久々に書いて行きますよ!!
ではどうぞ!
彩海学園。
古城はとある問題に直面していた。
時間は早朝に遡る――。
古城はドタドタと何かが暴れまわる音で目を覚ました。
「なんだ……?」
不審に思った古城がリビングに行くと、そこには床で暴れまわる天音の姿があった。
「……なにやってんだ?」
古城が呆れつつそう訪ねると、天音は頬を膨れさせてこちらを向く。
「うぅ……霊君が私のこと置いてった」
「子供かお前は」
呆れた古城がため息をつくと、天音は再び床を転がり始めた。
古城はもう一度ため息をつくと、玄関に新聞を取りに向かった。
するとそこには見慣れない段ボール箱が置いてあった。
「なんだこれ」
古城が首をかしげつつ箱を開けると、その中には女児用の服が何着か入っていた。
そして手紙が一枚同封されていた。
開いてみてみると、そこには異国の文字で何か書いてあった。
「読めねぇ……」
古城は仕方なく、手紙を箱の中に戻すと、服を取り出して見ていく。
サイズ的にはアヴローラの物だろう。
しかし、その贈り物には致命的な欠点があった。
「……服だけしか入ってねぇじゃん」
下着が一着も入っていなかったのである。
古城はどうしたものかと考えながらリビングに戻り、ふと時計を見る。
時刻は七時半を回ったところ。
「……まずいっ!遅刻する!」
普段なら霊斗か凪沙が教えてくれるが、今日に限って二人ともいない。
その事をすっかり忘れていた古城は、急いで支度をしつつふと考える。
……凪沙がいないのになぜ昨晩あんな手の込んだ事をしたのか。
つまり全員すっかり忘れていた訳である。
「天音!留守番とアヴローラのこと頼む!」
「むー、了解。行ってらっしゃい」
天音の声を聞きながら古城は家を飛び出した。
そしてギリギリで間に合い、授業を受けた。
そして現在――放課後に至る。
古城が頭を抱えていると、ふと目の前に人が現れた。
目線をあげると、そこには浅葱が立っていた。
「なんだ?なんか用か?」
古城が聞くと、浅葱は腕を組ながら言う。
「用っていうか……なんか悩みでもあるのかなって」
「ああ……この際浅葱でもいいか。悪いけど買い物に付き合ってくれないか?」
「買い物?なんで私?」
「いや、なんでって女物の下着を買いに買いに行くから……」
そこまで言って古城は自らの失言に気づいた。
「あ、別に下着を買うって言っても俺が欲しいからじゃないぞ」
「わかってるわよ馬鹿!というかあんまり下着下着連呼しないでくれる?」
「お、おう。悪い」
古城が謝ると浅葱はため息をつき、古城を睨む。
「付き合うのはいいけど、それなりの報酬はもらうわよ」
「ああ、あれでいいか?唐揚げの増量セールだっけ?」
古城がそう言うと、唐突に背後からの衝撃が襲う。
「いってぇ!?なにすんだ矢瀬!?」
「おいおい古城、女子へのお礼に唐揚げはいくらなんでも……」
「え、あたしは全然いいんだけど」
「いいのかよ!?」
浅葱の発言に愕然とする矢瀬。
そんな矢瀬を尻目に、浅葱が古城に言う。
「あ、それよりもその下着が必要な子、ちゃんと連れてきなさいよ?」
「あ、ああ」
古城がそう言うと、浅葱は頷いて矢瀬の方を向く。
「基樹、あんたも来るわよね?」
「いや、俺は遠慮して……」
「来・る・わ・よ・ね?」
「喜んでついていきます」
浅葱の迫力に押し負けた矢瀬はひきつった笑顔でそう言った。
「じゃあ、このあとでティティスモールに集合ね」
浅葱がそう言って、一時解散となった。
同じ頃、古学書を読み終わった霊斗は小さく息を吐いた。
「さて、宴の概要はわかった。後はこれをどう食い止めるか、だな……」
そう言って霊斗は机の上の紙を手に取る。
紙には牙城の字で『絃神島から逃げろ』と書かれている。
読み終わってからも、未だにこの言葉の真意はわからない。
どうしたものかと霊斗が考えていると、部屋の扉が控えめにノックされた。
「開いてるぞ」
霊斗がそう言うと扉が少し開き、隙間からアヴローラが顔を覗かせる。
「どうした?」
「き、飢餓の衝動が……」
「あー、おやつがほしいのか?」
霊斗が聞くと、アヴローラはこくりと頷いた。
「じゃあ、るる屋のアイスでも食いにいくか」
霊斗はそう言って財布を掴み、部屋を出る。
すると、そのタイミングで古城が帰ってきた。
「ただいまー」
「おかえり、こj」
「こじょう!おかえり!」
霊斗の台詞を遮ってアヴローラが古城に飛び付く。
「おう、アヴローラ。ただいま」
古城はそう言ってアヴローラの頭を撫でる。
すると、アヴローラは嬉しそうな顔をしながら古城に頬擦りする。
そのままの状態で古城は霊斗の方を向いて言う。
「そういえば、アヴローラの下着を買いに行かないといけないんだよな。浅葱たちと待ち合わせてるから、行こうぜ」
「浅葱に頼んだのか……無神経というか鈍感というか……」
「は?」
「いや、なんでもない。それより早く行かないとだろ、あんま待たせても悪いし」
霊斗がそう言うと古城は頷いて、アヴローラに言う。
「アヴローラ、買い物に行こう」
「かいもの?」
「そうだ、お前の下着買わないとだろ?」
古城がそう言うと、アヴローラは顔を赤くして胸元を隠す。
「悪しき不純の視線……」
「なんも見てねえだろ!?」
「というか急に言語能力上がったな」
霊斗が突っ込みつつ、三人は家を出た。
「また置いてかれた……」
久しぶりなので、おかしいところがあるかもしれないです。
まあ多目に見てください。
では、また次回!