今日は書きます!
ではどうぞ!
生徒会室。
浅葱が尋常ではない速度でパソコンを操作していく。
「……お前、本当に人間か?」
「失礼ね、人間よ。……っと。出たわよ、ナラクヴェーラの情報」
「ふむ……なかなか厄介な敵であるな。流石の我でも苦労しそうだ」
「霊斗、素が出てるぞ」
「おっと失礼。だが、今のままでは勝てないな……」
「勝つってあんた、これと戦うつもり?いくら吸血鬼と言っても無理があるわよ」
「う……それはそうだが……」
その時、廊下から足音がした。
「まずい!隠れろ!」
霊斗は咄嗟に浅葱と古城を机の下に押込み、自分は空間転移で別の部屋に隠れた。
「チッ、邪魔が入ったな。……お、もう出ていくか」
教師が部屋から出たのを確認し、生徒会室に戻った。
そこには、鼻血を出した古城がいた。
屋上。
「古城、大丈夫?」
「……ああ、なんとかな…」
「ったく、浅葱と密着して興奮するなんて古城は変態だなぁ」
「ほっとけ…」
ここで、浅葱から弁当を食べないかと提案。
二人は喜んで賛成した。
というわけで、浅葱が弁当を取りにいった。
「暑ぃな……」
「死んじまう……」
吸血鬼二人は日光に焼かれていた。
その時、古城は視界に何かが映ったことに気付いた。
が、遅かった。
「死になさい!暁古城‼」
煌坂紗矢華が剣を振りかざして落ちてきた。
「あぶねぇ!」
古城、ナイス回避。
「避けるんじゃないわよ!」
紗矢華の剣が横薙ぎに振るわれる。
「避けなきゃ死ぬだろうが!」
ヒュッ、ザクッ。
「「ん?ザクッ?」」
確かに古城は避けたはずだが……。
「い、痛ぇ……」
霊斗の脇腹に紗矢華の剣が刺さっていた。
「れ、霊斗!?大丈夫!?」
「紗矢華……君は僕に何か恨みでもあるのかい……?」
「霊斗、わざと大袈裟に痛がるなよ」
「あ、バレた?」
霊斗の傷はもう治っていた。
「霊斗……その回復力は一体…」
「ん?俺は吸血鬼だからな」
衝撃のカミングアウト。
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
「うるさい‼叫ぶな!」
「だって、そんなの一回も言わなかったじゃない!」
「お前なぁ、獅子王機関の養成所で俺は吸血鬼だとか言えるか?」
「確実に狩られるわね」
「だろ?」
「獅子王機関怖いな」
「話掛けないで!この変態真祖!」
「誰が変態だ!」
「うるさい!死になさい!」
「馬鹿おまっ、待て!グッ!?」
いきなりキレた紗矢華の剣が古城の腕を切りつける。
「ぐ…ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
古城の眷獣が暴走し、周りに高周波の音と暴風を撒き散らす。
そこに、最悪のタイミングで浅葱が帰ってきた。
「古城!?まさか、その剣本物!?」
「だめだ!浅葱、来るな!」
「ぐっ、なにこれ……あぁぁぁぁぁ!」
そのまま、浅葱は気を失う。
「ぐっ、氷牙狼!」
「雪霞狼!」
二本の槍で、古城の魔力が消失する。
そこに降り立ったのは雪霞狼を構えた雪菜だった。
「雪菜‼助かった!」
「霊斗さん、お疲れ様です。……先輩」
「はい……」
「こんな所で眷獣を暴走させて、学校を破壊するつもりですか?」
「いや、あれはあそこの通り魔女が……」
「反省してください」
「はい……」
「紗矢華さん。私の任務を邪魔するのが紗矢華さんの目的ですか?」
「違うわよ!私はそこの変態に罰を与えようと……」
「反省してください」
「でも……」
「反省してください」
「はい……」
と、そこに足音。
「雪菜ちゃん!物凄い勢いで飛び出していったけど、大丈夫!?って、なんで屋上が壊れてるの!?浅葱ちゃんも居るし!?怪我してない!?」
「凪沙、落ち着け。浅葱は保険室に連れていこう。古城と紗矢華は屋上で正座。反省してろ」
「「はい……」」
「雪菜はアスタルテを呼んできてくれ。急患だってな」
「わかりました」
そこまで指示すると、霊斗は浅葱をおぶった。
保険室。
「メディカルチェック、終了しました。軽いショック症状と推測されます。健康面には問題ありませんが、一日は安静にしておくべきです」
「そうか。アスタルテ、ありがとな」
そう言って霊斗がアスタルテの頭を撫でてやると、アスタルテは嬉しそうな、表情になった。
最近、アスタルテが感情を豊かに表現するようになってきた。
と、急にアスタルテの表情が変わる。
「侵入者の気配を感知」
「まずい!まさか、黒死皇派!」
「目的地はこの部屋かと」
と、浅葱が目を覚ました。
「ん……なに?なにがあったの?」
「浅葱!起きたか!」
逃げろ、と言おうとしたが、遅かった。
ガラァッ!
保険室のドアが開き、獣人が二人と男が一人現れた。
「この中にアイバ・アサギはいるか」
「……私だけど、あんたらは?」
「私の名はクリストフ・ガルドシュだ。協力して貰いたいことがある」
「…させません。実行せよ、''薔薇の―」
「危ない!アスタルテ!伏せろ!」
次の瞬間、ガルドシュが拳銃を撃った。
一瞬で三発。
すべて命中した。
ただし、霊斗に。
「霊斗さん!?」
「ふん、最も強大な魔力の持ち主だったが、他愛ないな」
「くっ、霊斗をよくもやってくれたじゃない…」
「さて、ミスアイバ、我々に協力してもらおうか」
「わかったわ、ただし、そこの怯えている子―凪沙ちゃんは開放してあげて」
「ふむ、では代わりにそこの人工生命体の少女に来て貰おう」
「肯定。ただし、この人の治療を先にやらせてください」
「それくらいならいいだろう」
アスタルテは霊斗を治療し始める。
そして、治療を終わらせたあと、浅葱、雪菜、アスタルテは黒死皇派の人質となったのであった。
宣言通り、アスタルテは負傷しない回でした。
アスタルテにはかすり傷ひとつ付けねぇぞ!
また次回!