骨太元ギルド長は穏便に   作:月世界旅行

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 アダマスはエ・ランテルの冒険者組合に入っていた王国戦士長ガゼフ・ストロノーフの言伝を受け取り、教えられた場所へと向かう。
 一方その頃、心折れた一人の刀使いが王国最強の男と王都の裏路地で出逢っていた。



第五章 漢たちの生き方と死に方
一話 「どうせ生きるならそんな道」


下火月[九月]三日 8:00

 

 「ここは…そうか、ガセフの家だったな」

 最低限の家具しか置かれていない、質素な部屋で彼は目をさました。

 鎧戸(よろいど)から零れ落ちた明かりが男を照らし出す。

 ほっそりとした体躯ではあるが、痩せているのではない。服の下の肉体は鋼鉄のごとく引きしまり、筋力トレーニングではなく実戦で鍛えられた体をしている。

 根元に地の色が見える青髪は適当に切られているために長さは揃っておらず、ぼさぼさに四方に伸びていた。茶色の瞳に生気はなく、志半ばで他人に芯を折られた情けない表情をしていた。もともと生えていたであろう無精髭は更に伸び、まるで老犬のようだった。

 男は起き上がり、ベッドに腰掛けると目の前にある小さなテーブルに気付く。そこには軽めの食事が置かれていた。

 「勝手にもらうぞ…」

 自分の為に用意された小さな焼き菓子を少し濁った水で流し込みながら、男は部屋の片隅に視線を向ける。自分が着用していた鎖着(チェインシャツ)や“武器”がまとめられていた。

 「う゛っ!…ぉあ゛…」

 

 自分の装備が思い出させた悪夢に水を吹き出し、喉の奥から泥のような何かがあふれ出す。

 その泥に形はなく、ただ男の嗚咽のみが他に誰もいない部屋に溢れた。

 悪夢が与える恐怖に両膝を震わせる。情けない音を出す口を押させようとした両手もまた、震えを止めることはできなかった。

 屈強な男が一人の空間とはいえ、恥も外聞もなく涙を流す姿は意外なものだろうが、今の彼にそんな瑣末なことを気にする余裕はない。あの化物が今も自分を追ってくるのではないか、そんな恐怖囚われ、王都までほぼ不眠不休で逃げ続けた。寝ている間にシャルティア・ブラッドフォールンと名乗るあの吸血鬼が自分の前に現れるのではないか、不安と絶望に支配された精神のまま転がりこんだ王都で、かつての御前試合で死闘を繰り広げた好敵手であり、目標でもあった王国戦士長ガゼフ・ストロノーフに見つかる。半ば強引に連れ込まれた相手の家に入った途端、ほぼ丸一日昏々(こんこん)と眠り続けた。

 「ブレイン・アングラウス…か」

 男――ブレインは自分の名を口にした。

 元は単なる農夫であった彼に、天はまさに「授けもの」と言える剣の才を与えた。

 さらに生まれながらの異能(タレント)が後押しし、武器を取っては不敗。戦場においてかすり傷以上は受けないという、戦闘における天凛の才人だった。

 戦いに身を置く者で、彼の名を知らない者はいない。

 その名をもつ男が今、恐怖によって満足に食事も摂れないでいる。これ程までに情けない状況はあるものか。

 もう一度部屋の片隅に置かれた武具へと目をやる。

 ガゼフ・ストロノーフから勝利をもぎ取るべく、手に入れた“刀”。しかし、彼に勝ったところでそれがなんだというのか。

 自嘲しそうになるブレインは部屋の外、扉の前に誰かが立つ気配を感じる。

 「ガゼフさん、本当に良いんですか?」

 「いいんだ、貴殿にも彼に会って頂きたい」

 聞こえてきたのはこの館の主人ともう一人、声音のする方向からかなりの長身だとわかる。

 「アングラウス、起きている…ようだな」

 「ストロノーフ、起きているが…その横は誰だ?」

 ガゼフの返事の前に扉は開け放たれ、普段着のガゼフと赤い立派な全身鎧(フルプレート)を身に纏う大男が入ってきた。

 「な、なんだそいつぁ!?」

 「驚かせてすまんな、だがどうしても会ってもらいたいんだ、この方は…」

 「ああ、自分から名乗りますよ、ガゼフさん。 はじめましてアングラウスさん、自分はアダマス・ラージ・ボーン。冒険者をやってます。」

 

 

          ●

 

 

  決して広いとは言えないベッドの置かれた客間に二人、内一人が座る簡素な木製の椅子は本人と鎧の重みで軋んでいる。軋む音に恐縮しながら、なんとか椅子に最も負担が少ないであろう座り方を模索する姿は正に「小心者」だった。

 「あの、アレですね、ガゼフさんも酷いですよね。初対面の二人を置いてどこかへ行っちゃうなんて」

 「まったくだ」

 ブレインは面頬付兜(フルフェイスヘルム)で顔の見えない相手に言葉を返す。アダマスと名乗った人物は首からミスリル製の冒険者プレートを身につけており、その大層な鎧からも、歴戦の勇士と言えるだろう。しかし、その男の態度が、どう取り繕おうとも「勇士」という言葉とかけ離れていた。

 ガゼフがアダマスに「アングラウスの話し相手になってやってくれ」と言い残し、鎧を身につけてから、この館を後にしてからというもの、鎧の男はずっとそわそわと体を揺すり、きょろきょろ落ち着き無く辺りを見回している。すると、部屋の片隅に置かれたものに気付いた。

 「あ、刀…」

 ブレインはアダマスの言葉に自然と頬が緩む。冒険者という戦いの中に生きる道を模索する者に、自分の武器に注目されるのは決して悪い気はしない。

 「珍しいだろ、お前も冒険者の端くれなら、見たことくらいはあるか?」

 「はい、以前の仲間に刀使いがいまして、自分も格好良いなって思って触らせてもらったんですけど、刀って相当な技術が要るじゃないですか、そういうの苦手なもので…」

 「そりゃそうだ、先ずは体幹が鍛わってないと…」

 アダマスとの会話で、ブレインはいつの間にか、猫のように曲がっていた背中が起き上がっていることに気付く。心にも余裕が生まれ、泥しか吐き出せなかった口から自慢話が続きそうになる。驚いていた、こんなにも早くガゼフの思惑を知り、その思い通りになってしまっていることに。

 「そうなんですよね、ちゃんと鍛えないとバランスがどうしても…あ、青髪に、刀使い…って、もしかして」

 アダマスの言葉が急に歯切れが悪くなる、まるで大事な事を思い出したかのように。青髪、刀使い、そしてアングラウスという名前から、この国最高峰の剣士と名高い、自分の存在に気づいたのだろうと、ブレインは思った。

 ただ、普通であれば、「アングラウス」という名前だけで思い出しそうなものだが、今の自分を見て、すぐに「最高峰の剣士」を連想することの困難さをブレイン自身、よく理解していた。

 「すまないな、想像と違ったろう?」

 「え?あ、いや…そういうわけじゃないんですけど」

 男は自分に気を遣っているのだろう、これまでの、少しだけの会話でも分かる。アダマスは気の小さな、優しい男なのだと。だから、その優しさに甘えたくなったのは、きっとどん底まで落ち込んでいるからなのだと、ブレインは心の中で言い訳をしながら口を開く。

 「お前の言う通り俺は鍛えたさ、ガゼフを越え、誰よりも強くある為に。 だが、剣で得られる武力など、本当にくだらない。 何も…できやしない」

 ブレインの前を向きはじめていた胸は、また下がり、声もか細いものへと戻る。

 そこにはかつて、御前試合を見た者が知る雄々しさは皆無だった。

 「俺は何を目指して剣を振っていたのやら…」

 「…そんなものですよ」

 「なに?」

 ブレインの耳に予想していた励ましの言葉や否定ではなく、落ち着いた肯定の声が聞こえ、その驚きに顔をあげると目の前には男の―面頬付兜(フルフェイスヘルム)で表情は見えない―顔がそこにあった。細いスリットからはその瞳を窺うことはできなかったが、さらにその奥、全てを失った者の青い灯火が見えた気がした。

 表情の見えない男は言葉を続ける。

 「力があっても自分より強い人はいくらでもいるし、守りたくても守れなかったり、失うものの方が多い。 自分が不甲斐ないばかりに、全てを失った…いえ、そんな被害妄想じゃなく、台無しにした人もいます」

 静かに語る男の言葉に、嘘偽りはなく。おそらく、心折れてしまった自分と、過去のアダマスとを重ねているのではないかと思わせるほど、ブレインの心に染み込んだ。

 そしてブレインは、頭に浮かんだ言葉をそのまま吐き出す。

 「その人は、どうして生きていける、どうやって立ち直った?」

 「生きているとも言えませんし、立ち直ってもいません。その人はただ、大切な人との約束にすがるだけの、亡霊です」

 何とも悲観的で、消極的な言葉が返ってきた。先ほどまでの優しく前向きな男の姿はそこになく、無力で弱い、負け犬がいた。 ブレイン自身に返す言葉は無かったが、相手の言葉であれば返事をすることはできる。

 「そんなもんだろう」

 「ですね」

 部屋の中に不思議な笑い声が響く。楽しげでもなく、二人の大人の男性の、自嘲気味な笑い声が。

 

 

          ●

 

 

 「ところで…アダマスだったか、お前は何なんだ?」

 謎の鎧男との愚痴の零し会いを一段落させたブレインはガゼフの用意した軽い食事を食べ終え、一番最初にするべきだった質問をする。

 「最初に言いましたけど、冒険者ですよ。ミスリルプレートの」

 「それは見れば分かる。そんなことじゃなくて、ガゼフとはどうやって知り合った。 あいつが俺の「世話」をさせるくらいだ、相当信頼されているんだろ?」

 落ち着きを取り戻したブレインは軽口を飛ばしながら尋ね、その問いにアダマスは腕を組み、少し首を捻りながら答える。

 「あれはもう何十日も前ですけど、ある村が襲われていて、そこは本来ガゼフさんが守るはずだったんですけど、間に合わなかったところにたまたま自分が通りかかりまして、襲っていた連中を…追い払ったんですよ。 それで、遅れてきたガゼフさんに感謝されました。 たぶん、それくらいの関係です」

「たまたま通りかかったって、お前見ず知らずの人間を助けたのか? しかも、集団? 野盗か何かを一人でか? とんなお人好しだな」

 「よく言われます」

 アダマスの淡々と語られる言葉の節々から汲み取れる異常性に、ブレインは驚きながらも小さな納得を得ていた。 男が先ほど言っていた「約束」とやらだけが、アダマスの行動基準になってしまっているのだろうと。

 「そんな生き方じゃ、早死にするぞ」

 「もう死んでます」

 「ハハ…違いない」

 アダマスの行動は生き方というよりも、この男なりの「死に方」なのかも知れない。そう感じたブレインはある言葉を思いつく。

 「そうだな、どうせ生きるなら、そんな生き方も良いかもしれないな」

 「人それぞれだと思いますよ?」

 「ああ、そうだが… いや、ガゼフがお前を気に入った理由がわかるよ。 俺も、お前の事が好きになりそうだ」

 「言っておきますが、自分にそのケはありませんよ」

 

 冗談を言い合いながら、部屋の雰囲気を明るいものへと変えていると、扉が二度ノックされた。

 「アングラウス、ボーン殿、入るぞ?」

 

 本日二度目の館の主人の来訪だった。

 部屋の中にいる人物の了承もないまま、扉は開けられる。

 「どうやら私の正解だったようだな」

 ガゼフが自慢気な笑顔を見せながら入ってくるのを見たブレインは両手を上げながら、降参の意思表示をする。

 「お前に負けたのは、これで二度目だな、ガゼフ・ストロノーフ」

 「今の貴様は弱っている、今回はノーカウントだ、ブレイン・アングラウス」

 笑顔を向け合う二人を見たアダマスは、ゆっくりと立ち上がり、二人に声をかける。

 「では、自分は席を外し…」

 退室しようとしたアダマスをガゼフが片手で止めようとする。

 「待っていただきたいボーン殿、先程は急な用事で話せなかったが、例の人物について話をしておきたい」

 「そういうことなら、俺は寝させてもらうぞ。 まだ疲れは取れていないんだ」

 場の空気を感じ取ったブレインは、自分が座っていたベッドで横になり、わざとらしい寝息を立て始める。

 

 「そうか、ではボーン殿、あちらで話そう」

 「あ、はい。わかりました」

 

 二人のやりとりが聞こえた後、ブレインの意識は再び酷く重い睡魔によって眠りの溝へと流れ込んでいく。

 

 

          ●

 

 

 アダマスが通された部屋はガゼフの自室と思われる場所だった。壁には幅広の剣が数本立て掛けられ、防具やその他手入れ用の道具らしいものが置いてある。素人目には散らかっているように見えるだけだろうが、戦う者が見ればわかるだろう、部屋の中にある武具はどれも使いやすく取り出しやすいよう適切に並べられていた。

 ガゼフが指し示した椅子に座りながら、アダマスはガゼフが言葉を濁していた「例の人物」を思い返していた。 情報はキーン村と遠くない場所にあるカルネ村を救った英雄、それくらいだ。 自分から言えることもないので、アダマスはガゼフの言葉を待つことにした。

 アダマスを座らせてから、その後自分が選んだ椅子に座ったガゼフが、ようやく口を開く。

 「先ず大変お待たせしたことを詫びさせていただきたい。本当に申し訳ない」

 「いえいえ、アングラウスさんも良い人でしたから、退屈はしませんでしたよ」

 アダマスが首を横に振りながら返した言葉に、ガゼフは目を丸くした。

 「アングラウスが…良い人? は…はははははははっ! こ、これは失礼した、しかし…あいつは良い人とは、さすがはボーン殿だ、人を見る目がある」

 急に笑い出したガゼフに驚きながらも、そのあとに続く言葉が、自分を馬鹿にしているのか、褒められているのか判断できず、複雑な感情を抱きながらもアダマスは話を進めようとガゼフを促す。

 「それでガゼフさん、例の人物とは?」

 「ああ、すまない… 何から話すべきか… そうだな、先ずその人物の名は、アインズ・ウール・ゴウンという」

 その名前を聞いた途端、アダマスは反射的に立ち上がる。勢いが強すぎた為に今まで座っていた椅子が倒れてしまうが、そんな事を気にしていられる余裕は無かった。かつての友人であり、憧れであり、師でもあった人物が所属していたギルドの名前を、この世界で聞いては、アンデッドである為に得られる「精神の安定化」が起きるまでの一瞬とはいえ、冷静でない自分を吐き出してしまう。

 「ばっ! なっ…」

 「やはり、知り合いか…」

 アダマスの様子に対し、やけに落ち着いたガゼフは座ったまま相手を見据えている。そして王国戦士長は言葉を続ける。

 「正直なところ、二人が知り合いであるかは、私の直感でしかなかった。 私がお二人と出会った状況が余りにも酷似していた。 そして「アダマス・ラージ・ボーン」と「アインズ・ウール・ゴウン」、どちらも語感が似ている事も。 お二人とも、同じ場所から来られたのではないか?」

 ガゼフは真っ直ぐにアダマスを見つめながら言葉を紡いだ。

 冷静さを取り戻したアダマスは自分が倒してしまった椅子を元の位置に戻し、座り直してから、ゆっくりと語り始める。

 「なんと言いますか…、いや、ちがうな…ガゼフさんは、何を知りたいんですか? こちらとしては、そのアインズさんについて聞きたいことが山ほどありますが」

 「さすがボーン殿、やはり貴殿は戦士だ。 だが私に聞きたいことはなく、ただ伝えるべきだと思ったのだ」

 「何故です? 同じ状況で出会ったのであれば、あなたはアインズさんにも恩があるはず、私がその人の敵であれば、恩を仇で返すことになりますよ?」

 「言葉にするのは難しいが、戦士の勘としか…。 ただ、私は思ったんだ、貴方がたは出会うべきだと」

 「アインズ・ウール・ゴウン―――」

 

 ユグドラシルで知らぬ者はいない、伝説の悪虐ギルド「アインズ・ウール・ゴウン」異形種のみによって構成されたそのギルドは、数多の世界級(ワールド)アイテムを所持し、全盛期にはギルドランクでトップテン入を果たしている。PK(プレイヤーキル)を行う事が多かったアインズ・ウール・ゴウンは悪名高くはあったが、その実、プレイヤーは社会人であった為に、話してみると落ち着いた人物が多く、アダマスは直接会話したことのある「たっち・みー」や、彼から聞いたギルド長の「モモンガ」は周りの事をいつも考える、優しくも頼もしい人物だったと聞いている。

 そのギルド名と一文字も違わぬ名を名乗る人物は先ず間違いなくユグドラシルプレイヤーではあるが、正直なところアインズ・ウール・ゴウンに恨みを持つ人物も多かったはずである。その名をこの世界でも貶める行為をしないとも限らないが、ガゼフの話を聞けば、善行を行っているらしい。

 ユグドラシル時代のことを思い出していると、アダマスに一つの疑問が浮かび上がる。

 「そういえば、その…アインズさんには、自分の事を話したのですか?」

 「いや、ゴウン殿との連絡方法を知らない為、先に貴殿に知らせたんだ」

 「なるほど…」

 

 アダマスは口に手を当てながら次にするべき質問を熟考してから口を開く。

 「その人…魔術詠唱者(マジックキャスター)で、黒いローブでした? 肩に骨のような装甲と、大きな赤い宝石をつけてて…」

 「その通りだが…しかし、あの超越者と知り合いとは、私の目に狂いはなかったようだ。やはり貴殿はただものではない」

 

 ビンゴだ。たっち・みーさんが話していた「ももんが」の特徴に当てはまる。

 しかし、立ち止まって冷静にならなければ。 まだ、似た格好をした者とも限らないのだから。

 アダマスが一人悶々と考え事をしていると、ガゼフが思いついたように話し始める。

 「あまりの詮索は御法度だと分かってはいるが、一つだけ教えて頂きたい。 ボーン殿とゴウン殿、お二人の関係とは?」

 

 当然くるだろうと予想していた質問ではあるが、実際にされてみると直ぐには答えられず、アダマスは腕を組みながら悩み、しばらくして答えを出す。

 「友人の…友人です」

 「ほう…」

 

 ガゼフは何やら納得がいっていないようだが、事実なのだから仕方がないとアダマスは思った。

 そして、あることを思い出す。ガゼフが二人の「語感」が似ていると言ったことだ。アインズ・ウール・ゴウンとアダマス・ラージ・ボーン、確かに言われてみると似てはいるが、もしかしたら初めて名を名乗る時に、何となしに意識してしまっていたのかもしれない、自分が憧れていた強く逞しい、ユグドラシル最後の日まで健在だったギルドの事を。

 

 「あ…」

 「どうされた、ボーン殿?」

 「ガゼフさん、最後に一つだけ、良いですか?」

 「何なりと」

 

 アダマスは「似た語感」という言葉に対して、どうしても言わずにはいられなかった言葉を吐き出す。

 

 

 「ガゼフ・ストロノーフって、ビーフ・ストロガノフに似てますよね」

 「……は?」

 

 

 




 アインズ「ないはずの鼻がムズムズする」

 アルベド「それはお風邪を召されたのではありませんか? 風邪は人肌で温めればと治ると聞きます! さあ、アインズ様!!」

 アインズ「アルベド、ちょっと黙って」


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