biohazard cordname”NT”   作:ナッツガン

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生きてきた道は過酷だった
それでも生きていればいいことがある
そう思わせてくれた人たちだった

これは、本当のアンブレラ終焉


真のアンブレラ終焉

 ラクーンシティ警察前で少し時間が経っていると、俺はあいつの気配を感じた。

 警察署の門を開ける音が聞こえると、ネメシスはロケットランチャーを持って現れた。

「懐かしいモノを持っての登場か…」

 俺はジルを抱えてそのまま移動していく。

 ネメシスはロケットランチャーを俺に向けて引き金を引いた。

 俺達は爆発と一緒に警察署の中に入って行く。

 俺はジルを庇うように入ると、警察署のロビーにたどり着いた。

「懐かしい…」

 ジルからすれば、仕事をしていた場所だ。

 ドアが壊しながらネメシスが現れた。

「ジル!走るぞ!」

 俺達は警察署の中に隠れるように進んで行く。

 ジルにとっては懐かしい通路を走って行くが、ネメシスはロケットランチャーををぶっ放してくる。

 俺達を走りながら追いかけてくる様は、かつてのネメシスと全く同じだ。

 二階の階段にたどり着くと、俺達はもう一度ロビーにたどり着いた。

「ジル!降りるぞ!」

 二人して一階に飛び降りると、ネメシスも俺達を追いかけて飛び降りる。

 俺達はネメシスより早く警察署を出て行く。

 俺達はラクーンシティの町を走って行くと、途中で壁にぶつかった。

「やっぱりここは部屋の中だな、どこかに階段があると思うんだが」

「探してみましょう」

 俺達はラクーンシティの街並みを走りながら、周りの探索を進めていく。

 ネメシスが追いかけてこないのが、気がかりだが。

 少し進んで行くと、壁沿いに階段を発見した。

 ゆっくりとではあるが、階段を降りて行く。

 次にたどり着いたのは、ロックフォード島だった。

「ここは?」

「ロックフォード島…。アッシュフォードが管理していた場所だ」

 すると、階段を下りる音が聞こえてきた。

「ネメシス?」

「行きましょう」

 俺達はその場から逃げるように走って行く。

 ロックフォード島の中はあの時の襲撃時を再現されていて、俺からすれば懐かしい光景だ。

 エイダと共にこの島を進んで行った時の事を思い出した。

 煙のにおいなどが完全に再現されていて、奥から誰かが現れた。

「どうやって回り込んだんだ?」

 奥から現れたのは、ネメシスだった。

 俺は少し驚いて見せると、ハンドガンを構えた。

 ネメシスは走りながら、マシンガンの引き金を引いた。

 俺達は横に移動して、攻撃を回避する。

「武器を持ち替えてるわね」

 俺はネメシスに攻撃を加えて行く、ジルも同じように攻撃を続けていた。

 ネメシスの攻撃を回避しながらの攻防に、俺達は疲れを見せ始めていた。

「相変わらずタフな…」

 俺はショットガンに持ち帰ると、ネメシスに近づいた。

 ネメシスの攻撃を回避して、ネメシスの顔面にショットガンを当てた

「グォー!」

 ネメシスは顔面を抑えながらその場で膝をついた。

 俺はネメシスの顔面に拳を叩き込む。

 ジルはネメシスの足元に手榴弾を置くと、俺達はその場から離れて行く。

ネメシスの足元が大きく爆発すると、俺達はその場から移動していく。

「こんな事をしている場合じゃない」

「急がないと」

 俺達はロックフォード島をくまなく調べるが、中々次の階段を発見することが出来ない。

 そうしていると、再びネメシスが俺達に追いついてきた。

 走りながら次への階段を探すが、徐々に追いついてきた。

「何とかしないとな」

 俺は何か使えそうな物を探す。

 左右を見て、前後を見るが、何もない。

 俺は一つの工場に入ると、俺はエイダがここでしていた事を思い出した。

「ジル!少しの間時間を稼いでくれ」

 そう言うと俺は、フックショットで工場の天井に向かった。

 ジルが下でネメシスと交戦していると、俺は工場に在った鉄筋を落とす方法を探していた。

 ようやく探し当てるが、スイッチが壊れていて鉄筋を落とす事が出来ない。

 他の方法を探すが、中々見つからない。

「こっちよ」

 俺の近くから声が掛かると、俺は声のする方に顔を向ける。

 そこに居たのは、エイダ・ウォンだった。

「エイダ…」

 エイダは黙って移動を始めると、一つのスイッチの前に促した。

 俺がスイッチの前に立つと、エイダはもう一つのスイッチの方に移動した。

 エイダと共にスイッチを押すと、鉄筋がネメシスにかぶさるように落ちた。

 俺はエイダの方に向くと、そこにはエイダは既にいない。

 黙ってジルの元に移動する。

「行こうか」

「ええ」

 俺達は工場の奥に在った階段を降りて行く。

 階段を降りて行くと、今度はジュアヴォをコントロールしている大きな部屋にたどり着いた。

 俺は近くのパソコンの前に座ると、ジュアヴォの始末をつけようとする。

 しかし、案の定レッドクイーンに邪魔をされてしまった。

『警告します。これ以上の操作をすれば、あなた達を始末します』

 俺は黙ってパソコンを再び操作を始める。

 レッドクイーンは奥のドアから大量のジュアヴォが現れる。

 ジルが防壁を作り上げると、交戦を始めた。

 俺はなるべく早くジュアヴォを倒す方法を探していた。

 そうしていると、ジュアヴォの情報を見つける。

 このジュアヴォはレッドクイーンが操作している、そうであるならばレッドクイーンはを破壊したら、ジュアヴォは行動が出来なくなる。

 俺はレッドクイーンの場所を探しだした。

 ここからそんなに遠くにあるわけではない。

「ジル!ここから移動するぞ!」

「分かったわ」

 俺達はその場から走って行くと、ジュアヴォが来た道とは別の道を進んで行く。

 長い通路を白い通路をただひたすら進んで行くと、奥に大きなドアを開けて行く。

 大きなドアを開けると、そこに在ったのは大きなコンピューターのデータセンターを発見した。

 通常のデータセンターの10倍はあろうかという大きさだった。

 俺達はデータセンターに近づこうとすると、レッドクイーンが再び警告を出す。

『それ以上近づけば、あなたを殺します』

「お前には無理だよ」

 俺は黙ってレッドクイーンに近づくと、レッドクイーンは周囲に在った機関銃を使って、俺達を近づかせようとしない。

 俺達は攻撃を回避しながら、徐々に進んで行く。

「ジル。大丈夫か?」

「ええ、それより…」

 俺はレッドクイーンにハンドガンで攻撃をしようとするけど、ハンドガンの弾は直前で防がれてしまう。

 どうやって攻略するか考えている。

 レッドクイーンは見えない壁で守られている。

 しかし、レッドクイーンの弱点を俺は発見してしまった。

 俺は再びレッドクイーンに向かって行く。

 機関銃の攻撃を確実に回避していくと、壁に到達する。

 そして、レッドクイーンにある見えない壁に沿って走って行く。

 機関銃の攻撃も俺を追うように壁を攻撃していく。

 ジルは物陰に隠れて何かの準備をしていた。

 少しレッドクイーンにひびが入ると、ジルは物陰からロケットランチャーを持ち出した。

 ジルはロケットランチャーの照準をレッドクイーンに向ける。

「ベル!離れて!」

 俺はレッドクイーンから離れると、ジルはロケットランチャーの引き金を引いた。

 見えない壁が崩れるように消えていくと、レッドクイーンを守る壁は無くなった。

 俺はハンドガンを構えると、レッドクイーンから警告が来る。

『あなた達は必ず後悔する!私を殺した事を!アンブレラを潰した事を!』

「そんな後悔は絶対に来ない!」

 俺はレッドクイーンに向けてハンドガンの引き金を引いた。

 

 レッドクイーンが死んだ事により、ジュアヴォは完全に死滅してしまった。

 俺達はそのままスペンサーの確保の為に動いていた。

 大きなドアを開けると、一番奥にスペンサーを発見した。

「ようこそ。わが計画へ」

 周囲のライトが付くと、周囲の光景が俺達を驚かせた。

 辺り一面、ウェスカーだらけ。

「彼らはウェスカーのクローンなのだが、苦労したよ。しかし、君達には少し関心してしまうな」

 そう言うとスペンサーは自分の後ろに在った画面を起動した。

 そこに在ったのは、俺の実験時代の映像だった。

「ベルトウェイと言った方がいいな。君の“NTウイルス”には本当に驚かされた。驚異の再生能力、肉体の強化、ウイルスを完全に食べてしまう所まで。私達にはこのメカニズムが分からなかった」

 そうしていると、バロクが現れる。

「しかし、天才によって解剖され、私は今こそ、ウェスカー計画の最終段階に進める事にしよう!」

 真っ赤なウイルスを持ち出したスペンサーは、それを自分の腕に刺した。

 スペンサーの体を見れば一目瞭然だが、あえて言えば…若返っている。

「これだ!これだ!!良いぞ、良いぞ!これこそが不老不死だ!これで私はウイルスによる支配の頂点になれる!」

「おまえ…腐ってるな」

 若返っているだけではない。

 肉体が活性化されている為に、肉体が普通の人間ではありえないような形になっている。

「アルバートは失敗したが、しかしこれで私の計画は完成した。手始めに、アメリカでもウイルスで支配してみるか…」

「そんな事をさせると思うか?」

 ハンドガンを構えるとスペンサーは瞬間移動をしたのではないかという錯覚を覚えさせるほどの速さで俺を殴りつけた。

 俺は一番後ろの壁に激突するまで、自分が何をされたのか分からなかった。

 ジルが寄ってくる。

「大丈夫?」

 ジルは完全に動揺している。

「ふはは!これは素晴らしい。すごい物だ。さすがは“ATウイルス”」

 よく見ればバロクもいない。

「バロクを殺してしまったが、まあ、もう必要もあるまい」

 俺は何とか立ち上がると、スペンサーは俺に取引を持ちかけた。

「しかし、君ほどの人間をここで殺すのも惜しい。どうだ?私と共に来ないか?こんな死しかない世界で暮らすのも酷だろう」

「……ふざけんな」

 スペンサーは俺を睨みつける。

「そんな世界に居たって俺は全然幸せじゃない。こんな世界だからこそ、俺は大切な人に、仲間に出会えたんだ。お前には分からないだろうな。俺はこの世界に生まれて、こんな体になって……幸せだ」

 俺自身もスペンサーを睨みつける。

「……もう少し利口な人間だと思っていたけど、君がそう判断したのなら…ここが君の墓標になる」

 スペンサーは再び俺に前に来ると、ジルの首を掴んで持ち上げた。

 俺はスペンサーに攻撃をしようとするが、スペンサーは適当に俺を蹴り飛ばした。

 俺は再び壁に激突した。

 そうしていると、突如部屋の壁が壊れて、触手のようなものがスペンサーを掴んだ。

「?なんだ?」

 触手に気が取られて、ジルを離してしまったスペンサー。

 ジルは、俺に向かって走ってくる。

 その間触手は何度も何度もスペンサーに巻き付いて行く。

 ジルが俺の肩を抱いて立ち上がると、俺達はその場を後にした。

「なんなんだ?あれは」

「…あれはネメシスよ」

 目の前にエイダが立っていた。

「リミッターが解除されてしまったがゆえに、肥大化が進んでいるの。今回のネメシスは色々なウイルスを試してうまれてきたようなものだから」

エイダも俺の肩を抱く、三人で急ぎながら先に進んで行く。

 俺の持っている通信機に連絡が入る。

『ベル!今どこに居るんだ!?』

「まだ地下に居るが」

『急いだ方がいい。謎の生き物が地下研究所を、廃墟の町ごと飲み込もうとしている』

「…分かった」

 そう言うと俺は通信を切る。

 エイダもジルも黙って走って行く。

『マァ~テ~ベ~ル~ト~ウ~エ~イ~』

「なんの声だ?」

 後ろから迫っていたのは、大きな顔のスペンサーだった。

「完全にネメシスに飲み込まれたようね、こうまで来ると哀れだわ」

 何とかエレベーターにたどり着くと、エイダは俺を離してスペンサーに向いた。

「エイダ?」

「あなたは先に行きなさい。私はここでこいつを抑えるわ」

「待って!エイダ!」

「大丈夫よ、死ぬつもりもなから」

 そう言いながらエレベーターのドアがゆっくり閉まって行く。

 

 エレベーターから降りると、俺達は何とか廃墟の町に戻って生きた。

 俺達は何とか走って逃げて行くと、突如地面が崩れた。

「うぉ!」

 俺は何とか地面に捕まるが、下を見るとそこには溶岩があった。

「ベル!今引き上げるわ!」

 しかし、すぐに問題が現れた。

 スペンサーが溶岩の中から這い上がって来たのだ。

『キサマヲコロス!』

「何とかしないと」

 俺も方法を考えていると、俺はスペンサーの体の異変に気付いた。

「再生が間に合っていない?」

「そうね、確かに…。それどころか、崩れている?」

 弱点は頭である事は大体は理解できる。

 頭に突起物が有り、それが心臓のようになっている。

 俺はハンドガンを構えようとするが、スペンサーの触手でハンドガンを落としてしまう。

 そして、スペンサーは俺の足にしがみつくと、俺を溶岩に落とそうとした。

「ジル!武器は無いのか!?」

「だめ、さっきの戦いで全部使い果たしたわ」

 俺も頭を使うと、一つの武器を思い出した。

 俺はポーチからハンドガンを取り出した。

「……ありがとう。エイダ」

 俺はハンドガンの照準を付けようとするが、落ちないようにするのにせえ一杯だった。

 ジルは俺を掴んで上に引き上げようとする。

 片手で照準を付ける。

 一回しかない…。

 失敗は許されない。

 そして俺は引き金を引いた。

 弾は……スペンサーの額にあった、心臓を撃ち抜いた。

 

 俺は何とか這い上がると、その場に倒れ込んだ。

 ジルと一緒に、よく見ると夜空がとても綺麗だった。

「これで終わったのかしら?」

「多分な。でも、すべてが終わったわけじゃない」

 これかも続いて行くんだ、俺達の物語は…

 俺とジルは手を握ると、いつまでも夜空を眺めていた。

 

第一部完




ナッツガンです!
いつも通りでしたら、ここで予告的な事をするんですが…
今回は最終回ですので、しないことにしました。

っという事で、『cordname”NT”』が終わりました!
長かった。
知っている人の方が多いとは思いますが、次は二作目です。
まあ、全然伏線を回収できていないし…(笑)
というわけで、二作目…『supplementary biography”NT”』です!
そこで、予告!

『supplementary biography”NT”』第一話!「キャラクター紹介/名の由来」
今度からは短編集みたいな話です!
よろしくお願いします!
ちなみに投稿は、来週の月曜日になります!

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