biohazard cordname”NT”   作:ナッツガン

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 ノスフェラトゥと戦闘をしたベルトウェイとエイダ
 謎の触手の攻撃で落下したエイダ
 そして彼も落ちる、助ける為に…


ベロニカ

 カチ、カチ、カチ

 そんな時計の針が動く音だけが響く。

 俺の目の前にはエイダがベットで寝ている。

「こんな怪我を隠しながらも戦っていたのか…」

 彼女の体には多くに怪我が見え隠れする、俺はそんな彼女を横目で見ていた。

 俺はエイダと一緒に高い所から落ちた、俺はエイダをかばう態勢を取ったがエイダはその時の衝撃で気絶してしまった。

「無茶をする…」

 俺はエイダの傷の手当ができる道具を探しているうちに見つけたアレクサンダー・アッシュフォードの日記を見ていた。

 そこにはアレクサンダーの苦悩が書かれていた、それ以外にも彼のアレクシアに対する特別な感情も読み取れた。

「アレクサンダーにとって、アレクシアはアッシュフォード家の復活を込めたのだろう」

 しかしアルフレッドはそれを恨んでいたのだろう、自分は必要とされていない。

 手に入れた資料にはアレクシアは自分を使って実験をしたことが読み取れる。

「しかし、自分の体を実験の道具にするほどのものなのか?」

 俺はエイダを気にしながらも、本を読み続けた。

 それ以外にもたくさんの事が分かった、アレクシアがどれだけ歪んだ感情の持ち主か。

「実の父親を実験に使うとは…」

 そうして本を読んでいるとようやくエイダが目を覚ました。

「どのくらい寝てた?」

「さあな…少なくとも1、2時間はとうに過ぎてるぞ」

 エイダはベットから出てくると自分が手当を受けていた事に気が付いた。

「…ありがとうって言うべきかしら?」

 エイダはコートを着ながら俺に向かってそう聞いてきた。

「別にいいさ…」

「それは良いとして、変な事をしてないわよね?」

 俺はエイダを見ないで答えた。

「してないよ…」

 エイダは俺を見ながらも質問を続けた。

「聞かないの?この傷の事…」

 俺は本から目を離さないで答えた。

「嫌な事を聞き出そうとはしないさ…それに信じるって決めた以上は信じる」

 エイダは顔を俺から背けた、その時の表情を俺は知らない。

「…この怪我はラクーンシティで負った…」

「ある人を庇って…」

 俺は本を閉じるとエイダの方を真直ぐ見た。

彼女の表情はいつもと変わらない、何を考えているのか分からない…

「私でもどうしてこんな行動をしたのか分からないわ…」

 俺は立ち上がるとエイダの方を見ないで言った。

「そいつを守りたかった…それで十分だろ?」

 俺が歩き出すとエイダは一緒に付いてきた。

「ここはどこ?」

 エイダが俺に付いてきながら答えると、俺は彼女の質問に答えた。

「俺がゾンビに噛まれたところだ…」

 俺はドアを開けると外には蔓のようなものがウネウネと動いていた。

「あれにやられたのね…」

「ああ…お前は俺にやられて下に落下した…」

 俺はエイダと一緒に落ちた時の事を思い出していた。

「まずはこれからどうするかだ…」

 俺は左に曲がるとすぐにまた左に曲がった。

 大きなドアを開けるとそこは、床一面が凍り付いていた。

「これは?」

「俺達が通った穴から出た水がこの辺り一面を凍り付かせた」

 俺とエイダは右に曲がると道なりに進んだ。

 すると二個目のドアを開けると俺達は一本道の通路をそのまま進んだ。

「やけに詳しいわね…」

「お前が寝ている間に色々見たからな…」

「どこまで確認したの?」

「この先にエレベーターがあることぐらいだな…」

 俺の目の前にエレベーターが見えてくる。

 俺はエレベーターのスイッチを押すとドアが開いた。

「これで地下一階を目指す…」

 エレベーターが降りていく間に俺はハンドガンの確認をした。

「…さっきの触手なんだと思う?」

 俺に向かって聞いてきた質問に俺は推測を話した。

「多分アレクシアが復活をしたんだろう…」

「アレクシアって、アレクサンダー・アッシュフォードの娘の?」

「ああ、彼女はT-Veronicaを自分の体に投与した…」

 それからは本に書かれていたことの推測でしかない。

「そしてそのT-Veronicaを体に適用させるのに数年間眠ることにした」

「…そして適応したアレクシアが眠りから目を覚ました…」

 エイダもなんとなく理解したようでそれ以降は聞いては来なかった。

 エレベーターのドアが開くと、目の前にまたしてもドアがあった。

「どちらに行く?」

 エイダに聞いてみたがエイダが真直ぐ前のドアを指示した。

 目の前のドアを開けるとそこは寒く、一本道が続いていた。

 道を進んで行くと俺達は広い空間に出た。

「どっちに行く?」

 俺はまたしても同じ質問をしてみたが、今度は右の道を選んだ。

「しかし、本当に広いな…」

 道を進んで行くと目の前にゾンビが複数体徘徊していた。

 俺とエイダはそれぞれ武器を構える。

 バン!バン!バン!

 そんな音を出しながらもゾンビの額に弾が打ち抜いていく。

「もう見飽きてきたな…」

 ゾンビの死体を横目に奥に進んで行く。

 エレベーターで地下6階に進んで行くとそこには大きなアリ塚があり、一面アリで埋め尽くされていた。

「これだけのアリを増殖させるとはね…」

「見ているだけで気持ちが悪くなりそうね…」

 俺達は俺を踏みながら道を右に進んだ。

 そこの部屋ではアルフレッドが横たわっていた。

「…死んでるな」

 俺はアルフレッドに近づき確認をした。

「そう…」

 俺は彼の体から鍵を発見した。

「じゃあ、反対側の部屋に行きましょうか…」

 俺は鍵をポケットに入れるとそのまま部屋を出た。

 反対側に着くとそこにはアレクシアの研究施設が設置されていた。

 エイダはそこに座りパソコンをいじり始めた。

「…この鍵は」

「ジェット機の鍵ね…アルフレッドが乗ってきた」

 エイダは作業を続けながらも俺に答えてくれた。

 エイダが操作している間、周りの警戒を続けた。

「後どのくらいだ?」

「後少しよ…」

 エイダが最後のキーを押すと奥から何か筒のような物が出てきた。

「それがウイルスか?」

「…ええ」

 それを確認すると俺はそのまま部屋を出ようとした。

「どこに行くの?」

 俺は振り返らないままエイダの質問に答えた。

「アレクシアを始末する…」

 俺は自動ドアが開くとそのまま外に出た。

「これでお前との約束は果たした」

 俺はアリ塚を横目に来た道を戻り、エレベーターで地下1階に戻った。

 また広い部屋に出ると、埋まっている像を見ながら奥の大きなドアを開いた。

 ドアを開いた先にはどこかの屋敷のロビーのようにも見れる場所に出た。

「……」

 階段を上った場所にかけてあるところに1人の女性がいた。

「アレクシア・アッシュフォードだな?」

「…ええ」

 人とは思えないその体を俺の方に向きながらアレクシアは答えた。

「あなたは少し前に女と落ちた男ね…」

 俺の予想通りだった、あの攻撃はアレクシアによりものだ。」

「てっきり死んだと思ったけど…」

「死ぬならあんな行動はしないさ…」

 アレクシアは階段をゆっくり降りながら俺の方に向かって来た。

「一つ質問させろ!」

「…なあに?」

「お前にとって家族ってなんだ?」

 アレクシアは歩く速度を緩めずに答えた。

「…働きアリかしら」

「それを聞いて安心したよ…」

 俺は腕を鳴らしながら戦闘態勢を取った。

「…安心してお前を殺せる!」

 アレクシアは腕から何かを飛ばした。

 俺はそれを紙一重でかわすと、それが付着した場所から火が付いた。

「驚いた?私の血は発火させることが出来るの」

 俺はアレクシアとの距離を潰し一気に攻撃を仕掛けた。

 アレクシアは後ろに飛ぶと、俺はハンドガンで追撃を仕掛けた。

 アレクシアはその攻撃を受けると、そのままの態勢から血を飛ばした。

「くっ!」

 よけきれない血が俺の腕に付着した。

 着いた血が一気に発火した、俺はそれを沈下するとハンドガンで攻撃を仕掛けた。

「あら…意外とやるわね…」

 アレクシアはあくまでも余裕な表情でハンドガンの攻撃を避けた。

 アレクシアの攻撃を避けながら、俺はハンドガンで攻撃を続けた。

「…少しはやるみたいね…」

 アレクシアの攻撃を走りながら回避し、俺はアレクシアに一発パンチをぶち込んだ。

 アレクシアは遠くに吹き飛び態勢を治した。

「アリ風情が…」

 どうやらアレクシアの何かに火を点けたらしく、アレクシアの表情は完全に歪んでいた。

「殺してやる!」

 アレクシアが恐ろしい速度で走ってくると、俺はカウンターでパンチを一発決めた。

 アレクシアは二階に逃げると、大きなサイレンが鳴った。

「自爆!あの男か!」

 アレクシアは扉の先に消えていく。

「俺も逃げるか…」

 その時だった、何かがドアから飛んできた。

「!これはエイダの…」

「あげるわ」

 俺が来た場所にはエイダが立っていて、エイダは更に俺に向かって書類のような物を投げた。

「これは?」

「アンブレラのウイルス研究所の一覧よ…」

 書類を確認すると、たしかにそこにはアンブレラの研究所のリストが乗っていた。

「それで助けられた貸しは返したわよ…」

 エイダはドアの先に消えようとしていた。

「お前はどうやって脱出するつもりだ?」

「ウェスカーが近くに来ているわ…後、そのフックショトはあげるわ」

 エイダの声が闇の中から聞こえる。

「それは予備のだから…」

 俺はそれを見届けると脱出に向けて走り出した。

 来た道を進んで行くと携帯にメールが届く。

『休憩所の先のドアに一機ジェット機があり、その隣があなたのジェットよ』

『by ada』

 俺はエイダの言葉を信じることにした。

 エイダに言われた場所には確かにジェット機が一機ある。

 その隣には大きな壁があり、上には隙間が空いていた。

「まさかこれが役に立つとはな…」

 俺はフックショットを上に打つとそのまま隣に移動する。

 隣にもジェット機が一機用意されており、俺はそれに乗って南極を去った。




 俺は移動しながら携帯を操作していた。
「エイダ・ウォンか…」
 俺が打ったメールを送信した。
『また会おう』
 俺はジェット機を動かしながら、アンブレラと戦う決意を新たにした。

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