biohazard cordname”NT”   作:ナッツガン

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 研究施設の前で出会ったジルと共に施設への入り口を探していた、ベルトウェイ…
 屋敷の中を突き進んで行きながら真実へと近づいて行く


実験

 ジルと共に屋敷の中を進んで行くと奥の方でようやく階段を見つけた。

 目で合図を送るとジルは黙って頷き俺に付いてきた。

「研究施設は上に在ると思うか?」

「分からないから行って見ましょうか」

 階段をゆっくり上がって行くと二階にたどり着いた。

 二階も同じような構造になっており、二つのドアがあった。

 両方のドアも鍵はかかってはいない、俺は正面にあったドアを開けた。

「…異常なし」

 ジルに合図を送ると俺は部屋の中に入って行った。

 部屋はちょっとした美術展になっており、絵画が多く展示されていた。

「何かあるかもしれないわ…」

 ジルはそう言いながら部屋の中の捜索を始めた。

 俺は絵をずらしながら中の捜索をしていた。

「そっちは何かあったか?」

「ええ、でもカードが必要ね」

 ジルの方に近づいて行くとそこには金庫が用意されており、カードの差し込み口があった。

 しかし、俺達がそんな物を用意しているはずがない。

「仕方が無い、別の部屋を探そう…」

 俺がジルにそう言うとジルも同意してくれたのか、黙って頷いた。

 別のドアから部屋を出ると窓付きの廊下に出た。

 窓からは山や墓地が見えており、この屋敷の大きさを感じるには十分だった。

「しかし、大きい屋敷だな…」

 ジルも窓の方を見ていた、ゾンビがいないからか俺達は少し落ち着いていた。

 奥のドアを開けると部屋の中に進んで行った。

 部屋の中は下にあった食堂と同じ大きさがあり、中は大きな銅像が用意されいた。

「銅像の上に何かあるわね…」

「…はいはい、土台になればいいんだろ」

 俺はジルを上に載せると、ジルは銅像の上にある物を取った。

「これは地図ね…」

 ジルが持っていた地図にはこの屋敷の構造が書かれていた。

 しかしこの地図のどこにも研究所らしき場所は無い。

「どこかに入り口があるんでしょうけど」

 ガタン!

 大きな音が鳴ると俺はそのままハンドガンを構えた。

「ゾンビが5体」

 ハンドガンを撃ちながら周りの状況を確認した。

 ゾンビ頭を撃ち抜くと俺はゾンビの服の中を確認すると持ち物を探した。

「…これは」

 服の中にはカードがあるのを見つけた、俺はそのカードを見るとそこにはアンブレラのマークを見つけた。

「これなら金庫を開ける事が出来るかもな…」

 ジルと一緒に金庫の在った場所まで戻った。

 廊下を通って行くと後ろから何かの気配を見つけた。

「後ろに何かがいる…」

 振り返るとそこにはリッカーが一匹俺達の方を向いていた。

 しかし、リッカーは俺達の方に向かって舌の攻撃を仕掛けてきた。

 横に避けるとハンドガンで攻撃を仕掛けた、リッカーはそれを回避する。

「ちょこまかと…」

 ハンドガンで闇雲に撃っても避けられては意味が無い。

 俺はハンドガンを構えたままリッカーの動きを捕えるのを待っている。

「…今だ!」

 ハンドガンの引き金を引くとリッカーの額を撃ち抜いた。

 リッカーの死を確認すると、俺達は金庫の在った場所まで戻った。

「カードを使ってみるか」

 金庫にカードを差し込むと金庫は音を立てて鍵が開く。

 カードを取ると俺は金庫の中身を確認した。

「…エンブレム?」

 そこにはエンブレムが一つ置かれていた、エンブレムにはアンブレラのマークが書かれていた。

 エンブレムを受け取ると俺はそれをポケットに入れた。

「他の部屋を探すとしますか?」

 俺は先ほどの通路に出ると俺は奥に進んでいる。

 ジルは地図を確認しながら研究所の場所を確認していた。

 先ほどの銅像のある部屋に戻った、すると先ほどはいなかったゾンビで埋め尽くされていた。

「倒していくか…」

 俺とジルはハンドガンを構えるとゾンビの撃退をした。

 部屋はゾンビで埋め尽くされていた、俺は奥のドアを開けて奥に進んで行く。

「どうやらこの屋敷他に施設が用意されているようね…」

 地図には他に進むべき道が書かれており、そこには寄宿舎が書かれていた。

 奥にはドアは二つ用意されていて、俺は左に在った部屋に入ると奥に進んで行った。

「ベットが二つ…」

 俺は机の中を探していると後ろでジルが呟いた。

 机の中には日記が置いてある、俺はそれを机から出すと中を調べた。

『2月12日 晴れ 今日は地下研究所の方から報告を受けた。なんでも“Gウイルス”の実験をするために一部の区画を閉鎖するそうだ。まあ、俺達には関係の無い事だが。』

『2月16日 曇り 同僚が地下研究所から帰ってこない。かれこれ三日は行ったきりだ。最近地下研究所からの報告を聞いてない。』

『2月20日 曇り 先ほど地下研究所でバイオハザードが起きたらしい、その時“Gウイルス”感染者は逃げ出したという報告を受けた。ここはやばい…』

 そこまで書かれていたがそこからは血がついていて読めない。

「施設の中でバイオハザードが起きたなんて…」

 俺が気になったのは“Gウイルス”の方だった。

「これに寄ればバイオハザードの原因は“Gウイルス”の可能性が高いな」

「ええ、それが原因ならもしかしてこの屋敷の中に“Gウイルス”感染者がいるかもしれない」

 一層の警戒を強くする、“Gウイルス”感染者がどういう者か分からない。

 しかし警戒を強くするに越したものはない。

「もっと調べておくか…」

 タンスを調べていると中からアサルトライフルが出てきた。

「持つか?」

「あげるわ」

 俺はアサルトライフルを担ぐと、そのまま調べを続けた。

 他に中には寄宿舎へ行くためのパスワードが出てきた。

 それ以外には何もない事を確認すると俺達は部屋を出た。

「もう一方のドアに入るか」

 俺はもう一つのドアを開けると中は廊下になっており曲り角が見えていた。

 俺は警戒しながら曲り角に向かって進んで行く。

 曲がり角を見ると何もない、曲りドアに向かって歩き始めた。

「今のところは“Gウイルス”感染者はいないな」

「ええ、でも気を付けておかないと」

「どんな効果があるか分からないしな…」

「でも、研究者たちが警戒するほどだし…」

「確かにな…警戒をしておかないとな」

 そう言いながら俺は奥のドアを開けた。

 そこは入り口になっており、向かい側にもう一つの入り口を見つけた。

「奥の部屋に行くか?」

「そうしましょうか」

奥に向かって歩いて行くと奥のドアを開けた。

 そこは同じく通路になっており、形はU型になっていた。

「こうなったら寄宿舎に行って見るか…」

「それが一番かもね」

 そう言いながら俺は通路を通って行く、途中にドアを見つけた為俺達は確認の為に中に入って行く。

 中は剥製が多く展示してあり、奥には大きな水槽が水の入っていない状態で置かれていた。

「中を調べるか…」

 俺はタンスの中、ジルは机の中を調べ始めた。

 タンスの中にはこれと言って入ってはいなかった。

「ベル!これを見て!」

 ジルの方に行くと手に資料が書かれた本があった。

『“Gウイルス”に関する報告』

『“Gウイルス”に感染した者は死ぬまで変化を続ける為、進化が予想できない。』

『ウイルス感染者は遺伝子が似通った人間に胚を植え付ける。』

『しかし遺伝子が似通っていなければ不完全なG生体ができる事が分かった。』

『その為扱いには、困難を極める。』

 それ以外のページにはたいした事は乗っていなかった。

 しかし、“Gウイルス”被験者の体の写真を乗せていた。

「確かにこれは異常だな…」

「ええ、進化を続けるなんて…」

 資料を本に収めると俺達は部屋を出た。

 先に進んで行き、曲がり角を曲がると左のドアに入る。

「…異常なし」

 俺が合図すると、奥に入って行った。

 中は鎧で埋め尽くされており、たいしたものは見つからなかった。

 しかし、後ろから何かが飛んできた。

「ジル!」

 俺はジルと一緒に隣に飛んだ。

 すると飛んできたのはハンターであることが分かった。

「ハンター…どうしてここに?」

「実験していたならおかしくは無いはず…」

 俺はアサルトライフルを構えると、ハンターに向けて撃った。

 ハンターの体に何発もの弾が貫いて行く。

 そしてハンターは力尽きて倒れた。

「しかし、ハンターまで放たれているとは…」

 俺は立ち上がるとジルの手を取った。

「確かに、これじゃ生存者はもう…」

 ジルが立ち上がると、周りの状況を確認した。

「ここはたいしたものは無いわね…」

 それを確認した俺達は、通路に出て最後の部屋に入って行った。

 そこは階段があり、下に降りていきドアを開けた。

「ここから、右に曲がって進んで行き…地下に行くと寄宿舎よ」

 ジルの説明通りに進んで行くと地下に行くための階段に出た。

 階段を下りると真直ぐな通路に出る。

「この先を行くと寄宿舎よ…」

 ドアを開けるとそこは貯水場みたいになっており、水が貯まっていて中心に橋が架かっている。

「この先よ」

 橋を渡ろうとした時、奥のドアから化物が現れた。

「これって…まさか…」

「資料の通りならこれが…」

「“Gウイルス”感染者…」

 体は大きくて右肩に大きな目がある、左胸には元々に顔が付いている。

 服がすでに体に付いていけてないのか、今にもはちきれそうである。

「避けろ!」

 俺とジルがしゃがんで避けると再び距離を取った。

 俺はアサルトライフルを構えて引き金を引いた。

 ババン!ババン!ババン!ババン!

 何発も体に叩き込まれているのに、一向に倒れない。

 再び攻撃が俺の頭をかすめる。

「こいつ!不死身か!?」

「とにかく撃たないと!」

 しかし、ジルの弾と俺の弾をいくら撃ちこんでも倒れる気配すらない。

 そんな時アサルトライフルの弾が尽きた。

「こんな時に!」

 俺が弾を取ろうとした時、“Gウイルス”感染者の攻撃を受けて壁に激突した。

「ぐっ!」

 起き上がろうとすると目の前にグレネードランチャーが置かれている。

 “Gウイルス”感染者が近くに寄ってくる、すでに俺には選択しが無かった。

 振り向きざまに俺はグレネードランチャーを何発も叩き込んだ。

 ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!

 すると弾が切れたのか、引き金を引いても弾が出なくなった。

「ハァ!ハァ!ハァ!」

 すると“Gウイルス”感染者は次第に歩く速度が遅くなった。

 そして、俺の目の前で倒れる。

「大丈夫?」

「ああ…」

 俺はジルの手を取ると立ち上がった。




「意外だな…」
 監視カメラから彼らの戦闘の様子を見ていた。
「あれはまさか…」
 私は資料を見ていると、そこには1人の男が書かれていた。
「間違いない、ベルトウェイ・シュターナー…」
 私は資料を見て少し笑った。

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