ストライク・ザ・ブラッド~幻の第五真祖~   作:緋月霊斗

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か・く・よ


焔光の夜伯編Ⅲ

霊斗達はゴゾ島に上陸し、軍用の四駆に乗り込む。

しばらくリアナの運転に任せて走っていると、遺跡が見えてきた。

このゴゾ島でも特に有名なジュガンティーヤと呼ばれる遺跡だ。

「ジュガンティーヤは、今から五千五百年以上昔に 建てられた遺跡です」

「へぇ……そんな昔にこんなでかい神殿をつくったのか……」

「この島の伝承では、サンスーナっていう名前の巨人が建てたんだって」

「霊斗さんは詳しいですね。来たことがあるんですか?」

「あ、はい。かなり昔に一回だけですけど」

すると、凪沙がいきなりリアナに話しかける。

「あの、リアナさんって魔族の方なんですか?」

「はい、戦王領域出身の吸血鬼です」

「わあ!ほんとに吸血鬼なんですね!あ、日光とか大丈夫なんですか?」

「凪沙、ほどほどにね」

「リアナさんも困ってるだろ」

霊斗と古城が凪沙を制止し、霊斗がリアナに謝る。

「すいません、昔っから、口数が減らなくて……」

「いえ、大丈夫ですよ。それにしても、やっぱり博士のお子さんなんですね。変わっているところもそっくりです」

リアナの言葉に古城がむすっとした表情で言い返す。

「絶対ほめてないですよね」

「バレましたか?ごめんなさい」

古城の反応に笑うリアナ。

そこで、霊斗の顔色が変わる。

「霊斗さん?大丈夫ですか?」

「ええ、大丈夫です。ちょっと……」

「そういえば、霊斗さんも霊能力があったんですよね」

「ええ、混成能力吸血鬼(ハイブリッドヴァンパイア)なんで……手伝いに来たんですけど……なんか、死霊術の気配が強くて……それで操られてる人の想いが……苦しい、苦しいって……」

「霊斗、寝とけよ。身体に障る」

「僕は大丈夫。凪沙に何かあったらお願い」

「わかった」

「もうすぐで調査隊と合流しますから、キャンプのベッドで休むと良いでしょう」

「すいません、気を使わせちゃって」

「いえいえ。今回の調査には、凪沙さんと霊斗さんの力が必要なんです。だから、しっかり休んでください」

リアナがそう言って車を停める。

「着きましたよ。霊斗さん、大丈夫ですか?」

「ええ、なんとか……」

霊斗がふらつきながら車を降り、続いて凪沙、古城が降りる。

すると、男が近づいてくる。

「よぉ凪沙!元気だったかぁ!」

「牙城君!元気だよ。霊斗君と古城君もいたから」

「ん?霊斗に古城?」

牙城は霊斗と古城を見て怪訝そうな顔をする。

「霊斗はわからんでもないが、古城。なんでお前がいるんだ?」

「なんか俺だけ扱いが雑だな」

「まぁ、邪魔すんなよ」

「わかってるっつの。あと、霊斗が死霊術の気配がするってよ」

「オーケー、解呪させとくわ」

「父さん、ここにあるのは……何?」

「あー……気付いたか。それは明日の朝話す。今日はもう寝ろ」

古城が空を見ると、もう日が暮れかかっていた。

「わかった。凪沙、明日は朝から沐浴だからな」

「わかってるよ。霊斗君も一緒だよね」

「うん。ゆっくり休んで明日に備えとこう」

「はーい!」

一行はキャンプのテントに入っていった。

 




部活の大会が一段落したので、また連日投稿を再開します。
ではまた次回!

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