インフィニット・オンライン ~孤高の剣士~   作:黒ヶ谷・ユーリ・メリディエス

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 どうも、おはこんばんにちは

 最近寝落ちが酷いんだぜ(瀕死)

 二話に分けるつもりでしたが、切り悪いので繋げて投稿です

視点:アスナ

字数:約一万四千

 ではどうぞ




第七章 ~流星(せんこう)恩返し(愛の形)

 

日本標準時《2025年8月2日(土) PM3:30》

 

 

 帰宅し、昼食を終えた後にする事は人それぞれだろう。

 その中でもプライベートな時間として娯楽に費やす人が殆どだと思うが、私はやるべき事を先にやっつけて後を自由に過ごす方が好きなので、友人達が待つ《SA:O》にダイブする前に学校の課題に取り掛かった。

 昨今、都市部の学校にはIT化の影響が強いらしく、そのモデルケースにされている生還者学校は最先端を進んでいる。課題の形式もプリントアウトされたものに鉛筆で書き込むアナログチックな手法から、電子データのやり取りを主としたデジタルチックなものに変更されていた。つまり課題をするにはPCを使わなければならない訳だが、数十分も画面に向き合っていると目は疲れ、肩は凝り、頭が痛くなるなどの弊害は大きい。それではやる気が起きる訳もない。

 そこを解決するのに利用されているのがフルダイブだ。長時間に及ぶ文章の入力などは、仮想世界側でやった方が明らかに効率がいい。身体的な疲労は無いし、自室のパネルモニタの解像度では不可能な数の資料窓を幾つも見易い位置に配置できるからだ。

 MMORPGと名の付くVRワールドは現状《ALO》と《SA:O》の二つしかない。

 フルダイブを主としたものはあるのだが、先の二つと《SAO》を除くと、肝心のソフトリリースはあまりぱっとしない物が多い。又聞きの話だが、どれもこじんまりとしたパズルや知育、環境系のタイトルばかりで、『ゲームの世界に入り込む』という夢を抱いたゲーマー達からは大変不評なのだという。

 とは言え、ものは考えようだ。

 RPGを求める者達にとって知育、パズルゲームは不評だろう。しかし特定の機能のみを求める場合にのみ、それらは光るものがある。

 そこに目をつけて開発されたフルダイブアプリも存在する。フルダイブ環境を適正に調節、管理するシステムは《ユーミル》が独占している状況なため、その完成度はかなりの差があるが、求める機能さえしっかりしていれば文句はない。そんな層の要望を叶えたアプリ達。

 多くの学生、社会人の求めるだろう一つが、文章入力専用アプリだ。PCに基本内蔵されている文章作成ソフトのフルダイブ版だと考えればいいだろうか。

 フルダイブハードを持つならネット環境は既に整っている。それを前提にすれば、《アミュスフィア》から外部ブラウザに接続し、ネットサーフィンをする事もあるだろう。そうなると現実側でPCに座るのも億劫だという事で要望の声が多くなる。それをPCに作成ソフトを提供していた企業が苦労を重ね、発売したのがそのアプリだった。

 文章作成に特化している故、実際にフルダイブすると無味乾燥な小ぢんまりとした部屋が一つしかない。その部屋は、謂わば『ページ』だ。『カンバス』と言ってもいい。背景が一切ないまっさらな部屋の壁、天井を背景に、宙に浮かべたホロウィンドウへテキストフォントを打ち込んでいく作業は、正にPCにフルダイブしたような感覚に陥る。

 とは言え、狭い部屋とまっさらな部屋に置かれるのは心理的圧迫は酷く、そのアプリだけを使う人はまず居ない。そのため他のデコレーションアプリで部屋の内装を変えるか、《ALO》などのゲームにフルダイブしてアプリを起動させる人が殆どだ。

 そして私もその一人。

 今日もリーファ邸のリビングで一人、自前の紅茶を片手にホロウィンドウに向き合っていた。

 取り組んでいる課題科目は現代社会のレポートだ。年齢的に高校三年生とは言え、学年的には一年生なので難易度自体は控え目なもの。だからさっさとやっつけてしまおう、と思わせた。

 取り組み始めて二時間程で完成した点から見ても難しくない事が窺える。無論、普段から注目していた分野だったからこそなのだが。

 

「うーん……こうして見ると、やっぱりISの影響って大きいなぁ……」

 

 完成したレポートの誤字脱字、内容が伝わりにくい部分が無いか確認し直していると、ふと思った。

 『社会』を題材にした科目では、たいてい大きな節目を境に時代を分けられる。今の授業進行ではISの登場の前後で分けられていた。

 よく取り沙汰にされるのが、ISが広まった事による社会問題。

 今回の課題レポートもそこに関するものが出されていた。

 女尊男卑風潮を皮切りに、晩婚化、出生率の低下、少子高齢問題の深刻化、経済不況、更には女権団体による男性職員を中心にした――男性を擁護する女性も含む――大量解雇問題。これらを一纏めに『ISショック』と呼ぶ社会問題は、教科書にも載っている。

 ただ、女権団の脅威・圧力もあってか『ISショック』に関する記述はかなり少ない。事実をそのままに記載するとISの威光や女尊男卑風潮に翳りが生じる事は、女権団にとって困るからだ。

 しかしそれも最近までの話。

 数か月前、かの少年を襲撃した事を契機に潰され、団体は解散し、構成員も全員が捕まって裁判を待っている状態だ。水面下に潜んでいる事を考えると油断は出来ないが、権力的な圧力を恐れる必要は無くなった。

 だが、レポートのお題として設定されるようになったのは、おそらくそれだけではないだろうとアスナは考えている。

 これまでは表立って男女平等を謳える旗印が存在しなかった。(女尊)(男卑)()の旗印だけが居たから、それまでその思想に同調する勢力の声が大きかった。それはISを動かせるのが女性だけだったからだ。

 

「でも、和人君の影響が出てきてるのも確か」

 

 だが、《桐ヶ谷和人》という男性でもISを動かせる存在が登場し、更に真っ向から女権団に抗い、勝利した事が一つの節目になった。彼が篠ノ之博士の庇護の下、男女共用のIS開発に協力的である事も一助になっているだろう。

 《織斑千冬》は女性……女尊男卑の者にとって英雄だった。

 反面、《桐ヶ谷和人》は老若男女問わずの英雄なのだ。夫を愛する女性にとっての旗印になるとなれば、家庭を持つ者が支持しない訳が無いのだ。

 件の襲撃事件で捕まった女権団の構成員達を調べると、彼女らは全員が独り身だ。中には子持ちも居たようだが、新聞記者やゴシップ誌(信用度の低い情報)も加味すれば、そういった者達は過去九年の間に離婚しているらしい。娘であれば引き取り、息子であれば親権を男親に渡していたそうだ。そこを切り口に『独り身の女性が女尊男卑思想に影響されやすい』なんて考え方も一部広まっているという。

 どこまで真実か定かではないが、確かな事は、女尊男卑風潮は家庭を大事にする人からは支持されなかったという事。保身を考え表向きは思想に同調しつつ、裏では反目している人の方が多そうだ。

 その立場の人達も含めて味方につければ、社会的な影響が出るのも当然である。

 現在、ここ九年間は煮え湯を飲まされ、それでも耐え続けた男性を筆頭に政策の立て直しを図る真っ最中。総理大臣や各方面の高官が男性のままなのも、女性である事を笠に着た人物が幹部に居る企業や部署が経営不振に陥る事が多かったからか。

 

 まぁ、大企業の上層部の殆どが政府高官と繋がりが強いから、女権団の圧力に対抗できたと私は知っているのだが。

 

 その『繋がっている者達』がいま、和人と繋がりを持ち、九年間で崩れた日本を立て直そうと躍起になっている。

 男児の殺害。男性虐待、差別から発展した離婚、不当解雇、果てには殺傷。女権団が裏で関わっている事案は数知れず、その全てを裁判で解決する事は困難な上に膨大な時間を要する。《亡国機業》のように水面下で活動中の組織も存在するだろう。この流れを変えるように、国会では日々討論が続いている。与党と野党の言い争いは恒例行事のように続いているが、最近では実りある意見を交わす場面も増えてきた。

 その中継を偶然生中継で見た私は、うわぁ、と思わず声を漏らしたものだ。

 その実りある意見を交わす場面では、必ず特定の数人がマイクの前に立つのだが、その人達は与野党どちらにも存在する『和人と繋がっている者達』の一員なのだ。それを知っている私からすれば、その『実りある意見を交わす場面』も場が紛糾するタイミングと落としどころも全部打ち合わせ通りなものと理解できる。

 何故なら、SAO時代では私自身がその『繋がっている者達』の一人だったから。

 つまり今、あの国会での話し合いにデジャブを覚えてしまったから遠い目で声を漏らしたのだ。

 

 無論、流石の彼も国会での話し合い全ての道筋を立ててはいない筈だ。

 

 SAO時代も単独の偵察戦で得た情報を攻略組幹部――それもキリトを認めていた者――に先に伝えられ、ある程度の打ち合わせをして、会議に臨んでいた。キバオウ、リンドと反目していた頃のキリトは、そうして裏から攻略組に影響を齎していたのだ。

 とは言え、あの『繋がっている者達』の言葉に彼の意思が反映されているかは不明だ。そもそも国の未来を左右する話に乗っかったのは彼が自身の将来の安泰を求めたが故で、日本の将来像に関する考えはあまり無い筈だ。日本が安泰なら自分達の生活も安定する、だから利用して良しと、そういうスタンスで協力する公算が高い。

 

「まぁ……それでも、あの頃と似た感じだけど……」

 

 喧々諤々と論争を繰り広げる会議場は、やはりボス攻略会議を思い出す。

 《七十五層事件》よりも前の前半期。キバオウ、リンドを筆頭に、キリトと反目していた勢力は、彼が偵察戦で得た情報をはじめ何かといちゃもんをつけていた。それに対しキリトは、どこかうんざりとしながらもデータを元に整然と説き伏せる。その冷静さが癇に障ったキバオウが、更に言い寄ろうとして、キバオウも心を許すディアベルやヒースクリフなどリーダー格によって仲裁される。

 クラインやユウキ達は割と露骨にキリト側で、ヒースクリフやディアベルは敢えてキバオウ側に立って仲裁や落としどころの提案を担当。中間の司会として私が立つ。そんな形だった。

 現実に倣えば、与党がキリト側、野党がキバオウ、リンド側という事になる。

 

「つまり総理はキリト君だった……?」

 

 はっ、とあらぬ方向に思考が飛ぶ。

 だが、中々に正鵠を射た見解ではないか、とも思ってしまう。前半期には《笑う棺桶(ラフィン・コフィン)》が堂々と潜入、暗躍していた時期で、たびたび攻略組が瓦解するような衝突が起きそうだったが、その度にキリトが人知れず動いていた。ボス戦の対策は勿論、七十六層での暴動防止の手立て、後半期の攻略で用意した馬車の手配などをしたのも彼だ。

 アインクラッドの必要悪として存在し、秩序を保つ事に専念した彼は、あの世界に於ける総理だったのでは……?

 

 

 

「なんの冗談だアスナ」

 

 

 

「わっひゃあっ?!」

 

 思わず体が跳ねた。びっくぅっ! と大きく震えあがり、座面から僅かに浮くほどに驚いた私は、着座してからばっと声がした背後を向く。

 視線の先には、いまリビングに来たのだろう、廊下とフロアの境界線で銀髪金瞳の少年が立っていた。視線だけでなく、表情にも現れるくらい呆れが浮かんでいる。

 かぁっ、と顔が熱くなるのを自覚した私は、すぐに目を泳がせた。

 

「え、ええっと、こんにちはキリト君!」

「思いっきり不自然な話題転換だな……」

「あ、挨拶は返してくれないのかな?! 挨拶は大事だよー?!」

「めちゃくちゃ強引だなぁ……」

 

 そう言いながら近寄ってきたキリトが、こんにちは、と挨拶をする。表情はもちろん、呆れ笑いだ。

 そこで、ふと視線が逸れる。

 

「それ、課題?」

 

 どうやら視線が移ったのは、私が展開している多数のホロウィンドウが気になったかららしい。ホロキーボードも出している点から類推したようだ。

 

「うん、そうだよ。今日出された現代社会の課題レポート。期限まで日にちはあるけど、早めにやっつけちゃおうって思ってね」

「なるほど。先々やっておくのはアスナらしいな」

 

 純粋な微笑みに表情を変えながら、キリトが隣の席に座る。

 他も空いてるのに何故となりに? と疑問は浮かんだが、とりあえずそれを彼方へ追いやり、会話を続ける。

 

「先々に済ませるのはキリト君もだよね」

「俺は時間が掛かるものとそうでないもので分けて、他の事と優先順位をつけてやるからなぁ。さっさと終わらせたり、隙間時間にやるの前提で後回しにしたり、特に決まってないよ。むしろ後からする事の方が多い気がする」

「でもそれって、要は計画的にやってるって事だよね? だったらいい事だよ。エラいエラい」

 

 そう褒めながら頭を撫でる。

 小学校の頃もそうだったが、長期休暇の最後の方まで宿題を残す人は少なくなかった。残り日数が少なくなって後悔する姿を見る度に、毎日コツコツやっておけばいいのに、と内心思ったものだ。進学校になってもそういう人は一定数存在した。

 しかし、彼はそうではなかった。

 博士の話によると織斑家に居た頃から勉強熱心だったらしいし、その辺を面倒がらないのは元々のようだ。だからこそデスゲーム攻略に於ける迷宮区未踏破エリアの情報収集量が人海戦術を取れる数多の有力ギルドを上回っていたのだろう。

 

 ――……星を廻る命、か

 

 そこで、ふと、意識しないようにしていた懸念が浮上する。

 《亡国事変》に於いて、セフィロトはシールドエネルギーをそう揶揄した。死んだ生物の魂が世界を廻り、星の内側へと潜り、やがて新たな命となる。それがシールドエネルギーの正体だ、と。

 あの事変ではメテオによって生きとし生ける全てを殺し、億を超える魂を吸収して進化しようとしていたセフィロトは、同じ事は和人にも出来ると言った。彼が冷静な判断を下せる精神や知識がそれを裏付ける証拠だとも。彼の強さの土台は、他者の魂から得たものであると言ったのだ。

 どこまで真実かは定かではない。おそらく、永久に答えの出ない問題だろう。

 だがハッキリしている事もある。彼が勉強熱心なのも、基本に忠実なのも、それは生来からのものである事だ。

 時折見せる博識さというか、研究者もかくやの聡明さに影響はあるのかもしれないが、そもそも元からそういう性格でなければ行動すら起こさないだろう。魂を得ても、それはあくまで熟練度ボーナスでしかない。熟練度を上げるのに必要な行動は、その人自身の思考と性格が決定するのだ。

 そう考えれば、彼の年に似合わぬ聡明さも、元々の一生懸命さの結果とも言える。

 その糧になったのは、彼に非人道的な事をした研究者達だろう。彼らの魂が彼の一助となったと考えると中々に複雑な気分である。

 不幸中の幸いは、PoH(ヴァサゴ)の魂を糧にしていなかった事だろうか。彼が暴走した時の唯一の生き残りという悪運を、その時ばかりは褒めてもいいとすら思える。

 

「――……ナ、アスナ!」

 

 そこで、強く肩を揺らされた。同時に名前を呼ぶ声が聴覚野を刺激する。

 ふと気付けば、レプラコーン族の少年がこちらの肩を揺らしていた。その顔は首や耳まで含めて真っ赤だ。

 

「ど、どうしたの?」

「それ、こっちのセリフ……何時まで頭撫でるんだ……」

 

 恥ずかしそうに言われ、漸く自分が、考え事をしている間ずっと頭を撫で続けていた事に気付く。無意識に右手を動かし続けていたらしい。

 

「あ、あはは……ごめんごめん。キリト君ったら撫で心地がいいから、つい」

「なんだ、それ……抱き心地の次は撫で心地か……」

 

 顔を赤くしながら、どこか億劫そうにキリトが言う。

 

「抱き心地?」

 

 その内容が気になった私は、端的にそう問い掛けた。すると彼の表情が更に億劫そうなものになる。

 

「……ユウキに言われた事がある」

「あー……そういえばユウキって、昔は度々抱きつきにいってたね……」

「偶にだけど、最近もある」

「あ、最近もあるんだ」

「ユイ姉と、レア姉と、あとヴァフスにも……」

「お、多いね……」

 

 ちなみに、リーファから言われた事は無いらしい。だが私は、なんとなく彼女も同じ事を思ってそうだと感じた。

 過去、私も一度彼を抱きしめた事はある。二十二層でアキトの攻略組入団一次試験の前日、クラディールの凶行から助けてもらったお礼に家に招いた時の事だ。あの時は家の事、須郷との事などで悩んでいたからその心地を考えた事は無かった。

 ……そう考えると、自分だけ損している気がしてくる。

 

「……おい、アスナ。目がアブないぞ」

「そ、そうかな? 気のせいだと思うよ」

 

 その思考を敏感に感じ取ったか、キリトが警戒したように身を離した。椅子ごと離れた辺り中々の警戒心である。内心残念に思いつつ、それを表に出さないように答えた。

 それだけで彼の警戒心は解けなかったが。

 

「……まさかと思うが、俺を呼んだのってこのためじゃないだろうな」

「え?」

「え、って、アスナが俺を呼んだんだろう、二人で話したいって」

「あ、うん。そうなんだけど……おかしいな、君から連絡があった時は気付くように設定してたんだけど……」

 

 

 家や学校、病院などからの緊急タグ付き電話なら《アミュスフィア》と連動して自動ログアウトするように設定している。つまり他の電話はそれに含まれない訳だが、それでもフルダイブ中にも気付けるようコール表示が出る設定はしていたのだ。

 まさか見逃したのか、と思ってメニューを確認するも、彼から電話はおろかメールが届いた履歴は無い。

 そこで、私が何を探しているのか気付いたらしいキリトが、ああ、と声を上げた。

 

「そりゃ、連絡してないからな。元々こっちに来る予定があったから、そこで話せれば済むし、出会わなかった場合に連絡すればいい。仮にアスナの都合が悪くても、会えたならその場で日程を話し合えば済むし」

「ああ、なるほど」

 

 問題は解決した。確かにその方が二度手間は確かに省ける。

 しかし、こちらに来る予定というのは何だろうか?

 

「ねぇ、ALOにどんな用事があったの?」

「ん……まぁ、それは後で話すよ。その前にアスナの話が聞きたい」

 

 問いかけた途端、彼の表情が険しくなったが、すぐはぐらかされた。とても重要な事な気はするが、問い詰めても『アスナが先』というスタンスは崩れない気がした。

 

「――ちょっと、場所を変えよっか」

 

 そう言って、私は席を立った。

 ――もう逃げられない。

 何から、とか。そういうのは分かっていた。

 腹を括れと親友の声が聞こえた気がした。

 

 

 どこに移動したものかと悩んだ末に、私は彼を、間借りしている部屋へと招き入れた。

 余人に聞かれるのが恥ずかしいという想いがあったからリビングを避けた訳だが、同じ理由で邸宅の外に出る事は憚られた。彼には劣るが、自分もボス戦放映や先の事変での参戦によりそれなりに注目を集める立場だ。下手に覗き見られるリスクを冒すよりは、聊か格好がつかないのを忍ぶ方がよっぽど良かった。

 リーファ邸の一室は、個人が暮らすには十分な広さが確保されている。

 備え付けと思われる調度品も品がよく、それでいて華美でない。控えめな豪華さは人を不快にさせないものだった。

 その部屋へ彼を招き入れ、後に私も入って扉を閉める。

 先にソファに座るのを勧めた後、私はティーカップを二つ、更にポットを取り出した。そのポットは魔法が付与されたそこそこのレア物で、中に入った液体を丁度良い温度にする機能がある。熱するだけでなく、逆に冷やす事も可能なのだ。

 つまりわざわざキッチンまで赴く事無く、紅茶アイテムだけ入れれば飲み物が完成するのである。

 

「キリト君って、好きなお茶はある? いっぱいあるからなんでも言ってくれていいよ!」

 

 クラインがお酒を集めるように、私はアルヴヘイム中から紅茶の茶葉を集める趣味がある。部屋のボックスの中には種々様々な味の紅茶の素をコレクションしていた。気晴らしに味を変えつつ課題をする、というのが私のルーチンワークなのだ。

 ALOを攻略しなくなっても紅茶を飲みながら何かするためだけにログインは続けるくらい私はこの世界の紅茶に嵌っていた。

 そんな熱意の籠った催促に、彼は苦笑を浮かべた。

 

「あまり拘りがないから……アスナの得意、というか好きなものがいいな」

 

 ――――具体的な料理名が思い付かないから、アスナが得意な料理が良いな

 

 一瞬、デジャブが(よぎ)った。

 胸の奥に、僅かな疼痛が走る。

 同時に込み上げてくるものがあった。あの時から本当に色々あって変革と成長を繰り返した彼は、それでも根っこは変わっていない。

 懐かしさと嬉しさが胸中を満たし、疼痛を和らげた。

 様々なものを飲み下し、笑みを浮かべる。

 

「わかった。じゃあ最近暑くなってきたし、冷えたレモンティーにしよっか」

 

 部屋に置いているボックスから選別した茶葉アイテムと水が入った保存容器を取り出し、順番にポットへ入れる。ポットの持ち手をタップし、出てきたポップアップメニューで温度を設定し、出来上がりを待つ。一応《料理》の判定なのでポットの上には見慣れたタイマーが表示された。

 冷やしたままお茶を作る工程故か、十秒ほどで完成したそれをゆっくりカップに注ぎ、ソーサーと一緒に彼の前に出した。続けて自分もカップに注ぐ。

 カップを手に取り、紅茶を飲んだのはほぼ同時だった。

 さわやかなレモンの風味。スッキリした後味と、程よい酸味のハーモニーが口内を満たす。柑橘系の芳醇な香りは鼻腔を擽る。

 現実ではこうはいかないため、流石は仮想世界と言うべきか。

 

「……爽やかな味だ。凄く美味しい」

 

 どうやら彼にも好評だったようで、ごくごくとそこそこのペースで喉を潤していく。すぐにカップは空になった。

 

「お代わり、いる?」

「ん、いる」

 

 すかさず頷いた姿に微笑みながら、カップに二杯目を注ぐ。

 二杯目はゆっくりと口に含みだした彼は、以降は黙り続けた。それがこちらのアクションを待っている姿勢であると理解した私は、内心ドキドキしながら覚悟を固めた。

 ――茶器をテーブルに置く。

 居住まいを正すと、彼も雰囲気を察したらしく、視線がこちらに向いた。

 ひと際、拍動が強くなる。

 黒い瞳と対峙しただけで、何から話そう、どう言おうと考えていた事が、何もかも吹っ飛んでしまった。

 

「――私ね、ずっと探してた人がいるんだ」

 

 真っ白な思考のまま、私はそう口火を切っていた。

 後悔するんじゃないか、とか。そんな考えも過りはしたが、何故か動き始めた口は止まらなかった。

 

「私を助けてくれた人だった。自棄になって、死ねばそこまでって思ってた私を、その人は助けてくれたの」

 

 彼から、訝しげな視線を向けられる。

 まだ確信を言っていないから分かる筈がない。そこまで自棄になった事があるのかと、一瞬瞠目した辺り、当時そこまで他人に気を払っていなかった筈だ。

 それだけの余裕が、彼にもなかったのだから。

 

「その人とは、一言も話せなかった。顔もよく見えなくて……名前も、教えてもらえなかった。知ってそうな人に聞いても、『本人が望んでいない』って言われたの」

 

 そこで、ふと引っ掛かるものがあったのか、彼の目端がぴくりと動いた。

 同じような事はあった筈だ。彼は人から疎まれつつも、それでも他者を助ける行動を取り続けていた。悪態をつく者もいたというが、逆に名乗らず立ち去る彼にお礼を言いたいと言う人もある程度居た筈なのだ。

 ――今の認識はまだ、『助けた大勢の内の一人』でしかない

 

「でも、諦め切れなかった。あの時助けられなかったら、私はきっと死んでいた。死ねばそこまでとは思っていたし、どう死のうかとも考えてたけど……本当は、死にたくなんてなかった……」

「……それは……」

 

 驚愕の目が向けられる。

 私のかつての思考を、彼は知る由もなかった。だからこそ驚くはずだ。『どう死のうか』『死ねばそこまで』という思考は、義姉に正される前の彼の思考そのものなのだから。

 

「だから、お礼を言いたくてその人を探してたの。()()()()()()()()()()()()()()()()()

「……」

 

 反応は無い。うすうす勘付いてはいたらしい。今の無言は、いったい何時、誰の事かと記憶の海を浚っているからだろう。

 あるいは、敢えて無言を貫いたのか。

 ――どちらでも構わない

 私がする事は、変わらないのだから。

 

「今でも、思い出せる。何もかもが変わった瞬間から二週間が経って、現実からの救助を諦めた私は、街のログアウト・スポットがあるっていう西の森に向かったの。でもそれはガセネタで、コボルドの攻撃で瀕死に陥って……」

 

 そこで、視線をぶつける。

 

「君が、駆け付けた」

「……何時から気付いてたんだ? 多分、SAO中は気付いてなかったと思うんだけど」

「そう言うって事は、私があの時のプレイヤーだって君は気付いてたんだね」

「一層迷宮区で俺を助けたアスナが同じローブを被ってたからな。それに、何も数えてるのは取り零した人数と顔だけじゃない」

「そっか……」

 

 《クラウド・ブレイン事変》の続き、分けて称するなら《ホロウ事変》と言うべき最中、過去のキリトはアルゴから『何人殺したか覚えているか』と問われ、正確に答えて見せた。助けようとして、しかし間に合わなかった人数も覚えていた。

 それと同じだと、彼は言っているのだ。

 自身が助けた者だと明かさなかった理由は、当時の彼の境遇を思えば、問うまでもない。

 

「気付いたのはね、ホロウ事変の時。セブンちゃんの暴走に巻き込まれてる間、私はログアウト・スポットの頃を追想してて……目が覚めた時の中継で客観視して、やっと気付けたの。無自覚に重ねてた事にもね」

「重ねて……? 何と?」

「ログアウト・スポットの時と、須郷さんから助けてもらった時、私は君を見上げてた。その時の目の感じとか、君の背中とかね……私があの後も戦えたのも、君の後ろ姿を追い掛けてたからっていうのが大きいから」

 

 どう死のう、と諦めの境地だった私に、明確な目的が生まれた瞬間でもあった。『あの剣士にお礼を言う』という目的が自然と生じ、自棄にならなくなった。

 つまり、あのコボルドから助けられた瞬間、私は救われたのだ。

 

「私はね、ただ命を助けられただけじゃなくて、心も救ってもらっていたの。お礼を言いたい一心で戦っていたのも、だからなんだと思う」

 

 そこで私は、深呼吸を挟んだ。

 

「今まで気付けなくてごめんなさい……そして、ありがとう。あの時、私を救ってくれて。何度も何度も助けてくれて」

 

 明確に私個人を助けた回数だけでも、ログアウト・スポット、クラディール、須郷、カーディナルからの試練、クラウド・ブレイン事変、IS学園襲撃事件の六回ある。細かなものを含めれば、両手両足では数え切れない程だ。

 勿論、助けてもらう度にお礼はした。

 だが、ログアウト・スポットの件だけは未だ出来ていなかった。《結城明日奈》が生まれ変わった契機を齎した彼へのお礼が出来ていない事が引っ掛かっていた。

 

「ああ、どういたしまして。でも遅くなったのは仕方ない、俺がアルゴに口止めしてたんだから」

 

 キリトが、微笑しながら応じてくれた。

 ――途端、胸の内がすっとした。

 そこで気付いた。何かと理由を付けて告白の時期をズラしていたのは、ムードがどうとかではなく、この事がずっと引っ掛かっていたからなのだと。お礼をするべき事に何もしていなかったからだったのだ。

 でも、それも無くなった。

 いま、心の裡は晴れやかだ。最早恐れるものは何もない。

 今ならいける、と己を自然と奮起した。

 

「話っていうのはこの事だったのか」

「ううん、違うよ。むしろここからが本題かな」

「えっ、そうなのか」

「そうだよ」

 

 ずっと出来なかったお礼が本題だと思っていたようで、気を抜いた彼が瞠目する。この話から何がどう繋がるのか見当がつかないと困惑しているのがよく分かる。

 彼の中では、それで終わった話なのだろう。

 助けて、お礼を言われて、それでおしまい。その流れでその話は終わりなのだと。

 

 ――罪な人だよ、君は

 

 だから、なのだろう。彼が鈍い反応を見せるのは、構築された関係が発展する事を考えていないからに違いない。友達は友達のまま、そこから動く事がない。関係が変わる時は、必ず相手側からになる。

 来るもの拒まず、去るもの追わず。

 そのスタンスは、彼自身が関係を変える事をしない事を象徴している。むしろシリカ、リズのように彼の方が働きかけた関係の方が稀なのだ。

 だからこそ、こちらから動かなければならない。

 そうしなければ、彼との関係は永遠に発展しないのだから。

 

「私ね、キリト君……ううん。和人君の事が、好きだよ」

 

 羞恥に身を焦がしそうな想いをしながらの告白。

 

「……えっ」

 

 反応は、拍子抜けした声だった。呆気に取られている。

 そんなに意外だったのだろうか、ちょっと失礼な反応じゃないか、と考えつつ口を開く。

 

「初めて救われたあの日からずっと無自覚に抱いてた想いを、無人機から助けてもらった時に、自覚したの。吊り橋効果とか思われるかもしれないけど、私は真剣だよ。たくさん悩んで、考えて、それでも同じ結論だった」

 

 突きつけられた方の彼は、眉根を寄せ、苦しそうな面持ちになった。

 苦悩。懊悩。

 そんな表情だ。

 理由はわかっている。同じ告白を、他の子からも受け、更には返事待ちしてもらっているのだ。それをどう伝えたものかと考えているに違いない。

 

「ユウキ達との事ならわかってるよ。返事を待ってもらっている事も、ね。重婚認可法の法案が通ったら重婚する事になるだろうっていうのも承知済み」

「なっ……」

 

 逃げ場を無くすように機先を制すると、彼はわかりやすいくらい狼狽した。

 その反応もおかしなものではない。重婚を認める世論が出ている昨今だが、それでも日本は現在、一夫一妻しか認められていない。その価値観で育った私達が重婚を認める前提な事に驚くのは自然な事だ。

 でも、彼はわかっていない。

 

「そりゃあ君の唯一のお嫁さんになれたらなって、考えはするよ? でもそうなると私とユウキ達はお互いで争う事になっちゃう……それが、君の望みに反するって知って、それでも唯一を手にしたいとは思えない。私達はみんな、君の幸せを望んでるから」

 

 最後の一言が、全てだ。

 恋とは求めるもの。

 愛とは、与えるもの。

 ならば私達は彼を愛したいと言うのが適切だ。彼が欲して止まず、決定的に足りていない幸福を与えたい。彼に恋する者として彼の愛情を欲しはする。だがそれと同じくらい、私達は彼に愛情を注ぎたい。

 恩には恩で報いるのとは異なる一歩踏み込んだ、お互いを充足させる()()でしか生まれない幸福を彼に知ってもらいたい。

 最早理屈では語れない、感情と本能による欲求。

 愛を注ぎたい(愛したい)という本能(母性)に近しい衝動。

 

「君の幸せのための力になりたい。みんな、そう思ってるんだよ。私も同じ。いい大学に行って、《レクト》を継ぐか、そうでなくても要職に就くのが私の目標……君への想いを自覚するまでは持てなかった、明確な目的」

 

 思えば、SAOの頃と同じだ。

 コボルドに救われた時、どう死のう、という考えが変わって、お礼を言う目的のために生きようと足掻いた。

 想いを自覚する前は煩悶としていた日々が、今は明確な目的をもって将来に向けて進んでいる。

 どちらも、この少年との関わりが契機になっている。

 それほど彼の影響は大きい。社会全体だけでなく、個人への影響も。

 

「私はさ、リーファちゃんみたいな武道の心得、ユウキみたいな天賦の才も、シノのんみたいな射撃のセンスも無い。セブンちゃんみたいな頭脳もね……でも、そんな私にも、他の人にはないものがある」

「それが、家の……」

「そう。父が立ち上げた《レクト》には兄が勤めてるし、少し特殊だけど私と和人君も関わり始めた。君はちょっと分からないけど……私が就職する事は、ほぼ決まってるようなもの。結城家の方も関西一円の影響力は凄いからね。利用しない手はないよ」

 

 大企業、政府の上層に食い込めるほど権力も能力もある結城家の一部にも、和人と繋がりを持とうとする人は居る筈だ。中には鷹崎元帥らと一緒に関わっている人もいるかもしれない。そういった人達の協力を取り付ける、あるいは危害を遠ざける事も彼の助けになるだろう。既に兄、父が協力的で、母はやや消極的だが邪魔はしないだろうスタンス。その気になれば、彼は《レクト》と結城家に根回しできる状態にはあるのだ。

 その仲介役に正式になる事で力になれる、と私は言っているのである。

 ――まるで寵愛を受けようとしている輩みたいだな、私

 ふと、今の自分を客観視し、そう批評する。本当に彼を愛しているのか、好いているのかと別の人がしているのを見れば思うに違いないだろう発言だ。

 醜いな、と自己嫌悪になりながらも言葉は止めない。

 それだけ彼の事を強く想っているのだ。

 

「私は、君のためならなんだってするよ。間違ってるなら君を止める。逆に、たとえ人道に反するとしても、それが間違っていないなら手助けする」

 

 暗になんでも認めるわけではないと伝える。なんだってする、を悪い意味で捉えられては敵わない。

 そう考えると、リーファのスタンスが一番近いのかもしれない。彼女の言動は彼への愛故だった……そう考えれば、傷ついている時にむしろ容赦なく叩き潰したあの時の行動も理解できるものに思える。愛しているからこそ間違いを正したのだ。

 凄いなぁ、リーファちゃんはと尊敬の念を抱いた私は、ソファから立ち上がった。

 

「憶えていて。君を愛する(想う)人には私もいるという事を」

 

 そこで言葉を切り、いま一度少年を真っ直ぐ見詰める。

 

 

 

「桐ヶ谷和人さん。私、結城明日奈は……貴方と、添い遂げる未来を望みます」

 

 

 

 ハッキリと、改めて告白する。勘違いのしようがないほど明確に突きつける。将来を見据えた告白だぞ、と。

 

「答えは、まだいいよ。でも、待ってるからね」

「――ああ」

 

 短い返事。

 その一言には、万感の思いが籠められているように感じた。

 

 






 告白シーンと理由を各キャラ毎に被らないよう意識してるからキッツイんですわ(吐血)

 そんなマイルールで縛ってる自分が悪いんですがね……


・結城明日奈
 今話の主役
 本作ではキリトに助けられた後、クラインに同行し、攻略に参加。クラインやアルゴとのふれあいにより原作より心にゆとりが生まれ、戦い続ける理由が『お礼を言うため』という目的で人探しになっていたが、無自覚の内にキリトだと気付いていたものの自覚していなかったためホロウ事変までスルーされていた
 黙っていた事に関してアルゴは責められても文句は言えない(女のカンが……?)
 実は『生まれ変わった瞬間』と恋心のキッカケ、想いの自覚のキッカケがどっちも『敵を一刀両断した和人に助けられる』というミラクル
 告白する事に後ろ向きだったが、原因は最初に助けてもらった時のお礼がまだだったから。本人にその自覚が無かったので『ムードが、タイミングが……』など言い訳していた
 そこを解消した事で、母との関係はまだギクシャクしているし、和人との婚約に付随する思惑に悩みはあるが、『そんなの気にして恋愛できるかぁ!!!』と吹っ切れた
 原作ヒースクリフにのっけから『お別れの挨拶に来ました』と切り出した時の原作アスナのテンションに近しい。前話がリズ編の精神状態だったのに、数時間で成長が著しいですが、原作(ヒロ)(イン)補正という事で

 『キリト君のためならなんだってする』は原作でも口にしているセリフ。敵を殺す罪も背負う時のセリフだが、それと同じ決意を今回口にしている
 やはりこの時点で狂愛悪(ユウキ、セブンレベル)に至っている辺り、原作正妻は半端じゃねぇ(迫真)


・桐ヶ谷和人
 ハーレムが約束(強制)された主人公
 他者の想いに鈍感なのは、防衛反応というよりは『自分からは関係を動かさない』という保守思想の極地のスタンスだったから。相手は自分に友達以上の感情を向けるようになっても、和人自身が『友達』になった頃のままなので気付くわけがないという話。そのせいでユウキを始め何度も告白されているのに反応が初心というか、気付く節がない
 アスナに自身が助けた人であると後半期以降もバラさなかったのも、好意的な関係せいなため意義を見出していなかった。仮に険悪でも、ヒースクリフやクラインなど他に攻略組の幹部はいるため、特別アスナとの関係改善を図る必要性が無いとして出さなかった可能性は高い
 気にするのは『好意的』か『嫌悪的』か『無関心』のいずれかのみ。ゼロか百かでしか測れない
 ある種、コミュ障の極地
 ――まあ人間関係でトラウマ抱えてるから是非もないネ!


・アルゴ
 最初期、アスナの面倒を見た情報屋
 アスナを助けた人物について伏せたせいでキリトへの想いを伝えるのがかなり遅くなった、ある意味の戦犯
 ユウキの告白をインターセプトした実績はやはり光る


 では、次話にてお会いしましょう


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