biohazard cordname”NT”   作:ナッツガン

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 第四の女王に乗り込んだベルとエイダ
 真実に触れた時、大きな転換期が彼に訪れる


答えは出ない

 大きな扉が開いて行くとその奥には赤い液体が一面を埋め尽くしており、どうやらこれは全部新型ウイルスのようだ。

 これだけの量が海に流れて行ったら、世界中の海がどうなるかは想像するだけ無駄だ。

「よくもこれだけのウイルスを作れたものだな」

「少し関心してしまうわね」

 俺達は左右に曲がれる道の内、俺は左に曲がって行くとエイダが警告した。

「あっ、そっちは…」

「?なん…!痛っ!」

 道を進もうとすると俺の体に激痛が走る、俺は少し距離を取るとエイダは逆方向に歩いて行く。

 傷はあっという間に治って行くが、この痛みだけは何ともならない。

「そっちは危ないわよって言おうと思ったのに…」

「早めに言ってくれよ…頼むから」

 エイダは奥で何かの装置を動かしていると、エイダは歩きながら戻ってくる。

 俺の元に戻るとエイダはそのまま先に進んで行く。

「で?これはなんなんだ?」

「熱線じゃない?私は知らないわよ」

「あっそ…」

 エイダの後に付いて行くと、さらに奥のドアを開けて先に進んで行く。

 ドアを開けた先の部屋は、何かの研究施設の様で俺は近くにあるパソコンを起動した。

 エイダも本棚を調べたりしていると、俺はようやくパソコンから研究のデータを閲覧している。

「モルガンの証拠をつかんで見せるさ」

「がんばって」

 エイダの声援を受けて俺はデータの中を調べて行く。

 新型の開発経緯や開発に関する資料を見ていると、一番奥にデータにモルガンの決定的な証拠をつかんだ。

「見つけた」

 そこにはモルガンが、ここの研究所を使っていたころの映像とモルガンが開発を指示した音声データがあった。

 俺は手元にあるUSBメモリーをパソコンに差し込むと、メモリーにデータを移している。

 すると、部屋のあらゆる場所から化物達が現れた。

「こんな時に!」

「後何秒?」

「後…5分!」

 俺はハンドガンを構えると、化物に向けて引き金を引いた。

 化物の両手を撃って怯ませると、化物を蹴り飛ばす。

 吹き飛んだ化物は、近くにいる化物にぶつかるとそのまま消えて行く。

 エイダも同じようにボウガンを使って撃退していく。

 何匹もワラワラと出てくると、俺はこれがモルガンが仕掛けていると理解した。

「これもモルガンのしている事だな!」

「そうでしょうね、どうやら私達にはこれ以上調べてほしくないようね」

 俺はショットガンで化物の頭を吹き飛ばすと、俺はハンドガンで化物を怯ませ蹴り飛ばす。

 エイダはスタングレネードを使って化物を怯ませる。

 俺はその化物にナイフを投げて倒すと、エイダは別の敵を蹴り上げていた。

 相変わらず綺麗な戦い方をする奴だと感じていると、ダウンロードに掛かる時間がようやく半分を切った。

「後半分!」

 俺はポケットの中からBOWデコイを投げて化物を一網打尽にしてしまう。

 エイダの方は、先ほどからボウガンで化物の頭を吹き飛ばしていた。

 俺はナイフを化物から抜くと、後ろに立っていた化物に向けてナイフを切り裂く。

 化物の頭が天井に向けて回転していく。

 ハンドガンの弾が切れると、エイダが俺に向かってハンドガンの弾を投げてきた。

 俺はそれを受け取ると、リロードしてエイダの後ろで噛もうとしている化物に向けて引き金を引いた。

 エイダはボウガンに矢を装填していると、横からくる化物に向けてマシンピストルを撃った。

「終わった!エイダ!」

 俺はパソコンからUSBメモリーを引き抜くと、エイダに大きな声で叫んでいた。

 エイダは出口から出ようとするので、俺は先程のウイルスの事を思い出していた。

「だめだ!ウイルスを先に何とかしないと!」

「そうね」

 俺達は化物からの襲撃を何とか避けて先の部屋に急いだ。

 その部屋すら通り過ぎて行くと、一番最初の部屋に戻った。

 中心の大きな筒の中にも“T-Abyssウイルス”が恐ろしい量がそこに置かれている。

「ウイルスを中和するには認証コードが必要なようね」

「俺が取ってくる!」

「場所ならそこのエレベーターを使った先よ」

 俺は黙って頷くと、エレベーターに乗り込んで下に降りて行く。

 ハンドガンの弾の確認や、ショットガンの弾を確認しているとエレベーターのドアが開いた。

 ドアから出てくると、そこの部屋は棒のような物が多く突き刺さっている。

「これってさっきの?」

 ジェネシスを向けるとそこには赤い線が何本も通っている。

 俺はジェネシスを向けながら先に進んで行くと、スイッチを切り替えながら先に進む。

 次の部屋に入ると長い廊下を通りながら梯子を上っていると、一番奥のドアの前で指紋認証が必要だと分かった。

「エイダ、指紋認証が必要なんだが?」

『今こっちから開けるわ』

 そう言うエイダの声が、通信機から聞こえてくると、目の前にドアがいきなり開いた。

 俺は更に先に急ぐと、一番奥の部屋に入るとそこには機器が多く置かれていた。

 それを一つづつ確認していると、一番奥の大きな機械が中和プログラムを開始するのに必要な認証コードが作れる事に気づいた。

「えっと…これをこうして」

 機械を動かしていると、目の前の画面から認証コードを作るのに必要な時間が掛かれている。

 数分かかると認証コードが入ったUSBメモリーが機械の中から出てくる。

 俺はそれを動かすと、エイダの元に急いだ。

 元の道を戻って行くと、俺はエイダに認証コードを投げた。

「これが認証コードだ」

 エイダは機械に認証コードを突き刺すと、周囲の機械が動きだした。

 すると目の前の画面からモルガンが出てくる。

『久しぶりだね。ベルトウェイ』

「久しぶりだな。モルガン」

 ウイルスを中和しようとしていると、モルガンが喋り出した。

「まさかここまでやってくるとはな、私は君の事を侮っていたようだ。さすがはBSAAの真のリーダーと呼ばれている者だ」

「俺はリーダーじゃないさ、あくまでもエージェントだ。それに俺もお前の事を男などっていたようだな、まさかここまで事をやってくれるとは」

『これほどの事をしなければ無能な民はウイルスの事に気づきはしない。私は民に理解を求めたのだ』

「だとしてもそれの為にテラグリシアの人達を犠牲にする必要は無かった。それに元々ウイルスなんて物は知らなくてもいい事なんだよ」

『ウイルスを知ることで民は、ようやくウイルスと闘う事が出来るのだ。…エイダ・ウォン、君は私と来る気は無いか?』

「私はしつこい男が嫌いでね。」

 そう言って見せると、モルガンは再び俺の方に向いた。

『君が真実を言えば、そこから新たな混乱が始まる。選択を間違えない事だ。』

「国がアンブレラに対して危機を感じているだけでよかったんだ。国が俺達を通して対策の事を投じるだけで、世界は救われたんだ。無理をして世界中の人達に知らせる必要は無かった。お前は所詮自分の自己満足の為に戦っているだけだ。世界中の人達を巻き込んで、世界中の国のトップを巻き込んで、自分すらもまきこむ。」

『だが、そうすることで世界中の人達は危機を感じる事が出来た。私は正義だ』

「お前やっている事のどこに正義があるんだ?これの研究施設のどこに正義があるんだ!?お前のやってきた事件のどこに正義があるんだ!?ふざけるな!お前のしてきたことで何万という人たちが犠牲になったんだぞ!!組織すら利用して!お前は正しくない!お前のやっている事は偽善だ!」

『私はそれでも君たちのやっている事を否定する』

「やってみろ。俺達はどこまでもお前と戦ってやる」

 話に区切りがつくと船内でも大きな警報が響く、俺達は周囲を確認する。

『自爆シークエンスを開始しました。乗組員は全員退去してください』

『これでチェックメイトだ。念の為にアビス完全体を放っておいた。楽しんでくれたまえ』

 俺達は来た道をそのまま戻って行く。

 

 オペラハウスのようなロビーに出ると、俺達は脱出ルートを考えていた。

「この上の展望室の上から船に飛び乗れそうね」

「そのルートにするか」

 近くのエレベーターに乗り込むと、一番上のボタンを押した。

「珍しいわね。あなたがあれほど怒っているなんて?」

「そうか?」

「ええ、私からすればとっても珍しい光景だったから」

「そうでもないさ、俺は怒りっぽい」

「というよりあなたの場合は熱血というんじゃないの?」

「熱血ね…エイダ…最近お前何か間違った知識を覚えてないか?」

「別に…」

 エイダはそれっきり黙り込むと、俺も同じように黙り込みエレベーターが展望台にたどり着くのを待った。

 展望台にたどり着くと、俺は上に上る為に俺は周囲の散策を始めた。

 意外とすぐに梯子がある事に気づいた。

「こっちの様だな」

 すると展望台のガラスから誰かが割って入ってくる。

 体は筋肉に覆われていて、顔面は大きな目が縦に付いている。

 背中には羽のようなものが付いていて、胸には心臓らしきものが見え隠れする。

「アビス完全体とかいう奴か?」

「多分ね」

 アビス完全体の大きな目が光ったと思うと、アビス完全体の姿が消えた。

 周囲を見回していると、俺の後ろからアビス完全体が姿を現す。

 俺は攻撃を回避すると、後ろに思いっきりジャンプする。

「なんだ!?今こいつ消えたぞ!」

「ええ、何かトリックがあるみたいね」

 歩いているアビス完全体の姿が目の光と共に消えた。

 俺はショットガンを構えながら撃つ準備を整えていると、俺の後ろから再び現れた。

 アビス完全体の心臓目掛けてショットガンを撃つと、アビス完全体は苦しみながら後ろに引いて行く。

 アビス完全体は再び姿を消すと、俺の隣から姿を現した。

 俺はショットガンを使って迎撃すると、アビス完全体の体が消えてしまった。

 後ろから攻撃がやってくるのを俺は感じた為、俺は前に思いっきりジャンプして避けた。

「こいつ幻覚を作る事が出来るのか?」

「厄介ね」

 アビス完全体は予想以上に厄介な相手みたいだ。

 先ほどからアビス完全体の攻撃を避けながら、心臓目掛けて攻撃を繰り返す。

 しかし、アビス完全体が倒れる気がしない。

 船の周りが爆発していくのを確認できる。

 展望台も少しずつ揺れているのを確認出来た。

「ここも限界だな」

 アビスがまたしても姿を消すが、俺達はこいつの攻略方法が見えてこない。

 アビスが姿を現し、攻撃を回避してアビス完全体の後ろを取った。

 そこには腫瘍のようなものが出来ている。

 俺は腫瘍目掛けてナイフを投げて、突き刺さると化物は呻きながらジタバタしている。

 俺はアビス完全体の背中にくっつくと、ナイフを掴んで思いっきり切り裂いた。

「ベル!そこから退いて!」

 俺はアビス完全体から退くと、上から瓦礫が火と共に落ちてくる。

 展望台の中心を分けるように火が噴いている。

「エイダ!無事か!?」

「ええ、でも合流できそうになさそうね」

 俺はどうにか合流できないか考えていると、奥から何かが飛んでくる。

 それを掴むと、それは鍵とカードだった。

「これをあげるわ。今日は楽しかったわ、じゃあね」

「エイダ!」

 エイダは炎の奥で消えて行った。

 俺は展望台の梯子から上に上ると、俺はドアに付いているカードリーダにカードを通す。

 ドアを開けると、フックショットを使ってボートに乗り込んで沈没しそうな船から離れていく。

 

 ボートを動かしながら海上を移動していると、俺は先程まで動かしていたパソコンがあった。

 先ほどパソコンからモルガンの悪事を流しておいた。

「ジルの方も無事みたいだな」

 パソコンからモルガンの悪事が流れている。

 クィーン・ゼノビアが沈んだ地点を移動していると、海上に誰かが浮いていた。

「何してるんだ?パーカー」

「よぉ。助けてくれないか」

「最近はそうやって浮かんでいるのが趣味なのか?」

「別にそうじゃないけどよ」

「嘘だよ」

 俺はパーカーの腕を掴んで引き上げると、BSAA本部に向かっていく。




 BSAA本部ではモルガンが今出て来ていた。
「パーカーを頼む」
「了解です」
 パーカーを頼むと、モルガンに向かって歩いて行く。
「お前の負けだな、モルガン」
「私は君を侮っていたようだ。だが君たちは大きな間違いを犯しているぞ」
「お前ほどじゃないさ。それにそれでも俺達は人を守る道を選ぶ」
「君たちは必ず後悔する」
 そう言うとモルガンは連れて行かれた。
 俺は代表の部屋に行くと、オブライエンが部屋の中を片付けていた。
「何をしているんだ?」
「今日限りで私は代表の座を退く。後の事を君に任せるぞ」
「勝手に任されても困るんだが」
「君なら私のような道はたどらないだろう。君は代表に相応しい」
「勝手にしろ…」
 オブライエンは手元にある最後の箱を掴むと、部屋から出ようとする。
「後は頼む」
「俺には無理だ。答えすら見えていないのに…」
「君になら見つかるさ、君なりの答えを」
「だと良いんだけどな」
「だから、後は頼む」
「…任された」
 俺は机の上に立っている俺とオブライエンの写真を掴む。
「ベルトウェイ代表!FBCの件はどうなさいますか?」
「FBCは今日限りで解散とする。組織は俺達BSAAが併合する。現地の隊員に指示を出す指揮官を立てる。すぐにメンバーを選抜しろ。」
「了解しました」
 そう言うと司書の女性は部屋から出て行く。
「ベルトウェイ代表兼エージェント…」
 俺の新しい肩書だ。
 それでも俺はいまだ答えが見えない。
 それでも戦うしかない。
 未だ見えない答えの為に…

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