biohazard cordname”NT”   作:ナッツガン

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 ラクーンシティから無事脱出した、ベルトウェイ
 彼はヘリでの脱出した後にクレアという女性を助けた
 彼女の情報でクリスという男を探すためヨーロッパに向かった


CODE:Veronica
エイダ・ウォン


スタン、そんな音と共に俺は通気口から降りる、そこは誰もいないことは先ほど確認した。

「何とかここまでこれたか…」

 俺は今パリにあるアンブレラの研究所にいた。

 俺はクレアという女性から、俺と同じ事を考えている男がこのヨーロッパに居ることを掴んだ。

 最初はクレアと行くつもりだったが、俺はこれ以上俺とかかわるとアンブレラに捕まってしまう恐れがある。

 俺はクレアにアメリカにいるように言い、別れてここまで来た。

 俺は奥の方にあるアンブレラの中枢にアクセスできる場所を目指していた。

 俺はそのまま通路を進むとガスマスクに反応があった。

「このガスマスクにこんな機能があったとは…」

 すると近くに大きなドアを見つけた。

 俺は手に持った携帯の様な物をドアの横についた端末につけた。

「良し」

 すぐにドアが開く、俺は中に入って行くとそこには多くのコンピューターがあった。

「ここから…」

 すると後ろから人の気配を感じた。

 俺は腰につけたハンドガンを抜くとすぐに構えた。

「誰だ!」

 後ろには1人の女性がいる。

 その女性も同じくハンドガンを構えて笑っているような顔で俺の方を真直ぐ見つめていた。

「名前を聞くときは先に言うのが常識ではない?」

「……ベルトウェイ」

「エイダ・ウォン」

 そう言うと俺はエイダと名乗った女性の体を見渡した。

 とてもではないがアンブレラの所員とは思えない。

「どうしてここに?」

「あなたこそどうしてここに?」

「……クリスという男を探している」

 そう言うとエイダは少し笑い俺の方に向かって一言、俺に言った。

「嘘ね…人1人探すなら別にここに来る必要はないはずよ」

 嘘が通用しないので俺は仕方なく本当の事を話し始めた。

「アンブレラの情報を手に入れるならアンブレラってな…それにクリスという男を探しているのも事実」

 そう言うとエイダはハンドガンを下すと、そのまま俺の方に向かって歩き始めた。

「あんたは?」

「私も同じよ、アンブレラの情報が欲しい」

「それはお前の為か、それとも…」

「さあ、どうかしらね…」

 そう言うとエイダは近くにあるコンピューターを操作し始めた。

 俺もハンドガンを収めると同様に操作を始めた。

「それはそうと、どうしてアンブレラの情報がほしいの?」

「聞いてどうする…」

「興味があるだけよ…」

「お前が聞いても何も面白い情報はないぞ」

「興味があるだけよ…」

 そう言うエイダの顔を先ほどと何も変わらない、何を考えているのか…

「アンブレラに恨みがあるだけだ…」

 そう言うとエイダは俺の方を向いて言った。

「あなたラクーンシティにいたわよね…」

 俺はその言葉で彼女がラクーン警察で、俺が去り際にミラーで見えた女性だと気づいた。

「そう言われると俺もあんたの顔に身に覚えがある、警察署に入って行った女だな…」

「見ていたの?」

「ミラーでちょっとな…」

 そう言うと俺はやっとアンブレラの中枢にアクセスすることに成功した。

 そこで俺はクリスという男の情報を検索すると以外にもすぐにヒットした。

 クリスは今アンブレラが最も注意している男であることも判明した。

 しかし俺がさらに驚いたことはそのリストのトップが俺の名前だったことだ。

「ここにある名前あなたよね…」

 そうやらエイダの方も俺のリストと同じ物を見ている、そしてそこで俺について読み始めた。

「ベルトウェイ・シュターナー、本計画cordname“NT”の中心を示す人物である」

 そこまで言うとエイダは俺を見ながら、読み続けた。

「ベルトウェイの体内にある“NT”ウイルスは外傷を瞬時に治し、ウイルスなどから体を守るウイルスである」

 俺はそれをラクーンシティで嫌というほど思い知った事を思い出していた。

 しかしエイダはそんな事を知るわけもなく、資料を読み続けた。

「当初“NT”ウイルスを改造し強い人間を作る予定であったがしかし“NTウイルス”はベルトウェイ以外の人物には感染しても体がついていかない点で量産が無理だと判明」

 それについても研究所の所長から言われていたので驚きはしなかった。

 しかしその後の言葉に俺は興味があった。

「その為ベルトウェイをラクーンシティの地下研究所に移し、対BOW用の人間として強化する方針に変更した」

 俺は地下研究所で俺があらゆる戦闘技術を教えられたこと、そして色々な乗り物の事まで教え込まれたことを思いだした。

「そこで新たなウイルスの特性が判明した、このウイルスは外傷があった場合その外傷に体が耐えられるように体を強化することができる」

 俺はラクーンシティでの戦いの事を思い出した。

 それまでの戦いで俺がどれだけ強くなったかを考える。

「それで本計画はベルトウェイをBOwとぶつける事でベルトウェイを強くすることを研究のテーマとした」

 そこまで話すと研究は順調だったと思ったがその後起こった出来事を思い出した。

 俺は再びアンブレラに対する憎しみを膨らませる。

「しかし、本計画を進める段階で地下研究所があったラクーンシティで大規模なバイオハザードを確認した」

 そうだ、それがあった為にラクーンシティに住んでいた人たちは死んでいったのだ。

 俺はそれを一生忘れないと誓ったのだ。

「その為本研究は完全に停止し、ベルトウェイの完全抹殺に移行した」

 そこまで話を聞くとその後の言葉に俺は大体の予想が出来た。

「しかし、なんらかの要因によりベルトウェイが脱走した事が判明」

 その要因に俺は心当たりがあった。

 あの所長は俺を抹殺するようにと命令されていたのに、無視をして俺を脱出させてくれたのだろう。

「それによりネメシスにS.T.A.R.S.の抹殺と同様にベルトウェイの抹殺も同時に進行させた」

 俺はネメシスの事を思い出していた、あの化物のせいで俺がどれだけ苦労したことか。

「しかし、S.T.A.R.S.のジル・バレンタインの戦闘もありネメシスの死亡を確認した」

 俺はネメシスの最後の戦いを思い出していた。

 今思えばネメシスは最後ジルを求めて行ったようにも感じた。

 なんにせよジルはネメシスを倒したのだ。

「その後の行方は不明、その為ベルトウェイを一番の注意人物にリストアップする」

 そこまで言うとエイダは俺の方を向き、またしても少し微笑みながら喋り始めた。

「なるほどね…」

 エイダの微笑みは何かを考えているようだが、俺には気にせず調査を続行する。

 その時俺はまたしてもジル・バレンタインの項目を発見することに。

 俺はその項目を開く、その中にはジルがラクーンシティを無事脱出した事と、その後の行方が不明だという事しか分からなかった。

「無事ならそれで…」

 俺はそう呟くとそのまま調査を続ける。

 その後俺はアンブレラが所有している施設のリストの検索を続けた。

 するとその中から生物兵器開発部門のリストに絞り込むと中に興味深い項目を見つけた。

「ロックフォード島…」

 そう書かれている項目はこう書かれていた。

「アルフレッド・アシュフォードが管理している島、今は“T-Veronica”ウイルスの開発に着手している」

 俺はその“T-Veronicaウイルス”を中心に検索をかけると思いのほかすぐにヒットした。

「“T-Veronicaウイルス”、始祖ウィルスへ主に女王アリや植物の遺伝子などを複数組み込むことにより生まれたウイルスで、“Tウイルス”とは根本から違うウイルスといえる」

 そこにはそうしか書かれていなかった。

 俺は更に項目を調べて行くと他にももう二人の人物を見つけた。

 1人はアレクサンダー・アシュフォード、もう一人はアレクシア・アシュフォードだ。

 そこには書かれていたのはアレクサンダーが初代アシュフォード家の当主、ベロニカ・アシュフォードの遺伝子を元に作ったクローンであることが書かれていた。

 “T-Veronicaウイルス”は彼女が作り出したウイルスだという事だけだった。

 そこで見つけた情報は、元々アンブレラを作った創設メンバーの一人にアレクサンダー・アシュフォードの父、エドワード・アシュフォードがいた。

 しかし彼が死んだことによりアシュフォード家は他の幹部よりウイルス実験で大きく遅れる事になった。

 そこでもう一度栄光を取り戻そうとして作ったのが、アレクシアだ。

「アレクシアによって“T-Veronicaウイルス”が完成したわけだ…」

 そこまで調べて俺は自分に流れているウイルスがどれだけ危険かを知りたくなった。

 俺はパソコンに“NTウイルス”と打つとそのまま項目を見ることにした。

 しかし中身は多くは書かれてはおらず、その性質すらも良くわかってはいない。

 唯一分かっているのは俺にしか適合できなかったという事だ。

 そこまで調べると突然研究所に警報が鳴った。

 俺は何かミスをしたかと思ったがいつまでたっても警備兵の1人も来ない。

 俺達ではない事に気付いた俺はこの研究所の監視システムにアクセスして、原因の究明を始めた。

 もう少しで監視カメラにアクセスできるところで先にエイダが正体に気付く。

「侵入者ね…」

 そう言うと俺は監視カメラに映った人物の名前を呟いた。

「…クレア」

 侵入したのは俺がクリスの情報を提供してもらった、クレアだった。

 俺はそこで自分のミスに気づいた。

「知り合い?」

「ああ…」

 それもそうだ、彼女は元々兄クリスを探していたのだ。俺の方法と同じ手段で探そうとしてもおかしくはないはず。

 俺はあの時彼女を1人にしたことを後悔した。

 俺が部屋を出て行こうとするとエイダが俺の行動に対して意見を述べた。

「やめておいた方がいいわよ、あなたが出て行ったところで事態は変化しない」

「……」

 俺はエイダを見つめる、マスクの中では睨んでいた。

「あなたが彼女とそう言う関係かは知らないけど、少なくともあなたが出て行ったところで今何かができるわけでもない」

 そこまで言うとエイダは微笑みながら提案した。

「そこで提案よ…」

 そこまで言うとエイダはパソコンの電源を切って俺の方に向かってしゃべり始める。

「私と手を組みましょ」

「俺にメリットがない…」

「彼女を助けるのに手を貸してあげる、だから…」

「お前のやることに手を貸せと…」

「その代りお互いのやる事、その後に関しては手を出さない…」

 そこまで言われると俺は考え込んだ。

「いい提案だと思うけど、1人ではできないからこその提案よ」

「いいだろう、その代りクレアと俺の事に対して何も手を出すな」

「いいわよ」

 そこまで言うとエイダは俺の方に向かって手を差し出した、俺もその握手に応じる。

「交渉成立ね」




 数日後俺達は近くの海からとある島に上陸を果たそうとしていた。
「あそこがクレア・レッドフィールドが収容されている島、ロックフォード島」
「あそこにクレアが…」

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