ストライク・ザ・ブラッド~幻の第五真祖~   作:緋月霊斗

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これからも頑張って書いていきます!
では、本編をどうぞ。


戦王の使者編Ⅱ

朝。

暁家の一室、古城の部屋。

古城は寝ていた。

それはもう、ぐっすりと。

と、そこに

「起きて下さい。古城さん」

抑揚の乏しい声が聞こえる。

「ん……。あと三十分……」

古城は聞こえるはずのない声に違和感を覚える事もなくいつものように答える。

「マスター―霊斗さんから、伝言です。''起きなきゃ殺す''」

「おはよう!いい朝だな!」

古城は飛び起きる。

「おはようございます」

「おう、アスタルテか……って、なんでアスタルテがここに居るんだ!?」

「おう古城、起きたか。まあ、事情を説明すると、かくかくしかじか」

「そういうことか」

「質問。なぜ今のやり取りで事情が伝わるのでしょうか?」

「尺の都ご……ゲフンゲフン。兄弟だからな」

「霊斗、メタいぞ」

「そうですか」

「あ、アスタルテもその説明で納得するんだ」

と、そこに新たな乱入者が

「霊斗君、アスタルテちゃん、古城君起きた?あ、起きてるね。じゃあ、みんなでご飯にしよ!」

朝から強烈なマシンガントークを放つのかと思いきや、意外と静かに終わった。

恐らく、物静かなアスタルテに配慮してのことだろう。

しかし、それもいつまで続くか……。

「提案。古城さんは着替えを済ませた方が良いかと」

「そうだな、先に食っててくれ」

「言われなくてもそうする」

「命令受諾」

そして、アスタルテ達が出ていったのを確認し、古城は着替える。

しかし、そこで疑問点が一つ。

なぜ、自分の枕元に畳んで置いてあるのはメイド服なのだろう?

制服を着ると古城はメイド服を持ってリビングに行く。

「おい、霊斗。どういうつもりだ?」

「ん?むぐ、なんのもぐもぐ話だごくん」

「食うか喋るかどっちかにしろ」

「で、古城はアスタルテの脱ぎたてのメイド服を握り締める性癖があると」

「うっわ、古城君サイテー」

「…………(ポッ)」

「違う!つかそんなもん人の枕元に置くな!凪沙もそんな目で俺を見るな!アスタルテも仄かに頬を赤らめるな!」

「おお、ナイスツッコミだ古城」

「……拍手」

「嬉しくねぇよ!」

「古城君の性癖はどうでもいいから、早くご飯食べちゃってよ」

「良くない!断固として抗議する!」

「うるさいな!ゆっくり寝れないじゃん!」

虚空から天音が出てきた。

「もう!凪沙ちゃん困ってるでしょ!ほら食べる!」

そして、食べ物を古城の口に押し込む。

「ごぼぁ!もぐもぐ。いきなり人の口に飯を突っ込むんじゃねぇ!」

「ちゃっかり食ってやがる」

「吃驚」

と、チャイムがなる。

「あ、雪菜ちゃんだね。はいはーい。今出るよー」

凪沙は玄関へと走って行く。

「じゃあ、古城、アスタルテ。俺達も行くか」

「命令受諾」

「アスタルテも行くのか!?」

「肯定。今日から、転入生として貴方と同じクラスで生活させて頂きます」

「いきなり文字数増えたな」

「文字数とか言うな」

そして、玄関へ行くと

「おはようございます。先輩、霊斗さん、アスタルテさん。それでは行きましょう」

「あれ!?驚かないんだ!?」

「知らなかったのは古城だけだ」

「馬鹿なぁぁぁぁ!」

「残念」

「先輩は相変わらず元気ですね」

古城は項垂れながら、学校へと向かう。

 

 

学校。

朝のHR。

「アスタルテです。趣味は霊斗さんを殴ること。特技は殴ったあとに、霊斗さんを治療することです。よろしくお願いします」

これが、アスタルテの自己紹介だった。

これを、笑顔で言ったなら、常談ととれたかもしれない。

しかし、アスタルテは完璧な無表情で言った。

恐らく、クラスの半数以上はこう思っただろう。

こいつはヤバイと。

因みに、数人のクラスメイトが何故か羨ましそうな視線を送ってきたのが気になる。

しかし、一人。

必死に笑いを堪える生徒がいた。

「クッ……ブフゥッwww」

「どうした?天音。なにか面白いことでもあったか?」

「いやー、私の教えた自己紹介をあそこまで馬鹿正直にやるとはwww」

「犯人はテメェかぁぁぁぁぁぁ‼‼」

「うわぁ!霊君、朝からエキサイティングだねっ!」

「ぶっ殺す!アスタルテに恥をかかせたのと俺に恥をかかせた罪は万死に値する!」

「ち、ちょっと待って!まだHR中!」

「わかった。終わったら殺す」

そう言って霊斗は着席した。隣にはアスタルテが居る。

霊斗は小声で謝る

(悪いな、天音の奴が下らない事やらせて)

(大丈夫です。楽しかったので)

そう、アスタルテは頬笑む。

霊斗は一瞬その微笑に見蕩れる。

と、鼻の奥に違和感。

「あべし!?」

霊斗は数日ぶりに鼻血を吹いた。

アスタルテが止血してくれなかったら、死んでいた。

霊斗のアスタルテに対する好感度が30upした。

それを、窓の外から銀色に光る鳥が見ていた。




はい?アスタルテが頬笑むようになるのはもっと後?
知るか!
って訳で、今回はここまでです(どういうことだよ)。
次回もお楽しみに!

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