ストライク・ザ・ブラッド~幻の第五真祖~   作:緋月霊斗

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今回はオリジナル話です。
なるべくラブコメ展開で行こう。
では、本編をどうぞ。


日常編Ⅰ
霊斗とアスタルテの休日


日曜日。

すなわち、学校は休み。

「うーっし、一日寝るかー」

朝7時に起きた霊斗の一発目の発言である。

そしてそのまま二度寝。

しかも爆睡である。

「霊斗さん、おはようございます……って、なんでまだ寝てるんですか……」

部屋に入って来たアスタルテが呆れていた。

まあ、本人は気付いていないが。

「すやぁ……」

「……(もぞもぞ)」

アスタルテは、霊斗のベッドに潜り込んだ。

しかも、真正面。

霊斗の寝顔を眺め、幸せそうな顔をするアスタルテであった。

 

 

 

 

 

暁家、リビング。

朝8時。

古城は起きて、水を飲みに台所に向かっていた。

すると、霊斗の部屋のドアが少し開いていた。

「あれ、あいつ閉め忘れたのか。あいつにしては珍しいな」

普段からドアなどはしっかり閉める奴だったのにな、と思いつつドアを閉めに向かった。

そして、驚きの光景を目にした。

「な……、なんだこれ……」

寝ている霊斗のベッドでアスタルテが霊斗に抱きついていた。

そんな光景が、なんというか……エロい。

「あ、やべっ!」

古城は鼻血を出してしまった。

つまり、欲情したということで……。

「ご自分の兄弟とその彼女が抱き合っているのを見て興奮するなんて……、一回死んだ方がいいと思います」

「げっ!?姫柊!?なんでここに!?」

「先輩を起こしたのが誰だか忘れたんですか?」

「ああ……そうだったな……」

「まったく……、先輩は部屋で説教です」

「……勘弁してくれ……」

力なく自室に連行される古城。

 

 

 

 

 

 

午前9時、霊斗の部屋。

「ん……、んむぅ……」

「流石に飽きました。起きてください」

吸血鬼の筋力全開のデコピン。

メコッ

「頭蓋骨が!?」

「起きましたか?」

「このまま永遠に眠りそう」

「もう一回やれば起きますかね……?」

「ストップ!嘘!嘘だから!起きたから!これ以上やったら本当に死んじゃうから!」

「そうですか。では、おはようございます」

「ああ、おはよう……って、なんでアスタルテが俺のベッドに!?」

「付き合っている男女ならば当然の行為ではありませんか?」

「流石にまだ早いと思う!」

少なくとも、付き合い始めて数日後でやることではないだろう。

と、冗談はここまで。

「で、実際なんでここに?」

「昨日、霊斗さんが買い物に行こうと誘ってくれましたよね?」

「そうだったぁ!完全に忘れてた!」

まぁ、がっつり二度寝した後で覚えていたと言っても説得力は皆無だろう。

「そうですか、霊斗さんにとって私とのお出かけなんて、忘れてしまうぐらいどうでも良かったんですね……」

「悪かった!謝るからそんな泣きそうな表情しないで!」

泣きそうになったアスタルテを必死に宥める霊斗。

霊斗には、休日であろうと気の休まる時がないようだ。

 

 

 

 

 

 

 

絃神市・商業区、ショッピングモール。

霊斗はアスタルテと買い物に来ていた。

事の発端は昨日に遡る。

 

 

帰宅後、アスタルテはいつも通り那月からの借り物のメイド服を着ていた。

それを見て、霊斗が

「明日、アスタルテの私服でも買いに行くか」

と、言ったのが原因である。

 

 

まあ、そんなことから、霊斗はアスタルテと買い物に来ている訳だが……。

(これって、デートになるのか?っつか、どんな話をすればいいんだ……!?)

誰かと付き合った事のない霊斗には、大分ハードルの高いイベントの様だ。

と、目的の女性服売場に着いた。

「さて、アスタルテはどんなのがいい?」

「霊斗さんが選んでくれた物を着たいです」

即答。

しかも、こんな恥ずかしい台詞を堂々と……。

(あれ?なんか俺に決定権が来たような気がする?)

まあ、選んで欲しいと言うならば、選ぶのも男として必要だろう。

適当に理由を付けて、服を見る。

……

(どうしろって言うんだよ!?)

困った、女性の考えなど微塵もわからない。

すると、ふと視界に入った服があった。

薄い水色のワンピースだった。

この色ならアスタルテに似合うだろうか……。

脳内で合成。

……なんか違うなぁ。

(うーん、難しいな……)

とりあえず、真夏の島でワンピースというのは間違っていない……と思う。

そのまま、ワンピースの列を見ていく。

と、次は白のワンピースが目に付いた。

こんどこそ……!

脳内で合成。

……これだ!

「アスタルテ、これなんかどうだ?」

「そうですね……試着してきます」

そう言ってアスタルテは試着室に入って行った。

待つこと数分。

「どうでしょうか?」

出てきたアスタルテを見て、霊斗は言葉を失った。

似合う似合わないという次元ではない。

まるでアスタルテの為に用意されたような―

「余り見られると恥ずかしいです……」

「あ、ああ。あまりにも似合いすぎてて……」

「そうですか、ありがとうございます」

そう言ってアスタルテは笑った。

「……つ、次だ!せめてもう一着買うぞ!」

そう言って霊斗は物色を始めた。

数分後。

「これなら……」

霊斗がチョイスしたのはまたもワンピース。

だが、今度は紺色のワンピースだった。

ついでにアクセサリーもチョイス。

少し大きめのピンクのリボンを選んだ。

それを受け取って、アスタルテは試着室に入って行った。

さらに数分後。

「どうでしょうか?」

「あ……うん、似合ってる」

霊斗は微妙な反応をしてしまった。

しかし、頭の中では

(ふぉぉぉぉ!アスタルテマジ天使!おっといけない。平常心平常心平常心平常心平常心平常心……)

変態だった。

結果、その三点を購入。

その後もレストランに行ったり、アクセサリーショップへ行ったり……。

楽しい時間を過ごしたのだった。

 

 

 

 

 

帰り道。

「霊斗さん、今日は楽しかったです。ありがとうございました」

「ん、アスタルテが楽しんでくれたなら良かったよ」

「その、また行きましょうね」

照れたように顔を真っ赤にしながらアスタルテが言う。

霊斗はそんなアスタルテを見て、嬉しく思った。

出会ったばかりの頃はあんなに無表情だったのに、今ではこんなに色々な表情を見せてくれるようになったのだから。

そんな事を考えながら短く一言。

「そうだな」




どうでしたかね?
まあ、僕自身恋愛経験なんて全然ないんで……。
これからも、ちょくちょくこんな話を挟んで行きます!
ではまた次回!

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