え?僕ですか?
やだなぁー、もちろんぼっちに決まってるじゃないですか。
というわけで本編をどうぞ!
古城、霊斗、アスタルテは雪菜の家に来ていた。
「それで、優麻さんの身体に先輩が。霊斗さんとアスタルテさんはそれぞれ入れ変わっている、と」
「流石姫柊。呑み込みが早いなぁ」
「にしても、古城はわからなくもないが、俺達はなんで入れ変わってるんだ?」
「わかりませんね……。とりあえず先輩達の家に行きましょう」
そんなわけで一行は古城達の家に行く。
そこには優麻の荷物は無かった。
「……凪沙はたぶん母さんの研究室だな」
「まあ、そんなとこだろ」
そこで、部屋の中を霊視していた雪菜がこちらを向く。
「大体はわかりました。優麻さんの正体も」
「ああ、俺も何となく察しがついてるが……」
「霊斗もわかってんのかよ……」
「私も分かったと思います」
そして、結論を雪菜が告げる。
「優麻さんの正体は魔女です。しかも、南宮先生と同じく空間制御に特化している」
「まじかよ……」
「ああ。そもそも真祖の肉体を奪える魔術は存在しない。となると、空間制御で神経を一本一本繋ぎ変えているんだろうな」
「じゃあ、霊斗なら戻せるんじゃないか?」
「いや、無理だな。俺は単純な演算しかできない。那月ちゃんなら戻せるかもしれないけどな」
「じゃあ那月ちゃんの所に……」
「那月ちゃんは失踪してるんだっつーの」
ことごとく提案を潰された古城は頭を抱える。
「どうしろってんだよ……」
「まずは優麻さんを探しましょう。話はそれからです」
雪菜のその提案で、一行は優麻を探す事になった。
矢瀬基樹は彩海学園の屋上でノートパソコンを弄っていた。
そこに、不細工な縫いぐるみのアバターが割り込んでくる。
「なんだよモグワイ。浅葱の所に居なくて良いのか?」
『ケケッ、嬢ちゃんなら寝ちまったぜ。流石の嬢ちゃんでも、絃神島全土をスキャンしながら最適なルートを導き出すプログラムを書くのは疲れたみたいだぜ』
「そんなもんをよく一晩で造れるな……」
『まあ、あの嬢ちゃんは''電子の女帝''だからな』
「まったく、浅葱には頭が上がらねぇな」
苦笑すると、矢瀬は作業を再開した。
絃神島で最も高い場所、キーストーンゲートの屋上に二つの人影があった。
アッシュダウンの魔女、メイヤー姉妹だ。
二人は宙に浮かぶ魔導書をみて、高笑いしていた。
「流石は蒼の魔女。素晴らしい力ですわね、お姉さま」
「ええ、彼女は生まれながらの魔女。その才能は未知数ですわ」
周りには、瀕死の特区警備隊が倒れている。
そこに、新たな声が乱入してくる。
「フゥン……もう少し楽しめると思ったんだけど、期待外れだったネ」
そこに現れたのはディミトリエ・ヴァトラーだった。
その姿を見た瞬間、メイヤー姉妹は青ざめた。
「ディミトリエ・ヴァトラー!?なぜ貴族の吸血鬼が!」
「私達の計画を潰しにきたということですわね……」
そんな二人を冷ややかに見ると、ヴァトラーは眷獣を放った。
しかし、その攻撃が魔女達に届くことはなかった。
その間に入り込んだ人影があったからだ。
人影は腕を一振りすると、ヴァトラーの眷獣を弾き返した。
「古城……じゃないな。君は誰だい?」
「お初にお目にかかります。我が名は仙夜木優麻。
「そうか……書記の魔女。その力は彼女から継いだ物かな?」
「はい。ですのでもうしばらくお待ち頂ければ、面白い事になります」
「わかったよ、もうしばらく待ってあげよう」
ヴァトラーはそう言って、屋上の端に移動した。
古城達はカフェにいた。
「……なあ、霊斗」
「……なんだよ」
「俺達、なんでケーキバイキングなんてしてんだろうな」
「お前は食うだけだろ。俺なんて、自分の身体がめっちゃ嬉しそうな顔でケーキをバクバク食ってるんだぞ」
「あー、うん、頑張れ」
そして、二人揃って溜息をつく。
「まったく、先輩達も心配性ですね。それくらいじゃ太りませんよ」
「「俺達が心配してんのはそこじゃねぇ!」」
二人して叫ぶ。
「大丈夫です。きっと優麻さんは先輩の身体に傷を付けたりしません」
「それはそうなんだが……」
「なあ雪菜、アスタルテはどこ行った?」
「アスタルテさんならトイレに……」
「オーマイガッ!」
「ど、どうしたんですか!?」
「なあ、雪菜。たしかこれ痛みやらなんやらは身体の持ち主にくるんだよな?」
「はい。ですから、霊斗さんの身体をきったら、アスタルテさんの身体に入っていようと、霊斗さんにダメージが行きます……ですが、なぜ今それを?」
「そ、それはだな……」
言えない。
(下半身になんかちょっとした刺激があるからなんて言えねぇ!)
しばらく我慢していると、アスタルテが戻ってきた。
「おい……なんか言うことはないのか?」
「……?」
「なんでそこで『は?』みたいな表情が出来るんだ!?」
「気持ち良かったですか?」
「ま、まあそれは……って違う!俺に謝れ!今すぐ!」
「ゴメンナサイモウシマセン」
「すげぇ棒読みだな……」
霊斗は疲れたようにテーブルに突っ伏す。
次の瞬間、強烈な魔力の波動を感じる一行。
「っ!行くぞ!」
「はい!」
「霊斗さんと叶瀬さんはこっちに!」
「わかりました!」
「俺もなのか!?」
「当たり前です」
アスタルテは振り替えって言う。
「彼方は私の血の伴侶なんですから」
霊斗は、一瞬驚いたが、苦笑して言い返す。
「なら精々守ってくれよ、''ご主人様''」
「任せてください」
そして霊斗達は、魔力の下へと走り出した。
今回みたいに、たまにネタを入れていきます。
お気にいり、評価お願いいたします!
ではまた次回!