本編をどうぞ。
深夜一時。古城の部屋。
「眠れねぇ……」
古城は眠りに着けずにいた。
原因は吸血鬼の体質と、凪沙の件である。
すると、古城の携帯が着信音を奏でる。
「はい、もしもし……」
『も、もしもし!?暁古城!?』
「なんだ、煌坂か……。悪いけど、今そういう気分じゃないんだ。切るぞ」
『ちょ……!?ま、待ちなさいよ!』
「なんだよ……なんか急ぎの用事でもあんのか?」
『それはないけど……』
「じゃあいいだろ?」
相変わらず鈍い古城である。
『なんでそんなに切りたがるのよ……まさか、私の雪菜に何かしたんじゃないでしょうね……!?』
「大丈夫だ、それは無い」
『じゃあ何よ……?』
「いや、うちの妹がな……クラスの男子に告白されててな……」
『まさか、殺ったの……?』
考えがぶっ飛びすぎて付いていけない。
「……は?」
『そいつを殺したんでしょ?でも、眷獣で消し去るのは殺りすぎじゃない?オーバーキルよ?』
「殺さねぇよ!なんでそんなことに眷獣を使わなきゃなんねーんだよ!?つーか、学校が消滅するわ!」
『ああ、そう。わかったわ。あなた、シス――過保護じゃない?』
「お前だけには過保護とか言われたくない。しかも今シスコンって言いかけただろ」
心の中で俺はシスコンじゃない、と三回唱えて話題を変える。
「で、今日は何の用だ?」
『その、今週末からまた絃神市に行くから、あなたがどうしてもって言うなら会ってあげようといいと思って……』
「ふーん、ってことはまた仕事か……」
『そうね、あなたとは違って仕事してるのよ』
「仕事かぁ……。なら、俺達と会ってる暇なんてないよな……。姫柊にも会いたいだろうに、大変だな」
『え、あ……う、そうよ!もういいわよ!死になさい馬鹿‼(プツッ)』
やっぱり古城は鈍かった。
通話の切れた携帯を見て溜息。
そのまま眠りについた。
無人島。深夜。
霊斗は船の音で目を覚ました。
「助けか?」
しかし、停泊した船から降りてきたのは
「くそっ!敵か!」
霊斗は近くにあったトーチカに逃げ込む。
因みに二人も起きていたようで、すぐにトーチカに入ってきた。
「仕方ねぇな……殺るか」
「霊君、私じゃなくていいの?」
「ああ。新しい奴も慣れておかないとな」
そういって、トーチカを飛び出す霊斗。
「第五の真祖、
形造るのは、闇を纏った男。
「降臨せよ!十一番目の眷獣!''
それは夜を司る神。
すなわち、星をも司る。
「''夜神流星群''!」
霊斗の声と供に、無数の星が降ってくる。
それらは寸分の狙いも違わずに機械人形に命中する。
一瞬で敵は壊滅した。
「さて、片付いたぞ」
「霊斗、ご苦労様です」
「霊君やっるー!それに、私の弟君もお疲れ様!」
『ありがとう姉さん。あまりご主人様に迷惑をかけないでね』
そういって、ツクヨミは消えた。
「さて、寝るか」
いつになったら無人島から脱出できるのだろうか……。
二体目の眷獣が出ました。
残り十体もお楽しみに。
お気にいり、評価よろしくです!
ではまた次回!