申し訳ございませんでしたぁ!
リアルが忙しかったんです!
はい、言い訳なんかいりませんね。
待っていてくださったかた(居るのかな……)すいません!
かきまぁーす!
「……眷獣の気配?この魔力は……嘘だろ……」
明け方、霊斗が起き抜けに感じた魔力。
それはこの島にいるはずのない人物のものだった。
「何をしに来たんだ……」
霊斗の不安と共に朝の風が吹き抜ける。
数分後、霊斗は朝食の準備をしていた。
「……凪沙のやつ、遅いな」
霊斗が呟くと、自室のドアが開いた。
「霊斗さん、おはようございます」
「おう、アスタルテ。おはよう」
アスタルテは、霊斗の隣に立つと、紅茶を淹れ始めた。
すぐにいい香りが漂いはじめる。
「どうぞ、霊斗さん」
「サンキュ」
霊斗はサラダの盛り付けを済ませ、カップを受けとる。
「あつっ……うん、旨い」
「ありがとうございます」
霊斗は紅茶を一息で飲み干し、朝食をテーブルに並べる。
「「頂きます」」
二人で声を揃えて食材に感謝する。
「うん、我ながら上出来だな」
「凪沙ちゃんには敵いませんがね」
「格が違うよ、あれは」
そんな会話をしながら食事を進めていると、学校に行かないと間に合わない時間になっていた。
「うぉ……早く行かないとな」
「片付けちゃいましょう」
二人で食器などを洗い、登校する準備をする。
すると、玄関のチャイムが鳴った。
「ん。誰だ?」
霊斗がドアを開けると、雪菜が立っていた。
「おはよう雪菜。ってか、時間大丈夫なのか?」
「かなりまずいのですが……先輩が来ないので……」
「先に行ってればいいのに……ちょっと待っててくれ、呼んでくる」
「お願いします」
霊斗は古城の部屋に入り、ベッドの枠を蹴る。
「おい古城!起きろ!」
「んだよ朝っぱらから……って、おぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「うるせぇ!雪菜が待ってるから早く支度しろ!」
「わかった!」
古城の返事を聞いて、霊斗は凪沙の部屋に行く。
「凪沙!起きてるか!……入るぞ!」
霊斗は部屋の中に踏み込む。
すると、凪沙が珍しく爆睡していた。
「凪沙!起きろ!遅刻するぞ!」
「んぅ……霊斗君?なんで?まだ朝の……って嘘!?」
「早くしろ。とりあえず支度、そしたら送ってやるから」
「う、うん。ごめんね、霊斗君」
「いいよ……あと、少しでも体調悪かったら言えよ」
「わかった」
霊斗は凪沙の部屋を後にし、自室に向かう。
「俺も着替えなきゃなぁ……」
自室には乱れたベッド、ハンガーに掛けた制服、半裸のアスタルテが――。
「あれ?なんかおかしい?」
もう一度見渡す。
乱れたベッド、ハンガーに掛けた制服、下着姿のアスタルテ。
「すまんっ!」
霊斗は全力で部屋のドアを閉めた。
ドアがかなりヤバめな音をたてたが、気にしない。
少し待つと、着替えたアスタルテが部屋から出てくる。
「どうぞ、霊斗さん」
「え、あ、すまん」
霊斗は部屋に入り、着替える。
部屋を出ると、全員着替えて集合していた。
「さて、じゃあ行くか」
霊斗が言うと、全員が頷く。
玄関を出て、戸締まりをする。
「行くぞ……」
霊斗がそう言って空間転移する。
一瞬眩暈のような感覚がしたあと、彩海学園の校門前に到着する。
「うぷっ……おr(自主規制)」
「霊斗さん!?大丈夫ですか!?」
「うん、大丈夫、大丈おr(放送禁止)」
「誰か!誰か助けてください!メディック、メディーック!」
「アスタルテ、大丈夫だから騒がないでくれ……うぷ」
「全く大丈夫そうに見えないけど……霊斗君、頑張ってね」
「では、霊斗さん、ありがとうございました」
凪沙と雪菜は中等部の校舎に向かっていく。
「じゃあ、俺達も行くか……」
「めっちゃふらついてるが大丈夫か?」
「だ、大丈夫だ」
「霊斗さん、昼休みになったら私の血を……」
「うん、大丈夫だからね」
アスタルテのボケを軽く受け流しながら教室へ向かう。
その途中、背後が騒がしくなったが、今の霊斗にそれを気にする余裕はなかった。
「自習って……俺が朝から身体張った意味がねぇ……」
霊斗がボヤくと、浅葱が斜め前から話しかけてくる。
「オシアナスガールズってユニットグループが来たんだから、もう大騒ぎよ」
ほら、と浅葱が差し出してきたのはタブレットPCだった。
「ん……あれ、これ……」
「霊斗?」
「どうかしたのか?」
「いや、古城。気づかないのか?」
「何が?」
「覚えてないか?こいつらは――」
「あ、いたいた。古城様ー、霊斗様ー!」
霊斗の言葉は、突然の乱入者によって阻まれた。
「オシアナスガールズ!?」
「え、今暁兄弟の名前を……」
「「「またあいつらか!」」」
クラスメイトが騒ぎ出す中、古城と霊斗の前に立つ五人組。
「誰だおまえら」
霊斗は見事なまでの無表情で返す。
「もう、霊斗様ぁー、イジワルしないでくださいよぉー」
一人が霊斗に正面から抱きついてくる。
「ちょ、何を……!」
「……霊斗さん?」
「まってアスタルテ!いま殴られたら受け身とれないから!」
霊斗が必死に懇願すると、アスタルテは拳を納めてくれたが、こちらをじっと見る目線が痛い。
「このっ……いい加減に離れろ!」
霊斗がオシアナスガールズの一人を引き剥がす。
すると、周りから歓声が沸き上がる。
「霊斗様、大きくなっても可愛らしい顔ですね!」
「霊斗君、力強くて素敵ー!」
「霊斗様ー!抱いてください!」
3/2はオシアナスガールズだった。
あと一人は誰だ?
「きゃー、霊斗君ー」
「基樹……黙れ」
「サーセン(´・ω・`)」
「馬鹿にしてんのか!?」
霊斗は基樹の頭を押さえ付け、小声で聞く。
(おい、コイツらが来るの分かってたよな?なんで言わない?)
(面白そうだったから)
(しばき倒すぞ)
(サーセン)
(言ってくれれば古城を盾にするとか出来ただろうが)
(いやぁ……面白そうだったから?)
(チッ……まぁいい。この後はなるべく古城に話が行くようにしてくれ)
(へいへい。真祖サマはわがままですねぇ)
霊斗は基樹の頭を離し、自分の席に戻る――
「霊斗さん、お話があります」
戻れるわけがなかった。
「霊斗さん、屋上に行きましょう。そこならゆっくり
「怖い!怖いよ!ってぁあ、離して待って引っ張らないで話せばわかるよ待って強すぎマッテマッテあーーー」
霊斗はアスタルテに引きずられながら教室を後にした。
また次回!
次はなるはやで投稿します!