学校。
到着するなり、霊斗、アスタルテ、天音、古城、雪菜は那月の部屋へと向かった。
ガチャ
「おはようございます、那月ちゃんって危ねぇ!?」
「朝から殺されたいようだな?霊斗……」
「すいませんでした。土下座でもなんでもするので許して下さい」
「ならば部屋の端で土下座していろ。で、他は何しに来たんだ?」
「南宮先生。黒死皇派について教えて下さい」
「ふむ、その名をどこで聞いた?」
「ヴァトラーだよ。知ってるだろ?あいつから聞いた」
「チッ、またあの蛇使いか……。だが、なぜ貴様らがその情報を知りたがる?」
「それが、ヴァトラーに挑発された霊斗が『俺が黒死皇派を潰す!キラッ』とか言ってな……」
「キラッ、は言ってないだろ!?」
「どちらにせよ、霊斗。お前の出る幕ではない。警察に任せろ」
「でも……」
「いいか、お前にはyesしか選択肢はない」
「さすがに酷い!?」
「わかったら教室に戻れ」
「はーい、失礼しましたー」
「ところでな、霊斗」
「……まだ何か?」
「黒死皇派はナラクヴェーラの制御コマンドを解析しようとしていたらしいぞ」
「ナラクヴェーラ……コマンド……。そうか!ありがとう那月ちゃん‼」
また言った。
しかし、那月は咎めることもなく、ただ紅茶を飲んだだけだった。
教室。
霊斗と古城、アスタルテが駆け込んできたかと思うと、浅葱の周りを囲んだ。(実際、アスタルテは霊斗にお姫様抱っこをされていて嬉しそうだったが。)
そして、古城が凄く爽やかな笑顔で
「お前の力を貸してくれ!」
……キャラが違う気がする。
「霊斗、こいつどうしたの?」
「浅葱を見て興奮してんだろ」
「そ、そう……///」
浅葱の顔が真っ赤になった。
隠し芸だろうか?
「いや、違うだろ」
「は?急にどうしたの?」
「すまん、なんでもない」
「で、力を貸してくれって、何をすればいいの?」
浅葱が訝しげに聞く。
霊斗は精一杯真面目な顔を作り
「ナラクヴェーラについて調べてほしい」
「ナラクヴェーラ?……わかったわ、調べてあげる。だからこんどキーストーンゲートのケーキバイキングに連れていってくれる?」
「ああ、古城が約束する」
「オッケー。……この時間帯に使えるパソコンは……」
「職員室」
「馬鹿じゃないの!?捕まるわよ!」
「じゃあ、生徒会室」
「そうね、あそこなら誰も使わないだろうし」
「決定だ。行こう」
生徒会室に向かう。
「そう言えば、あのドアロックはどうすんだ?」
「まあ、見てなさい」
そう言うと、浅葱はセキュリティシステムにケータイを当てる。
すると、あっという間にロックが解除された。
そして、部屋に入りパソコンを立ち上げた。
「早いな……」
「伊達に管理公社のバイトやってないわよ」
そう言うと浅葱は笑った。
さあ、次回はアスタルテ負傷しない回です。
ではまた次回!