ストライク・ザ・ブラッド~幻の第五真祖~   作:緋月霊斗

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さあ書いていきます。



蒼き魔女の迷宮編Ⅶ

古城達が外に出ると、周りの人々はキーストーンゲートを見ていた。

そこには、斑模様の不気味な触手が蠢いていた。

「なんだあれ!」

「悪魔の眷属だ。くそッ、よりによってこの状況で魔女の相手かよ!」

「それだけではありません。あの魔力は先輩の魔力と同じ物です」

「ってことは……」

「優麻か!」

キーストーンゲートへ向かって走り出そうとする一行。

しかし、その前に黒いローブを被った影が複数現れた。

「なんだこいつら!」

「わかりませんが、恐らく私達の足止めが目的です!」

「霊斗さん、下がっていてください」

「ああ、夏音!こっちにこい!」

「はい!」

霊斗は夏音をかばいながら後ろに下がる。

そして、雪菜が雪霞狼を構えて攻撃しようとするが――

「ほあちゃー!」

そこに奇声を上げて飛び込み、敵を蹴り倒した人物がいた。

「よー、教え子達。無事かー?」

「さ、笹崎先生!?」

その人――笹崎岬は、敵を倒しつつ言う。

「大体の事情はわかってる。叶瀬は任せて行きな!」

「ありがとうございます!」

雪菜が頭を下げ、一斉に走り出す。

「行くぞ!」

「まて古城、こっちだ!」

霊斗は浅葱のプログラムしたアプリを使って、最短ルートを導き出す。

「わかった!」

「次はどっちにいきますか?」

「そこの路地を右!」

そして、しばらく転移を繰り返すと、キーストーンゲートの屋上に出た。

そこには優麻と魔女が二人、そして

「なんでテメェがここにいる?ホモ野郎」

「いきなり厳しいね、霊斗」

「黙れ、失せろ」

霊斗がそう言うと、巨大な火球がヴァトラーを吹き飛ばした 。

「霊くーん、無事ー?って……」

その攻撃を放った人物、天音が現るが、霊斗の姿を見て絶句する。

そして

「なんじゃこりゃぁぁぁ!?」

絶叫した。

「うるさい、落ち着け」

「落ち着いてられるわけないでしょ!霊君、アスタルテちゃんの身体に変なことしてないでしょうね……?」

「してない。むしろ俺の身体が被害にあった」

そこに空間転移でラ・フォリアと紗矢華が現れる。

「雪菜!暁古城!無事!?」

「あ、紗矢華さん……」

「雪菜!無事ね!暁古城は?」

「俺はここだ」

「え?女?」

「はい。あっちのは別人です」

「それはそうでしょう。古城はもっとだらしない表情をしています」

「それ酷くないか!?」

「……ってことは、今はこれが暁古城?」

「スルーかよ……まあ、そうだな」

古城の返答を聞いた紗矢華が硬直する。

そして

「なんじゃそりゃぁぁぁぁぁ!?」

絶叫した。

そこに、古城の身体に入った優麻が近付いてくる。

「古城の周りは本当に賑やかだね」

「ユウマ……」

「だけど、ボクはここでさよならだ」

「なっ!?どういうことだよ!」

「もうここに用はないって事さ」

その視線の先には、蜃気楼のように浮かぶ岩の島が出現していた。

「ありがとう古城。君のおかげで傍題な魔力を手に入れ、あの島を探し出せた」

「まてユウマ!なんなんだあの島は!」

「監獄結界だ……」

優麻の代わりに霊斗が答える。

「監獄……結界?」

「そう、あれは普通の刑務所で捕まえて置けない、強力な魔導犯罪者を捕獲しておく場所だ」

「なんでお前がそんなものを……」

「なんでかって?……古城に免じて教えてあげるよ」

「あれ?俺は?」

「あの監獄結界には、ボクの母さまが捕まっているんだ」

「ユウマの母親?」

「そうか!仙夜木……仙夜木阿夜!」

「霊斗は知っていたんだね。そうだよ、ボクは仙夜木阿夜の娘さ」

「それで、その母親を助け出すのが、優麻さんと悪魔の契約なんですね……」

「そういうことさ。じゃあ、ボクは行くよ」

そう言って優麻は空間転移で姿を消した。

「クソッ!どうすりゃいいんだ!?」

そう叫ぶ古城に後ろから声がした。

「うるさいですわよ、''元''第四真祖」

「本当にうるさい。黙らないとその内臓を引摺り出しますわよ?」

そこで、霊斗がキレた。

「……どいつもこいつも……」

「霊斗さん?」

「おい、霊斗?」

霊斗が叫んだ。

「うるっせぇんだよ!特にそこのババァ二人!」

「ばっ!?ババァですって!?」

「キイーッ!許せませんわ!消炭にして差し上げますわ!」

魔女二人が炎を放つ。

「――天照。降臨しろ」

霊斗のひと言は、霊斗の本体から聞こえた。

「悪いが、俺とアスタルテの接続ぐらいなら外せるんだよ」

「「なっ!?」」

魔女二人が恐怖に顔を歪める。

そこに、霊斗の無慈悲な攻撃が打ち込まれる。

「天照、''火焔剣・強断斬''」

天照の炎が剣となり、魔女二人を焼く。

「「ぎゃぁぁぁぁ!」」

二人は黒焦げになって倒れる。

「行くぞ」

霊斗が言う。

その姿はいつもの霊斗ではなかった。

そう。

本気を出した第五真祖の姿だった。

「霊斗、賢生の空間転移がありますが……」

ラ・フォリアが告げるが

「必要ない。賢生さん、魔術でラ・フォリア達を守ってもらえますか」

「任せてくれ、気を付けて」

「ああ。古城、雪菜、アスタルテ――跳ぶぞ」

霊斗はそう言うと、空間転移を使った。




霊斗の本気が炸裂します。
お気にいり、評価お願いいたします。
ではまた次回!

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