インフィニット・オンライン ~孤高の剣士~   作:黒ヶ谷・ユーリ・メリディエス

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 どうも、おはこんばんにちは、黒ヶ谷・ユーリ・メリディエスです。

 うーむ……やはりクオリティが下がってきている。構想は浮かんでいるのに上手く自然な文章に書き起こせなくてもどかしいです。

 そんな今話はキリト視点です。ただちょっと訳が分からないかも、キリト視点だと何時も小難しいですから何を今更という感じですが。

 後々に関わって来るので今は、そうなのかー、で流して頂けるとありがたいです。

 ではどうぞ。




第二十七章 ~《Kirito》の矛盾と戦う理由~

 

 

「……此処、何処?」

 

 第一層でギン達を軍の《徴税部隊》から助け出し、レインにおぶってもらった所までは覚えている。しかしそこから先の記憶は無い。というか、唐突に途切れ、気付けば俺は別の場所で倒れ伏していた。

 軽く起き上がって周囲を見渡し、明らかにさっきまでいた《始まりの街》の路地とは別の場所であり、更にはそもそも《アインクラッド》で見て来たエリアでも無い事に気付いた俺は、首を傾げながら言葉を発した。

 俺が倒れていたその場所、というか地帯は謂わば現代都市だった。天空は一切の光も通さないとばかりに黒い暗雲が立ち込め、今にも雨が降り出しそうな雰囲気だ。周囲を見れば高層ビルが立ち並んでいた、しかしその殆どの窓から光は漏れていなくて、電光掲示板がバジジッと空しく音を上げながら明滅するという、どこか寂れた感のある場所だった。

 起き上がろうと地面に突いた手の感覚や膝、足の感覚、何となく感じる肌寒さ、それらがこの世界を夢では無いと突き付けて来る。夢だったらどれだけいいかと思ってしまった。まぁ、そもそもここは俺の記憶には無いし、それらしい場所に行った事も無いから、仮に夢だったなら別の意味で恐ろしい事になりそうだ……仮に《SAO》内で、《アインクラッド》ではない別エリアに飛ばされたとしても、それはそれで恐ろしいけど。

 そんな益体も無い事を考えながら立ち上がろうとした俺は、その時、ある事に気が付いた。地面に突いた手が視界に入ったからだった。

 普段の黒尽くめな戦闘服で、俺は手に嵌めるグローブを指貫手袋にしている、色は黒革だ。しかし今している手袋は黒い革である事に変わりは無いのだが、その色合いは闇の様に深く、更には指先まで全てが覆われているノーマルな手袋だった。

 

「な……何で恰好が……」

 

 慌てて立ち上がってから全身を見て、唖然とした。今の俺の恰好は《アインクラッド》で悪名を轟かせている《Kirito》で馴染み深い前開きの黒コートでは無く、裾が踝近くまである長いフード付きのロングコート……簡潔に言えばホロウと同じだったのだ。ブーツも鋲付きのものから厚底の靴に変わっている。ホームから出る際には何時も背負っていたエリュシデータも、《二刀流》を明かしてからは背負うようにしたダークリパルサーも、今は何処にも無かった。地面に落ちているのかとも思ったが無く、右手を振ってもメニューも出ないので取り出すという事も出来なかった。

 ここがどこなのか分からない以上、自分が強者である《Kirito》なのか、あるいは弱者である《桐ヶ谷和人》なのかも分からない。何かに襲われた時に対処するにしても、リアルの俺は素人ならともかく武道の有段者なら互角、あるいは僅かに劣るため、対処出来る相手にも限りがある。

 それに本当に現実なら最悪ISを使って対抗するという手段を取れるが、俺が居たのはSAOだし、《ナーヴギア》を取り外されると死亡する事は直姉の話から分かっているからリアルの体が街中に放り出されているという事もあり得ない。そもそも本当にリアルなら一年半も寝たきりだった弊害で痩せ衰え、そもそも起き上がれない筈だし。

 自分の能力も分からない、場所も分からない、どうしてここにいるかも分からない。

 

「……何処なんだよ、此処は……?」

 

 ないない尽くしで、自分の身を護れる力も無いかもしれないという可能性は、俺の心に不安の陰りを呼び起こす。何かしていないと不安が高まってしまいそうだったから、俺は街を歩くことにした。裏道めいた通り、高層ビルの間に作られている道を少しずつ用心しながら歩くが、何もいない上に先を見通せない闇が横道にはあって尚更不安は高まる一方だった。

 

『キシャァ……』

「な……モンスター……?」

 

 不安で顔を顰めたその時、横道から静かな奇声と共に一体のナニカが姿を現した。

 それは白い仮面があって、眼の部分からは黄色の光が見え、犬のように四足歩行のそれの体に体毛は見られなくて緑色の体表が見えるだけだった。パッと見ではホロウ、俺が暴走していた時に付けていた仮面と酷似してはいた、形状そのものは獣の頭蓋骨のようだったから幾らかの違いは見られたが確かに似ていた。

 

『キシャッ!』

『クシャシャッ!』

 

 泣きっ面に蜂とはこの事か、そのモンスターは一体だけでは無く、他の横道や小道、更には高層ビルの屋上から降って来る個体まで居た。そしてそれら全ての視線は俺に集まっている、勿論ナンやピナのような友好的なものではなく、敵意や害意といったそれだ。思わず一歩下がってしまった。

 対抗したい所だったが、大きな問題があった、今の俺に武器が無いのだ。無手も出来なくはないけど流石にモンスター相手に無手を主流に出来る程の熟練は無い。世界最強や神童の兄だったなら出来たかもしれないが……幾ら目指しているとは言え、流石にこれを試す気にはなれなかった。せめて人だったならまだしも、未知のモンスター相手に無謀な賭けはしたくない。

 

 

 

 こんな時に二刀があったら、ISのように拡張領域から出し入れ出来るなら。

 

 

 

 そう強く思った。

 ISとして広く知れ渡っているものはロボットのような機械的なもので、武器もそれに見合うくらい大きなもの――アサルトライフル一丁が生身の成人とほぼ同じ大きさ――が基本的、近接ブレードも成人の身長とほぼ同じか少し超えるくらいの刃渡りがある。重量だって機械的な上に本物なので相当重い、ぶっちゃけると生身ではまず持てない。それを解消する為に、俺が実験体にされたという背景もあるらしい。

 対する俺は、ホロウの恰好をかつての俺自身、白い化け物へと変化――ぶっちゃけると暴走――した後もほぼ背丈は変わっていなかった事、そして使用している武器の大きさからして、普通に生身の人間でも扱えるものばかりだ。勿論チャクラムは投げても帰って来ないだろうし、六槍などISの能力を用いなければ二本までしか使えないこと請け合いだが、逆に考えればISの機能が停止――シールドエネルギーが枯渇――しても継戦は可能なのだ。

 更に俺の体に埋め込まれているISコアは、そこらのISとは異なる規格なので、たとえSEが枯渇したとしても拡張領域への武具の出し入れや浮遊は可能というのが特徴の一つだ。絶対防御が無くなるのはそこそこ痛いが、対IS装備なんて絶対防御を無視して操縦者にダメージを与えられる攻撃力を持つ武器がある以上はあって無いようなものだから構わない。

 つまりSEがあるISを纏った状態であろうと、枯渇してほぼ生身の状態であろうと、戦える事そのものは変わらない。だから今此処に二刀があったなら、俺はある程度なら戦える自信があった、伊達にデスゲームでソロを貫いていないし、直姉に鍛えられていない、更には世界最強を追っている訳でも無いのだから。

 そんな背景もあって強く思ったその瞬間、両手にそれぞれ蒼黒い雷と共に闇を纏ったエリュシデータと紅白い光に包まれると共に纏いながらダークリパルサーが出現した。

 

「な……エリュシデータとダークリパルサー……?!」

 

 闇色と光色を纏った二刀流。それは俺の体に埋め込まれたISコアで戦う時に使う武器の一つだったが、本来は今振るっているSAOでの二刀では無く、ホロウが長剣に合体させたあの二刀がISで使う二刀武器だ。

 闇色の片刃の剣は《黒鉄》、光色の片刃の剣は《白金》という名前だった。元の名前は《雪片・黒式》と《雪片・白式》と言った。その名前は世界最強の姉が振るっていた武装とほぼ同じで、何となくまた較べられているような感じがして嫌だったから、束博士に頼み込んで変えてもらったのだ。安直ではあるが、気に入っている名前である。

 それはともかく、あの二刀、基の名前がアレなだけあって当然ながら世界最強の姉が振るっていた剣と同じ性能がある。元々それを意識して作っていたのだろう。

 すなわち、《零落白夜》という名称の能力だ。

 《零落白夜》とは、ゲーム風に言えば相手の防御力を無視してダメージを与えるという性能を持つ特殊技と言えるもので、ISではこれを単一仕様能力と呼ぶ。ホロウも二刀を合体させてから使って来ていた《薄明剣》の能力が、正に織斑千冬が世界最強に至った最大の要因でもあると言われている力そのものだ。使用している間はISのシールドエネルギー――SAOでのHP――を大幅に消費するのだが、その使用する時間を刹那の瞬間に縮める事でコストを極限まで下げ、効果を最大まで上げていた為に、織斑千冬は世界最強のブリュンヒルデと呼ばれるようになったのである。

 もしかすると、俺が呼び出した二刀がSAOでの二刀だったのは、ISでの二刀がブリュンヒルデの力を想起させるから忌避しているという俺の心の表れなのかもしれない。

 

『グシャアッ!』

「ッ!」

 

 俺が手元に現れた二刀に目を向けて驚いていると、その隙を狙うかのように跳び上がってモンスターが一体襲い掛かって来た。ほぼ反射的に左に半歩動き、時計回りに回って遠心力と捻転力を加えた二刀で、攻撃が不発に終わって隙だらけのモンスターへと叩き込む。闇と光を纏った剣尖はモンスターの体表をあっさり斬り裂き、斬られたモンスターは白い塵となって消えていった。

 それで一気に敵意を膨れさせたモンスター達は、ジリジリと俺の周囲を取り囲みながら距離を詰めて来る。俺はそれを見て、腕を胸の前で交差させて腰を落とし、二刀に闇と光が灯った瞬間に振り抜いた。周囲を薙ぎ払うように振り抜くと共に漆黒と翡翠の斬閃が渦を巻き、かなり近付いていたモンスターから斬り刻み、少し離れていたモンスターは剣圧で押された。

 《二刀流》スキルで最初に習得する片割れ、全方位を二刀で攻撃する二連撃ソードスキル《エンド・リボルバー》。それが使えた為に、一応今の俺はSAOでの《Kirito》の力を扱える事が分かった。

 

「そうと分かればこっちのもの……!」

 

 少なくとも戦うだけの力はある。その事実は俺の心を覆っていた不安をたちまち消し飛ばし、体中に闘志を湧き立たせるには十分だった。襲い掛かって来たモンスター達に一刀ずつ見舞い、時には複数纏めて斬り散らしながら、俺は高層ビルの間を縫うように伸びる道に沿って進んだ。

 

 *

 

「ハァ……ハァ……」

 

 道なりに進み続け、その間もずっとモンスター達と戦っていた間、俺は戦闘に集中していた為に気付くのは遅くなったが途中から雨が降り出したようだった。かなりに大粒のようでパシャパシャと地面に落ちては雫を散らす。色々と弊害が出るのは確実なので、今はフードを被っている状態だ。視界が悪いことこの上無い。

 更に悪い事に俺は戦い続けていたせいでかなり疲弊していた。その疲労もSAOの時のような精神的なものでは無く、現実と同じ肉体的な疲労だ。あれから戦い続けて俺が《アインクラッド》で使えたソードスキルは全て使え、更にはISで使っていた武器も使える事が判明し、それらで戦ってきたものの、どうやらソードスキルの速さは相当体に負荷を掛けるようで疲労が蓄積しやすかったようなのだ。

 まぁ、少し考えれば分かる事ではある。ソードスキルはシステムアシストにより、現実では実現不可能であろう速度で武器を振るって相手を攻撃するもの、つまり一回では何ともなくとも、断続的に使用を繰り返せば体にガタが来てもおかしい話では無い。

 とは言え……もし今の俺のこの体が現実のものを再現しているのであれば、それだけ体力が無いという事でもあるので情けないとも思うが。ソードスキル以上の剣速を出せない事も無いが、やはり体に掛かる負荷が大きすぎるから乱発も出来ないし……もしここでまた堕天使が出てきたら、俺は今度こそ負けると言える。まだSAOアバターのように肉体的疲労が無かったなら勝算はあっただろうけども。

 流石にもう戦いたくないと、此処に来る少し前に戦って倒したばかりの凶悪な強さのボスを思い浮かべながら、俺は呼吸を整えて歩みを再開した。

 

「……というか、本当に出口、何処……?」

 

 パシャ、パシャ、とブーツが一定のリズムで立てる音を耳にしつつ、俺は油断なく二刀を構えながら歩く。しかし行けども行けども高層ビルが立ち並ぶ道が真っ直ぐに、あるいは直角の曲がり角を姿を現すだけで、どこかの広場に出るという事も無い。延々と道が続いて終わりが見えない為に、俺は不安と共に鬱屈した気分で言葉を吐き出した。

 すると、薄暗い道の先に、少しだけ明るい場所に出るのが見えた。今まではビルの間に道が出来ていたので影で暗かったのに、途中から何かに照らされているかのような薄く明るい光景があったのだ、しかも道幅より広そうなのからして恐らくは何かしら開けた場所なのだと予測出来た。

 

「……これは、摩天楼……?」

 

 その場所に出てすぐに浮かんだ感想はそれだった。

 まず第一に目に付いたのが、周囲にある高層ビルよりも遥かに階層を重ねている巨大なビルだったのだ、まるで天を衝かんばかりの様相は摩天楼としか俺には表現出来なかった。まるでどこかの高級ホテルのような入り口、そこに上がる為に左右から正面へと曲がっている階段がある摩天楼ビルだった。そのビルだけ所々窓から明かりが漏れていた。

 

 

 

『漸くのご到着かよ……随分のんびりしてたんだなァ、えェ?』

 

 

 

 こんな見た事も無い世界に人が居るのか、そもそも中に入れるのかと疑問に思いながら歩を進めようとしたその時、天から反響しながら声が響いて来た。まるで機会に掛けている音声のように二重に狂ったような高い声、その声からはどこか嘲弄めいたものを感じた。

 釣られ、天を見上げる。自然と俺は摩天楼の屋上に目を向けていた。ホテルの入口へと繋がる階段、入り口、窓、電光掲示板へと視線を移していき、ギリギリ見える屋上へと辿り着く。

 それと同時に、その屋上から飛び出す白い影があった。それはどんどん地表へと近付いて行き……数秒後、すたん、と落下速度に反して軽やかな足音と共に着地した。片膝立ちになっていた白い影は、ゆっくりと上体を起こし……最後に、顔を上げた。

 

『よォ、初めましてだなァ……王よ』

 

 俺を《王》と呼んだその白い影は、俺と鏡合わせのような容姿をしていた。違いを上げるとすれば目つきと表情などがあるが何よりも違うのは、その色だった。

 俺の二つ名は【黒の剣士】、それはこの二つ名が付けられてからも暫くは片手剣使いであった俺がシャツやズボン、コート、果ては使用していた剣――LAのエリュシデータはともかく先代のウェイトゥザドーンなど――まで意図的に黒くしていたため付けられたものだ。例外的にダークリパルサーのみ翡翠色と純白が混ざっていて色に反しているが、槍や細剣などは全てを黒色にリペイントし直しているので、正に俺は二刀の時を除けば黒一色に染まる。瞳も、そして長い髪も。

 しかし目の前の影は真っ白だった。目は本来白い部分が黒く、瞳は金色に染まっていた。肌色は病的を通り越して真っ白、髪も白髪を思わせるくらい真っ白、服もコートもブーツも手袋も全て白……何故か服装はSAO《Kirito》のそれだったが色は完全に正反対。背負っているエリュシデータも白く、ダークリパルサーは毒々しい紫色だった。

 殆どが色を反転させているような瓜二つの存在が、俺の目の前にいた。

 

「……俺と同じ顔、か……」

『へェ、思ったより驚かないンだな』

「闘技場のホロウを見た時から予感だけはしてたからな……」

 

 何れ俺と全く同じ顔の敵と相対するのでは……そう予感はしていた、まさかこんなすぐだとは思わなかったけど。しかも色が反転してとか誰が予想出来るだろうか。

 俺がそう考えつつ、溜息と共に言葉を返すと、白い俺は口の端を歪めた。

 

『カッ! ま、あンだけあからさまだったらそう思うのが普通だよなァ』

「……何か知ってる風な言い方だな。このSAOのデスゲーム化には、やっぱり俺を人体実験に使った組織が関わってるのか?」

 

 白い俺の言い方に違和感を抱いた俺は、浮かんでいた疑念をぶつけてみた。

 俺と束博士しか知らない暴走状態、俺の体に埋め込まれたISコアの拡張領域に納められている武器達、そしてそれらの扱い方……そこにデスゲーム化の真犯人が茅場晶彦では無いという推察を結び付ければ、自然と俺を攫った組織の存在しか無くなって来る。データを持っているのは、俺と束博士を除けばあそこしか無いからだ。

 束博士はこんな事をするような人では無い、仮に俺を騙していたなら別だけど、あの人は基本的に親しくも無い人をどうこうしようという事は無い。あの人の場合、行動は究極的には自分の事だけである。例外で束博士自身が認めた人物の為に動く事もあるが、その対象を傷付けようとはしないので、その一人であると教えられている俺を苦しめる筈も無いからこんなことをする筈が無い。

 俺の疑問を受けた白い俺は、肩を竦めて嗤った。

 

『さァ? ンな事知る筈が無ェだろ、何せオレはテメェなんだからよ、テメェの知る事がイコールオレの知る事でもある。それ以前にそもそもオレの知った事じゃ無ェし』

「お前が俺……つまり俺がお前……その割には性格が随分違うようにも思えるけど」

『そりゃァな、オレとテメェは同じだが、存在が違ェンだ』

「ん……え、と……んんっ?」

 

 白い俺の言い回しは難解だった。というかこれ、分からせる気が無いのではとも思えた。腕を組み、眉根を寄せながら首を傾げて考え込んでしまった俺を見て、白い俺はふっと息を吐いた。

 

『テメェにはまだ難しかったか? ならもっと単純に、明快に、明確に言い表してやるよ。オレは……』

 

 そこで白い俺が、右手を持ち上げ……白いエリュシデータの柄を掴んだ。

 

『テメェでもあるって、事だッ!!!』

「ッ?!」

 

 そして、三日月を思わせる酷薄な狂笑を浮かべながら大声を張り上げ、白いエリュシデータを抜いて斬り掛かって来た。柄に手を掛けた時点で警戒したため、後退しながらではあるが俺も黒いエリュシデータを抜き、刃を交えた。黒と白の火花が散る。

 

「いきなりだな……ッ!」

『キヒャハッ!』

 

 悪態を吐くと、更に白は笑みをを深くする。それにゾッとして刃を押し出し、白を大きく後退させ、距離を取った。

 

『テメェが知ってるかどうかは知らねェが、オレとテメェは、元々は一つの存在だった』

 

 後退しながら、白はそう言ってきた。それに聞き入ろうとしたところで斬り掛かってきて、集中を散らす目的で話しているのだと察する。無視するのが一番なのだろうが、この白い俺の事が気掛かりである事も事実であり、結果的に俺は白い俺の声を流す事も出来ないで戦う羽目になった。

 

『結論から言えば、オレはテメェの裏側の顔……テメェが封じ込めたテメェ自身の心と記憶の集合体だ』

「俺が封じ込めた、心と記憶……?」

 

 ダークリパルサーも抜き、二刀で斬り掛かる俺と白い俺。ソードスキルを使えば手っ取り早いのだが、使っている間に気付いたがこの世界では技後硬直というものが存在しない、そして相手が俺自身であるという事は俺が習得している技の全ての軌道を熟知しているという事なので悪手なのは確実。見切られて斬られる未来しか無かったため、俺は全ての斬撃を純粋に俺の技術だけで放っていた。

 対するホロウも同じようにデフォルト攻撃しかしてこないため、見切り、躱すか防ぐかの選択、反撃のタイミングを測るのも全て一から十までしなくてはならない。そんな中でも語られる内容に、俺の意識は幾分か割かれていて、次第に追い込まれていく。

 

『まずテメェ、昔の記憶ってモンが大分薄れてる自覚があるのかよ?』

「ッ……?!」

 

 斬り掛かり、防ぎと剣劇の応酬を躱される中で投げられた問いに、俺は息を詰めた。その問いに対する答えを持っていたからだ。

 自覚は、あった。確かに意識して昔を思い出そうとしても、かなり薄れている、虐げられている最中の記憶もかなり曖昧だし、何よりも薄れているのは普段何をしていたかだ。家事をしていたのは覚えている、けれど自室でしていた事は覚えていない、多分学校の宿題をしていたのではないかと考えていた。だが思い出してみれば、俺の通学カバンは何時もボロボロで、宿題や教科書が紛失する事も度々あった気がするし……それでは家で宿題など出来る筈も無いから、矛盾が生じる。テレビなんて見てたら殴られていただろうし、多分家事をした後は自室に引き籠っていた筈なのだけど。

 俺が《織斑一夏》だとしても良くしてくれた人達の事は覚えている、けれどどうして知り合ったのか、そもそも何故俺自身を見てくれるようになったのかのきっかけは覚えていない。気付けば気に掛けてくれていた、気遣ってくれていた……そして気付いた時には、俺の方から距離を取っていた。多分巻き込まれないようにだは思うが、何を以て危険だと判断したのか。

 

『テメェを見て来て思ったがよ、そもそもテメェ、色々と矛盾してるぜ?』

「……何、が」

 

 そんな事は気付いていた。生きて帰ってからの事を考えていればもっと《ビーター》に関する事で積極的に動かなかった筈だし、現実の家族の事を考えるなら生きて帰ろうが死のうが《織斑一夏》の事で悪印象を付けるべきでは無かった、人と関わらないように徹底するなら《月夜の黒猫団》に力添えする必要も無かった。アッサリと浮かぶだけでもこれだけあるのだから、矛盾の塊が俺とも言えるのだ。今は《桐ヶ谷和人》から取った《Kirito》なのに、《織斑一夏》として振る舞うという、存在の齟齬が初めからあるのだから。

 しかし、白が言っていた矛盾は、そんなものでは無かった。

 

『テメェはデスゲームになったSAOで最初から最強を目指したのか? 違ェな、《最強》ってのは他人を助ける最適な手段って判断したからだ』

「……」

 

 確かに、クラインと分かれる時には元ベータテスターとしての経験と知識を活かし、強く在る事で人を助けられると考えていた。俺自身が生き抜くために必要だからという理由もあったけど……

 

『なら、テメェが目指す《最強》ってなんだ? レベルか? 実力か? 使える武器の多さか? 一人でどれくらい対応出来るかか? ――――全部違ェな』

 

 結論を口にした白は、鍔迫り合いのまま固まっていた俺を後ろへ吹っ飛ばした。いきなりの事だが全力で押された訳では無かったので、俺は難なく受け身を取り、地面に足を着けて制動を掛け、後退を止めた。

 起き上がって白を見れば、白は俺に白いエリュシデータの切っ先を突き付けて来た。

 

『テメェが求める《最強》ってのは《織斑千冬》だ。それも《織斑千冬》自身じゃねェ、周りのクソ共が宣う事でテメェ自身が作り上げた《織斑千冬の偶像》だ。奴が出来る事は全てしなくちゃならねェ、奴ならこんな状況でも諦めずに剣一本で戦う筈だ……ンな思考に陥ってたンだよ、テメェは。《モンド・グロッソ》の第一回はテレビで観戦も出来ず、二回目はすぐに攫われたからそもそも見る機会が無かったから、テメェは想像で補った、なまじ生でISを纏って戦う織斑千冬の強さを知らないだけ余計にタチが悪い』

「……俺は……」

 

 白に言われた事を受け止めて、俺は悄然と視線を地面に落とした。

 確かに、俺は第一回《モンド・グロッソ》の試合中は家事に従事していた、神童の兄が独占していたのもあるが見ていたら殴られて追い出されるからだ。だから俺は試合経過は見ておらず、結果だけ後の新聞やニュースの報道で知った程度である。二回目の時は試合会場に行きはしたものの試合が始まる前に攫われてしまったから、一度も見ていない。ちなみにだが、《モンド・グロッソ》は各国代表あるいは各企業代表が一名ずつ選出され、勝ち上っていくトーナメント形式。その選手を決める予選は各国で行われており、またその中継もされないので、本当に俺は一度も《ISを纏って戦うブリュンヒルデ》の姿を見ていない。束博士も、何故か他の国の選手は見せてくれたのにブリュンヒルデの試合中継だけは絶対に見せてくれなかった。

 それはつまり、俺が抱いていた世界最強のイメージや凄さは、全て周囲の人間の評価によるものという事になる。俺が作り上げた偶像、勝手な想像……それが俺にとっての《最強》の正体。

 知らないのに目標にしていた、それは超えられない筈だ、出来る事と出来ない事の明確な基準というものが無い以上は全て自分の方が劣るという結果にしてきたのだから。

 いや、そもそも較べる事そのものが間違いだったのだろうか。ISを使って戦っている時の現実世界のブリュンヒルデと、システムで戦っている仮想世界の俺とでは、そもそも戦う土俵が異なるから較べられる筈も無くて……自然、超えられる事も無いのではないか。

 だとするなら…………今までの俺は……

 

「ぅ、あぁ……っ」

 

 視界が歪んだ。気付けば涙が滲んでいた、それが溜まって視界が歪んだ。体から力が抜けて座り込んでしまう、両手から二刀が落ち、闇と光に包まれて消えた。膝から崩れ落ちて、両手から武器を手放した俺は、頭を抱えながら蹲った。

 

『漸く気付いたかよ、テメェの《最強》はそもそも土台からしておかしかったって事が。碌に知りもしない奴を目標にしたって意味無ェだろうが。テメェのその強さは……いや、今のテメェそのものが、ただの張りぼて、マガイモノだったってハナシだ。理解したか?』

「マガイモノ……」

 

 マガイモノ。つまりは、偽物。そして無価値。

 そう言われて、オウム返しのように口ずさんだ俺は嗚咽を漏らしながらも、心のどこかでは納得していた。

 確かに、幾ら強い存在を目標にしたところで、碌に知らない以上は何で超えたかも分からないし……そもそも仮想世界で幾ら強くなった所で、現実世界でも強くなれる訳では無い。さっき、二刀が手に現れる前にそれで焦っていたではないか。

 ただ技術が付いているだけ。俺は本当は、全然強くない……レベルやステータス、スキル、装備で他のプレイヤーより強いというだけで、人間としては全然強くない。たとえレベルで劣っていようと、俺よりもシリカやリズの方が遥かに強い、人間として、心が強いのだ。

 

 

 

 ――――あぁ……そっか……

 

 

 

 その思考に至って、どうして俺があの二人やアスナ達と友達になろうと自ら思ったのかが分かった。ただ俺が弱いから、強いとされていてもただのマガイモノだったから、皆の方が強かったから俺は皆に寄り掛かってしまったのだ。マガイモノの強さなら皆の方が上なのも当然だった、テツオ達を目の前で死なせてしまった事も、ケイタの自殺を強硬に止められなかった事も、コーバッツを無駄死にさせた事も……俺が弱かったから必然的に起こった事なのだ。

 結局俺は、何一つ変わらない。《織斑一夏》としても、《桐ヶ谷和人》としても、《Kirito》としても。最初からこの世界でしてきた全てに意味なんて無かった。むしろ俺の軌跡が俺自身の無意味さを表してもいた。

 

「俺は……俺、は……」

 

 もう訳が分からなかった。求めていた《最強》は手が届かないと分かって目標を喪って、今まで積み上げて来たもの全てが無意味だと分かって、むしろ自分の弱さを思い知って……仮想世界の強さは所詮技術であって本物の強さでは無いと知って。

 強さを渇望する理由の一つが、そして俺の根底を最初から支えていた存在が、脆く崩れ去った。それでもう戦う気力も無くなって、少しずつ意識が遠くなり始めた。

 

『王よ、ンな所で死なれてもこっちだって迷惑だからな、最後に一つだけ忠告しておくぜ。テメェの《最強》はただの張りぼてだった訳だが……理由ってのはそれだけじゃねェだろ。もう一度、戦う理由を考えてみるンだな』

 

 それを最後に、俺の耳朶を打つ雨音も次第に遠ざかり……何も分からなくなった。

 

 *

 

「……ぅ」

 

 ズギンッ、と頭が疼く痛みと共に、俺の意識は闇から浮上した。微かな呻きと共に閉じていた目を開けば、木の天井が視界一杯に広がっていた。少し周囲を見渡すと、簡素な木製のタンスや丸テーブルに椅子が置かれており、俺のホームでは無い事が分かった。宿屋かとも思ったが、レインに背負われていたのを思い出して教会なのかもと予想が付いた。

 窓から入って来る光は陽光のそれだったので、今が昼であるのは分かった。視界の右上に表示されている時間は午前九時半だった。

 場所を把握し、上体を起こすと、また頭がズキリと疼いた。思わず左手で頭を押さえると、何となく痛みが薄れるような感じがした。

 

「俺は…………確か……」

 

 確か……そう、どことも知れぬ闇夜の摩天楼で白い俺自身と戦っていて……俺自身の矛盾を突き付けられて、気絶したのだった。俺が目指した《最強》はおろか、今までの俺そのものが張りぼてだと、マガイモノだと突き付けられ、足元の地面が崩れ落ちるような錯覚を覚えて意識を失ったのだ。

 今まで俺を支えていて、戦う理由でもあった目標すらマガイモノであると言われて気分を沈ませながら、俺はベッドから降りようとし……そこで今更ながらに、俺が横になっていたベッドに、自分以外の誰かも居る事に気が付いた。

 

「……きー……?」

「え……ユイ姉?」

「きー、起きた! よかった……!」

「うぉわ?!」

 

 それはユイ姉だった。白いワンピース姿のユイ姉は眠たげに目を擦りながら身を起こしていたが、俺を視界に入れ、名前を呼んで来て、俺もまた名前を呼び返した途端にぱっちりと目を開いて抱き付いて来たのだ。ユイ姉は敵では無いから押しのけるのも出来ないし、起き抜けでまだ本調子で無かった事もあって俺は押し倒されてしまった。体格的にユイ姉の方が少し大きいのもあって、勢いがあるとちょっと勝てない。

 それに……

 

「よかった……!」

「ユイ姉……」

 

 ……涙ぐんでまで素直に喜ばれているのを見てしまっては、押しのける事も心情的に難しかった、心から心配されていると分かっているから尚更だ。

 

 

 

 ――――もう一度、戦う理由を考えてみるンだな

 

 

 

「……」

 

 ふと、脳裏で白い俺自身の声が蘇る。今まで積み重ねて来た強さ、経験などが全てマガイモノで矛盾したものであった為に言い渡された、一つの忠告……アドバイスにも近いそれは、俺の中でグルグルと回り続けている。

 皆を護る手段として有効だと判断したからを目指したのもある、オチコボレでも頑張れば天才を超えられると見返したかったから目指したのもある、俺という自我を保つ為に目指したのもある、誰よりも上でなければ今を生きていられなかったからでもある。様々な理由が絡み合って俺は《最強》を目指し、このSAOで事実上その立場に立っている訳だが……それが全てマガイモノだったとすれば、俺はまた一からやり直さなければならない。

 強さの基盤となるものを、また探さなければならない。しかも今度はステータスだとか技術だとかでは無く、人間性……心の強さの基盤となるものを、謂わば固い覚悟を決めるに値するものを見つけ出さなければならない。

 

 

 

 ――――見つけ、られるのか……俺なんかに……

 

 

 

 今までの強さや理由が全てマガイモノだった、つまり間違いだったのだとすれば、皆を護りたいという想いすらもが過ちであるという事になる。けれどそれが間違いだと俺は思っていない、それどころか今までの理由全てが間違いだとは思えない。まぁ、よく知らないのに《ブリュンヒルデ》を求めていたのは早計だったとは思うけど……

 何が本当の強さに繋がるのか、俺自身を強くするものなのかも分からない手探り状態で、この生死を賭した世界を生き抜かなければならないのは正直不安しか無い。行ってみなければ何があるか分からない最前線を一人で進むよりも、その不安感は遥かに大きいと言える。何せ俺自身の強さを支えていたものが全て無くなったのだから。

 見つける事が出来なければ、先に待つのは俺の死なのだから。

 

「きー……ふあん?」

「ッ?!」

 

 考え事をしていると、ふと俺の上に乗ったまま抱き付いて来ていたユイ姉が脈絡も無くそんな事を言ってきたから、瞠目して身を固めてしまった。何も言っていないのに、恐らく表情に出ていたとしても険しいそれだった筈なのに、何故《ふあん》などと表現出来たのか分からなかった。

 

「な、何で……そう、思ったんだ……?」

「んー……きーの顔が、泣きそうに見えたから」

「――――」

 

 言葉を失ってしまった。今までの自分に意味は無かったともう一人の自分に言われ、自分を見失っていた状態の俺の内心を見抜いて来たユイ姉の洞察力やら何やらに、俺は何も言えなかった。幼児後退……精神的に幼くなっていると思っていたユイ姉だが、もしかすると義姉だから分かったのかも、とも思った。

 

「……不安だよ、凄く」

 

 敵わないなと胸中で苦い思いと共に呟きながら、口からは半ば無意識に言葉が紡がれていた。支えも無く、今までの《ビーター》としてでも【黒の剣士】としてでも無い、素の俺自身の言葉が紡がれていた。

 

「俺は、何を理由に戦えば、良いのかな……」

 

 結局は、そこ。今までと同じではマガイモノのままなのだから、今までとは別の理由を見つけ出さなければならない、それももう一人の自分も納得する理由を。《最強》を求め、目指す事の何がいけないのか……《織斑千冬》を超える為でも、見返す為でも無いのなら、やはり誰かを護る為という理由が一番なのだろうか。

 一番最初、全てが終わり、そして始まったあの日から胸に秘めていた理由は、皆を護りたいというものだ。

 けれど根源を辿れば、俺は人々を見返したいという思いがある。ずっと見下され、ずっと虐げられてきた自分自身……いや、もう死人になった《織斑一夏》でも何か人より優れた事はあるのだと思わせたい思いがあった。俺は《ビーター》を名乗る時、それもあって自ら《織斑一夏》であるとキバオウの指摘を肯定した、否定しても意味が無かったという事もあるし別の狙いもあったけど。

 《Kirito》という名前は《桐ヶ谷和人》の名前から取っている為、《織斑一夏》であるという意識がいけないのか。それとも《最強》というものを求めるのが分不相応なのか。あるいは俺が決めている戦う理由が何かいけないのか……何も分からない、分からなくなってしまった。

 人を護る為に人を殺してきた、その行いで人から疎まれ恨まれ憎まれる事も覚悟した上でだ。元より《ビーター》というSAOで唯一全ての者から憎悪を向けられる立場だったから気に留める事も無かった、何時か誰かに殺されるという報いも受け入れるつもりだった。

 死にたいとは思わない。死にたくない、という思いもある……いや、あったと言うべきだろうか。《ザ・グリームアイズ》と戦っていたあの時は死にたくないという思いに駆られていたが、今はそこまで強くは思わない。死に瀕していないからか、それとも今までがマガイモノだと分かって生きる気力を喪っているからか……生きたい、生きなければならないという確固たる決意というものが無くなってしまっていた。

 リー姉……この世界で直姉と再会してから、俺は今までの行動を悔いた。生きて帰った場合の事を考えなかったばかりに、俺は生還してから《桐ヶ谷家》に多大な迷惑を掛けてしまう選択ばかりしていたのだ。この世界のアバターが作り物だったならともかく、生憎と俺達の容姿は全て《ナーヴギア》によるスキャニングによって限りなく本物に近く再現されているアバターなので、現実に帰ってからも顔を見たらプレイヤーネームまで分かってしまう。《ビーター》で《織斑一夏》である俺など、すぐに分かってしまい、そこから《桐ヶ谷家》に迷惑を掛けてしまう。恩を仇で返してしまう。

 死んだ方が良いのでは。今まで積み上げて来た強さすらもが無意味だともう一人の自分に言われてからは、頭の隅でそう考えてもいる。

 だがもう一人の自分は、俺に死なれては困ると言っていた、つまり死なせる為では無く何かに気付かせたいから忠告していたのだと思う。その忠告で何に気付かせたいのかが分からない。俺に欠けているもの、足りないもの、気付いていないものとは何なのか……グルグルと、俺の中で回り続ける。

 

「きー……?」

「……起きようか、ユイ姉」

「…………うん」

 

 脳裏ではずっともう一人の自分から向けられた忠告が繰り返されつつ、俺はユイ姉を促して、ベッドから起き上がった。ユイ姉はその間も、ベッドから立ち上がった後も、ずっと不安げに俺の顔を見て来た。

 それが、酷く胸の奥を苦しめた。

 

 






 はい、如何だったでしょうか。

 結局白がどんな存在なのか分からないまま、戦った場所も分からないままで謎だけ増えていて、更にはキリトの全てが否定され始め……色々ともうちょっと上手く書けるようになりたい今日この頃。

 あと、これは今話にあんまり関係ないのですが……キャラの身長を幾らか変えようと思います。キリトとユイはどっちも背を20センチ高くし、他のキャラはちょいちょい調整していきます。設定の段階で、アスナよりリズの方が高かったり、ユウキとランが割と背が高かったりと、アニメと較べて差が酷かったので。

 キリトの場合は、剣を振る時に背がと思ったので……うん。色々と申し訳ないです。以前感想で言われていたのですが、流石に無理だこれと思ったので。

 そんな訳で、キリトの身長イメージは原作ユイよりちょい低め、ユイは原作ユイそのままでオッケーです。

 こんな本作ですが、今後も末永くお付き合い頂ければ幸いです。

 では、次話にてお会いしましょう。


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