biohazard cordname”NT”   作:ナッツガン

22 / 45
 テラグリシアでの戦い
 その結末は…


正しさ

 BSAAとFBCの本部を目指して、俺達は走っていた。

 しかし、その道の途中にハンターが塞いでしまっていた。

「急がなければ」

「何を急いでいるの?」

「あのモルガンという男のやり方なら…多分」

「多分?」

 そこまで話すと目の前にハンターの集団が襲ってきた。

 ハンドガンで倒しながら進んで行くと、ハンターは後ろからも襲い掛かってくる。

 ハンドガンを後ろに向かながら引き金を引くと、ハンターは吹き飛んだ。

「この町を滅ぼしかねない」

 オブライエンが焦っていたのは、モルガンがこの町ごとウイルスを滅ぼそうとしている。

 だからこそオブライエンは俺達に撤退を指示したのだろう。

「早めに移動した方が良さそうだな」

「ええ、少し走りましょうか」

 二人して走って行くと、目の前に本部のあるビルが見えてくる。

 俺は途中で止まると、後ろを向いた。

「ベル?」

「先に行け!俺がここで食い止める!」

「でも!?」

「後で俺も行く!どちらにせよ、ここで食い止める人間がいる!」

 俺が大きな声で叫ぶと、ジルは黙って走って行く。

 俺はハンドガンをナイフを構えると、ハンターの群れに飛んでいく。

 ハンターは俺に襲い掛かってくると、俺はナイフでハンターの頭を切った。

「これ以上は行かせない」

 ハンドガンでハンターの頭を吹き飛ばすと、俺は少し距離をとる。

 ハンターの頭を切りながら、手榴弾を隣にある車に投げた。

 手榴弾が爆発した瞬間に車も同時に爆発した。

 ハンターもその爆発をまともに食らった。

「さすがにやり過ぎたか?」

 俺はハンドガンの弾をリロードしながら、周囲の確認をした。

 ハンターまだ少し俺を囲んでいる。

「数が多いな」

 そこから少し移動すると、ハンターの群れに挑む二人がいた。

「パーカーとかいうFBCの…」

 もう一人の方は知らないが、ここで戦っているという事は俺と同じ理由だろう。

 後ろからハンターが襲い掛かってくると、俺はハンドガンでハンターの頭を撃ち抜いた。

 ハンターの群れと戦っている二人は、そのまま路地の中に入って行く。

 ハンターの半分はあの二人を追いかけていく。

「こいつらだけでも何とかしなければ」

 ハンターから逃げながらも、俺は確実にハンター倒していく。

 リモコン爆弾を地面に投げると、ハンターが通るの待った。

 タイミング良くボタンを押すと、周囲の車事大きな爆発が起きた。

「武器もそんなにあるわけじゃないんだがな?」

 あれだけハンターを倒したのに、ハンターは半分も減っていない。

 車を使って爆発させているのに、あちらこちらからハンターが湧いてくる。

「少し疲れたな」

 さすがに俺だけのハンターを相手にしたのは、初めてだ。

 ガスマスクの中が少し汗で蒸れてきた。

「少し待ってくれよ」

 ハンターは俺の方に少しずつ近づいてくる。

 仕方が無いと思いながら、ハンドガンを構える。

 ハンターの一匹が俺に向かって飛んでくる。

「いちいち飛ぶんじゃねえ!!」

 ハンターを撃つと、ハンターは後ろに飛んでしまう。

 俺は地面にリモコン爆弾をあちらこちらに置きながら、ハンターに囲まれないようにしていた。

 車が集まっている場所に配置すると、ハンターは集まってくるの待った。

「これでくたばれ!!」

 リモコン爆弾を押すと、俺は後ろに飛ぶ。

 俺が頭に手を置いて、破片が飛んでくるのを回避した。

 爆発が止み、周囲が静かになった。

 ゆっくり頭を上げると、後ろの方を確認した。

「くたばったか?」

 ハンターは一網打尽にされている、その姿を確認すると走ってその場から離れていく。

 車を避けながら走って行くと、通信機のようなものを見つけた。

「?なんだ?」

 その通信機を耳に当てると、その中から声が聞こえてくる。

 この声はモルガン?

 もう一人は…ヴェルトロのリーダーである、ノーマン?

 通信内容までは聞こえないが、この二人は何か関係があるかもしれない。

通信機をその場に投げると、そのまま本部のビルを目指す。

走りながらビル目掛けて走って行く。

 ビルの入り口から入って行くと、二階の右入り口に移動していく。

「モルガンは今回の事件を引き起こしたのか?」

 ビルの階段を上っていると、俺は外の様子を見つめて行く。

 さすがにあれだけハンターを倒せば、ここに来るのに時間はかかるだろう。

「何かこの事件に裏がある」

 二階の通路を歩いていると、更に奥に入って行く。

 二階本部の出口に立つと、中から話声が聞こえてくる。

「モルガンとオブライエンか?」

 何やら言い争いをしているように聞こえる。

 俺が中に入ると、二人は俺の方に向いた。

「ベルトウェイか?撤退したのでは?」

「外で時間を稼いでいた。」

「そうか…もう少し待ってくれ」

「いいけど、早めにしてくれよ?」

 そう言うとオブライエンは、モルガンを問い詰めていた。

 俺が横を見ると、FBCと名前が付いている服を着た男がいた。

 よく見るとその男は怪我をしている。

「レイモンド!行くぞ!」

「はい!」

 レイモンドと呼ばれていた男は、モルガンに付いて行く。

 オブライエンはその場で立ち尽くしていた。

「オブライエン?」

「行こう…ベル」

 オブライエンは外に出て行くと、エレベーターに向かって歩いて行く。

 歩いて行くオブライエンの表情を見ていると、どこか怒っているようにも見えた。

 エレベーターに乗り込むと、オブライエンから話しかけてきた。

「ベル…お前はモルガンをどう思う?」

「突然だな?」

 どう思うと聞かれても困る内容だ。

 はっきり言ってどうでもいいのだが、あの男が何かを隠している以上黙っているわけにもいかない。

「モルガンを好きにはなれない」

「あの男は何かを隠している、私にはそれが分からない」

 先ほどの内容を話すかどうか悩んだが、やはり話してみることにした。

 オブライエンは話を聞いていると、大きくため息をついた。

「やはり何かを隠しているか…それが何かだ」

 モルガンは今回の事件について何かを隠しているのは、事実だ。

「モルガンの言っている事は事実が多い」

 モルガンが何を企んでいるにせよ、今回の事件は世界をバイオテロを伝えるには十分だ。

「お前が言っている事も、やっている事も正しい」

 オブライエンはいつも正しい、正義感がとても強い男だ。

 それは昔からの付き合いがある俺が知っている。

 BSAAの元を作った時、俺はオブライエンに出会った。

「正しさでは国や世界は動かないが、モルガンのやり方では人は動かない」

「そうかもしれないが…」

「だからこそ、お前のような人間が必要なんだ」

 オブライエンがいたからこそ、俺達はここまで来れたのだろう。

 こいつは指揮官としても腕は確かだし、それは今までの事件で証明されている。

「俺達がするべきことは、人を守り、国を守り、世界を守る事だ」

 オブライエンの表情を一切変えない。

 俺はそのまま話を続けていく。

「だからこそ、今回のように何もかもをなかった事にする行動は正しくない」

 ラクーンシティと同じような事をするのは、俺は絶対に正しいとは思えない。

 すべてを無かったことにして、知らないふりをするのは許せない。

「お前はこれからも正しいと思った事をすればいい」

 今までも、これからもこいつが正しい事をすればいい。

 俺達はそれに付いて行くだけだ。

「その道にモルガンが邪魔なら、排除すればいい」

 俺はモルガンが正しい男だとは思えない。

 モルガンは何時か戦う相手だと思う。

「お前なりのやり方でな…その時は俺に言えばいい、協力してやる」

「お前にはいつも助けられるな」

 オブライエンは俺の顔を見ながら、そう言った。

 その表情はどこか清々しい顔をしている。

「私がここまで来たのは、お前がここにいてくれたからだ」

「何をいまさら?」

「ありがとう」

 照れくさい言葉を言われると、俺は顔を背けた。

 エレベーターのドアが開くと、オブライエンは先に外に出た。

 ヘリポートのたどり着くと、BSAAと書かれているヘリに乗り込んだ。

「出発してくれ!」

「了解です!」

 ヘリが出ると俺はドアを閉めてしまう。

 遠くにFBCの二人が現れて、最後のヘリもその場を離れる。

 遠くに移動すると、人口衛星であるレギア・ソリス太陽光をテラグリシアに向けて照射される。

 その光はとても強く、連鎖爆発を起こすほどだ。

「…滅んでいく」

 テラグリシアは名前だけを残して、地図の上から消滅していく。

 証拠を全て葬り去って。

 

 あれから一年

 BSAAはそれなりに大きな組織に育っていった。

 そして俺達はモルガンの証拠を探す為に、作戦を考えていた。

「計画の第一段階が始まったか」

「ああ」

 テラグリシアを見つめながら、話し合う。

 今頃ジルたちは海上にある、クィーン・ゼノビアを目指しているはずだ。

「じゃあ俺も計画を始めるぞ?」

「ああ、頼む」

 そう言うと、俺は集合場所まで移動を始めた。

 海岸から移動すると、俺は歩いてその場から離れていく。

 ヨーロッパの街並みを眺めていると、後ろから複数の人間が現れた。

「モルガンに言われて、俺を始末しに来たか?」

 明らかに殺す準備をしている集団を眺めていると、後ろからもう一人出てくる。

「ちなみに後ろにも気を付けた方がいいぞ」

 男達は後ろを向くと、後ろにいた奴はマシンガンで男達を殺した。

「相変わらずだな?エイダ」

「話は終わった?」

「ああ…行くぞ」

 そう言うと、俺はエイダと共にその場から移動していく。

 エイダが前を歩いていると、一つ質問してみた。

「調べてくれたのか?」

「ええ、あなたの言っていた通りだったわ」

 エイダと一緒に船乗り場にたどり着くと、俺達は船に乗った。

「じゃあ…」

「ええ、四つ目の女王を見つけたわ」

 船を動かすと、地中海を進んで行く。

「名前は…クィーン・ヴィクトリア」




「暗殺失敗です」
 近くにいる男は私に報告してきた。
「次の刺客を送れ」
「はっ!」
 オブライエンめ!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。