ストライク・ザ・ブラッド~幻の第五真祖~   作:緋月霊斗

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身体が……怠い……。
じゃ、かきます……。


観測者の宴編Ⅶ

霊斗は警戒心を剥き出しにしながら女を睨む。

「お前も脱獄囚か……」

「ええそうよ。だから、南宮那月を渡してもらえると助かるのだけれど」

「だってよ浅葱。どうする?」

「渡すわけないじゃない!」

「まあ、そう言うと思っていたわ」

「だろうな……で、あんたも吸血鬼なのか?」

「ええ。流石は第五真祖といったところかしら。よく見抜けたわね」

「お前の魔力の質がどっかの婆さんに似てたもんでな」

「あら。そこまでわかるのね。じゃあ、手加減しなくていいかしら?」

「ああ、構わないぞ。俺は手加減してやるがな」

霊斗が余裕な表情で答えると女は笑い、眷獣を召喚した。

「……所で第五真祖。あんたの名前を聞いていないのだけれど」

「暁霊斗だ。俺もお前の名前を知らないな」

「ジリオラ・ギラルティよ。聞いたことくらいあるとおもうのだけれど」

「ああそうか、どっかで見た顔だと思ったが……まさかあの''クァルタス劇場の歌姫''だったとはな。あんたは俺を覚えてないみたいだが」

「あら、その名前で呼ばれるのも久しぶりね……じゃあ、殺っちゃっていいかしら?」

「できるもんならやってみろ」

霊斗が言うと同時に、ジリオラが自らの眷獣を地面に叩きつける。

すると、霊斗に向かって無数の弾丸が放たれた。

「霊斗!」

浅葱が叫ぶ。

しかし、霊斗の姿は着弾地点に無かった。

「悪いけど、その眷獣には負けねぇな」

霊斗は一瞬でジリオラの背後に移動していた。

「なっ!?その動き、まさか――獅子王機関の剣凰!?」

「やっと思い出したか。お前を監獄結界に送ったのが誰だか、忘れるわけないよなぁ?」

ジリオラは霊斗と距離を取る。

「なんで獅子王機関に真祖が……」

「まあ、隠してたからな。次の眷獣はどうした?」

「くっ、殺れ!''毒針たち(アグイホン)''!」

ジリオラが新たに眷獣を召喚する。

それは、無数の蜂だった。

しかし

「数も増えてないのか……つまらないな。焼き尽くせ''天照大神''」

霊斗が命じると、蜂がどんどん焼かれて行く。

「ぐうっ!?クソッ!''毒針たち''!もっと増えろ!」

ジリオラが言うと、蜂の数がどんどん増えていく。

しかし、霊斗は余裕な表情を崩さない。

「''氷牙狼''」

霊斗が虚空より槍を取り出す。

「さて、終わりの時間だ、ジリオラ・ギラルティ。監獄結界に帰れ!」

霊斗が空間転移でジリオラの懐に飛びこみ、腹に槍を突き刺す。

「がふっ!第五真祖……侮っていたわ……」

ジリオラが意識を失うと手枷が発光し、鎖がジリオラを虚空に引きずり込んで行く。

「ふう終わった……」

すると、霊斗の耳に嫌な声が聞こえた。

「やあ霊斗。今の戦い、実に美しいネ」

ヴァトラー(クソホモ)見てたのか、手助けくらいしろよ(気持ちわりぃ、早く死ね)

「酷いなァ。本音がだだ漏れだヨ?」

ヴァトラーが笑顔で返す。

するとそこに、古城が白煙を吹き上げながらチャリで走ってきた。

「霊斗!終わったか!」

「ああ、なんとかな」

「やあ古城」

「うわぁぁ!ホモだ!死ねぇ!」

バキゴキ。

「古城、加減くらいしてくれてもいいじゃないか」

「あーあ、ガチホモの首がおかしな事に」

古城が反射的に全力で殴ったため、ヴァトラーの首が百二十度くらい回ってしまった。

「さて古城。彼女の心配はいいのか?」

「そうだ!浅葱、無事か!?」

「うん、霊斗が助けてくれたから……」

「お、古城。彼女の所、否定しないのな」

「いや、そこまで気が回らなかっただけだ」

「浅葱が心配でか?」

「ま、まあそりゃ、友達の心配くらいするさ」

古城が言うと、浅葱の顔が真っ赤になる。

「ところでホモ。ここに来たってことは、何か用があるんだろ?」

霊斗が聞くと、ヴァトラーは笑顔で首を治しながら答える。

「(コキッ)そうだね。用件は一つ。南宮那月をボクの船で預かろう」

「「「「はあぁぁぁ!?」」」」

ヴァトラーの唐突な申し出に、霊斗、古城、浅葱、アスタルテの叫び声が重なる。

「いや、ヴァトラーには任せたくない」

「あたしも行っていいなら……」

「ヴァトラーは信用できない」

「霊斗さんに同意」

浅葱以外の全員がヴァトラーの申し出を断る。

だが、思い直したかのように古城が言う。

「いや、でもヴァトラーの船なら霊斗も本気を出せるし、脱獄囚を探す手間も省ける」

「む、そうだな……じゃあヴァトラー、頼む」

ヴァトラーはその返事を効くと、古城達に言う。

「じゃあ、ついて来るんだ」

ヴァトラーは迷いなく歩いていく。

霊斗達は小走りでヴァトラーを追った。




眠い……お休みなさい。
ではまた次回……。

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