翌日、彩海学園。
古城は、クラスメイトの内田遼に猫を二匹渡していた。
「悪いな内田、助かった」
「いいよ、うちの家族は皆動物好きだから」
そう言って内田は笑った。
そんな内田を見てうっとりしているのはもう一人のクラスメイトの棚原夕歩。
すると夕歩が古城に話掛けてきた。
「でも、意外だった。暁が中等部の聖女ちゃんと仲良かったなんて」
「まあ、凪沙の繋がりでな」
「ふーん……」
「でも、それがどうかしたのか?」
「その……あたし、あの子のこと苦手なんだよね……」
「そうなのか?」
「うん。昔あの修道院で大きな事故があったの。あたしの友達も死んじゃって……あの子はそのたった一人の生き残り」
「あそこでそんなことがあったのか……」
その後、二言三言かわし、古城は内田達と別れた。
「さて、これで猫は全部だっけか」
「はい。後はさっき拾って来た子だけです」
「また拾ったのかよ!?」
古城が呆れ果てていると、背後から幼い声が聞こえた。
「ほう。うまそうな子猫だな」
「な、那月ちゃん!?」
ゴリッ
「ぐげっ」
「担任をちゃん付けで呼ぶな」
那月は古城に肘打ちを喰らわせると
「知っていたか、暁。校内への動物の持ち込みは禁止だ。だから、その子猫は私が貰う。今夜は鍋パーティだ」
その言葉を聞いた夏音は息を呑み
「すみませんでした、お兄さん。お先に失礼します」
そう言って駆け出した。
それを見て那月は
「ほんの冗談だろう。本気で逃げるか?」
「あんたの場合、冗談に聞こえないからな」
そう言って古城は溜息をついた。
「ところで今の小娘は誰だ?」
「中等部三年生の叶瀬夏音。つか、自分の学校の生徒を小娘ゆうな」
「あの髪はなんだ?大人しそうにみえて実は不良なのか?」
「違う。確かハーフだとかなんとか」
「ふむ。そうか……暁、今夜私に付き合え」
「へ?」
「なに、心配するなただの攻魔官の仕事だ」
「えー……相手は?」
「ここ二週間で暴れまわった奴らの内の二体だ」
「へーいへい」
抵抗しても意味が無いと悟り、素直に従う古城。
結果、九時にテティスモール駅前に集合ということで解散となった。
無人島、朝。
「ふぁ~……朝か……」
霊斗は目を覚まし、二度寝しようと寝返りを打つ。
そこにはラフォリアが寝ていた。
一糸纏わぬ姿で。
「わぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁあぁぁぁ!?」
一瞬で霊斗の精神が崩壊した瞬間だった。
「ん……霊斗ですか。おはようございます」
「おお、おま、お前‼ふ、ふふ、服を着ろ!」
「まあ、そんなに恥ずかしがらなくてもいいではないですか。昨晩のあなたは素敵でしたよ」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!もう嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ラフォリアが霊斗をからかうが、霊斗はもう駄目だ。
ついには泣き始めた。
「うぅっ……ぐすっ……」
「霊斗、泣かないでください」
「お前のせいだ!」
また今日も騒がしい日常が始まる。
前回、活動報告のはなしはしたのですが……。
驚くほど質問が来ません。
お願いします!
ではまた次回!