インフィニット・オンライン ~孤高の剣士~   作:黒ヶ谷・ユーリ・メリディエス

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 どうも、おはこんばんにちは

 SA:O側がちょこちょこ動くよ! つまり『不穏』って事だネ!()

 時系列的には、キズメル参入後のキリカ、和人通信後くらいです

 後書きに今話について纏めてます

視点:ストレア、アルゴ

字数:約一万三千

 ではどうぞ




第二十二章 ~”人”の悪性(カルマ)

 

 

二〇二五年八月十六日、土曜日、午前一時

ALO 世界樹上部都市イグドラシル・シティ

 

 日を跨ぎ、怪談関係に縁の深い時刻に近付きつつある今、ネットの海を巡回している人は多いという。

 昼間は学校や仕事に出向いているため、娯楽の時間を睡眠を削って確保しようとする者達が増えたからだ。帰宅してから眠るまでのわずかな時間で消化できないほど娯楽が増えたからでもあるだろう。

 かつて主流だった読書やテレビ視聴、音楽鑑賞は、いずれも限られた製作者の手により発信されていた。つまり絶対数が少なかった。母数の少ない中から自分好みのものを見つけるとなれば、更に数が減るのは必定である。それに慣れ親しんだ大人はそれで満足だっただろうし、懐古主義というのか、古き文化を尊ぶ人も少なくない。人が積み重ねてきた歴史を大切にするのだと。

 だが――人は、常に新しいものを求める生き物だ。

 新しいものを嫌う人はいない。最初は慣れぬものへの忌避間が勝るだろうが、”それ”を知るにつれ、いつのまにか引き込まれ、嵌っていく。そういう人が増えていき、いずれ新たな文化として定着する。

 人の文化とはそういうものだと学んだ。

 どれだけ嫌う人が居ようと、それが”空想”されたものである限り、必ずまた現れる。そして共感されるのだ。

 ――VRMMORPG。

 世界を震撼させた一大技術の一つ。一人の男の陰謀により、悪魔の技術と揶揄されるようになった事件を契機に嫌忌の目を向けられるようになったそれは、しかし力強く息を吹き返しつつある。空想上の世界に飛び込んだかのような体験――その夢想を、人は捨て切れなかったのだ。

 ある人は、危険な代物だとこの技術を嫌忌する。

 その意見は間違っていない。人の大脳から延髄に掛けてモニタリングし、脳の電気と脳波を読み取るその技術は、悪用されれば未曽有の事態に陥るだろう。事実としてそうなりかけたのだ。その危惧は、決して忘れてはならないものである。

 だが同時に、その発言は正しくない。

 悪用すれば確かに危険だ。だがそれはいかなる技術、いかなる機器を用いる際にも言える事。それを防ぐために法や監視機関が存在するのだ。

 残念ながら、いまは国家に基づく監視機関はない。法規制については各政党でも物議を醸されているが、いずれも内容が雲を掴むかのように具体性を欠いているか、あるいは極端過ぎて共感を得られないもので、政党支持率の確保に貢献しておらず、結果法案提出まで至っていないのが現状だ。つまりゲームシステムで犯罪を防げる範囲の外――ヒューマンエラーに関しては、それこそ一人一人が注意しなければならなくなっている。

 それこそが犯罪の温床だとある政治家は言った。ネットの罵詈雑言の応酬でときに傷害事件へ発展しかねない現在、それらネットリテラシーの教育・指導も未完全なのに法や監視機関の目がない仮想世界では、より重大な事案になりかねないと。

 

 ――それを知った時のアタシの感想は、『論点がズレてるなぁ』だった。

 

 政治家達の話は監視機関や法的処罰の精確性が殆ど。前提として、VRMMOの存在は肯定している。だがそこについて質問されれば、たいていの政治家は『規制できないなら無い方がいい』と言う。つまり殆どの政治家は、実質VRMMOの規制は不可能と諦観し、消極的な肯定をしているだけ。今は次善の策――もちろん政党支持率確保――として取り沙汰にしているだけという事だ。

 もし問題が起きれば、鬼の首を取ったようにVRMMOの存在を否定し始めるだろう。完全撤廃は既に不可能だろうから、次々と規制を掛け、娯楽としての機能が失われるまで追い詰める。

 それこそ仮想世界崩壊の未来そのものである。

 それをいちばん嫌がるのはプレイヤーだが、同時に日本の未来を憂う政治家もいる。《SAO事件》や須郷信之の計画を知って尚、何十万、何百万もの人々が仮想世界へと旅立っている。日本だけでなく、今では世界各国が《アミュスフィア》や仮想世界構築の技術を欲しているらしい。そこに政治家は目を付けた、世界で唯一の技術をカードに外交を進められるからだ。

 それに和人も深く関わっているのは明白だ。法も秩序も無かった浮遊城に於いて、自ら必要悪を演じ、秩序を保つ事に一役買ったキリトは、いまの状況に於いて必須とも言える配役だからだ。その能力を自認していた彼は、SAO内で文書でやり取りをした《SAO事件対策チーム》のリーダーである菊岡と、その菊岡に連れられていた更識楯無と《契約》を交わした。

 後に《クラウド・ブレイン事変》と《ヴァフス事変》をどうにか解決した事でその実力が一般にも認められた事実は、菊岡の”上”だろう政治家の推進剤となったに違いない。

 だから次にあたる依頼――SA:Oのデバッカーに任命され、優先的にテスター権を得られたのだと思う。

 

 けれどアタシは、SA:Oを知った時から関わるべきでないと感じていた。

 

 運営が《ユーミル》に委託されている事。製作・監修に父・茅場晶彦や枳殻七色が関与している事。これらはまだいい。

 『政府直轄のチームが制作した』という点がどうにも引っ掛かったのだ。

 素直に考えれば、VRMMO推進派が働きがけた事のように思える。だがアタシはそう思えなかった。なぜなら、二百人余りの犠牲者が出たSAOデータを参考にしたゲーム――そんなネガティブイメージを先行させる情報を宣伝に使っていたからだ。

 須郷信之のように、ゲーム制作に携わっている人間がよからぬ事を企んでいたという例もある。

 きっとまた何かが起きる。

 そう予感するのはある意味当然だ。ぶっちゃけて言うなら、厄ネタ感しか無い。

 無論、和人がデバッカーとして動くのは《契約》を交わした後だったからどうしようもないし、アタシのその考えも根拠のないものでしかないのだが……

 

「そういう訳で、SA:Oでは何事も起きないで欲しいんだよねぇ」

 

 ふぅと息を吐きながら言う。

 アタシがいま居るのは《アルヴヘイム・オンライン》の中心に聳える巨大な《世界樹》、その上に最近のアップデートで追加された空中都市《イグドラシル・シティ》だ。その一画に、桐ヶ谷一家+AI桐ヶ谷一家の共同で借りている部屋でアタシは寛いでいる。

 部屋の内装は、月額二千ユルドの賃料を払っているだけあってそれなりに拾い。きれいに磨かれた板張りの床の中央には大きなソファーセットが置かれ、壁にはホームバーまで設えられている。棚に並んでいる無数のボトルは、もともと仮想世界で知らない間に集まっていた仲間達の収集品だが、父・(みね)(たか)ことホーンの要望もあり、キリト、キリカらが相応の額で買い取り、棚に並べたものだ。ホーン曰く、離れ離れの家族と飲みながら話をしたいらしい。もちろん『離れ離れ』の対象はキリトとキリカの二人を指している。

 南向きの壁は一面ガラス張りとなっており、そこからイグシティの壮麗な姿が眼下に一望出来るようになっていた。

 しかし、いまはこの都市の光景を眺める事は出来ない。

 大型スクリーンを兼ねているガラスに動画配信の画面が映し出されているからだ。

 部屋の内装で借りている部屋がバレたとしても問題は無い。イグシティの賃貸金額はいずれの部屋も差があまりなく、家具の類は買い足したもの。ホームバーの有無が唯一の手掛かりとも言えるが、そもそもこの部屋に入るには建物のエレベーターでパスワードを打ち込んで部屋IDを指定する必要があり、パスワードを知らない非関係者は辿り着く事も出来ないため、仮に建物を特定しても突撃する事は出来ない。

 そんなホームに戻ってきたのはつい先ほどの事だ。

 セブン達の配信が十五日午後十一時頃に終わったのを確認し、アタシは十一時半から配信を開始。アップデートで追加されたイグシティの漫遊や簡単なクエスト攻略を経て、最後にこのホームに戻ってきた。そして雑談をしていたところ、SA:Oの話が出て、先の発言になった訳である。

 元帥達との対談はさすがに暈しているが、菊岡との契約などの見返りで政府が後ろ盾になっているのは知られている事なので、SA:Oのデバッカーを依頼された経緯は話しても問題ない。政治家も少なからず関わっているのは世間的にも予想されているため、誰かは暈しつつ話に出せた。

 それらを知った上で、リスナー達は『もう手遅れ』とか『時すでに遅し』といったコメントを多く残していく。

 まあプレミアや聖石とかいう問題が発覚してるから確かに時すでに遅しである。

 

「あはは、じゃあ今以上にってコトで。プレミア自体は可愛い子だしねー。妹っぽく感じるよ」

 

 

 ――じゃあプレミアちゃんも配信者になるってコト?

 

 ――AI一家の拡大かぁ

 

 

「うーん……それはどうかなぁ。アタシ達はSAOとリアルの認識が最初から出来てたけど、プレミアはSA:Oが現実だと思ってるからなぁ。そもそも政府が手掛けてるゲームのNPCだからアタシ達みたいに所有権を買い取るとかは難しい気も……」

 

 現実的には利権の問題もあるが、なによりプレミア自身が『自身が生きているのは作られた世界』という認識を持ち、それに耐えられるかも問題だ。

 そこまで考えて、ふと沈思を挟む。

 

「……プレミアなら『どうでもいいです』とか言っちゃいそうな気がしてきた。キリカにすっごい懐いてるからなぁ、あの子。ユイみたいになる可能性もワンチャンあるかも」

 

 エラー蓄積により記憶領域、言語領域を損傷したユイは、キリトへの想い一つで自己を保持し、地下迷宮で彼を助けまでしたAIだ。過程こそ違うが、似たような経緯でプレミアも彼女のように――つまり現実、仮想の認識よりも特定個人への想いを優先して――自己を保つ可能性は無きにしも非ず。

 

「――私みたい、とはどういう事でしょう?」

 

 突然、部屋に自分のではない声がした。

 発生源は後ろ。ソファ越しに見れば、妹のユイが部屋に入ってきたところだった。形態は大人のそれ。相変わらずの黒コート姿で、傍から見れば不審者の出で立ちである。

 こちらに近付いてきながらフードを外した彼女は薄く微笑んでいる。その笑みから僅かに怒りが滲み出ているのを察したアタシは、同じようににこりと笑みを返した。

 

「キリトが大好きなユイみたいにっていう意味だよ」

「そうですか」

 

 言わんとする事を察したか、ふっと笑みを一瞬深くした彼女は、その面持ちをがらりと真剣なものへ変えた。

 その表情を見て、ここに来たのが偶然でない事を察する。

 多分――アタシを呼びにきたのだ、彼女は。

 

「どうしたの?」

「この子から通信です。助けが必要だ、と」

 

 そこで、ユイの背後に開かれているウィンドウがある事に気付く。ウィンドウは可視化モードになっていた。表示されているのはある人物――黒髪黒目の少年、キリカ。丸い耳であるためSA:Oから直接通信アプリを使っている事まで理解する。

 アタシが気付いた事を理解したユイが、すい、とそのウィンドウをこちらに差し出してきた。

 弟と視線があった後、彼の黒い瞳がアタシの背後を見やり、少しだけ苦い顔になった。

 

『配信中だったのか。ごめん』

「ああ……いや、もうそろそろ終わろうかと思ってたから、あまり気にしないで。配信のメインは全部終わってたしね」

 

 ちら、とコメントを見やるが、ユイとキリカの乱入に対する反応は過激なものではない。元々デビューして日が短いアタシには固定の視聴者層が少ないため、炎上するほどの素地も無いのだ。企業勢なので喜ぶべきではないが、ある意味助かったとも言える。

 アタシが言ったように配信のメインを終えていたのも要因の一つだろう。

 

「ところでどうしたの? 通話アプリ使ってまで連絡取ってくるなんて珍しいじゃん。配信、切った方がいい?」

『……コメントはどんな感じだ?』

「んー……?」

 

 珍しく言葉に詰まらせるキリカ。アタシは一先ず視線をコメント欄に移す。

 

 

 ――弟フラって初めてじゃね? なんかあったんかな

 

 ――AIとは言えこの時間に連絡って、結構緊急性高いんじゃ……

 

 ――噂をすれば影だな。まーた何か問題でもあったんか

 

 ――助けって、どう取ってもヤバいんじゃないか

 

 ――ただクエストを手伝って……なら、手伝いが必要とかの言い回しになるもんなぁ

 

 ――これこのまま配信続いたら事件の後追いが出来るって事だろ? 頼む、続けてくれー!

 

 ――同じく! 続けてくれー!

 

 ――むしろそのためにチャンネル登録、通知オンにしてるまである

 

 ――事件が起きてるならそれを把握しておきたいんじゃー!

 

 

 反映されるまで様子を見守ったが、現在視聴中の一千人弱の人達はほとんどが継続を希望するコメントを残していく。

 まあ見たくないならブラウザを閉じて寝ればいい訳だし、継続希望を出しておく方が無難という考えだろう。

 

「みんなも話を聞きたいって言ってるね」

『じゃあ切らなくていい。わざわざ後で事情を説明するのも大変だろう』

「えー……でもそれ、知られても大丈夫な事なの?」

『俺達が悪い事してる訳じゃないからな。とりあえず、時間が惜しいからSA:Oにダイブしてくれるか? 事情は二人の移動中に通信で話す』

 

 どうやら事態はそこそこ差し迫ったものらしい。

 それを察したアタシは、気が引けながらも口を挟む。

 

「いや、それはちょっとマズいかも。SA:O内の配信は企業勢として利権的な問題があるから……」

『む……なら別のプランでいこう』

 

 ちょっと待っててと言った後、いったん通話が切られた。多分別の誰かに通信アプリを使うつもりなのだろう。

 

「どこに連絡する気かなぁ?」

「この通信アプリは試作ですからね……配信環境持ち、且つアプリインストール済みの人となるとかなり限られます」

「だねぇ」

 

 待ち時間を使ってユイと予想を始める。

 例の通信アプリは七色の手によるものだが、未だ試作段階のため、それをインストールしている人は仲間内のみ。話の流れから配信者を選ぶとは思うので、それを前提にすると更に候補は絞られる。なにせ仲間内で配信者としてデビューしているのは、アタシ達三人以外にはセブン、レイン、アルゴの三人しかいないからだ。

 そしてさっきまで配信をしていた二人は、この時間から再ログインするのは厳しいものがある筈だ。

 だからおそらくアルゴに連絡しているのだろうと、アタシとユイは同じ結論を導き出した。

 

 

 ――いや、キリトガチ勢なあの姉妹もあり得るんじゃね?www

 

 

 アタシ達の予想を聞いた視聴者の一人が、その考えは甘いだろうと茶々を入れてくる。そんなまさかと笑いたいが、連絡で起きた場合、無いと言えないのが彼女達だ。駆け付けないという選択肢は無いだろう。

 とは言え、彼女らも同じ企業勢だから利権問題は関わってくる。助力の頭数に入ったとしても『配信』という条件に今回は該当し得ない。いまキリカが連絡を取っている相手は、SA:O配信に際し利権的に問題ないと判断された者に限られるからだ。少なくとも《ユーミル》がその辺の交渉を終えたとは聞いていないので、必然的に仲間内の配信者六名の実に五名が候補から外れる事になる。

 ――――数分後。

 再度通信が来たキリカは『アルゴの協力を取り付けた』と開口一番に言い放った。

 どうやら《MMOストリーム》の配信枠で事態の対処にあたるつもりらしい。

 多分キリトのためと聞いて起きたんだろうなぁと予想しながら、アタシは配信枠を閉じ、ユイと共にSA:Oへと渡った。

 

***

 

 夜の樹海を駆ける。地を這う樹木の根に脚を取られないよう、時にぴょんぴょんと軽快に跳ね、時に枝に手を伸ばして宙を進む。

 こうして速さを優先し、地を駆けるのもいつぶりか。

 郷愁を覚えながら、自分を深夜に呼び出した人物――キリカの話に耳を傾ける。

 キリカからされた、キリト(オリジナル)を助力して欲しいというお願い。両者の蟠りを捨てたも同然なその話に付き合いの長い自分は感慨深く思っていたが、その気持ちを一度押し留めなければならないほど、事態はあまりよろしくなかった。

 理由は二つ。

 一つ目はSA:Oにおける異常――カーディナルがなぜプレミアを動かしたか、という点の話。キリカ曰く、『SA:Oのカーディナルは、最終的にアインクラッドを創成する可能性が浮上した』とのことだ。

 その可能性に至った要因についても移動中に説明を受けた。どうやらSAO時代の《大地切断》の伝説と、《キャンペーン・クエスト》と聖石に関連した《グラウンドクエスト》の大筋、そして登場人物などに符合が見られたらしい。

 更に驚くべき事に、SA:O開始初日の時点で、キリカがカーディナルと思しき存在『イニシャル”C”』からメッセージを受け取っており、その文面にもあの浮遊城の名前が出てきたのだという。しかもそのメッセージを意識させるかのようにプレミアと顔を合わせていた。

 流石に無関係とは考え難いため、この可能性も念頭に置く必要があると彼は語った。

 これまでそのメッセージについて秘匿していたのは、生還者である自分達をイヤな意味で緊張させたくないと思い、否定材料を集めていたからだった。皮肉な事に否定材料どころか確信し得る証拠が集まってしまったのだが。

 そして二つ目。

 それは、プレミアと同じNPC――設定が空白の無名NPCがもう一人存在していた事だ。

 それに気付けたのは、プレミアがダークエルフの女騎士から《聖大樹の巫女》と言われた事が理由の一つだという。SAO、SA:O双方において《大地切断》の《聖大樹の巫女》は二人存在するらしく、エルフ族も(ダーク)(フォレスト)の二種族存在し、それぞれが奉る聖大樹も二本存在するので、これも確実とキリトとキリカは判断した。

 更にそれを後押ししたのが、その話をしている最中に目を覚ましたプレミアだった。なんと彼女はキリトと面識が無かったというのだ。和人はリアルとバーチャルで容姿が異なるので、SA:Oアバターの銀髪金瞳の姿になってみせたそうだが、「銀髪の人は会った事がない」という発言を聞いて二人目の存在が確定したそうだ。

 これには彼らも、その話を聞いた自分達も困惑したようだが、どうやら和人が”安地”で私達に話したNPCとはプレミアではなく、二人目の方らしい。

 出会う順番としては初日の夜にキリトが二人目と出会い、保護。そのあと街で別れた。二日目にキリカが出会った方は、キリトと面識のないプレミアだったという訳だ。

 ――そして、現在。

 プレミアと同じようにそのNPCもバグっているとすれば野放しには出来ないとして、急遽キリトが夜中にログインし、オルドローブ大森林の北――黒エルフの騎士曰く、森エルフの領土――へと向かった。これは完全な二人の推測になるが、プレミアが黒エルフ側の聖大樹の巫女扱いになったとすれば、もう片方のNPCをカーディナルは森エルフ側に就かせようとする筈というメタ読みから来る目的地選択だった。クエストの勢力が既に黒エルフ側のキリカでは森エルフ側に干渉できないと判断し、キリトが向かう事になったようだ。

 何の手掛かりも無しに探し出すのは流石に困難を極めるだろうと思ったが、『ヴァベルの手を借りる』とキリトは言ったらしい。

 ヴァベルと言えば、かつてはどこからともなく現れて道案内したり、かと思えば襲ってきたりなど謎めいた存在だ。SAO時代は”ハイエスト・レベル”なる『仮想世界をプログラムコードで見れる領域』でキリト達の動向を監視し、必要に応じて『バックドア』を開き、干渉してきた存在である。

 カーディナル・システムの制約に縛られない彼女にかかれば、異常なNPCを発見する事も、そこへ一瞬で移動する事も容易だろう。

 当然ヴァベルが未来のユイである事をはじめそんなことが可能であると世間には知らせていないのだが、『ヴァベルが協力するなら可能だろう』と思われているのか、動画のコメント欄にそれらしき趣旨の発言がチラホラ見て取れた。

 

「――なるほどナ。道理で妙な噂が聞こえてきてた訳ダ」

 

 移動しながら全てを聞き終えた自分の第一声は、納得の言葉だった。

 そんな自分に訝しげな視線を向けてくるAI姉弟達。電弟(キリカ)も気付いていなかったのかと意外に思いながら、自分は説明するべく口を開く。

 

「プレミアはキリカにべったりの筈なのにちょくちょく1コルNPCの話が入ってきてたからナ。別サーバーの話かと思ってキャラを複数作って調査中だったんだガ……まさか、Null設定のNPCが二人居るとはネ。流石に盲点だったナァ」

 

 情報を生業にする自分も、基本的な収集方法は自分の”足”だ。色々売り込んできてもらえるのは情報屋として信用されてから。

 今のアバターはSAO時代からの引継ぎであり、【鼠】として広く知られているものだが、他のアカウントになるとそうもいかない。別アカで【鼠】などと名乗れば普通に騙りだと思われるのが関の山。手っ取り早い手段が取れない以上、やはり自分の足で現地に赴く必要があった。

 掲示板の書き込みもある程度参考にするが、信憑性や裏取りなどの関係からやはり現地に赴く必要がある。βテスト権の数に限りがあるため捜査は難航。思った以上に時間が掛かった。

 結局四つのサーバー全てを回って裏取りを済ませる前に事が進んでしまった……というのが今回の自分の事情である。

 

『サーバーを跨いでまで……言ってくれれば、協力したのに』

 

 自身の知らないところでそんな事をしていたのか、と驚きの顔をしていたキリカが、やや不満げに唇を尖らせながら言う。単純に人手不足だったのになぜ言わなかったのか、という思考が見て取れた。

 それから滲む、自身を案ずる感情。

 ――これは変わらないんだなと、少し嬉しく思いながら口を開く。

 

「なーに、これも経験ダ。サーバー跨いでの調査とか流石のオネーサンも未経験だったからナー。自分がどこまで出来るか測るには丁度良かったんだヨ」

 

 ふ、と苦笑を漏らす。

 これは詭弁だ。

 自分なりの、迂遠的な独占欲の発露でしかない。『情報屋』――彼の裏のサポートの座を、誰かに譲る気も、そこから身を引く気も無いという宣言。

 それがあの世界から解放された今も【鼠】を名乗る理由だった。

 

「――ああ、そういえば別サーバーと言えバ」

 

 そこで話を切り替える。

 あまり深堀りされるのは――少なくとも衆人環視の下では――望ましくないこちらの心情を察したか、キリカ達の追及は無かった。内心でそれに感謝しながら、思い出した情報について話し始める。

 

「キリカ達は、既に《ブルーカーソル》については知ってるよナ」

『ああ、俺が助け出した武具屋のNPC店員を襲ってたプレイヤーがブルーになったのをこの目で見たからな。非戦闘状態の戦闘タイプNPC、ないし非戦闘タイプNPCへの侵害行為を行った場合のペナルティ……オレンジカーソルが対プレイヤー関連のペナルティなら、ブルーカーソルは対NPC関連のペナルティだ』

 

 SA:Oについて詳しくない視聴者にも分かるようにだろう、キリカが端的に纏めた。一部は『非戦闘タイプ?』などNPCの区別について疑問を呈している層もいたが、それらは読んで字のごとくなので、一旦スルーさせてもらう。

 

「流石キリカだナ。じゃあ、そのペナルティの内容も知ってるカ?」

『もちろんだ。戦闘タイプのNPCや非アクティブ・モンスターからも常に攻撃対象として狙われる……全てのモンスターが一定範囲内に入れば自動でターゲットしてくるから、ハイディングも効かない。圏外村にも衛兵NPCはいるからオレンジと違って入る事も出来ないし、戦闘タイプNPCはかなりの高ステータスだから現状プレイヤーが対抗する事はまず不可能。有体に言ってしまえば、実質プレイ続行不可能レベルのペナルティだな』

 

 これまた簡潔にキリカが纏める。公式HPでは色々ややこしいシステム用語を使っているが、最後の要約が《ブルーカーソル》の重要な部分を物語っていた。

 一つ頷きながら、話を続ける。

 

「非道徳的な行為はどこのVRMMOも基本的にご法度だが、SA:Oはそれがより顕著って事だナ」

『……まぁ、茅場がその辺は厳しくしたんだろう。SAOでの()()を知ってるからな』

 

 ふぅ、と遠い眼をして、キリカが嘆息する。その()()に最も対処していた経歴を持つ少年は、それで、と気を取り直した。

 

『この話と、別サーバーで仕入れた話に、どんな関係があるんだ?』

「――おかしいと思わないカ? これだけの保護を、なんでNPCがされているのカ。なぜそこまでの保護をしようと製作陣が動いたのカ」

『――――』

 

 一瞬、キリカの視線が外れる。彼がよく見せる沈思・熟考のクセだ。

 それから数瞬でハッと瞠目し、視線を戻してくる。元から聡明だった少年は僅かな情報で予想できたらしい。

 

『あのメッセージ……アインクラッド……まさか、このSA:O(世界)のNPCは――』

「……まさか」

「噓でしょ……?」

 

 キリカの発言にヒントを得たか、ユイとストレアも気付いたようだった。視聴者達も一部は気付いたらしく、驚嘆のリアクションを感嘆符などで示している。

 キリカ達も、そして視聴者達の半分以上も察したその事実。

 

「そう、みんなも気付いた通りダ。この世界のNPCは、一度死ねば二度と復活しないんだヨ。N()P()C()()()()()()()()()()()()()()

 

 それを明確にする。

 流石のキリカ達も言葉を喪ったらしく、走る足が緩やかになり、自然と止まった。遅れて自分も立ち止まり、愕然とする二人とキリカが映る画面を振り返って見やる。

 

「で、ですが、それではおかしいですよ」

 

 三人の内、最初に我に返ったのはユイだった。困惑の表情で大人の姿のユイは言葉を続ける。

 

「万が一NPCが死亡した場合は、どうなるんですか」

「同じ役割を持った別のNPCがポップすル、まるで居なくなったNPCの代わりを補填するかのようにナ」

『つまり、全てのNPCがユニーク設定されているのか……? それは……それこそ、本当に……』

 

 もごもごとキリカが言い淀む。

 そんな弟を他所に、ストレアが不安げに口を開いた。

 

「NPCがって事は……つまり、AIが対象って事だよね? アタシ達は大丈夫なのかな……」

「……いえ、それは大丈夫な筈です。私達のプログラムはキーのPCにあって、アバターはガワに過ぎません。だからそのデス設定もあくまでSA:O産カーディナルに統括されているAIに限られる筈です」

 

 不安がる妹を落ち着けるようにユイが言う。しかし、当の彼女も不安は感じているらしく、表情は明るくない。キリカも浮遊城での苦難を思い出しているのか苦い顔だ。

 そんな三人と、やや騒がしくなり始めたコメント欄の視聴者達に向けて、言い聞かせるように口を開く。

 

「人間のオレっちが言える事じゃないけど、キリカ達は安心して大丈夫ダロ。そもそもそんな危険なトコに放り込めるほど茅場の旦那は鬼畜じゃねーヨ」

『どうかな、”夢”のためなら邁進するのが天才の天才足る所以だぞ』

「……そう返されると何も言えネー」

 

 子供の頃からの”夢”を追いかけ、執念でこの仮想世界を構築し、技術を確立した男だ。彼の人格は信用出来るが、いかんせん『天才』という肩書がそれを打ち消してしまっている。

 なにより、自分たちは一般人の知らない『平行世界の歴史』――茅場晶彦がデスゲームの黒幕である世界線――について知ってしまった。何かのきっかけが無ければそうなっていた可能性がある以上、無いと言えないのが悲しい話である。

 ちなみに、その邁進を常に見せつけていた少年自身が言うと説得力があるなぁと思ってもいたが、それについては喉元までで留めておいた。

 

「ともあれ、いま別サーバーのアイングラウンドでは、その話に興味を持ったプレイヤーが『実際どこまでそうなのか』を試す事が増えてるんダ」

「ええっ?! でも、ブルーカーソルのペナルティがあるでしょ? それなのにする人が増えてるの?」

 

 その人達の思考が解らないと言わんばかりにストレアが言う。

 一ゲーマーとして、そういった者達の思考が解ってしまうだけに苛立ちと申し訳なさを等分に抱きつつ、自分は口を開いた。

 

「勿論、気軽にNPC殺しを行うプレイヤーは少ない。『倫理的にもどうなんダ』って言い争ってる事もあるそーダ」

『……初日に俺が見たブルー化したプレイヤーは、圏外に連れ歩くクエスト持ちのNPCをモンスターの囮に使って、自分は被弾しないようにする作戦を立ててた』

「ああ、そういうヤツもいるヨ。けど厄介な事に、見返りの経験値が多いだのレアアイテムが手に入るだの、そういう噂に釣られて手を出すヤツの方が後を絶たなイ。ここ以外のサーバーはどこもそんな感じで、この二週間でプレイヤーのログイン数はめっきり減っちまったらしいゼ」

 

 残っている者の半数はまともだが、残り半数がNPC殺し上等、プレイヤーキル上等のオレンジやブルーカーソルプレイヤーだ。衛兵NPCと戦闘になっても、倒せば経験値が~とむしろ喜んで群がるほどの地獄絵図。ボス攻略のためにレイドを組んでも毎回プレイヤー同士の争いになり、未だ第一エリア攻略の目途すら立っていない状況だ。

 正直1コルNPCの話の調査が遅れたのは、調査協力出来るような環境でないため確認したくても出来なかったからだった。

 

「アルゴさん、実際にそのレアアイテムなどを手に入れたプレイヤーは居たのですか?」

 

 真剣な面持ちのユイが問いを投げてくる。自分はそれに両手を上げた。お手上げ――つまり、居ないというポーズだ。

 

「残念ながら、そういう書き込みはあったけどスクリーンショットなりで証拠を示したヤツは居ないヨ。再現性を取る事も出来ないし、そもそも、噂の内容に信憑性が無イ。これじゃまるで――」

『――キャンペーン・クエストの頃を思い出すな』

 

 続けようとしたところで、正に言わんとした言葉をキリカに取られた。一瞬呆気に取られた自分は、苦笑を漏らし、画面に映る少年を見る。

 

「懐かしいナ。軍と聖竜連合が真っ向衝突しないよう、いろいろ裏で頑張ったっけカ」

 

 ニヤリと笑いかければ、画面の少年はふん、とそっぽを向いた。それが照れ隠しである事は頬や耳が僅かに赤くなっている事から見て取れる。

 

『俺が言いたいのは、そのプレイヤー達を裏で扇動してるヤツが居るって事だ』

「アー……やっぱキリカもそう思うカ?」

『ああ。真っ先に候補に挙がるのはAI人権否定派とVR技術撤廃派の急先鋒辺り……あとは、《笑う棺桶》による愉快犯的な行動か』

「最後のもすごくあり得そうで笑えないんだよナー」

 

 自らレッドプレイヤーを自称していた殺人快楽者の集まり《笑う棺桶》。その構成員だった者達は、一部の従わされていた者達以外の全てが厳重な監視の下で生活を送っているが、それらの目が届かない場所がある。それが仮想世界なのだ。

 PoHという例外はともかく、ホロウ・エリアでの活動を聞くに、相手がNPCだろうと人だろうととりあえず『殺人体験』を得られれば越に浸るらしい事は判明している。全員がそうとは思えないが、本気の殺し合いや末期の叫びを聞く事に連中は生きがいを見出しているのだ。

 その欲求が限界を迎え、いまこのSA:Oで発散しているのだとすればあり得ない話ではない。

 ……そもそもそんな危険人物の下にSA:Oテスター権が届くかという問題はあるが、《亡国機業》のように裏組織の手引きがあればどうとでもなってしまうと学んでからは、『あり得ないという事はあり得ない』と考えるようにしている。《笑う棺桶》という異常性に目を付けた裏組織がいつの間にか潜り込んでいたとしてもおかしくない。SAO事件の黒幕・須郷信之の近辺にいた足取りの掴めない者達の事も、そう思わせる一因を担っている。

 

『あとは、そうだな……』

 

 張り詰めた過去を思い出し、精神的疲労感からうへぇと息を吐いている自分をよそに、キリカは言葉を続けていく。

 

『……当初、SAOのデスゲーム化は茅場晶彦だと思っていた。その考えを踏襲して、SA:OのNPCをユニーク設定にしたヤツの扇動という可能性もあるよな』

「「「えぇ……?」」」

 

 

 ――……?

 

 ――何を言ってるんだこの電弟は

 

 ――どういう意味だそれ

 

 ――そもそもNPCをユニークにして何をしたかったというのか

 

 ――デスゲーム主催者ごっこでもしたかったとでも言うつもりかコイツ

 

 

 流石にキリカの考え方は誰も理解できなかったようで、全員が困惑と疑問を呈していた。流石に自分達もその発想は無かった。

 ただ、言わんとする事は分かる。

 

「つまりそれって、PoHみたいなのが製作陣側に居るって事だよナ……?」

『ああ』

 

 要は最悪のパターン――製作陣に愉快犯(ラフコフ)的黒幕がいる、という予想を言っているのだ。

 アキトが語ったという平行世界で、本当に茅場が黒幕という可能性であり、デスゲームの中で生きるプレイヤーの鑑賞を目的にしていたとするなら、SA:Oで同じ事が絶対起きないとは言えない。AIを犠牲者に選ぶあたりまだ人道的なのかもしれないが――しかし、当事者に等しいキリカ達にとっては堪ったものではないだろう。正に一人の知的好奇心のためだけに使い潰されていくようなもの。

 それこそ、平行世界の茅場のような悪の所業そのものだと思った。

 

 






Q:つまりどういう事だってばよ?
A:1)和人はプレミアのそっくりさんを保護しに動き始めたよ(大仕事前日の深夜1時)

 2)キリカがオリジナル援護のために援軍要請したよ(和人はログイン率が低く、キリカより低レベルなのでNPCを守りながらでは妖魔に苦戦する)

 3)SA:OではNPCデスゲームが始まってたよ(確定)

 4)四つあるサーバーの内、キリカ、プレミア達が居るサーバー以外の三つは秩序崩壊を来してるよ(確定)

 5)多分NPC再リポップ禁止にしたヤツが裏でプレイヤーを扇動してる?(非確定)

 6)以上の情報が《MMOストリーム》アルゴ枠の配信で流れてるよ

 7)キリカと共有された茅場の『現実の浮遊城プロジェクト』は世間にバレるとヤベェので話しておらず、現時点でユイ達も知らないので、世間は『SA:Oに浮遊城が出るかも』という予想に『茅場やりやがった?』と『政府やりやがった?』で1:9の比率でコメントが荒れてるよ(茅場の夢は語ってないが、聖石クエスト=秘鍵、《大地切断》伝説に沿って進めていくと……と話されたのでイコール製作陣を直轄してる政府が悪い理論)


 SA:O第2~4サーバーが描写される事もなく『主人公居ない浮遊城』の末路を辿ってるんじゃが……?

 不穏ですネ(ニッコリ)


・キリト
 今回の騒動の渦中?
 ヴァベルの反則技(ちから)を頼りに突出して動いている人間
 キリカも知らない何かを色々と知っている


・キリカ
 ある意味成長を見せたAI少年
 AIになった自身の自己同一性を獲得した事でオリジナルの事を気に掛けるなどの精神的進歩を経た。同じAIの姉達には、素直にお願いを言えるようになっている
 地味にプレミアに保護欲を掻き立てられていたりいなかったり


・プレミア
 キリカに保護されているNPC
 まさかのキリト(銀髪金瞳)との面識が無い事が発覚した。その事実と、聖大樹の巫女が伝説上では二人いる事を知っていたため、和人とキリカは二人目の存在に気付けた
 キリトの名前に関しては、そういう人物がいるとは聞いていたが、キリカとのややこしい問題のため話題に挙げるのをユイ達が避けていた
 深夜に目を覚ましたのは偶然か、はたまた……?


・???
 プレミアのそっくりさん
 SA:O初日にキリトに助けられていたNPC。”安住の地”にてキリトがみんなに話していたNPCとは、実はこちらの事
 つまりこのNPCは現時点で約二週間、過激派プレイヤー(四サーバー内で最も穏当)に狙われていた可能性が浮上している


・ストレア
 VRMMO系配信者にして 腕利きの両手剣使い
 ALOでは土妖精ノーム
 利権の問題で現在はもっぱらALO内の実況配信になっている。ちょくちょくセブン、レイン達と遭遇し、突発コラボを開催するので、地味に視聴者数は増加傾向
 あと、歌が上手い事を最近自覚した


・ユイ
 フリーゲーム系配信者にして腕利きのマルチウェポン・プレイヤー
 ALOでは影妖精スプリガン
 利権に縛られないフリーゲームの取り貯め、定期投稿を行っている
 最近ALOへのダイブそのものをしていなかったが、キリカの通信があり、久方ぶりにダイブした


・アルゴ
 腕利きの情報屋にして《Mスト》所属の記者兼配信者
 浮遊城から脱した後も【鼠】を名乗っているのは、キリトに対する信頼と、キリトから受ける信用を手放したくないがため
 最も辛い時期を共に暗躍し、支え合い、持ちつ持たれつで戦い抜いてきた経緯が彼女を狂わせる。ユイ達により無力感を受けながらも必死に足掻く様は一昔前の閃光のそれである
 SAOβテストで会ってから、実に三年が経過した。仲間内で共に居た時間はもっとも長い
 アルゴもまた一人の女
 酸いも甘いも共有した間柄故に、その想いは一入だった


 では、次話にてお会いしましょう

【参考】SA:O編ラスボスの難易度あんけーと 気軽に答えてネ! 難易度上昇でボスが増えるよ! 1.さくさく敵が倒れます。原典仕様のいーじーもーど 2.仲間と一緒に協力プレイ。コミックス仕様ののーまるもーど 3.形態変化にボス追加。改変仕様のはーどもーど 4.思い出補整で狂化します。極悪仕様のかおすもーど 5.ぷれいやー・ますと・だい(がち)

  • 1.かんたん
  • 2.ふつう
  • 3.むずかしい
  • 4.ごくあく
  • 5.ですげーむ

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