良さげな店とか偶に見つけるんだけど一人じゃ行けないから悶々としてた所なんだよね。あー、酒飲みたい焼酎飲みたい! 私、二十歳になったら初めに飲む酒は“魔王”って決めてるんだ……。本場鹿児島で買っても鬼の様に高い焼酎だけど、其れ相応に美味しいから特別なイベント事にはもってこいの逸品だ。神崎さんも興味持ちそうだからその時は飲ませてあげよう。まだ付き合いがあったらの話だけど。

 

「ほら、この前楓ちゃんが言ってたとこあるじゃない? あそこよあそこ」

「あら、いいですね。私も少し気になってたんです」

「でしょ〜? 実は私も気になってたのよ。まあ、真奈美ちゃんが言い出した事なんだけど」

 

真奈美、それはひょっとして木場真奈美さんの事だろうか。あの人本当に格好良いよね。言動も格好良いし、滲み出るイケメンオーラというかなんというか。いつか話してみたい。

 

「ところで、今日はどなたがいらっしゃるんですか?」

「そうね……瑞樹ちゃんは勿論として……」

「勿論なんですね……」

「後は発端の真奈美ちゃんとあいちゃんかしらね。……あっ、(しん)ちゃんと菜々ちゃんも来るって言ってたわ!」

「!?」

 

な、菜々ちゃん!? う、嘘だ!! 菜々ちゃんが居酒屋なんて行く訳ない! ……い、いや、居酒屋自体は別に問題ないのか。ダメなのはアルコールの摂取。未成年で、しかもアイドルが公共の場での酒盛りはあかんぞ! 飲むなら身内の集まりか宅飲みの時のみに抑えといた方が無難! まあ、菜々ちゃんが居酒屋ってあんまり想像出来ないから多分人違いだと思うんだけど……。

 

「あら、心さんは兎も角……菜々ちゃんもですか?」

 

美優さんとやらが疑問を抱いている。その理由が彼女の言う菜々ちゃんが“未成年だから”であれば私の知っている菜々ちゃんにグッと近付いてしまう。というかよく考えると“菜々”って名前のアイドルは346プロに一人しかいないから……あれ、もしかして人違いじゃない……? 女優の線も考えられるけど、どうなんだろう。まだ確定はできないな。

 

「え? …………あ、ああ! も、勿論お酒は飲ませないわよ!?」

「あ、いえ、勿論それは当たり前ですけど……未成年の菜々ちゃんが来るのは少し意外だったので。その、親御さんに連絡は……」

「それは大丈夫よ。菜々ちゃん一人暮らしだし、遅くなったらお姉さんが責任持って家まで送り届けるわ!」

「早苗さんなら安心ですね。菜々ちゃんのカフェのバイトが終わったら合流ですか?」

 

さっきの空白の時間といい今の言葉といい、これはもう菜々ちゃん確定ですわ。カフェでバイトとかもう菜々ちゃん以外にありえないよね。菜々ちゃんって大人アイドルと仲が良いのかな? 今度聞いてみよ。

 

ていうか、菜々ちゃんって一人暮らしだったんだ。寮住み……ではないよね。見た事ないしそもそもカラオケの後はいつも駅で別れるし、いったい何処に住んでるんだろう。

 

「そうなるわね。真奈美ちゃんとあいちゃんと瑞樹ちゃんは現場から直接行くそうよ。心ちゃんは……何だったかしら?」

「心さんは確か……ドラマの撮影だったような」

「ああそうそう。で、もう終わって戻って来てるそうだから後で合流して四人で店まで行くわよ」

「分かりました。では行きましょうか」

 

そう言って話を切ると彼女らはドライヤーを元の位置へと戻し、仲良く話しながら部屋を退出した。

 

……はぁ、居酒屋ウラヤマシイ。なんで私は未成年なんだろう。精神年齢でいうと余裕で還暦過ぎてるんだけど、どうにかならんもんかねぇ。

 

「……そろそろいいかな」

 

ようやく髪が乾いてきた。テンパの具合も丁寧なブラッシングのおかげでいつもより癖が弱めで良い感じ。更に風呂上がり特有の美人率1.5倍のスキルも発動している筈なので今であれば最高の写真が撮れる……様な気がする! 服装もめっちゃ清楚(当社比)で可憐(当社比)だし、歯も寮出る前にしっかり磨いたし。

 

目の前の鏡へ不敵に微笑むとキラリと光る真っ白な歯が映り込む。三鷹も吃驚仰天の素晴らしいエナメル質だ。

 

「……行くか」

 

現在の時刻は十六時二十分。私は鞄を手に取り撮影ルームへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




……なに? 話が進んでない?
いやこれ日常コメディだから(震え声)
次回は進むからお兄さん許して(懇願)

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