インフィニット・オンライン ~孤高の剣士~   作:黒ヶ谷・ユーリ・メリディエス

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 どうも、おはこんばんにちは

 ロスト・ソング編からずーーーーーーっと出番が無かったキャラが今話の主役

 偉大な姉がいると苦労するんやなって……

視点:篠ノ之箒

字数:約七千

 ではどうぞ




幕間之物語:剣道編 ~先ニ立タヌ慚愧(ザンキ)

 

 

 全国中学剣道大会。

 それは、八月二十日から二十二日の三日に渡り、東京都新宿区のホールにて開かれた中等部の全国大会だ。今日はその最終日であり、つい先ほど決勝戦を終えたところである。

 とある中学の剣道部に所属する私は、その大会で二度目となる優勝を果たした。とは言え、一度目とは異なる名前での出場なので、対外的には別人として扱われる。協会から贈呈されるトロフィーも、名を偽る過程で邪魔になるから遠からず処分される事が決まっていた。

 それでも、優勝の座に立てた事はとても栄誉な事だ。

 

 だが、私の内心は陰鬱なものだった。

 

 ――二年前。

 

 《重要人物保護プログラム》という日本政府の指示で父母から離れ、名を変え各地の学校と点々としていた私は、とある中学の剣道部に所属した。その時は丁度夏の大会に差し掛かっていた。幼い頃より剣道を学んでいた私は、すぐに部活のエースとして期待され、各試合に出場するようになった。

 そうして中学一年にして異例の全国大会出場になり――

 

 そこで、私は負けた。

 

 私を下した相手は桐ヶ谷直葉といった。黒髪を肩口で揃え、鋭い双眸の中学二年生だった。彼女は全ての試合で一本も取られる事無く圧勝し、優勝を掻っ攫った。無論私も一本も取れず敗北を喫した一人だ。

 その事実を受け容れられたのはつい最近――およそ二年の時を要した。

 姉の身勝手さに振り回され一家は離散。親しかった男友達とも離れ離れとなり、各地を点々とするから特定の友人も出来ない。仮に作っても、転校する時にはまた別の名前になるから連絡も取れない。

 そんな私にとっての心の支えが”篠ノ之流”だった。

 源流が古武術故、無手や二刀流、槍など様々な武器を扱うが、時代の流れに沿ってか基本は剣道に絞られた流派だ。その門下生である自身も主に剣道を学ぶ身だった。

 剣道だけが、心の拠り所だったのだ。

 家族と共に暮らしていた在りし日を思い返させてくれた。

 

 それが桐ヶ谷直葉との試合で崩された。

 

 友もおらず、家族も離れ離れの私は荒れに荒れた。幼年からの鍛錬も、家族や友人との日々も否定されたような気持ちだった。

 だから、次こそは勝つと意気込んでいた。

 

 しかし、その意気込みは空しく散る事になる。

 

 私が中学二年、直葉が三年の時の大会で、彼女は出場していなかった。そしてその大会で私は優勝した。

 中学三年になった今年の大会も同じ。無論、それはあちらが高校生になったからという話だ。

 そして私は来年、”IS発明者の妹”だからとIS学園への入学が決まっている。IS学園はその性質上、どこかの大会に参加しない。つまり高校剣道大会で(まみ)える機会そのものがない。

 そう途方に暮れている私の耳に《SAO事件》の顛末が入ってきた。デスゲーム解放の立役者の名前も、素性も――その義姉として、桐ヶ谷直葉がいる事も。

 私がVRMMORPGに興味を示したのはその時だ。

 彼女と会い、剣で立ち合いたくで手を出した。

 ネットを少し調べれば彼女のリアルネームとVRMMOのアバターネームを探し出す事も容易かった。そのお陰でVRMMOで接触する事も出来た。

 【スヴァルト・アールヴヘイム】。その最初の島《ヴォークリンデ》で、私は仲間と共にいる彼女と会った。

 

 ――そして、織斑一夏(桐ヶ谷和人)とも再会した。

 

 あの少年と私の因縁は浅くない。対外的には、二日だけ彼が通った剣道場の門下生同士。あるいは、私が懐いていた秋十を介した知り合い。

 だが実態は違う。

 剣道を拠り所にしていたのは幼い頃から変わりない。今は寂寥感を埋めるためだが、幼い頃はそれの強さが価値観にもなっていた。父も母も、姉も、その親友も、兄と慕っていた秋十も、篠ノ之流の何れかを修めて強かった。

 だがあの少年は二日で辞めた。

 ……いや、今思えば、それは英断に違いなかった。

 一日目。つまり入門初日は、兄弟子にあたる秋十や他の門下生から一方的に扱かれていた。竹刀の持ち方もあやふや、構え方や振り方も知らない彼は、兄弟子たちに滅多打ちにされていた。

 その姿を、幼い私は『情けない』としか思っていなかった。兄である秋十はすぐに出来たのに、と。他の門下生も出来たのに、同じ男なのになぜ出来ないのか、と。

 物心付いた頃から竹刀を握っていた私はそれが誰にでも出来る事だと思い込んでいた。

 私は他の門下生と共に彼の扱きに参加した。

 そして、二日目。

 彼は師範である父に直談判し、道場から立ち去った。後に彼の兄、姉らと口論になったらしいが、幼い男子が道場に現れる事は二度と無かった。

 

 妖精郷での再会はそれ以来だ。

 

 直葉について調べる過程で、彼がデスゲームクリアの立役者である事も、秋十への復讐を掛けて己の分身と殺し合った事も把握していた私の心に怯えが生まれた。直葉への闘争心――剣気は、その時に萎えてしまった。

 今ではもうグチャグチャだ。

 スプリガンの剣士《ブルム》としてALOにログインし、リーファに勝負を仕掛ける。身分を明かす必要は無い筈なのに、それすら出来ないのは何故なのか。気付かれると予感し、それに恐れているからか。その恐れだけで、己の拠り所である剣道の否定を覆せない己がどうしようもなく情けない。

 何より情けないのは、それを認めたくないがあまり、激情に任せて剣を振るう己自身。

 

 その果てに辿り着いた全国大会での優勝は――私にとって、何の栄誉にもなり得ない。

 

 時を戻したい、と常々思う。過去に戻り、過去の己を殺し、私が歩んできた全てを無かった事にしたいと。

 剣道袋を背負い、宛がわれているマンションへの帰途を歩きながら、私は深いため息を吐いた。

 

「きゃああああああ!!!」

 

 そこで、耳を劈かんばかりの女性の悲鳴が聞こえた。

 方向は前方。ハッとして俯けていた頭を上げれば、幾人かの男達が周囲の通行人に暴力を振るっている光景が映った。中には折り畳めるバタフライナイフやメリケンを握る者もいる。

 その男達の誰もが目を血走らせ、愉悦に歪んだ笑みを浮かべていた。

 

 ――その笑みが、記憶にあるそれと重なった。

 

 幼い子供を虐げる者達の下卑た顔。恐らくは、かつての己も浮かべていたのだろうそれに、思わず顔を顰める。

 それを振り払うように私は荷物から竹刀を取り出し、今まさに殴られようとしている女性の前に割って入った。振るわれる拳を柄で受け止め、膠着状態を作る。

 

「ぁあっ?」

 

 男は周囲に意識を割いていなかったのか、私の乱入に胡乱な声を上げ、困惑を見せた。その隙を突いて拳を弾き、後退させる。

 

「警察を! 早く!」

 

 背後のOLらしき女性に言うと、彼女は素早く頷いて距離を取った。バッグから携帯端末を取り出すのを見送った後、私は改めて暴漢達へと意識を向ける。

 

「なんだぁ、テメェ、やんのかぁ?!」

「そんなオモチャでやれると思ってのかよ?」

「女の時代はもう終わりなんだよ……それを分からせてやらァっ!」

 

 ある者は拳を、ある者は得物を握る手に力を込めつつ、そう怒鳴ってきた。暴力を振るうのを邪魔された事に余程イラついたらしい。その異常な興奮ぶりから、なにかクスリをしている可能性も考えられた。

 何れにせよ、今はチンピラ程度に負けるほど私も弱くはない。

 私を監視しているだろう政府の手の者も遅れてくるだろう――という希望的観測も込みでの事だった。他人頼りではあるが、目の前で暴力を振るわれてるのをみすみす見過ごすわけにはいかなかった。

 ――贖罪にも、なりはしないのに。

 

「死ねやあぁぁ――――げふっ?!」

 

 竹刀を正眼に構える私に殴りかかろうと走り出そうとした正にその時、急接近してきたバイクの運転手の蹴りが飛んできて、茶髪をツンツンにしたメリケン男が横に吹っ飛んだ。

 突然の事態に私もあちらも動きが止まる。

 それを他所に、キキィッ! と鋭いブレーキ音を立てて一台のバイクが止まる。

 

「女の子一人に何人掛かりだよお前ら」

 

 運転手らしき男がヘルメットを外し、バイクを降りながら言う。するとその後ろに乗っていたらしい小柄な子供も素顔を露わにした。

 その顔を見て、私は限界まで目を見開き、驚いた。

 ここ二日で殺人犯だの、冤罪だのと大騒ぎになっていたデスゲームクリアの立役者――そして、私の原罪の生き証人とも言える人物だったからだ。

 

「お前は……なぜ、こんなところに……」

 

 私が漏らした声に、彼はこちらを一瞥したが、すぐ男達の方を向いた。

 

「クッソが……! テメェら、ぜってぇぶっ殺す!」

 

 バイク運転手の男に蹴り飛ばされたメリケン男が怒り心頭で、視線だけで射殺さんばかりにこちらを睨んできていた。その周りにもやはり殺気立った男達が複数。

 

「世間話するなら、こいつらを伸してからだな」

 

 そんな男達を前に、バイクの運転手が独特の構えを取る。カンフーにも似たそれを見て、一夏(かずと)もやや両手を低めにした構えを取った。

 私も気を取り直し、竹刀を正眼に構え直す。

 

「お嬢ちゃん、自分の身は自分で守れるな?」

「無論です」

「なら安心だ――――行くぞォッ!!!」

 

 バイク男が怒声を上げたのを皮切りに、私達の乱闘が幕を開けた。

 

 

 男達は七人。

 対するこちらは三人。

 数の上では劣勢だったが、結果はこちらの勝利で収まった。私はナイフを持った男を無力化するうちに、バイク男と一夏(かずと)が残る六人をなぎ倒したからだ。二人とも無手なのに恐ろしく強いのは踏んだ場数の差というものなのだろう。

 暴漢達が歩道に倒れ、ひとまずの安全を確保できたと判断した後、一夏(かずと)が端末を取り出してどこかに連絡を取り始める。

 それを他所に、バイク男がこちらに近付いてきた。

 

「無事か? 怪我はしてない?」

「え、えぇ……なんとか」

「そっか。なら良かった」

 

 そう言って微笑んだ男は、懐から名刺を取り出し、差し出してきた。

 

「俺、探偵をしてる八神っていうんだ。今はあっちにいる桐ヶ谷君の依頼で、東京全域で起きてる暴動の鎮圧に動いてる」

「は、はぁ……って、え? こういう事が、まだ他に起きてるんですか?」

 

 思わず唖然としてしまった。確かにホームレスや不良のたまり場、危険な場所があると学校から教えられ、近付かないよう注意喚起されてはいたが、暴徒がそこかしこで暴れ回るほど治安が悪いとは聞いた覚えがない。

 その驚きを察したらしい八神探偵は、苦笑を浮かべて頭を掻いた。それから囁き声で告げてきた。

 

「あと、此処に来たのは別件もある。篠ノ之束博士がさ、君を守って欲しいって」

 

 瞬間、どくん、と胸が鼓動した。得も言われぬ不安に駆られ、思わず探偵から距離を取る。

 

「……姉さんが? 何の目的で……」

 

 私の姉。

 天災と自他ともに認める女性。

 何を考えているか分からない、何をやらかすか知れない存在。

 一家を、私の幸せを粉々にした張本人。

 そんな人が、今更になってなぜ私を守ろうと言うのか。《重要人物保護プログラム》などというものに囚われている私を、なぜ今になって。

 

「――目的も何も、大切だから守ろうとするんだろう」

 

 不信感に駆られる私にそう言ってきたのは端末で連絡を終え、こちらに近付いてきていた一夏(かずと)だった。私に向けられた表情にはどこか呆れが見て取れた。

 その顔に苛立ちを覚えた私は、ぐっと奥歯を噛み締めた後、絞り出すように言葉を発した。

 

「……あの人が、私を大切に思っている筈がない」

 

 ――もし、本当に大切に思っているのなら。

 身勝手に姿を消すことも、一家離散を止めなかった事も、起きなかった筈なのだ。

 

「あっそ」

 

 その、私の堪えた感情や思いを。

 彼はどうでもいいと言わんばかりの態度で、呆気なく、淡々と、一言で吐き捨てた。

 

「悪いがアンタが博士をどう思っていようとこっちには関係ない。ただ、アンタが捕まると、こっちの都合が悪いんだよ」

「ふん……また、都合、か」

 

 一夏(かずと)の言い分を聞いた私は込み上げる苛立ちを露わに呟いた。

 いつもいつも、いつだってそうだった。家族が離れ離れになったのも、各地を転校しているのも、何とか出来た友人と連絡が取れないのも、全部他人の身勝手な都合によるものだった。

 今回も、姉の都合が悪くなるから守ろうとしているだけ。

 どうでもよくなったら、また放り出されるのだ。

 その心境で睨み合っていると、横合いから空気を読まない大声が投げかけられた。

 

「おーいター坊! こっち乗ってけ!」

 

 そう言いながら手を振るのは、派手な柄シャツの大男だった。その脇には白いボックスカーが停まっていて、運転席に茶髪の青年、助手席にサングラスを掛けたオールバックの男性が座っていた。少なくとも運転手の青年以外は先の暴漢に似た雰囲気を感じる。

 

「あれ……海藤さん? 東に、なんで杉浦まで……」

「ンな事はいいから、さっさと乗れ。そろそろ増援が来ちまう」

 

 助手席に座るサングラスの男がそう言うと、視線をこちらに向けてきた。

 

「嬢ちゃんも、怪しいとは思うだろうが乗ってくれ」

「……分かりました」

 

 正直、確かに怪しさ満点ではあり、それに乗るのは(はばか)られた。私が件のプログラムで名を偽っているのは《篠ノ之束》という世紀の大天才を意のままに操ろうとする輩から守るためだ。同時に、他国に対するアドバンテージを少しでも保っておくためでもある。

 つまりこの男達を誘拐犯と考える事も出来るのだが――

 そこで、私は背後を見た。そこには腕を組んで佇む黒髪黒目の少年が居て、じっと私がバンに乗り込むのを見張っている。

 恐らく逃げようとすれば問答無用で捕らえるだろうし、何だかんだと文句を付けて拒否すれば、やはり力ずくで乗せようとするだろう。

 そんな予想が浮かぶが、しかし彼が決して悪辣な人間でないとは周知レベルの認識だ。彼が信じる人間を私も信じる事にした。

 ……随分と、都合のいい人間だと思う。

 人の都合に振り回される状況に嫌気がさしているのに、それに甘え、身を任せている自分。

 それが私は一番不愉快だった。

 

 

 白バンに乗り込んだ後、《IS委員会》本部ビルまでの道すがら、なぜ私を守る必要があるかを八神と一夏(かずと)組、海藤らがそれぞれ話してくれた。

 八神らは各地の暴徒を鎮圧するべく、警備網を敷いている人達から場所を指示され、小回りの利くバイクで移動していた。そんな中、警備担当の一人である姉が直々に私を守りに向かうよう依頼した。

 その裏で、姉は八神探偵の相棒である海藤にも連絡。私を《IS委員会》の本部まで運ぶ仕事を依頼。そのとき丁度横浜から来ていた茶髪の青年《杉浦文也》、探偵事務所を訪ねていた《(ひがし)(とおる)》も暴徒への戦力として参加を表明。その結果、この面々での送迎という事になったらしい。

 

「博士サンの話じゃ、妹のアンタだけじゃなく、そもそも和人側の人間の誰かしらが捕まってもマズい状況らしい」

 

 そして、いよいよ私を守らなければならない理由に入った。助手席に座るサングラスにスーツの男・東が語り始めた。

 

「《亡国機業(ファントム・タスク)》だっけか。例の須郷信之の他、同じ留置所にいた裁判待ちの犯罪者を脱獄させたのも、その組織ってのが博士サンの予想だ。そうなると他人を洗脳できる技術持ちと、ISを十分に使える戦力が揃った事になる。無人機があるってのにわざわざ有人前提のそれを用意したって事は、本命は別。いま暴れてる暴徒は鉄砲玉……要するに捨て駒って訳だ」

 

 そう東が言うと、引き継ぐように運転中の青年・杉浦が口を開いた。

 

「結構考えられた作戦だよね。無人機だけだと和人君がすぐにISを使って制圧しちゃう。だからこそ、生身の人間を先鋒に使って混乱を生んだんだ」

「で、その混乱の間に和人側の重要人物を攫って、洗脳しちまえば終わりって寸法だ。アンタを攫えば博士が、他は和人が身動き取れなくなるし、ただ暴れるだけでも警察や市民の目を集められる。それだけで《亡国機業》は好き放題に出来ちまう。それを阻止するためにター坊を足に、対抗札の和人が各地を点々と回って、警備の穴を埋めつつ情報を集めてるって訳だ」

 

 杉浦の後を海藤が繋いで語る。

 その内容を、私はどうにか呑み込もうとするが、どうしても引っ掛かりを覚えてしまっていた。

 

「ですが……私は、一夏(かずと)と親しくありません。まして姉とは、もう何年も……」

「関係無いんだよ、他人からすれば」

 

 戸惑う私にピシャリと言ったのは、やはり一夏(かずと)だった。隣に座る彼は腕を組み、瞑目したまま言葉を続けていく。

 

「アンタがどれだけ否定しようと、”篠ノ之束の妹”という立場からは逃れられないんだ。立場を変え、名を変えた俺ですら、未だ”織斑一夏”としての風評を背負ってるように」

 

 そう言って、彼は目を開いてこちらを見ていた。感情を浮かべない黒い瞳が私を射抜く。

 

「自分だけ逃げられると思うなよ……?」

「っ……」

 

 その言葉は、まるで過去から目を背けるなと言っているかのようだった。

 

 






・篠ノ之箒
 束の実妹(簪と同年齢)
 《重要人物保護プログラム》で名を変え、各地を点々としているが、束はその所在を常に把握していたので八神・和人、海藤らを援護に送らせられた

 原作では『想い人から切り離された姉への怒り(意訳)』から剣道に打ち込み、暴力的に優勝しているが、本作では『善悪の判断が付いた事で過去を省み、それを受け止め切れずに剣道に依存した』末の優勝になっている
 つまり本作の箒は『ダウナーモッピー』
 物心ついた頃から剣を振っていたので『出来て当然』と思い込み、幼い頃は剣の強さを対人関係の価値基準に据えていた。なのでそれが出来なかった一夏/和人を見下し、秋十に懐いていた(秋十が敢えて好感度が高くなるよう仕組んでいた)
 ALOにはリーファと戦いたいがためにログイン。プレイヤー名は《ブルム》。ヴォークリンデで出会えたはいいが、キリトもその場にいて過去を思い出してしまい、以降姿を見せなくなってしまった
 箒的には、直葉は『もう一度戦いたい相手』、和人は『後ろめたさで二度と顔を合わせたくない相手』という認識。それが義姉弟という現実よ……

 本人の望まぬところで優秀な姉目的で利用される状況になり、思わぬ再会を果たす
 一夏/和人同様、優秀な姉と比較されることや、姉関係で振り回される事に嫌悪感を覚えているが、彼と違って抗う気力は無いので、海藤らの白バンに乗る事にも強い拒否を示さなかった(原作だと一夏への恋心、強い自負心から確実に一度は口論している)


・桐ヶ谷和人
 因縁の相手と再会した主人公
 こちらは《ブルム》の正体に気付いてないので実に五、六年越しの再会の認識。その理由が『箒の保護』とは何たる皮肉か
 『姉と自分は関係ない(願望)』という箒の心情を見抜いている
 現時点ではIS操縦者の暴動が未発生なのでISを使ってない


・八神隆之
 和人の足代わりにされている探偵
 真実を追いつつ利用されているが、和人とは持ちつ持たれつになっている。我流カンフー、合気道を体得しており、腕っぷしはかなりのもの


・海藤正治
 八神の兄貴分
 八神らとは別に束の要請で車を走らせていた。今回は所謂『運び屋』の立ち位置


・東徹
 海藤の舎弟分
 極道だった頃の海藤の舎弟。海藤が組を破門されて以降も慕っており、カタギになった今も関係は変わらず
 普段はゲームセンターの店長をしている
 数日前から忙しなく動いていた兄貴分を心配し、事務所を訪れていたところで戦力として参加した


・杉浦文也
 パルクール青年
 本来なら横浜にいる筈だが……
 




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