biohazard cordname”NT”   作:ナッツガン

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バロクを追いかけて色々な人たちが集結していた
今、最初の終わりを語る事にしよう


cordname”NT”
ATウイルス


 車で中東の国々を移動しながら、目的地にたどり着こうとしていた。

 車の窓からは、廃墟と化した一つの町が見えてくる。

 廃墟の町からは、煙や炎が上がっていて、あちらこちらで戦っている事が分かる。

 俺達は今、廃墟の町に向かっていて、BSAAの本隊もあそこに居る。

 アメリカの部隊や、エージェントの部隊も派遣されている。

 周囲の探索や脱出口も完全に確保してある。

 どこにも逃げ道など無い。

 なぜアメリカの軍隊まで出動しているのかというと、あそこにバロクが居るからだ。

 アメリカからすれば、シモンズと関わった人間は消しておきたいのだろう。

「レオンやシェリーも派遣されているという事だ」

「そうみたいね。でも、ようやく彼を追い詰める事が出来たわね。あの中国での戦いから二年ね…」

「ようやくここまで追い詰めたんだ。今度こそ逃がさない」

 アメリカの軍隊すら派遣して見せたんだ、今度こそ捕まえて見せる。

 車は崖沿いを移動していて、ゆっくりと廃墟を目指していく。

 周囲の風景は枯れた木が立っているだけで、何もないのが残念だ。

「中東ってこんな感じなのか?」

「多分だけど」

 車はようやく廃墟の入り口にたどり着こうとしていた。

 入り口に配置されてる検問を通ると、車はテントの前で止まった。

 俺達は車から出ると、真直ぐテントの中に入って行く。

 中に入ると、数人も人間が俺に向かって敬礼をしてくる。

「遥々ご苦労様です!」

「ああ、状況の報告を!」

「はい!今、BSAAの部隊とアメリカ軍の部隊でバロクの捜索を継続しております。今の所は発見に至っておりませんが、レオン率いるDSOも現地に居りますので、捕まるのは時間の問題化と。それと、BOWはジュアヴォがほとんどです。…そう言えば、先ほど怪しい男を発見しました。」

 男はそう言うと、部屋の中に1人の男を連れてきた。

 男は黙って部屋の中に入ると、俺を睨みつけた。

 俺はため息を吐くと、解いてやれと指示を出した。

「安心しろ。こいつは俺が責任を持つ」

 男の名はジェイク・ミューラー、かつて中国の町やイドニア共和国をまたにかけて逃亡劇を繰り広げた男だ。

 ジェイクは部屋から出て行くと、どこかに消えて行った。

「あの男は戦力になる。それより、ここの町に女が一人入ってこなかったか?」

「…さあ?分かりません」

「そうか…。ならいい」

 エイダの奴は来ていないのか?

 てっきりここにきているのかと思ったが。

「俺達もバロクの捜索に出る」

「代表自らですか!?」

「ああ、元々俺はこういう性格だ」

 そう言うと俺は、テントから出て廃墟を目指した。

 廃墟の町は今にも壊れそうな感じがしている。

 俺は周囲に経過を向けながら、進んで行く。

 すると道のど真ん中に、大きなトラックが塞いでいる。

「仕方が無いわ、建物の中に入って迂回しましょう」

 仕方が無いと、肩をすくめると俺は建物の中に入って行く。

 建物の中は電気が通っていないし、窓は板で塞いでいて、とても暗い。

「気をつけろ。かなり暗いぞ」

 足元を確認しながら、進んで行く。

 曲り角の奥からジュアヴォが二体俺達の現れる。

 ジュアヴォは俺達に向かってアサルトライフルを構えた。

 俺達は近くにある物を使って攻撃を回避すると、ジュアヴォに向かってハンドガンで攻撃を仕掛ける。

 ジュアヴォの顔に攻撃が当たると、仮面の奥から複眼が見えてくる。

「気持ち悪い顔をしているな」

 ジュアヴォの腕が変異すると、腕が鎌のような形態に変化した。

 ジュアヴォは俺達の攻撃を何とも思わないように歩き続ける。

 俺は物陰から出ると、ナイフとハンドガンを持って近接攻撃を仕掛ける。

 ジュアヴォが俺に向かって腕を振り下ろすと、俺はジュアヴォの攻撃を避けて上空に回避する。

 もう一体のジュアヴォが俺に向かって攻撃を仕掛けようとするが、ジルの攻撃が顔面に当たる。

 攻撃が当たると、ジュアヴォは顔面を抑えながらその場で手を止める。

 俺はジュアヴォの後ろに回ると、一体のジュアヴォの首をナイフで切り落とした。

 ジルは苦しんでいるジュアヴォに近づくと、顔を回して倒した。

「もうジュアヴォが出ても苦しまなくなったわね」

「まあ、あれだけ戦ったからな」

 俺達は今まで色々な場所を生き抜いてきた。

 ジュアヴォもこの二年で色々な場所を移動して、戦って来た。

 完全に油断している所を、板がついている窓から腕が俺とジルの間に出てくる。

『!!!』

 俺達は悲鳴すら上がらない。

 俺達は窓から離れると、窓に向かってハンドガンを撃って反撃する。

 腕は窓から外に出ると、窓についた穴からジュアヴォが出てくる。

「なんなんだ!?いきなり!」

 ジュアヴォは窓から離れると、どこかに消えて行った。

 俺達も遭遇しないために、その場から移動していく。

 建物の中を回って行くが、出口が見当たらない。

「確か三階にある連絡橋を使って隣の建物に行きましょう」

「…仕方が無い、そうするか」

 俺達は上に上がる為の階段を探していく。

 すぐに階段を見つかると、俺達は階段をゆっくり上がって行く。

「しかし、こんな廃墟がいまだに残っているなんてな」

「こんなところを拠点にしたものね。隠れやすいって事なんでしょうけど」

「だろうな。外から見たらただの廃墟だからな」

 二階に上がるが、三階までの階段が見当たらない。

「?三階に上がる為の階段は?」

「…確か、別の所にあるみたいね」

 なんで、一緒の所に作らないんだ?

 作りが古いせいかもしれない。

 色々な所でヒビが在り、ある所では鉄筋が見えている所もある。

 二階を探索しながら移動していくが、中々階段が見当たらない。

「簡単な事かと思ったが、意外と面倒な事になったな」

「仕方が無いわ。さっさと探してここから出ましょう」

 数分歩いて行くと、ようやく階段を見つけた。

 俺達は階段を上って行くと、目の前に連絡橋が見えてくる。

「ようやく連絡橋か。かなり遠回りになってしまったな」

「行きましょう」

 連絡橋を渡ろうとすると、連絡橋の外から三階まであろうかという巨体が現れた。

 巨人は俺達に向かって腕を振りおろした。

 俺はジルを抱っこして三階から降りる。

 うまい事受け身を取ると、その場から離れて行く。

「なんなんだ!?」

「確か、イドニア共和国で発見されたBOWね。たしか背中の突起物を引っこ抜くと弱点が露出するはずよ」

 巨人は拳を、俺目掛けて向けて走らせると、俺は腕を乗って走って行く。

 俺は背中に行くと、突起物を掴むと一気に引き抜く。

 巨人は背中の俺を下そうと背中を振ってくる。

 突起物を引き抜くと、一度巨人から距離を取る。

「後は弱点を攻撃するだけね」

 どうやって攻撃をするか考えていると、巨人の背中にハンドガンの攻撃を受けた。

 巨人は後ろを向いて別の奴に攻撃を仕掛けようとすると、俺達は巨人の背中に向けてハンドガンの引き金を引く。

 巨人はこちらを向いては背中を撃たれ、向こうを見れば俺達に撃たれる。

 そんな事を繰り返していくと、巨人は苦しみながら溶けていく。

 向こうから三人が現れる。

 それは、俺達が良く知る男と二人の女だった。

「レオン…」

「お久しぶりです。代表」

「やめてくれ。同い年だろ?同い年に代表なんて言われると、俺自身はかなり困る」

「そうか?じゃあ、ベル久しぶりだな。君までこんなところに居るなんてな」

「それより、なんでDSOを指揮しているお前がこんなところに居るんだ?」

「別行動をしているんです」

「そっちは?」

「ああ、こっちがシェリー・バーキンで、こちらがヘレナ・ハーパーだ」

「ヘレナ…。ああ、確か中国の戦いで公式にDSOに移籍になったて言う?」

「あの時はありがとうございます」

「ああ、別に気にするな。俺が好きでやった事だし」

「あの、シェリーです。ジェイクの件はありがとうございます」

「そっちも気にするな。俺自身もそっちの方がいいと考えていたしな」

 そう言われると、俺はジェイクがこの廃墟居る事を思い出した。

「ジェイクと言われて思い出したが、ジェイクがこの町に居るぞ」

「え!?そうなんですか?」

 ジェイクの件をどうするか考えると、シェリーに任せるかと考える事にした。

「君にジェイクを任せていいか?」

「はい、別にいいですけど」

 俺は端末からジェイクの居場所をシェリーに送ると、シェリーは端末から情報を確認したのち、廃墟の町の中に消えていく。

「俺達はどうする?一緒に行動するか?」

「この先にBSAAの隊員が交戦しているはずだけど…」

「じゃあ、行って見るか」

 四人で町の中を移動していくと、目の前に戦闘音が聞こえてくる。

 ジュアヴォの数体が、道のど真ん中に装甲車を置いて抵抗をしている。

「装甲車まで用意していたのか?」

「どこから予算が回っているか、気になって仕方が無い」

 物陰に隠れると、装甲車を攻略するか考えている。

 あれだけの物体になると、中々落とせないだろう。

 地雷を使うという手もあるが、装甲車が動く気が無いのでその手は使えない。

「戦闘機を使えば早いんだがな。まあ、そんな事を政府が容認するわけがないか」

「あなたが言えば容認すると思うけど。今や、あなたにとって政府は手足でしょ?」

「?そうか?別にそう言う事は無いと思うけど」

 俺がどうやって破壊するか考えていると、角から戦車が現れた。

 俺達はそろってしゃがみこむと、戦車は装甲車に向かって一撃を叩き込む。

「あんなモノを用意していたとは、俺達が来る必要が無いだろ」

 再び戦車の一撃が、装甲車の横っ面に叩き込まれた。

 装甲車はそのまま沈黙してしまった。

「これでここの攻略もやりやすいだろう」

 ジュアヴォもこの場所から撤退していく。

 BSAAの部隊がジュアヴォを追撃していく。

「俺達は別の所を回ってみるか?」

 廃墟の街並みを眺めながら進んで行くと、通信機から先ほどの男から声が入ってくる。

『代表!先ほどBSAAの部隊が、地下研究所への道らしき場所を見つけたと報告が!』

「地下研究所…そっちはトラップだな。少数の部隊を送って中の様子を確認させろ」

『はっ!』

 地下研究所をバロクが簡単に発見させるとは思えない。

 そっちは完全にフェイクで、本命が何処か別の所にあるはずだ。

「地下研究所…。多分、ジュアヴォの巣窟だな」

「可能性としては、そっちの方が高いな」

 今までの感じからすれば、バロクが何か企んでいるという考えの方がいいだろう。

 バロクの計画がどんなものなのか、この目で確認しなければ。

「行こう!バロクを捕まえるんだ!」

 ジル、レオン、ヘレナと共に町の中を進んで行く。




 ついにベルまでこの町にたどり着いたか…
 でも、もう遅い。
 君では計画を止める事が出来ない。
 完成したのだ、“ATウイルス”が!

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