じゃあ、書いていきます。
絃神島、港湾地区。
ヴェルディアナ・カルアナは溜息をついた。
「なんでここの物価はこんなに高いのかしら……いちばん安いコーヒーしか飲めないじゃない……」
そう言ってヴェルディアナは砂糖とミルクを大量に入れたコーヒーをすすった。
「はぁ……それにしても、暁主任はまだかしら……そろそろ時間のはずだけれど……」
ヴェルディアナがそう呟いた時だった。
何者かが彼女の肩を叩く。
「暁主任!?」
勢いよく振り向いたヴェルディアナの視界に入ったのは、中学生くらいの少年少女だった。
「いやー……深森さんじゃないんだけどね?」
少年がそう言うと、少女が首を縦に振る。
「えーっと……誰?」
ヴェルディアナがそう聞くと、少年は笑いながら答える。
「紅蒼牙です、よろしく。こっちは妹の桃華」
「……よろしく」
蒼牙はそう言うと手を差し出す。
しかし、ヴェルディアナは警戒を解かずに聞く。
「何の用かしら……私は貴方たちと知りあいではなかったと思うのだけれど?」
「そうですね……今日は僕らは暁深森主任の代理で来ました」
蒼牙の言葉を聞いて、ヴェルディアナが勢いよく立ち上がる。
「じゃあ、暁主任から何を聞いているのか教えてちょうだい!聞いているでしょう!」
ヴェルディアナの剣幕に押されたように、蒼牙の頬がひきつる。
「え、えっと……ちょっと落ち着いてくれます?桃華が怖がりますんで……」
「え、あ、ごめんなさい……」
蒼牙に言われて、ヴェルディアナは再び席に着く。
それを確認して蒼牙と桃華が向い側に座る。
「さて、本題ですが……MARは十二番目――アヴローラの封印を解くつもりはないそうです」
「そんな!話が違うじゃない!」
ヴェルディアナが蒼牙に詰め寄る。
そんなヴェルディアナを見て苦笑いしながら、蒼牙が続ける。
「まあ待ってください。深森さんはこう言ってましたよ……『侵入者が勝手に開けちゃったらしかたないわよねー』って……軽いですよねー」
「それって……MARは十二番目の解放を黙認するって事!?」
「まぁ、警備ロボットくらいはいるでしょうがね。あ、あとこれ、死都帰りの暁牙城からのプレゼントだそうです」
蒼牙はそう言うと、段ボール箱を渡す。
「これは……クロスボウに薬莢……?」
「魔族のあなたには聖槍を起動することはできない。でも、それらを使えば……ほぼ無傷で"棺"を開けられます」
蒼牙がそう言うと、ヴェルディアナは頷き立ち上がる。
「ありがとう、私は行くわ」
「ちょっと待ってください」
立ち去ろうとするヴェルディアナの背に、蒼牙が声をかける。
「あなたに聞きたい事があります。……紅霊牙と言う男を知りませんか」
ヴェルディアナは蒼牙の方を向き、首を横に振る。
「ごめんなさい、聞いたこと無い名前ね……」
「そうですか……呼び止めてしまってすいません」
「いえ……私も力になれなくてごめんなさい」
ヴェルディアナはそう言って、歩き去る。
「……蒼牙?」
「ごめんよ、行こうか、桃華」
風が吹く。
二人の姿はそこにはもうなかった。
※ ※ ※
霊斗「百話記念」
天音「霊斗と天音のプチ談話コーナー!」
霊斗「で、ようやく百話に到達した訳だけど」
天音「長かったよねー。作者が気まぐれすぎるせいでねー」
霊斗「はは……まぁ、飽きっぽいうちの作者が頑張れたのも読んでくれる皆さんがいてこそ、だな」
天音「そうだねー。特にあれ!応援系のコメント‼あれ、超喜んでたねー」
霊斗「まぁ、それも毎日更新してた時だけだったけどな」
天音「あー……学校が忙しくなってきちゃってるからねー」
霊斗「ああ、8月には部活の大会とかあるしな。毎日更新は厳しいだろうな」
天音「まぁね、それでも……これからも皆が読んでくれると嬉しいよね!」
霊斗「こんな駄作ですが、皆様これからもよろしくお願いします」
天音「以上、霊斗と天音のプチ談話コーナーでした!」
霊斗「これからもちょくちょくやるかもな」
と、言うわけで皆さん、これからもよろしくお願いします!
では次回!