ストライク・ザ・ブラッド~幻の第五真祖~   作:緋月霊斗

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上着を買いに行って思った。
パーカーっていいよね……。
そんなわけで本編をどうぞ。


蒼き魔女の迷宮編Ⅲ

深夜零時過ぎ。

霊斗は携帯の着信音で目が覚めた。

「はい、もしもし」

『霊斗か?私だ』

「那月ちゃん?こんな時間になに?」

『(ギリッ)殺すぞ』

「すいませんでした。で、要件は?攻魔師の仕事?」

『そうだ。どうやら島に魔女が二人侵入したようだ。座標を送る、むかってくれ』

「へいへーい。……あれ?那月ちゃんは行かないのか?」

『私は雑用で手が離せないんだ。そうでなかったらお前なんかに頼まないぞ』

「それもそうか。じゃ、すぐに向かいますわ」

『頼んだぞ』

通話が切れのを確認し携帯を机の上に置く。

そして、ベッドの隣を通り部屋の扉へ向かう。

ガシッ

「ん?」

霊斗の服の裾を掴む手。

「どこに行くんですか……?」

「あ、アスタルテ!?」

アスタルテが寝ぼけ眼でこちらを見ている。

しかし、その力は真祖の従者に相応しいと言える。

今にも服が千切れそうだ。

「もう一度聞きます。どこに行くんですか?」

「よし、まずは落ち着こう。はい深呼吸ー、すー、はー」

「……」

「待って!なんで無言で腕を掴むの!?」

「霊斗さんがどこにも行かないように……こうします」

ギュッ

「ほぇ?」

霊斗の口から人生で一番間抜けな声が出た。

「え、え?え!?な、なにをなさっているのですかアスタルテさん!?」

「わからないんですか?だったら……」

ムギュッ

さらに強く抱きつかれた。

「あ、あ、あう……」

霊斗の頭は真っ白になっていた。

だが、そこに追い打ちを掛けるようにアスタルテがすり寄ってくる。

「……」

「んふー……」

アスタルテは嬉しそうにしているが、霊斗は完全にフリーズしている。

結局朝になるまでアスタルテにくっつかれたままだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

絃神島中央空港。

霊斗達はごった返す人の中を走っていた。

「もう!古城君は寝坊するし、霊斗君とアスタルテちゃんは朝までイチャイチャしてるし!」

「すまん。眠気に勝てなかった」

「……那月ちゃんに殺される那月ちゃんに殺される那月ちゃんに殺される那月ちゃんに殺される那月ちゃんに殺される那月ちゃんに殺される……」

「寝ぼけていて……すいませんでした」

ロビーに到着したが、待ち合わせしている人物はまだ来ていないようなので少し安心する。

「あの、私達も来て良かったのでしょうか?」

雪菜が困惑気味に聞く。

「ああ、霊斗が使えない分は叶瀬に助けてもらうし、姫柊は波朧院フェスタは始めてだろ?ユウマと一緒に回れば楽しい、波朧院フェスタの事もわかる。一石二鳥だろ?」

「そうですね。……それで、霊斗さんはなぜこんなことに?」

「知らん。……浅葱、矢瀬。隠れてないで出てこい」

古城がいうと、華やかなパーティーマスクを着けた二人が柱の影から出てきた。

「俺達の変装に気付くとは……やるな古城」

「なんでお前らがいるんだよ」

「古城の幼馴染みとか、見てみたいじゃん?なあ浅葱?」

「そ、そうね。で、霊斗はなんで壊れてんの?」

「しらん。つか帰れ」

「そんな冷たい事言うなよ。その幼馴染みの顔を拝んだら帰るからよ」

と、不意に古城の頭上、二階へ通じる階段の上から特徴的なアルトヴォイスがした。

「古城!」

それと同時に一人の少女が階段の上から飛び降りてきた。

「うぉ!?危ねぇ!」

古城は咄嗟にその少女を抱き止める。

「やあ古城!久し振りだね」

「お前は昔から無茶苦茶するなユウマ」

そんな古城に雪菜と浅葱が詰め寄る。

「先輩!その方は誰ですか?」

「だから昨日話しただろ?俺の幼馴染みのユウマだよ」

「幼馴染みって……女の子!?」

「いや、見りゃわかるだろ」

隣では矢瀬が納得したような表情で頷いている。

「確かに男とは言ってなかったよな」

「ははっ、古城の周りは相変わらず賑やかだね」

ユウマはそう言って笑った。

「……」

「霊斗は相変わらず面白いね」

そう言って苦笑すると、ユウマは自己紹介をした。

「初めまして、仙都木優麻です。よろしく」

そして古城に聞く。

「ところで、どうして霊斗は壊れてるんだい?」

「さあな。あ、そうだユウマ、どこか行きたい所とかあるか?」

「いや、古城達の行きたい所で良いよ」

そう答え、ユウマは霊斗を殴る。

「グボッ!?おぉ優麻!久し振りだな!」

「遅いよ霊斗。なに呆けてたんだい?」

「色々あってな……」

「霊斗の事だから女の子関係かな?」

「なんでわかるんだ!?」

「霊斗は昔から女の子より男の子に人気だったからね」

「まじかよ……」

「霊斗さんは昔、男の子に人気だったというのは本当ですか?」

「うん、そうだね。で、君は……?」

「霊斗さんの血の伴侶のアスタルテです」

「そうか、霊斗は吸血鬼だったんだよね……ってことは霊斗の彼女かな?」

「はい」

「どこまで行ったの?」

「霊斗さんがヘタレなのでまだキスくらいまでしか……」

「そうか、頑張れ!」

そんな話をしばらくしてから、絃神島を回ることにした一行だった。




優麻登場。
お気にいり、評価お願いいたします!
ではまた次回!

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