ストライク・ザ・ブラッド~幻の第五真祖~   作:緋月霊斗

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あけましておめでとうございます。
昨日の続きです。
では本編をどうぞ。


霊斗の正月

「(ボソッ)また、一緒に……」

『零!あけましておめでとうー!』

「ハッピーニューイヤー、です」

「ああ。あけましておめでとう」

「今年もよろしくお願いします」

「今年も、来年も、ずっとだ」

「ふふっ、そうですね。霊斗さん、大好きで―――」

「?アスタルテ?」

「すー……すー……」

「寝ちまったか……こんなに吸血鬼っぽくない吸血鬼もなかなかいないよな……」

ぐっすりと眠ってしまったアスタルテを見て苦笑する霊斗。

「ずっと一緒だ……何十年も、何百年も、何千年だって」

そう言って霊斗は目を閉じた。

その隣では、こっそりと目を開いたアスタルテが霊斗の寝顔を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

午前六時。

霊斗が目覚めると、アスタルテが霊斗に馬乗りになっていた。

「……えっ……とぉ……」

「おはようございます。もう朝です」

「あ、うん、それはわかるんだけどな」

「じゃあ、何がわからないんですか?」

「なんでアスタルテが俺に馬乗りになっているのか」

「二人目」

「はい?」

「二人目の子が欲しいです」

「ぶほっ!げほごほっ!?#$%&@?¥<>+!!!」

「霊斗さん、日本語でお願いします」

「し、新年そうそうなに言ってんだ!」

「純粋な望みです」

「うー……この件は一端保留な!早く古城達の所行くぞ!」

「では、向こうに着いてからゆっくり話合いましょう」

「向こう!?なんで皆の前で新年そうそう子作りについて話合うの!?嫌だよ‼しかも向こうって、下の階だよ!行くぞ!」

 

 

 

吸血鬼移動中……

 

 

 

暁古城宅。

「「「「「「「「ハッピーニューイヤー!」」」」」」」」

全員で言う。

「ってか、集まったの結局こんだけか」

集まったメンバーは古城、雪菜、浅葱、霊斗、アスタルテ、零菜、萌葱、美霊だった。

「残りのメンバー(古城嫁)は?」

「()に悪意しか見えない。あいつらは仕事だとよ」

「年始めだってのに大変だな……」

「そうですね、では霊斗さん、話し合いましょう」

「本当にやるの!?」

「えっ?ヤるんですか?」

「やめろ!俺の家で危険な話をするな!」

「あんた達ねぇ……子供もいんのよ?」

「自重してくださいね?」

「「「ってか子供扱いすんな!」」」

そこで美霊が言う。

「うーん……私は兄弟とかがいても……いいかな……」

「おいバカやめろぉぉぉぉ!」

「霊斗さん、話し合いは不要です。家族会議の結果、もう一人作ると言うことで」

「嫌だ!絶対やだぁぁぁ@%$&/&¥?#;%]\-/\]」

「霊斗、日本語」

「俺は拒否する!」

「だが断る」

「意見の尊重ぅぅぅぅぅぅ!」

「霊斗、諦めなさい。この子達はマジよ」

「霊斗さん、頑張ってくださいね?」

「浅葱ぃ!雪菜ぁ!見捨てないでくれぇ!」

「霊斗……」

「古城!help!」

「頑張れq(^-^q)」

「……ぃ……」

「い?」

「嫌だァァァァァァァァァァァァ‼」

玄関に向かってダッシュする霊斗。

しかし

「お父さん、なんで逃げるの?」

「可愛らしく聞きながら頭蓋を握り潰そうとするなぁぁぁあぎゃぁあいだいだいだい!?」

「「裏切りものには、死を」」

「増えた!?増えたよね!?いま人数増えたよね!?」

「霊斗さんが観念してくれないのがいけないんです(メキッ)」

「いでででで!いま割れた!割れたよ!?」

「観念してください」

「わかった!わかったから!解放して!」

「わかりました」

満足そうな顔をして霊斗を解放するアスタルテ。

頭蓋を矯正する霊斗に浅葱が言う。

「ほんと、あんた達って何年経っても仲良いわよね」

「今のが仲良くみえたのか、眼科の受診をおすすめするぞ」

「ただの皮肉よ」

「なおさらたちが悪い」

「まあ、仲悪くはないな」

「古城のとこはどうなんだよ」

「ん?皆仲いいぞ」

「皆?ああ、古城のとこはハーレムだったなw」

「なんか言い方が引っ掛かるが……まあ、新年楽しく過ごすのが一番だ」

「俺だって好きで騒がしくしたわけじゃない」

霊斗がそう言って古城を小突く。

「なんだよ」

「まあ、なんだ。いつまで経っても古城は古城だなって」

「なんだそれ」

古城と霊斗は久しぶりに笑いあったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜。

自宅に帰った霊斗はベランダで一人佇んでいた。

「新年そうそうひどい目にあった……」

溜息をつく。

「大体子供って……あいつが大変なだけじゃんか……」

すると、独り言に反応した者がいた。

「なに?お母さんの事が心配だから渋ってたんだぁ」

「美霊か……盗み聞きは感心しないぞ」

「んー?別にいいじゃん」

「はぁ……で、どこから聞いてたんだ?」

「新年そうそうひどい目にあった、の所から」

「全部じゃねぇか!」

「で、最初の疑問に戻るけど、お母さんが心配?」

「それはな……あいつ、小柄だろ?お前を産むときも大変だったんだ……」

「そうなんだ……」

「……まあ、なんだ。俺としては、お前さえ無事に育ってくれたらいいかなって……」

「そう……今の録音しといたから、お母さんに聞かせるね」

そう言って空間転移で消える美霊。

「えっ?聞かせるって……」

そしていつのまにか口癖になってしまった一言。

「勘弁してくれ……」

霊斗は空を見上げる。

そこには、一面の星空が広がっていた。




霊斗の愛妻家具合がわかるエピソードになったかと思います。
お気に入り、高評価よろしくお願いします。
ではまた次回!

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