biohazard cordname”NT”   作:ナッツガン

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 ロックフォード島から脱出したベルトウェイとエイダ
 今南極に到着しようとしていた。


南極へ

 外の風景は吹雪で覆われていた。

「もうすぐ目的地よ…」

 操縦席で着陸の準備に入っているエイダが俺に向かってそう言ってきた。

「それは良いが、まさかその服装で行動するつもりじゃないだろうな?」

 そう聞いてみたがエイダは、俺に向かって指示を出した。

「奥から寒さを防げる物を探してきて」

「はいはい…」

 そう言いながら俺は奥の部屋に入り、コンテナの中から寒さを防げそうな物を探した。

 中を全て探すと一つのコンテナの中にコートが入っていた。

「これでいいか…」

 そう呟くと俺は、再び操縦席に戻った。

「これで良いか?」

「他に無いんだったら…」

 そう言うとエイダは俺からコートを受け取った。

「もうすぐで着陸よ…」

 そう言われて俺はエイダの隣の操縦席に着いた、すると徐々に高度が下がって行く。

 下の様子が確認できる程度の高度に下がった。

「あれか?」

「そのようね…」

 目の前に大きな基地が見えてきた、飛行機は徐々に高度を下げて行った。

 ガタン

 飛行機が着陸場に降りるとゆっくり止まっていった。

「これで大丈夫よ…」

「なあ…どこで飛行機の操縦を覚えたんだ?」

 そう聞いてみるとエイダはコートを着ながら答えた。

「ナ・イ・ショ!」

 俺はそれ以上の追及はしないことにした。

 外に出ると予想以上に風と雪が舞っていた。

「あれを見て」

 俺はエイダの言った方向を見るとそこには飛行機がすごいスピードで突っ込んできた。

「操縦してるんだろうな?」

 俺は呟いていると、隣のエイダは首を傾げながら喋った。

「私が知るわけないでしょ…」

 そう言っているうちに飛行機は基地に向かって行った。

 ドゴーン!!

 大きな音がすると飛行機が基地に向かって突っ込んだ。

「あらあら…」

「綺麗に基地に突っ込んだな…」

 そう言うと俺は突っ込んだ飛行機の方を見た。

「それよりあなたは寒くないの?」

「まだ大丈夫だ…」

 そう言うと俺達は歩いてそのまま基地に向けて歩き出した。

 俺は飛行機の方を見ながら呟いた。

「まさかあれはクレアのじゃ無いよな?」

「あり得そうね…」

 そう言いながら俺達は基地の方に向かって歩き続けている。

 ある程度の距離を歩いて行くと基地の周辺にたどり着いた。

「さて、ここから基地の中に入って行くわけだけど…」

 周りを見るとそれらしい場所は見当たらない、俺とエイダはゆっくり周辺を歩いていく。

「それらしい場所は見当たらないな…」

 そう言いながら俺達は右の方に向かって歩き出した。

 俺達は周辺の警戒を続けながら進んで行く。

「無いな…」

「もう少し奥にあるのかもね…」

 さらに進んで行くと奥の方に大きなドアがあり、入れるようになっていた。

「ここから進んで行くか?」

 俺達は入り口に入ると中は思っていたよりも広く、大きかった。

 俺達はゆっくり進んで行くと俺は中を確認するように見てみた。

「広いな…」

 そう呟くとエイダも頷いて同意してくれた、俺は大きな通路を進んで行く。

 通路を出るとそこは大きなフロアになっていた。

 そこは縦に大きくなっていて、中心は大きな穴になっていた。

「この上に向かうか…」

「そうしましょうか…」

 俺とエイダはそのまま上に向かって進んで行く、右の道を進んで行く。

 階段を進んで行くとゾンビの群れに遭遇した。

「ハァ…仕方がないか…」

 俺とエイダはそれぞれハンドガンを構えて引き金を引いた。

 バン!バン!バン!バン!バン!バン!バン!バン!バン!バン!

 気づくと周りは多くのゾンビの死体で埋め尽くされていた。

「これで全部か?」

 そう言うとエイダも周りを確認した。

「そのようね…」

 それを確認すると俺達は再び階段を進んで行った。

 上に向かって進んで行くと俺は飛行機が突っ込んだ場所に出た。

「見事に突っ込んでるな…」

 俺は上を見ながらそう呟いた、エイダは周りを確認していた。

「乗り込んでいた人はいないわね…」

 俺も周りを確認するがやはり人がいない。

 俺は飛行機の中を確認するためにエイダに確認を頼んだ。

「頼むぞ、エイダ…」

 そう言うとエイダは微笑みながらフックショットで飛行機に入った。

 少しすると中からエイダが出てきた、エイダは俺の方に向くと首を横に振った。

「そうか…」

 その合図で中の様子が大体分かった、俺は仕方が無いと言った風に歩き出した。

「行こう…」

 俺はそう言うとクレアの無事を祈って進み始める。

 進んで行くと階段の前のドアの中から物音が聞こえた。

「確認しておくか…」

 俺達は中に入って行くと、中は大きく荒れていた。

 奥に行ったが何も無い、エイダも中を調査しているとエイダの後ろのゾンビが現れた。

「エイダ!!」

 俺はエイダとゾンビの間に挟まれる様に入った。

 ゾンビは俺の腕に向かって噛みついた。

「ベルトウェイ!!」

 俺はゾンビを噛みつかれた腕ごと、地面に叩きつけた。

 俺はゆっくり立ち上がった、俺はそのまま腕の確認をした。

「ベルトウェイ…大丈夫?」

 エイダは俺の腕の確認をする、しかしエイダは俺の腕を見ると驚いた。

「傷が無くなっている…」

 先ほど噛まれた傷は既に無く、噛まれたところは服だけが破けていた。

 俺は噛まれた場所をさすっていると周りの確認をした。

 確認をしたがすでに周りにゾンビはいない、俺達はそこから外に出た。

「ねえ、聞いてもいい?」

 エイダは俺に向かってそう聞いてきた、俺はそこで立ち止まり答えた。

「なんだ?」

「その怪我を治したのが、ウイルスの効果なの?」

 そう聞いてきた為俺は、手すりに寄り掛かりながら答えた。

「そうだ、これが俺の体に宿したウイルスの効果…傷でも骨折でも治してしまう」

 俺はそう言いながらラクーンシティでの一件を思い出していた。

 ネメシスの攻撃をまともに受けた俺の左腕は骨折をしていた。

 しかし俺の左腕は次に確認した時は既に治っていた。

「ウイルスの効果…皮肉ね…まさか世界を滅ぼすウイルスが世界を救う鍵になるなんて…」

 そう言いながらエイダは微笑んでいた、俺はそれを見ながら飛行機の方を見ている。

「それでも、俺は戦う道を選んだ…」

 俺はそのまま階段を下りていく、エイダも後に続いて行く。

 俺は階段を下りたところで足を止めた。

「な、なんだ…これは…」

 そこには蛾と思われる生物が壁にくっついていた、俺は完全に引きつっていた。

「気持ち悪いわね…」

 エイダも同じ気持ちの様で俺と同じく足を止めていた。

「ここで足を止めても仕方が無い…」

 俺は走る準備を始めた、エイダも同じく走る準備をしていた。

「まずは、あそこに向かおう…」

 俺は先に見えるドアを指差した、エイダは黙って頷いてくれる。

「行くぞ!」

 俺の掛け声と共に俺とエイダは走り出した。

 蛾が途中で襲いかかろうとしたが俺達は何とか走り切った。

「「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…」」

 二人で中に入ると肩で息をしながら中の確認を急いだ。

 中は本で囲まれており、俺は本の確認を急いだ。

「これだけあれば何か分かりそうだな…」

 中を確認するとエイダも同じく本を読みふけっていた。

 俺は読んでいる本の中に興味深い内容があった。

「エイダ!これを読んでみろ…」

 エイダは俺の読んでいる本を同じく読んでいる。

「これにはアルフレッドとアレクシアが実の父に実験をしたことが載っている」

 それ以外にも本の中にはアルフレッドが父を恨んでいた事、アレクシアが自分の体を実験に使った事が載っていた。

 するとエイダは俺から本を奪いその場で奪い去った。

 俺は奥の方から音が聞こえてくる、俺はその音がする方へ歩いて行く。

 曲がると俺は少し広い場所に出る、俺は下から何かの音が聞こえた。

「なんだ…これは…」

 俺は下を見た瞬間、完全に固まった。

 そこには、化物と言っても変わりない奴がそこでもがいていた。

「それがアルフレッドの実の父であり、BOWのノスフェラトゥよ」

 後ろにはエイダが立ちつくしており、本を読みながら俺にそう告げた。

「これが?」

 俺はもう一度確認の為にそう聞いた、エイダは黙って頷いた。

 俺はその場から去って行った。

 部屋を出ると俺は走って曲り角を曲がりドアの中に入って行った。

 何かが穴を掘る音が聞こえてきた、俺は音がした方に入って行った。

「これは…また大きな穴だな…」

 俺達は穴の中に入って行った、奥に進んで行くとさらに階段を見つけた。

「この上に行く?」

 エイダはそう聞くと俺は黙って頷いた、俺達は階段を上って行く。

 そこには何も無く広い空間だけがあった、俺はそのまま中心に行くと周りの確認をした。

 すると俺達が来た方から何かが登ってきた。

「あれは、ノスフェラトゥ…」

 しかしノスフェラトゥは既に誰からの攻撃を受けていたのか、ボロボロだった。

「やるしかないか…」

 俺とエイダは武器をそれぞれ構えて引き金を引いた。

 ノスフェラトゥは体から毒ガスを巻きながら、俺達に近づいてきた。

「エイダ!俺から離れろ!」

 エイダは黙って俺から離れて行った。

 ノスフェラトゥは俺に腕のようなもので攻撃を仕掛けてきた。

 俺はそれをしゃがんで避けると俺は更に距離を取った。

「これでも…」

 ノスフェラトゥの心臓目掛けて引き金を引いた、するとノスフェラトゥが転げる瞬間にエイダはハンドガンを引き金を引いた。

 ノスフェラトゥはその場で倒れ込んだ。




 ゴゴゴ…
 大きな音が響く、すると俺は嫌な予感が過ぎった。
「…まさか!?」
 俺はエイダの方を見ながら叫んだ!
「エイダ!そこから退け!」
「???」
 するとエイダの下から大きな蔓が出てきた。
「エイダ!!」
 エイダは体のバランスを崩した。
 俺がエイダを抱えると一緒に落ちていった。

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