インフィニット・オンライン ~孤高の剣士~ 作:黒ヶ谷・ユーリ・メリディエス
筆が乗ってきた。それすなわち、かなりのライブ感とご都合に塗れているという事だ
一部《アリシゼーション・リコリス》の要素を含んでいます。詳細は後書きにて
視点:キリト、シノン
字数:約七千
ではどうぞ
異界の騎士アリスが発した問いかけに、果たしてどう答えるべきだったかは定かではない。
誤魔化す事は出来なかった。彼女は俺の表情を見て、俺が何かしらの答えを得ていると確信し、問いを投げてきていた。曖昧な返答で納得されるとは思えなかった。故に真実を告げた事を、過ちとは思っていない。
だが――あまりに性急過ぎたとは、思っている。
俺が得た答えの前提――それは、アリスが知る知識には無い事柄が多い筈だった。異界に来て様々な事を知ったとは言え、それでも知らない事はあった筈だ。
仮想世界の事、AIの存在を知っただろう。しかしAIの性質や特性――『上位者に逆らえない』という制約については、厳密には知らない筈だ。キリカが自己崩壊を来した経緯をAIの可能性が高いアリスに話す可能性はかなり低い。
それらを省いた上で真っ向から真実をぶつけた事は、俺にとって省みるべき点だ。
そして、それがあまりに致命的である事に、俺は遅まきながら気付かされる事になった。
始まりは、アリスの声なき慟哭だった。
瞳孔を限界まで縮ませ、見開かれた目から涙が流れる中、開かれた彼女の口からはひゅっ、ひゅっという忙しない浅息が聴いて取れた。
まるでトラウマが蘇った時の自分のようだった。
その時点で、俺は真実を伝えるにはあまりに言葉足らずだったと気付き、しかし今の様子ではそれどころではなさそうだと思い、最後にどうするべきかと思考を回した。
――事態が動き出したのはその時だ。
アリスの滑らかな額の中心から、紫色の光が一筋迸ったのだ。
「ぁ……ぁ、あぁ……っ」
脊髄反射のようにアリスの体が痙攣し、喉から声が発せられる。その様子を見た仲間達も何事かと見守る中、俺は特に額を凝視した。
光っているのは、小さな逆三角形のマークだ。しかしただの紋様と思ったのも束の間で、すぐに額からせり上がる形で徐々に外気に触れる体積を増やしている。水晶のように透明な三角柱が眩い光を振りまきながら、一センチ、二センチとせり出していく。
その三角柱の内部では、微細な光の筋が縦横に走り回っていた。
突き出した部分が五センチを超えた時、それはいよいよ眩く輝き、りん、りん、という不思議な音を奏で始める。
その光景を、俺達は誰もが固唾を呑んで凝視していた。
誰も動けないでいた、と言う方が正しいだろう。何をすればいいか分からないから当然だ。今のアリスは自身の価値観の変革を起こしている最中。そこにこれ以上の外部刺激を加える事を忌避する感覚が、キリカの過去を知る俺達にはまざまざと蘇っていた。
その忌避感を他所に、俺の思考は別の事で回り続けていた。
すなわち、この三角柱の正体と、これが埋め込まれた経緯と目的についてだ。
今のアリスの状態は、これまで彼女が信じてきた人界――ひいてはそれを収めていた公理教会への疑心を、確定付けている最中。俺の言葉はそれを決定的なものにするための後押しとして欲していたように思う。アリスはそれくらいの確信を得ていた筈だ。
そしてその変革の最中に現れた三角柱。それはまるで、その変革との拒否反応のようなタイミングだった。
事実、拒否反応なのだろう。
であればあの三角柱は整合騎士に埋め込まれたモノと見た方がいい。アレはおそらく最高司祭と公理教会を絶対視し、疑心を抱かせないための思考修正器具だ。
もし人界に生きる者全てに埋め込まれているなら、法を順守する者ばかりになる。
――つまり、その世界の”キリト”が罪を犯す必要性も無くなる訳だ。
『法を順守する事』と『法を犯さない事』は、似ているようで実は違う。
前者は法を破らないだけでなく法が定めた通りに生きる事を指す。
翻って後者は法を破らないようにするのは同じだが、法に定めていない事は平然とやる。
人界で法を犯した”キリト”がいる事が、あの三角柱を人界全ての民に埋め込まれていない事の根拠になるのだ。
この異界に来るまで公理教会を絶対視していたアリスと、咎人キリトの経歴が、その証明だった。
そしておそらく、あの三角柱は意識の変容を良しとしない異物だ。
思想、思考を強制するモノだから異物なのは当然。アレが残っている限りアリスが今感じているだろう苦しみは継続するものとみていい。
アルベリヒの命令に対し、キリカが誓いと板挟みに遭い、苦しんだ時のような状況が延々と続くのだ。自分もリーファに全てを否定された時の苦しみをずっと受ける事になったら辛いどころではないと思った。
だから俺は、アリスの額に手を伸ばした。彼女の額からせり出した三角柱を引っ張り出すために。
――――だが。
俺が伸ばした手は、金色の篭手に包まれた左手に掴まれた。
「アリス……?」
何を、と。そう続けようとした時だ。
アリスの右手が、剣の柄へ伸ばされたのを見た。
「全員離れろッ!!!」
咄嗟にそう叫んだのと。
「――エンハンス・アーマメント」
静かに、厳かに、武装完全支配術の文言が紡がれたのは、ほぼ同時だった。
直後、俺の視界は爆発する黄金色の輝きに占拠された。
キリトの声を聴いて咄嗟に動けた人はそう多くなかった。むしろ動けた人の大半は危険を察知して、彼を守ろうと駆け寄ろうとしていた。
それを遮るように、半透明な膜が展開された。駆け寄る人達はそれに歩みを止められた。
黄金の騎士と、もっとも彼女の近くに居たキリトの二人だけが、その膜の内側だった。
――そして、黄金色の爆発も、膜の内側に留められた。
華奢な黒衣の姿は、その輝きに飲み込まれ、搔き消える。
重い振動が伝わった。
「キリト――――ッ!」
咄嗟に名前を叫んだ。自分以外に何人も、彼の名を叫んでいた。
――間を置かず、ガシャァッ! と膜を突き破るように内側から黒が飛び出した。
しかしそれは、自発的なものではなかった。金色の風に押しやられていた。
アリスの攻撃だった。
彼女を見れば、金の騎士はその場に立ち、刃なき柄を手に佇んでいた。しかしその目はどこか虚ろだ。額からは変わらず紫に輝く三角柱が浮き続けている。
どう見ても正常とは思えなかった。
「アリス、何のつもり?! なんでキリトを攻撃して……?!」
立ち上がり、キリトを庇うように距離を取る。肩に担いでいた弓を手に取り、矢を番え、鏃を金の騎士に向けた。混乱の最中にある仲間達も武器に手をかけ、あるいは抜剣して構えを取った。
そんな私達を前に、しかしアリスは虚ろな目のままだった。
――焦点を結ぶ先は、キリトだ。
今の彼女にはキリトしか見えていない。
しかし、なぜ――――?
「私、は――」
ポツリと、アリスが言葉を発した。呼応するように風となっていた黄金が彼女の手元に集まり、刀身を形作る。
そしてその切っ先を突き付けてきた。
狙いは、やはり同じ。
尋常ならざる様子に息を呑む中、彼女は厳かに言葉を続けた。
「私は、整合騎士アリス・シンセシス・サーティ。我が課せられた使命は最高司祭様と人界の守護也。勅命により、反逆者を我が
「な……」
彼女の宣言は、無機質の極みだった。そして感情の籠っていないそれの内容は先ほどまでの彼女の言動とあまりに反していた。
反していたから気付けた。
彼女は、かつてのキリカと同じだ。洗脳されているのだ。右目の封印と額の三角柱を施した者にとって不都合な事が起きた時、自動的に
多分こうなった状態だと最も最新の上位者による命令が優先されるようになっている。
すなわち――人界とやらで咎人となった”キリト”の抹殺。
厳密に言えば、こちらのキリトはまた別人なのだが、どうにもキリト本人もアリスも同一人物と捉えていたようだし、その辺の認識も加味されているようだ。だから洗脳されたアリスはキリトに刃を向けた。
そしておそらく、キリトを庇うように武器を向ける私達も……
「――それを向けるべきは、少なくともこっちの俺じゃないんだがな!」
様々な予想をしていると、背後からそう言い放つ少年の声が聞こえた。
直後、矢を番え警戒する私の横を小さな黒が駆け抜ける。何を、と言う間もなく、魔剣と聖剣を重ねた剣劇で金木犀の剣を押さえ込んだ。
鍔迫り合いは、すぐに終わった。どちらからともなく剣を弾いたのだ。
三、四メートルほど距離が開く。単純な剣の長さ以上ではあるが、一歩踏み込めば届いてしまう距離だ。
「エンハンス・アーマメント……!」
しかし洗脳され――いや、予め埋め込まれていた命令の通りに動いているアリスは、より単純に、より確実な手段で目的を遂行しようとしていた。
再び彼女の神器がその身を風へと変える。束となった金の風が、暴力的な圧力を伴って少年に向かう。
――対する少年も、魔剣から闇を迸らせていた。
イレギュラーにはイレギュラーをぶつける。それがSAO時代から続けられた、彼の対応策だった。
心意の技に対し、彼もまた瞋恚で応じたのだ。
「フォールブランドッ!」
金の風に抗うように、真っ向から闇の剣撃を叩き付け、波濤を放って拮抗する。金の波と黒の波が衝突する中心部で二色の輝きが鬩ぎ合い、球形の力場が発生していた。
圧力を肌に感じるが、生じた風はむしろ力場に集中するように渦を巻いている。
想像するのは簡単だった。二人が放つ心意技の規模は大きく、周囲の空間を巻き込むような性質だ。その性質が素直に反映された結果なのだ。どちらかが押し切られなければこの仮想世界の空間という空間はあの力場に吸い寄せられ続ける。
あの力場はある種のブラックホールなのだ。
色合いこそ光を放っているが、その性質だけを見れば間違いなかった。
――そのせいでどちらも一歩も退けないでいる。
退けば足を取られる。それが致命的な隙であると、キリトはもちろん平静でないアリスも悟っているのだ。
ならば誰かが助けになればいいのか。例えばユウキが、先のボスを屠った時の光の波濤を放ち、キリトを後押しすれば。
それも一つの手ではある。ただしそのためには、アリスを死なせる覚悟が不可欠だった。
SA:OはNPC達にとってのデスゲーム。つまり、プレイヤーにとってはそうではない。事態からして既に通常のゲームと言えなくなっているが、実情を鑑みれば、プレイヤーが死んだ時に喪うものは軽めのデスペナルティだけなのだ。
しかし異界の騎士アリスは違う。最早彼女がAIである事は確信しているが、同時に異なる世界に住まう人間であるのも事実だった。
つまり彼女は傷つけば血を流すし、命を落としもする。仮想世界の中にあって、彼女はプレミアやキズメルらよりもより一層リアルな”人間”だった。
彼女が純粋な敵であれば、互いに覚悟を持っている以上、私も、もちろんユウキ達も一も二もなくキリトに加勢した。ただそうするには彼女はあまりに善人で、高潔な騎士だった。刃を交えている現状が、彼女の意志でないものである事も理由としては大きい。
それゆえに、私達は動けないでいた。
その最中、事態が動き出した。
金の風も、闇の波濤も衰える事は無く、衝突は続いていた。周囲の空間を吸い込んで膨張する力場もまた。
その力場がふとした瞬間、ぎゅぅっと激烈な凝縮を起こした。
直後、破裂する。
「く――っ?!」
心意技同士が長時間衝突し、融合することで生まれた異常な力の激流が無差別に放たれる。暴力的な圧力に対して身を低くする。
そんな中、私は対峙していた二人を見た。
両者ともに破裂直前の凝縮に際し、空間の吸引に足を取られ、ある程度中心に寄っていた。まるでボールに対してスライディングをするような位置関係。二人は力場のほぼ真下にいたのだ。
――そして力場が暴発。
真っ向から破裂した力場の奔流を受け、キリトとアリスは石畳に叩きつけられた。
更に荒れ狂う奔流はアインクラッド未完領域最奥の青黒い石畳を叩き、縦横無数の亀裂を発生させた。間違いなく《破壊不能》属性を持つ構造物がいとも容易く瓦解する。それこそが心意の持つ『事象の上書き』の性質に他ならない事を理解しながら、二人が崩壊する岩塊達とともに闇へ落ちていく光景が視界に焼き付いた
――既視感。
なにと、とは考えるまでもなかった。
第一層外周部から落とされた時とだ。あの時とは状況が違うし、落ちたところで彼が死ぬわけではない。それでも、反射的に手を伸ばしていた。
仲間達も一拍の間を置いて。あるいは、心意の圧力から解放されて。各々が思うように動き出した。当然その大多数を占めるのは二人の救出である。誰もがぽっかりと空いた穴に駆け寄ろうとした。
しかしそれらの行動が実を結ぶことは無かった。
崩壊し、闇に堕ちた筈の青黒い石材が一つ、また一つと端の方から再構成され、新たな床を形成し始めていたからだ。それらは全方位から穴を塞ぎに掛かり、ものの二、三秒で完全に縦横に規則正しく敷き詰められる。
愕然としながらも、思考は回り続ける。
心意の性質で起きた崩壊は、それを来す使い手――キリトとアリスが居たから生じたものだ。だから二人がこの場から去った以上その上書きが止まり、《破壊不能》属性が優先され、元の状態に戻されるのが当然なのだ、と。
現実から目を背けるように速い回転だった。
おそらく、多かれ少なかれ似たような状態になった仲間達の中で、それでもなお穴があった場所へ駆け寄る人物がいた。
ティアだった。
「キリト……ッ! キリトッ!」
銀髪を振り乱しながら、彼女は少年の名を叫び、無我夢中に拳を叩きつけていた。
彼女の気持ちは、痛いほど理解出来た。
かつて自分も抱いたものだから。
――しかし、どう諭したものだろうか。
二度、三度と
彼女が人を――厳密にはキリト以外を――信用していないのは周知の事実だ。おそらく”闇”に呑まれたのもそれが原因だろうと、仲間の大半は察している。今はそれから脱せているが、だからといって不信や人への怨みを克服できたと思うのは安易に過ぎる。
私は、人の怨みの根深さと恐ろしさをよく知っている。
まして今のティアは取り乱していた。そんな彼女に、過去同じ思いをしたからと落ち着くよう言っても、聞き入れられる可能性は低い。
そう思案する中、ティアに近付く人がいた。
キリカだった。
彼は静かにティアの元に行くと、振り上げられた拳を、手首を掴むことで止めた。途端、キッとティアが彼を睨みつける。
純粋な怒りと言うにはやや負の色合いが強い表情を前にして、彼は取り乱さなかった。
「ヤツなら心配いらない。アリスを元に戻して、また合流する。ティアを助けたようにな」
「っ……」
彼が発した言葉は端的で明快だった。
キリトに対する私情も、ティアが抱く感情も含めず、実績だけを評価した言葉だった。
その実績の一つとなるティアは意表を突かれたように黙った。何かを言おうとしたが、しかし何も言わないまま口を閉ざす。
――ティアがまだ理性的でよかった。
心中でそう零す。
もし、彼が心配ではないのかとか。薄情ではないのかとか。そういった事を口にしていれば――きっと、仲間の誰かと口論が起きていた。
いまティアが抱いている気持ち。
それは、ティアを救うためにキリトが残った時の、私達の気持ちそのものなのだ。
言い争う気配が遠のくのを感じ、私は息を吐いた。
ため息の相手はここにはいないあの少年だ。
何時まで経っても。
どこに行っても。
あの少年は、私達に心配ばかり掛けさせる。彼なら為すだろうと信頼しているが、そこに至るまでの彼の無茶無理無謀さを考えれば信頼以上の懸念を抱く。
なにせ”守りたい”と彼が思った相手には、限界を超え、死力を尽くしてでも力になろうとするのだ。尽くすと言ってもいい。
そして、アリスが彼にとって”どう”なのかは、最早考えるまでもない。
「――なら、さっさとこんな騒動、収めてしまいましょう」
争う気配は無いが、しかし纏まってもない空気の中、私は手を叩いて注目を集め、そう言った。
音頭を取るのは自分の柄でないと自覚しているが、いつまでもこうしていられないのは事実なのだ。浮遊城再臨や
なにより、私達が不甲斐ないほど、それを補うようにキリトに掛かる負担が大きくなる。
ただでさえ
そう考える私と気持ちを同じにしたのか、アスナが近づいてきて、笑みを浮かべた。
「……そうだね。元々ティアちゃんと対峙するために彼が残った時点で、彼抜きでモジュールと戦うつもりだったんだもの。アリスさんの事は想定外だけど……私達はまず、私達のすべき事を優先しよう」
そう彼女が言うと、仲間達もこくりと頷く。
その光景を見ながら私はキリトとアリスの無事を祈った。
Q:アリスの額から出た三角柱はなに?
A:主に原作12~14巻で『
騎士としての造られた記憶と行動原則が統合され、新たな人格を形成するツール。これを埋め込まれた者は公理教会と人界、アドミニストレータの守護――すなわち『永遠の停滞』という秩序維持の兵士と化す。更に過去の記憶を思い出せないようにする遮断機構でもある
言わば『価値観』の洗脳強化
拒絶反応でせり上がった時は茫然自失、あるいは埋め込まれた命令を忠実に遂行するマシーンと化す
本作アリスの場合は後者になった
Q:原作だとアリスからモジュールは出てないのでは?
A:原作でモジュールを出したのは騎士化して一か月の三十一番目の騎士エルドリエのみ
彼の場合は『母』の名から記憶を励起され、拒絶反応で出現
ゲーム《アリリコ》ではデュソルバート・シンセシス・セブン、シェータ・シンセシス・トゥエルブの二人も最高司祭の心意により出現させた。無意識レベルの願望を否定した上で命令した影響か、過去の記憶に拒絶反応を示すようにモジュールが現れている
本作アリスの場合、騎士としての価値観と右目の封印の双方に対し、認識が鬩ぎ合った結果の拒絶反応で出現している
もしも『妹』というアリスにとって無意識下でも求める拠り所があれば、原作のように戦いにはならず、順当に右目の封印を破れていた
Q:なぜ毎回キリトは単独で別行動?
A:誰もかれもキリトに何らかの形で執着してるせい
ティアもアリスも、過去のセブン、ホロウ、ヴァフスらも、ぶっちゃけ瞋恚され関わってなければ仲間の助けを求めていた。瞋恚のせいで、心意を使えない仲間を巻き込まないよう立ち回っている
合流がもうちょっと早くて、キリカやユウキが心意を使えるようになったと知っていれば、少しは違ったかもしれない
・暴走アリス
最高司祭の操り人形
記憶を奪われ、思想を操られ、価値観を強いられ、意志を抑制された者
制御下から離れようとしたが、寄る辺がなく、離れきれなかった
人界の歪さが凝縮された一例
・キリト
”咎人”と重ねられた人間
立場を追われ、名を貶められ、死を求められ、しかし抗い続けた者
現実の歪さが凝縮された一例
・シノン
キリトに救われた者
救われた側故に、キリトの実力と意志の強さを信じている。そしてそれ以上にキリトに掛かる負担を案じている
暫くキリトとティアに焦点を当てていたので、これからはキリカ側に焦点を当てます。キリトとアリスは暫くフェードアウトです(SA:O本筋ではないので)
では、次話にてお会いしましょう