ストライク・ザ・ブラッド~幻の第五真祖~   作:緋月霊斗

10 / 127
今回はどのくらい書けるかな……。
本編どうぞ。


聖者の右腕編 Ⅸ

翌日朝。

霊斗は珍しく早起きをした。

まあ、凪沙よりは遅いわけであるが。

「あ、霊斗君おはよう!ご飯できてるから、古城君起こしてきてー」

「へいへい」

そう言って古城の部屋の扉を開く。

「おい古城、朝だ。さっさと起きろ」

「ん…、あと三十分…」

「三十分寝たら遅刻確定だぞ。昨日のこともあるし、那月ちゃんに怒られるだろうなぁ」

「はっ!それはマズイ!」

良い目覚ましになったようだ。

「凪沙がメシできてるってよ」

「着替えたらいくわ」

「了解」

そして、リビングに戻った霊斗はTVをつける。

TVでは昨日の爆発事故のことを報道していた。

「あ、この倉庫火災って原因不明なんだって。霊斗君何か知ってる?」

「い、いや、知らないが…」

「そっか、吸血鬼の霊斗君なら何か知ってるかと思ったんだけどなぁ」

「聞いた話じゃあ、落雷による倉庫火災じゃないかって言われてるぞ」

「落雷なんて誰も信じてないよ。凪沙は隕石じゃないかと思うんだよねー」

「隕石って…。お、古城来たか」

「古城君遅いよ~。凪沙先に行くね~」

「いってらー」

そう言って古城はTVを見て、

「げっ、これ…」

「昨晩は随分派手にやらかしたなぁ?」

古城は冷汗が背中を伝うのを感じる。

「まあ、その話は後にして。ほら、さっさとメシ食え」

「ああ、そうする」

そう言うと、古城は食事を始める。

そして、古城が食べ終わった時にタイミング良くチャイムが鳴る。

古城がインターホンの画面を表示すると、そこに映ったのは雪菜だった。

「ひ、姫柊?」

『おはようございます、先輩。早くしないと遅刻しますよ。』

「ああ、悪い。すぐ行く」

そう言って古城は鞄を掴む。

霊斗はもう靴を履いている。

玄関の扉を開き、雪菜と合流すると、最寄り駅に向けて歩き出す。

と、道中

「先輩、昨晩は派手にやらかしましたね」

と、雪菜が責めるような目付きで見てくる。

古城は目を逸らし苦笑いを浮かべる。

「被害総額五百億円だそうです」

「う…」

「まあ、古城なら五百年位かければ、返せるんじゃないか?」

「ええ、それでも毎年一億円返済しないとなりませんけど」

「うう…。もしかして、二人とも昨日のことは獅子王機関に報告したのか?」

「それなんだがなぁ…」

「まだ、迷ってます。昨日先輩が眷獣を使ったのは私達を守るためですし」

「だ、だよな!だって、先に攻撃してきたのはあいつらだしな!ってか、専守防衛?」

「それはそうだが、警察がそれを認めると思うか?」

調子に乗った古城に霊斗の攻撃。

「そうか、警察と獅子王機関は仲が悪いんだったな…」

「はい。もしかしたら、私達があの場に居たこと自体が問題視されてしまうかもしれません」

そう言って雪菜は考えこむ。

そこで霊斗が口を出す。

「だいたい、古城はやりすぎなんだよなぁ。あれは明らかに過剰防衛だろ」

「そうですね。あそこまでやる必要はなかったはずです」

「俺だって、好きであそこまでやったわけじゃねーよ」

すると、雪菜は古城を睨み付け

「だったら、なぜあんな無茶な破壊を眷獣に命じたんですか?」

「いや、命令してないんだって。あのビリビリは俺の眷獣って訳じゃねーんだ」

「おい、古城。俺の眷獣じゃないと止められないくらい強大な眷獣を召喚しておいて、あれが第四真祖の眷獣じゃないと言い張るつもりか?」

「そうだよ!私じゃなきゃ止められない、雷の眷獣は、第四真祖の眷獣しかいないよ!」

「「え?」」

突然、会話に一人の少女が乱入してきた。

「えっと……、誰だ?」

「あー、悪い。こいつはほっといていいぞ」

「えー、霊君ひどいよー」

「やかましい、黙ってろ」

「むー……」

少女は可愛らしい顔を膨らませ、不機嫌さを顔に表す。

「あの、霊斗さん。その方から、昨日の霊斗さんの眷獣と同じ魔力の流れを感じるのですが…」

「気にするな」

「はい!そこの剣巫ちゃん正解!私は霊君の眷獣、''アマテラス''でしたー!そのままだと呼びにくいから、天音って呼んでね‼」

「お、おう」

「わ、わかりました」

「で、本題に戻すが、あれは古城の眷獣だよな?」

「一応はそうだが、そこにいるのと使えるってのは違うだろ?」

「まさか、お前……」

「ああ、こいつらは俺の言うことなんか聞きやしねーんだ」

「もしかして古城君、吸血童貞?」

「それは……」

言いながら駅から学校へ向けて歩く。

と、その時。

「おーっす、古城、霊斗」

「基樹か、おはよう」

「や、矢瀬!?」

「おう、お前は朝からなに際どい言葉を女の子に言わせてんだ?って、凪沙ちゃんじゃないんか?誰だ?」

「ああ、こいつらは俺の本土に居たときの学校の知りあいで、今日から転校して来るんだ」

「ふーん。ま、古城は上手くやれな、あれでも俺の大事な幼なじみだからなー」

「なんの話だ?」

「古城、お前本当に鈍感だな」

「では先輩方、私は中等部に向かいますので」

「おう、また後でな」

そう言って霊斗、古城、天音、矢瀬は高等部に向かう。

ちょうど窓からは浅葱がこちらに手を振っていた。

 

 




さあ、眷獣ちゃんと出したよ‼
次回、那月ちゃんの説教回。
ではまた次回!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。