ストライク・ザ・ブラッド~幻の第五真祖~   作:緋月霊斗

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いやー、もうすぐクリスマスですねぇ。
え?僕ですか?
やだなぁー、もちろんぼっちに決まってるじゃないですか。
というわけで本編をどうぞ!


蒼き魔女の迷宮編Ⅵ

古城、霊斗、アスタルテは雪菜の家に来ていた。

「それで、優麻さんの身体に先輩が。霊斗さんとアスタルテさんはそれぞれ入れ変わっている、と」

「流石姫柊。呑み込みが早いなぁ」

「にしても、古城はわからなくもないが、俺達はなんで入れ変わってるんだ?」

「わかりませんね……。とりあえず先輩達の家に行きましょう」

そんなわけで一行は古城達の家に行く。

そこには優麻の荷物は無かった。

「……凪沙はたぶん母さんの研究室だな」

「まあ、そんなとこだろ」

そこで、部屋の中を霊視していた雪菜がこちらを向く。

「大体はわかりました。優麻さんの正体も」

「ああ、俺も何となく察しがついてるが……」

「霊斗もわかってんのかよ……」

「私も分かったと思います」

そして、結論を雪菜が告げる。

「優麻さんの正体は魔女です。しかも、南宮先生と同じく空間制御に特化している」

「まじかよ……」

「ああ。そもそも真祖の肉体を奪える魔術は存在しない。となると、空間制御で神経を一本一本繋ぎ変えているんだろうな」

「じゃあ、霊斗なら戻せるんじゃないか?」

「いや、無理だな。俺は単純な演算しかできない。那月ちゃんなら戻せるかもしれないけどな」

「じゃあ那月ちゃんの所に……」

「那月ちゃんは失踪してるんだっつーの」

ことごとく提案を潰された古城は頭を抱える。

「どうしろってんだよ……」

「まずは優麻さんを探しましょう。話はそれからです」

雪菜のその提案で、一行は優麻を探す事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

矢瀬基樹は彩海学園の屋上でノートパソコンを弄っていた。

そこに、不細工な縫いぐるみのアバターが割り込んでくる。

「なんだよモグワイ。浅葱の所に居なくて良いのか?」

『ケケッ、嬢ちゃんなら寝ちまったぜ。流石の嬢ちゃんでも、絃神島全土をスキャンしながら最適なルートを導き出すプログラムを書くのは疲れたみたいだぜ』

「そんなもんをよく一晩で造れるな……」

『まあ、あの嬢ちゃんは''電子の女帝''だからな』

「まったく、浅葱には頭が上がらねぇな」

苦笑すると、矢瀬は作業を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

絃神島で最も高い場所、キーストーンゲートの屋上に二つの人影があった。

アッシュダウンの魔女、メイヤー姉妹だ。

二人は宙に浮かぶ魔導書をみて、高笑いしていた。

「流石は蒼の魔女。素晴らしい力ですわね、お姉さま」

「ええ、彼女は生まれながらの魔女。その才能は未知数ですわ」

周りには、瀕死の特区警備隊が倒れている。

そこに、新たな声が乱入してくる。

「フゥン……もう少し楽しめると思ったんだけど、期待外れだったネ」

そこに現れたのはディミトリエ・ヴァトラーだった。

その姿を見た瞬間、メイヤー姉妹は青ざめた。

「ディミトリエ・ヴァトラー!?なぜ貴族の吸血鬼が!」

「私達の計画を潰しにきたということですわね……」

そんな二人を冷ややかに見ると、ヴァトラーは眷獣を放った。

しかし、その攻撃が魔女達に届くことはなかった。

その間に入り込んだ人影があったからだ。

人影は腕を一振りすると、ヴァトラーの眷獣を弾き返した。

「古城……じゃないな。君は誰だい?」

「お初にお目にかかります。我が名は仙夜木優麻。書記(ノタリア)の魔女、仙夜木阿夜の娘にございます」

「そうか……書記の魔女。その力は彼女から継いだ物かな?」

「はい。ですのでもうしばらくお待ち頂ければ、面白い事になります」

「わかったよ、もうしばらく待ってあげよう」

ヴァトラーはそう言って、屋上の端に移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

古城達はカフェにいた。

「……なあ、霊斗」

「……なんだよ」

「俺達、なんでケーキバイキングなんてしてんだろうな」

「お前は食うだけだろ。俺なんて、自分の身体がめっちゃ嬉しそうな顔でケーキをバクバク食ってるんだぞ」

「あー、うん、頑張れ」

そして、二人揃って溜息をつく。

「まったく、先輩達も心配性ですね。それくらいじゃ太りませんよ」

「「俺達が心配してんのはそこじゃねぇ!」」

二人して叫ぶ。

「大丈夫です。きっと優麻さんは先輩の身体に傷を付けたりしません」

「それはそうなんだが……」

「なあ雪菜、アスタルテはどこ行った?」

「アスタルテさんならトイレに……」

「オーマイガッ!」

「ど、どうしたんですか!?」

「なあ、雪菜。たしかこれ痛みやらなんやらは身体の持ち主にくるんだよな?」

「はい。ですから、霊斗さんの身体をきったら、アスタルテさんの身体に入っていようと、霊斗さんにダメージが行きます……ですが、なぜ今それを?」

「そ、それはだな……」

言えない。

(下半身になんかちょっとした刺激があるからなんて言えねぇ!)

しばらく我慢していると、アスタルテが戻ってきた。

「おい……なんか言うことはないのか?」

「……?」

「なんでそこで『は?』みたいな表情が出来るんだ!?」

「気持ち良かったですか?」

「ま、まあそれは……って違う!俺に謝れ!今すぐ!」

「ゴメンナサイモウシマセン」

「すげぇ棒読みだな……」

霊斗は疲れたようにテーブルに突っ伏す。

次の瞬間、強烈な魔力の波動を感じる一行。

「っ!行くぞ!」

「はい!」

「霊斗さんと叶瀬さんはこっちに!」

「わかりました!」

「俺もなのか!?」

「当たり前です」

アスタルテは振り替えって言う。

「彼方は私の血の伴侶なんですから」

霊斗は、一瞬驚いたが、苦笑して言い返す。

「なら精々守ってくれよ、''ご主人様''」

「任せてください」

そして霊斗達は、魔力の下へと走り出した。




今回みたいに、たまにネタを入れていきます。
お気にいり、評価お願いいたします!
ではまた次回!

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