ストライク・ザ・ブラッド~幻の第五真祖~   作:緋月霊斗

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今回、今回こそは霊斗君の眷獣を出してみせる!
では、本編をどうぞ。


聖者の右腕編 Ⅶ

マンションを出て歩きながら雪菜が古城に質問する。

「それで、どこに行くんですか?」

「ああ、コンビニだよ。まさか、コンビニを知らないとは言わないよな?」

「コンビニは知ってますけど、こんなに遅くに行ったことはないです」

そう言うと、雪菜は目を輝かせ始める。

「いや、夜のコンビニにそんな期待されてもなぁ……」

そう言って古城は呆れた顔をする。

コンビニに行くまでの道のりにはたくさんの店が並んでいる。

その中の一件、ゲームセンターの前で不意に雪菜が足を止める。

その瞳は真っ直ぐにクレーンゲームの筐体を見ている。

「ん?姫柊、クレーンゲームがどうかしたか?」

「クレーンゲームというんですか?このネコマたんの入った箱は」

「あー、雪菜それ好きだもんな。よし、俺が獲ってやるよ」

「え?獲るって……」

ジト目で雪菜が霊斗を見る。

「あ、いや、パクるとかじゃなくてな、そういうゲームなんだよ」

そう言って霊斗は百円玉を財布から出し、筐体に入れる……。

しかし、間違って五百円玉を投入した。

「やらかしたー!」

「霊斗、ドンマイw」

「ちくしょー!こうなったら獲れるだけ獲ってやる!」

そう言うと、ものすごい勢いでボタンとレバーを操作し出した。

それはまさに神業だった。

一度に二体、三体。多いときには四体獲った。

結果獲った総数は十四体。

「フッ、ざっとこんなもんか」

「なあ霊斗。これどうすんだ?」

しばし沈黙。

「なんとかなるさ!」

「ならねーよ!」

と、その時。

「そこの三人。彩海学園の生徒だな?こっちを向いて貰おうか」

三人は固まる。

クレーンゲームのガラスに写ったのは真夏の絃神島には到底似合わないゴスロリ風ドレスを着た南宮那月だった。

(((終わった……)))

確信する三人。

打開策を求め、古城と霊斗はアイコンタクトを取る。

(どうする?)

(いやどうしようもねぇだろこれ……)

「どうした?意地でも向かないと言うならこちらにも考えがあるぞ?」

那月がそう言った時だった。

激しい爆発音が響き渡る。

「なんだ!?」

那月の注意がそちらに向いた瞬間。

「いまだ!」

霊斗が空間転移を使用。

三人は那月の目前から一瞬で消える。

「暁古城!暁霊斗!貴様ら覚えていろ!」

那月の悔しそうな声が響き渡る。

 

 

霊斗達が転移したのは人工島の岸壁だった。

そして、雪菜が口を開く。

「先輩、霊斗さん、今のは……」

「ああ、吸血鬼の眷獣だ」

「あの力の大きさだと、恐らくは旧き世代だな」

そう言って霊斗はアイランド・イーストの方を見る。

そこには、漆黒の妖鳥の姿が浮かび上がっている。

「先輩、霊斗さん。先に帰っていてください」

「え、姫柊?何を言って……」

「私はあれを止めて来ます」

「馬鹿、お前!それなら俺達も行く!」

「だめです。あそこて戦っているのは吸血鬼で先輩方は真祖なんですよ?他の血族の吸血鬼に手を出したら大問題です。わかったら大人しく帰っていてください」

「姫柊…」

「わかった」

「霊斗!?」

「ただし、様子を見に行くだけだ。戦闘には介入するな」

「わかりました」

その返事を確認すると、霊斗は丁度通りかかったモノレールの屋根に雪菜を転移させる。

「おい、霊斗!そんなことさせたら姫柊が危ないだろ!」

「古城」

やけに静かな様子の霊斗

「なんだよ」

「お前、あのモノレールより速く走れるよな?」

「出来るけど、なんでだ?」

そう聞いた瞬間、激しい眩暈のような感覚と共に古城と霊斗はモノレールの線路上に立っていた。

そして霊斗が言う。

「分かりきったことを聞くな。追いかけるんだよ。あの馬鹿をな」

そう言って霊斗は獰猛に牙を剥いた。

その時、古城は霊斗の背後に巨大な人影を見た。




ふう、最後の最後に少しだけ眷獣をだせた……(無理やり)
次回はしっかり眷獣の戦闘シーンが出ます。
お楽しみに!

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