今回は霊斗君の眷獣が初登場です。
では、本編をどうぞ。
翌日。
古城が霊斗に引きずられながらマンションを出ると、そこに雪菜がいた。
「姫柊、まさか、俺が来るのを待ってたのか?」
「はい、監視役ですから」
「雪菜。冗談はその辺にしとけ。古城が引いてる」
「そうですね。本当は引っ越しの荷物を待ってたんです。あ、来ました」
外を見ると宅配業者が丁度荷物を運んでくる所だった。
「引っ越しって、このマンションにか?」
「はい」
「まさか部屋は……」
「705号室でお願いします」
「おいこらちょっと待て」
「705号室って思いっきりうちの隣じゃねえか!」
「そうですけど、何か?」
「ああ、もうわかった。どうせあの三聖の馬鹿どもだろ」
「はい。獅子王機関に部屋の申請をしたら、この部屋になりました」
宅配業者が頭に疑問符を浮かべているが、気にしない三人であった。
その後、荷物を運びながら古城が
「にしても、やけに荷物が少ないな」
「はい。ここに来るまでは寮生活だったので」
「じゃあ、今日の午後にでもホームセンターにでもいくか」
「いいんですか?」
「ああ、午後なら俺も古城も暇だしな」
「補習が終わればな」
「じゃあ、私は補習が終わるまで校内で待ってますね」
「よし、じゃあ学校に行こう。早く行かないと古城は遅刻で補習が増えるからな」
「はい、行きましょう」
三人は登校し始めた。
そして、午後。
雪菜は店内を目を輝かせながら歩き回る。
「これはなんですか?槌の一種のようですが」
「ゴルフクラブな」
「ただのスポーツ用品だ」
「では、こちらの火炎放射機のようなものは」
「高水圧洗浄機」
「車とかを洗うのに使う」
「これは武器ですね。映画で見ました」
「チェーンソーかぁ。確かに武器といえば武器かなぁ……」
「バイ○ハザードとかの敵が使ってるけどな」
「これは…獅子王機関で習いました。こんなものまで置いてあるとは恐ろしい店です」
「ただの洗剤だろ?」
「まさか、雪菜。お前あれの事を言って……」
「はい。これとこれを混ぜると有毒なガスが…」
「それはだめだ!」
「そういう使い方をするな!絶対だぞ!お兄さんとの約束な!」
「はぁ……分かりました」
そして、なんやかんやあって帰宅
道中浅葱にあって古城にいろいろあったのは余談である。
その後マンションのエレベーター前にて。
「あれ?古城君と霊斗君も今帰り?」
「おう、凪沙か」
「ただいま。あと、こっちは今度転校してくる…」
「雪菜ちゃんもお帰り!」
「なんだ、もう知ってたか」
「うん、この前学校に転校手続きに来てたのを先生に紹介してもらったんだ。それに、今朝引っ越しの挨拶に来てくれたしね。古城君と霊斗君は寝てたけど」
「「そうか」」
「あ、そうだ!今日は雪菜ちゃんのお祝いパーティーをしようと思っていっぱい材料買ってきたんだよ!お鍋だけど雪菜ちゃん食べれない物とかあるかな?お出汁は昆布と鰹節にしようと思ってるんだけど、大丈夫だよね」
「凪沙、その辺にしとけ。姫柊が固まってる」
「よし、じゃあ今日は盛大に盛り上がろうぜ。雪菜もそれでいいよな?」
「はい、お邪魔させて頂きます」
「やった!じゃあ凪沙、腕によりをかけてつくるよ!」
パーティー終了後。
雪菜も自宅に帰り一段落。
「はー、お腹いっぱい~。もう動けないよ~」
「凪沙、そんなところで寝てると風邪ひくぞ」
「大丈夫だよ~、ちょっとだけだから。あれ?二人ともどっか行くの?」
「ああ、ちょっとコンビニにな」
「じゃあアイス買ってきて!」
「まだ食うのかよ……」
「太るぞー」
「ふんっ、そんなこと言う二人は嫌いだよ!」
「へいへい。買ってくりゃいいんだろ」
「よろしくね~」
そして、玄関を開けると
「どこへ行くんですか?」
「げっ姫柊!?」
濡れた肌の上に制服を着た雪菜が立っていた。
「はい?なんですか?」
「いや、その格好……着替えて来い!待ってるから!」
「わかりました。逃げないでくださいね?」
「逃げないから!早く!」
そして、雪菜が部屋へ入っていくと
ドバァッ
霊斗が鼻血を吹き出して倒れた。
「霊斗ー!?」
「こ、古城……ティッシュくれ……」
「ほら」
「すまんな」
そこで雪菜が部屋から出て来る。
そして部屋の前に飛び散った鮮血を見ると、微妙な表情をし、
「あの……何があったんですか?」
「ちょっとな」
「はぁ……」
そして、コンビニへ向かう。
その後に待ち受ける危機に気づかないまま――
あれ?眷獣でてきてないよ?って方もいると思います。
勘弁してください!風邪でそれどころじゃないんです!
次回は必ず出します!
では次回もお楽しみに。