東方信頼譚   作:サファール

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 色んなもののシステムって、詳しく調べないとにわか過ぎてちんぷんかんぷんな事態に陥っちゃいますね。手間を渋っているといいものは出来ないと思います、ホント。

 前回から雰囲気を元に戻し、一気に展開が進んでいきます。ここから本格的に、この『序章』の最後の光景に向かっていくことになると思いますので、作者の突進っぷりをどうぞ見守ってやって下さい。

 今回、重要なオリキャラが登場します。ですが男です。ムキムキ巨漢な人です。重要と言ってもこれから長い付き合いになるだけのキャラなので、さして影響を与える主要キャラではありません。
 そしてもう一人重要な人がいたりと、計三人ほどのオリキャラが登場します。『オリキャラ多数』のタグは一応回収ですかね。


 長々とすいません。ではどうぞ。

 


6話.雑兵な彼と都市の女王

 修司は短槍を片手に、屋外の訓練場の真ん中で周囲に気を配った。殺気を抑え、冷ややかな目で自分の周りにいる一人一人を分析した。

 

(直剣が15人、長槍が5人、光線銃が10人、ナイフが3人etc…。ふむ、まずは銃持ちを片付けた方が得策だな)

 

 修司がそう打算していると、上手い具合に散らばっていた彼らが一斉にこちらへと駆けてきた。

 

「「「「「うおおおぉぉぉぉ!!!」」」」」

 

訓練用に作られた短槍を握りしめ、まず最初に接近してきた相手を注視する。そいつが振り下ろしてきた両刃剣を穂先で横に弾き、続けて、自分の体を反転させて、槍の柄を彼の手首に叩きつけて得物を吹き飛ばした。

 

「ぐあぁぁぁぁ!!」

「「「うらあぁぁぁぁ!!」」」

 

 そうしている間に接近してきた背後の三人が持つナイフと長槍を流れるような動きで躱し、同様に手首を打って無力化した。

 

ヒュン!

 

 すると、彼らの体を縫うように光線銃の光線が修司に迫った。修司はそれを前転する事で射線から外れ、一気に光線銃を撃っている後衛の彼らへと駆け出す。

 

 しかし、行く手を阻むように剣持ちの五人が間に躍り出て、同じように剣を構える。修司はそんな事は予想していたので、焦らずに短槍を地面を刺すと、その柄先に片足で飛び乗って大きくジャンプした。兵士達の頭上を軽々と飛び越え、修司は銃部隊の中心に着地する。あの防衛網を突破されると思っていなかった彼らの一人を掌底で強制退場(気絶)させ、そいつの持っていた光線銃を奪い取る。

 

バン!バン!バン!

 

「喰らええぇぇぇ!!」

 

 遅ればせながら修司に対応し始めた彼らは、腰だめで銃を彼に向かって乱射し、その軌道を先読みして修司が躱す。そうしながらスコープに目を通し、修司は的確に一発づつ銃部隊の頭にヘッドショットを決めていく。威力は抑えてある弾丸を使用しているので、当たっても気絶で済む。

 

カチカチ…

「…弾切れか」

 

 それで銃部隊を全て片付けると、丁度弾が切れた。エネルギーマガジンは所持していないので、ここで銃はお役御免だ。

 近くにいたナイフ兵に突進し、相手が突き刺してきたナイフに光線銃の銃身をぶち当てる。そして得物が行動不能になっている間に、修司はその彼の鳩尾に拳を叩き込み昏倒させ、ナイフを奪った。

 

 今まで振り切っていた近接兵が目の前まで迫り、修司は体術戦を余儀なくされた。

 穂先で突きを繰り出してくる二人の槍兵の槍を脇に抱え込み、手首と脇下を使って槍を持ち上ようと力を込める。

 

「「うおっと!」」

 

体ごと持ち上げられそうになり、二人は慌てて槍を離す。そうして奪い取った槍を左右に薙ぎ払って、数人を撃破した。無手となった二人はやけくそ気味に突進してくるが、槍を手放した修司は一人をナイフの柄で鳩尾に一発、もう一人は殴ってきた腕を利用して背負い投げを掛けた。

 

(…後20人くらいか)

 

 まだ立っている人数を眺め、修司は内心、小さく溜息をついた。

 

 

 

 

 

 

 

* * * *

 

 

 

 

 

 

 

 一通り訓練が終了し、今は昼間の休憩時間。僕が所属している部隊の隊員は息を切らしながら地べたに座り込んで飲み物から口を離さない。

 武器を放り投げて必死に休息するその様は、まるで半日死にものぐるいで特訓したんじゃないかと見間違うほどの気迫が伝わってくるが、実際はそうではない。彼らは、単に僕と手合わせをしていただけだ。しかし、僕は一撃ももらってない。それに、僕自身は全く息を切らしてないのだ。

 つまるところ…

 

(え…都市の防衛軍って…もしかして相当弱い…?)

 

 そう、最近の人手不足や鉄壁の防壁にかまけて、肝心の隊員が凡人レベルの戦闘能力しかないのだ。しかも、それで兵士の育成に着手するかと思いきや、上役は防衛軍よりもAI技術の方に力を入れ始めた。お蔭で防衛軍の怠けに拍車がかかり、永琳の仕事量が増えた。これに対して永琳や僕も抗議したが、上役は全く聞く耳を持たなかった。

 

 長所と言えば、装備の充実さと、兵器の性能だった。これは殆ど永琳が設計して開発したものだが、使い手がこんな阿呆ばかりならば、そのお墨付きの性能も真価を発揮できないだろう。兵器が可哀想になってくる。

 例を挙げるなら、この光線銃はどうだろうか。発射の反動は最小限、スコープは切替式で最高倍率は約2km、レーザーは文字通り光の速さ、威力は大木に穴を開けるほど。しかもフルオートも出来るので中距離戦も持って来いだ。こんな高性能な狙撃銃が他にあるだろうか。

 だが、防衛軍はこれを完全に持て余している。スコープは碌に見れないし、動く的に対して光の偏差射撃が出来ない。そこらを歩いているお婆さんにやらせた方がましなくらいだ。

 

 これでは、父の職場の訓練の方が余程鍛錬になる。存在しか思い出せない悲しい父だが、僕は父を尊敬していた。父の働く場所をよく見に行ったものだ。

 

「白城、どうだ」

「あ、部隊長」

 

 先輩達の酷さに呆れていると、僕が所属している部隊の隊長────霊力が使える兵士を部下に持つあの時の彼────がやってきた。すぐさま敬礼して、尊敬を示す。

 

「今や君の方が上だろ」

「いやいや、権力や威厳は全くですから、敬うのは当然ですよ」

 

今の僕は一介の兵士。八意永琳の従者という立場は今は無く、防衛軍の縦社会に組み込まれた雑兵だ。

 腕を下ろすと、修司はタオルを持ってへばっている先輩達に駆けていった。

 

「どうぞ」

「おう!サンキューな!」

 

「お疲れ様です」

「いつもすまねぇなぁ」

 

「タオルです」

「ふぃー生き返るぅ!」

 

 永琳に許可をもらってからすぐに防衛軍に志願して、永琳の計らいで縁が生まれたこの第六番部隊部隊長、(かつ)史郎(しろう)さんの部隊に編入させてもらった。因縁があるのではと思うかもしれないが、案の定最初はそうだった。常に睨む視線が続き、悪質な行為をされたこともあった。

 だが、彼らの諸々を昇華した僕は、彼らの好む行為や、彼らの機嫌をとる方法を知っており、案外すぐにわだかまりは解けた。今では、この六番隊の若きエースとして皆からの信頼も厚く、その実力は他の部隊も一目置くほどだった。

 

「うへぇ…。やっぱ強過ぎだぜ、修司はよぉ…」

「あはは、ありがとう雄也」

 

僕が痛めつけてしまった屈強な青年、蔵木(くらき)雄也(ゆうや)とは、今ではタメ口で話し合える仲だ。この六番隊の中で一番仲がいい。

 

「半日無傷で息切れ無しって化けもんだろぉ…」

「よく言われるよ」

 

これは本当だ。稀に、他の部隊からスカウト紛いの手合わせを吹っかけられることがあり、その度に修司は無傷で相手を吹っ飛ばす。そして周りから化け物と捨て台詞を吐かれるというパターンを全30部隊中、もう20隊もやっている。防衛軍の中では知らぬ人はいない有名人だ。

 

「それで霊力使ってないっていうからまたなぁ」

 

彼の言うように、僕は霊力を一切使ってない。永琳に調べてもらったところ、霊力は常人を遥かに上回る量を保有していたが、そんなのはお構い無しに、体術だけで全てに対処していた。恐らく、僕が霊力を使う時は、きっと相当の強者とやりあう時だけだろう。

 当然だが、雄也を含め、防衛軍の皆にそんな強い人はいない。部隊長ですら、さっきのように実力に関して僕を敬ってるくらいだ。きっと将軍ですらそうなるだろう。いや、都市は権力がものを言う場所だ。きっと将軍は案外座学に富んでいるだけの人だったりして……有り得そうだから怖い。

 

「おらお前らぁ!さっさと飯に行ってこい!」

「「「「「はい…部隊長…」」」」」

 

 部隊長の檄が飛んでもこの有様。この昼休憩が終われば今度はきつい訓練が待っているのだ。しかし、その“きつい”は、彼らにとっての“きつい”で、僕にとってはそんなに苦ではない。

 

「ご飯食べに行こうか」

「そうだな。今日はカツカレーだ!」

「またお腹壊すよ?」

「心配すんな!俺はカレー如きに遅れをとるような奴じゃねぇ!」

「それは昨日も聞いたよ…」

 

 防衛軍に併設してある食堂に向かってゾンビの群れが列を成して歩を進めていく。その後ろで二人は楽しく談笑しながら目的地へと向かっていった。

 一応、彼も霊力を使う者の端くれ。そこらの兵士よりは断然強く、よって先ほどまでの訓練での疲労もすぐに回復して、ゾンビになるのを回避していた。だからこうして、修司と会話が出来ているのだ。目の前を歩く彼らは、時々漏らす呻き声以外、決して声を出さず、ただ食堂に向かうがためにその脚を前に突き出していた。その光景は、途中で合流した他の部隊が震撼するほど(おぞ)ましいものだったという。

 

 しかし、これが毎日続けば、流石に周りも耐性がつく。今では、その光景を見て合掌していくのが通例となっているようで、ゾンビ一行が通路を通ると、真ん中を空けて左右でお辞儀しながら両手を合わせるという何とも奇異な現象を拝むことが出来る。

 一種の軍の見世物となっていることに失笑を禁じ得ない。

 

「すいません、僕はAセットで」

「俺はカツカレー大盛りだ!」

「はいよっ!」

 

防衛軍兵士は食堂の代金が免除されるので、ここでは気兼ねなく色々と注文することが出来る。だが、残すのはご法度だ。それをしてしまうと、ここの料理長が般若の形相でフライパンを武器に襲いかかってくる。その時ばかりは並の兵士よりも強く、不躾な輩の頭にマンガばりのたんこぶを作っていく。

 

 元気のいい返事と共に厨房へと入っていったアルバイトと青年を見送って、修司は雄也との会話を再開した。

 

「そういえば、もう雄也と会ってから二年が経つんだね」

「おうよ。思えば、あの時から結構月日が経ってるんだな」

「これからの人生を考えると、二年なんてあっという間だろうけどね」

「ははは、違ぇねぇや!」

 

 今、僕の歳は20歳だ。森で目覚めた時は18歳で、あの時から既に二年経っている。心も体も大人に……なれると思っていたのだが…

 

────なんと、寿命というものが無くなっているようなのだ。

 

永琳から説明を受けた時、寿命の話になり、その時に彼女らは不老の存在であることが判明した。彼女らはある程度成長すると、成長がストップして、その姿を維持したまま、老いることなく生きていくらしい。これには穢れというものが関係しているらしいが、その辺はまた今度説明しよう。

 彼女達都市の人間が不老なのは理解出来たので、まぁ、それはいいかなと諦めていたが、永琳達は穢れが無いから寿命が無いらしい。

 

 何が言いたいか分かるだろうか。

 僕が永琳に能力を使った時、知識だけを昇華したのかと思っていた。だが、本当は違う。

 

 僕は、都市の人間の性質そのものも昇華していたのだ。つまり、今の僕には穢れが全く無いので、寿命が無い。それに、“昇華”したので、恐らくだが、常人よりも回復力が高い筈だ。疲労がすぐに癒えるのも、それが関係していると思う。

 最早真っ当な人間でいられなくなってしまったが、何故か拒絶感は無かった。不思議な事に、それを受け入れている自分がいるのだ。

 

「そうだよね……たった二年だよね…」

「どうした?」

 

 寿命という、人間ならば至極当然な概念が頭から抹消されたことで、僕は穴が空いたような空虚な感覚に陥っていた。普通なら考えられないようなことが起こっているこの世界に、自分の常識を押し付けるのはなんともおこがましい行為ではあるのだが、それでも自分と周りとの摩擦を感じることを止めることは出来なかった。

 忘れたくないのだ。自分の元いた世界を、自分という一人の人間を。それを忘れてしまった時、僕は本当の意味で人間ではなくなってしまうだろう。

 

「………」

「お〜い?修司?」

 

 そういえば、これからはどうしていこうか。目標といえば元の世界に帰るという事になるのだが、次元を超えるとか、永琳や僕でも無理そうだ。そもそも、何故この世界に来てしまったのだろうか。しかも、記憶を失っている。記憶の件は転送(?)の反動かもしれないが、元の世界でなにかやらかしたのだろうか。うむ、となると────

 

「おら修司!」

「のわっ!?」

 いきなり頭にチョップをかまされ、修司はその場に蹲った。

「つっ…!」

「もう飯来てるぞ」

 

雄也がそう言うので顔を上げてみると、そこにはホカホカと湯気を立てて美味しそうに鎮座している僕の頼んだ定食があった。

 

「あ、ごめん…」

「先に行ってるぞ」

 

完全に思考がトリップしていた。

 修司は急いでそのお盆を持つと、雄也の向かったテーブル席に座るために振り返った。

 

 だが、そこにはいかにも高級そうな服に身を包んだちょび髭がおり、いかにも大儀そうに目を細めて腕を組んでいた。僕の上から下まで舐めるように見回し、品定めをするかのようにちょび髭を摩った。

 

「おい、そこのお前」

「…はい、何でしょうか」

 

まるでゴミ処理場の掃除を任されたかのような嫌そうな顔をし、周りの兵士達を見渡す。その嫌悪の目線を気付いた周囲は避けるように自分の食事に専念し始めた。それまでこちらをチラチラ見ていた彼らの逃げるような行動から、彼らとこの人との関係性を導き出した。

 

「ツクヨミ様がお呼びだ。すぐに来い」

(あぁ、そういう事か)

 

 こんな下衆、能力で中身なんて知りたくもない。

 永琳が、そろそろツクヨミ様と面会をさせたいと言っていた。僕としても、都市のトップに会える機会があるなら是非ともだ。

 時期が来ればあちらから声が掛かると彼女は言っていたが、まさかその日に呼び出しがくるとはな。

 

(…だが)

 

 お盆を持つ手に力を込め、口角を上げて満面の笑みでその人に言った。

 

「…今すぐですか?」

「愚問だ、すぐに来い。ツクヨミ様もそう言っておられる」

 

さも当然のように上から目線でものを言う。いや、当然だし、彼は僕にとっては上の存在なので何も間違っちゃいないのだが、それでもこれはちょっと“クル”ものがあるな。

 

「今からお昼なんですが…」

 

 こう言うと、ちょび髭と周りはとても驚いた顔をし、その後にちょび髭は顔を真っ赤にして睨んできた。

 

「お前如きに時間を割いてくれるとツクヨミ様は仰っておられるのだぞ!そんなゴミ、後からいくらでも食えるだろ!いいからさっさと来い!」

 

 僕は内心、この男に対するイラつきに身を焦がれながら、盆を持っている腕を掴もうと伸ばしている彼の手を見ていた。だが、盆が床に落ちる事はなく、男の腕はその数倍は太そうな料理長の腕によって掴まれていた。

 

「貴様、何をする!」

「俺の料理がゴミだと?」

「離さんか!下っ端め!」

 彼の右手には例の如くフライパンが握られており、左手は今も尚ちょび髭の細い腕を握力で潰さんとばかりにガッチリ握っていた。ちょび髭は権力で威圧してくるが、負けじと料理長はその大きな体躯でそれを跳ね返す。

 己の信念を貫くために権力に楯突くなんて、そうそう出来るもんじゃない。僕は改めて料理長のすごさを実感した。

 

「離さんとお前をクビにしてやるぞ!」

 

さて、そろそろ僕も参加するか。

 お盆をカウンターに置き、笑みを絶やさずに彼に向き直る。

 

 

「撤回しなさい」

「…あ?お前まで何を言っている」

 

 

 一歩踏み込み、ちょび髭に近づく。

 

「撤回しなさい」

「ご、ゴミをゴミと言って何が悪い!」

 

 更に一歩。気持ち悪いほど口角を上げて。

 

「撤回しなさい」

「う…五月蝿い!お前も仕事をクビにするぞ!」

 

 料理長は腕を離し、僕と男との間に空間を作ってくれた。

 そしてもう一歩。

 

「撤回、しなさい」

「だ、誰に向かって口を聞いているのか分かっているのか!?」

 

 目の前に立つ。男の顔面を見下ろして笑顔で威圧する。

 

「撤回しなさい」

「ひっ…お、おい、来るな!」

 

 後ずさる男を追い詰めるように歩を進め、壁まで追いやる。

 

「…………」

「な……何故黙る…」

 

 人の不安を煽るのは簡単だ。既に彼は僕の手中にあると言っていいだろう。後は…命令するだけ…。

 不意に無表情になり、目のハイライトを消す。突然の変化に男は情けない声を上げてへたりこんだ。

 

「…ツクヨミ様に、言っといてくれるかな…」

「ひぃぃぃ…!」

 

完全に怯えきっている。必死に首を縦に振り、浴びせられている殺気に耐えているその様は、さながら怪物を前にした小動物だった。

 

「ご飯を食べてから行く…ってさ」

「うっ…わあぁぁぁぁぁ!!」

 

ちょび髭は威厳のいの字も無くなり、転がるように立ち上がると、お化け屋敷に来た子供のように手足をばたつかせて走り去っていった。

 

「ふぅ…」

 

 撤回させることは出来なかったが、これであいつは暫くトラウマを残すだろう。ふんぞり返っていた分、せいぜい長く苦しめ。

 あいつが走り去っていくと共に、食堂には安息の空気が流れ出した。ある者はいそいそとスプーンを動かし始め、またある者は注文を再開した。そこで怯えていたアルバイトは料理長の言葉で我に返り、せっせと客の注文をとり始めた。

 

(さてと、僕もご飯、食べようかな。あ、そういや、部隊長に今日は午後の訓練休むって言っとかなくちゃ)

 

 僕は周りの空気が戻ったのを確認すると、カウンターに置きっぱなしになっていた定食を手に取った。

 

「…白城さん」

 

声をかけられて振り向くと、料理長が立っていた。

「何ですか?」

「…ありがとうございました。それと、すいませんでした」

 

料理長は元々寡黙な人なので、言葉は少なく、顔のパーツが動かない人だが、とても実直な性格で、曲がったことを決して許さない正義感溢れる人だ。

「いえいえ、僕のせいな部分もありますから、謝るのはこちらの方ですよ」

「…そういうわけには…」

 

僕は手を挙げてその先を制し、これ以上の謝罪を断った。

「食事の場でこんな話、止めましょう?この件はこれでお終い、いいですね?」

「…はい」

 

僕が下手な問答をしたばかりに、料理長の料理が貶されてしまった。言ったのはあいつだとしても、責任は半分僕にある。料理長が謝るのは筋違いというものだろう。寧ろ、彼の行いは賞賛されるべきだ。権力に屈しず、はっきりと自分を突き通す。これほどまでに気骨のある人間はそういないだろう。

 料理長が厨房に戻っていくのを見送って、僕は雄也が座ったテーブルを探した。

 どうやらすぐそこの席に座っていたようだ。僕はそこに早足で向かい、こちらを心配そうに見つめている雄也に笑顔で片手を挙げた。

 

「やぁ、雄也」

「やぁ、じゃねぇよ!あんな事して大丈夫だったのか!?」

 

開口一番そう叫んだ雄也を宥める。

 

「まぁまぁ、僕がやってなかったら雄也がやってたでしょ」

 

実は、僕が割って入ろうとした時、雄也も盆を置いて同じことをしようとした。だが、僕はそれを視線で制し、自分がその役をかって出たのだ。

 

「うっ…ぐうの音も出ねぇ…」

「そういう事さ。…ツクヨミ様を待たせるわけにもいかないし、僕は早く食べちゃうね」

「あ、そうだよ!それ!」

 

カレーを食べるために中途半端に開いた口を閉じて、左手の人差し指をビシッと僕に向ける。ちょっと行儀が悪いので止めて欲しい。

 

「料理に関しては同意するけどよ、なんで昼飯の事まで言ったんだ?飯くらいどうとでもなるだろ」

「あぁ、そんな事…」

 

言葉を遮って食事マナーについて注意しようとしたが、先に彼の質問について答えることにした。

 

「…一言で言うなら………教える為…かな」

 

「はぁ?何をだよ」

素っ頓狂な声を上げた雄也に僕は肩を竦めて、それは秘密さ、と言った。それが腑に落ちないのか、雄也はしつこく食い下がってきたが、僕はそれを華麗にスルーして、パクパクと定食を胃の中へと入れていった。

 

 

〜約30分経過〜

 

 

 たとえあんな大口を叩いたからと言って、決してツクヨミ様をわざと待たせていいということにはならない。なので、掻き込むようにして定食を食べ終えた修司は、早々に盆を回収棚に戻し、ご馳走様と言ってから、そのまま携帯端末で永琳にツクヨミ様の所に行くと伝えた。

 

 廊下を走っていると、丁度そこに曾さんが居たので、曾さんにもツクヨミ様の件の事を言い、午後は休む旨を伝えた。

 

「おう、いいぞ、行ってこい」

「ありがとうございます」

 

彼からはすんなりと了承されたが、永琳からは…

 

ピピピッ…

 

(うわっ…まただ…)

 

 現在、彼女からのメールが10件以上溜まっている。これらは全て内容が一緒なので見る必要はない。なので、ストレージを圧迫させないためにも、一々消去しているのだが、消去したものも含めて30件くらい来た時から既に諦めた。

 ただ、音は五月蝿いので、マナーモードにしておく。

 

(心配してくれるのは嬉しいんだけど、これはちょっと過保護過ぎないか?最終的にツクヨミ様の所に直接行くとか書いてあったけど…まさか、本当に来ないよね?)

 

 一抹の不安は残るが、修司は駐車場に停めておいた自分のハイテク自動車に乗り、目的地を、ツクヨミ様の居る施設へと設定した。

 

 

 

 

 

 

 

* * * *

 

 

 

 

 

 

 

 景色が左右に分かれて過ぎ去っていく。それなりのスピードを出して向かったのでもうすぐ、この都市で一番大きい建物の目の前に着くだろう。

 

フォン…

 

 どうやら着いたようだ。腕を頭の後ろで組んで寝ていた僕は、徐ろに窓の外から見える巨大な建造物に目をやる。宙を泳ぐように進んでいた車がゆっくりと地面に着き、アナウンスで目的地に着いた事を知らせる。

 ドアを開けて外に出、車を自動駐車モードにしておく。再び浮き上がって近くの駐車場に向かった車を一瞥して、僕はそこに立っている警備員に事情を伝えた。

 

「待て、確認する」

「どうぞ」

 

二人いる内の一人が確認をしようと警備室の中に入っていき、一人がまた警備に戻る。僕はその間暇になったので、壁に背を預けて永琳に「絶対に来ないで」という旨のメールを送るために端末の電源を入れた。

 

トゥルルルル…

 

 だが、メール画面を開こうとしたところで、突然電話がかかってきた。相手は勿論永琳。狙ってやったとしか言いようがないタイミングを怪訝に思いながらも、丁度いいと、僕は通話ボタンをタッチした。

 

『修司!ツクヨミ様に呼ばれたって本当なの!?』

「うわっ…ちょっと声が大きいよ」

 

思わず耳から離してしまうほどの音量で永琳が叫び、目を閉じて顔を顰める。

 

「それは本当だよ。でも、永琳は来なくていいからね」

『相手は神様なのよ!心配するに決まってるじゃない!』

 

 神と人間の間には絶対的な差があると、彼女は言っていた。神という存在は種族的に人間や妖怪の上にあり、人間は本能で彼らに逆らうのを躊躇うらしい。そんな前提があるのに神と対談したりすれば、あちらの言われるがままにされるのは目に見えている。

 これはツクヨミ様がこの都市のナンバーワンに君臨している所以であるが、きっと彼女自身も、相当にやり手なだろう。他種族に遅れをとるほど神は耄碌(もうろく)した存在ではない筈だ。

 

「大丈夫だよ。いざとなったら能力使うから」

『え?能力でどうにか出来るの?』

「うん。何とかなるよ」

『…本当?』

「本当本当」

 

 制御が出来るようになってから、無闇矢鱈に全てを昇華する事は無くなり、任意で選択したものを自由な量だけ得ることが出来るようになった。これで適当にツクヨミ様の何かを昇華すれば、後は何とかなるだろう。

 だが、完全に制御出来たかと言われれば、まだ出来てない。どうやら能力にはオートとセミオートがあるようで、無意識に何かを修得している場合があるのだ。こればっかりはどうしようもない。

 

『…頑張って』

「勿論。まだ何をするのか伝えられてないけどね」

「おい、確認がとれたぞ」

 

 端末から意識を離すと、そこにはさっきの警備員がいた。

 

「それじゃあ、切るよ」

 

プツン…

 

端末の通話を切り、ポケットに仕舞い込む。

 

「終わったか」

「はい。案内してくれますか?」

「いや、今案内役を呼んだ。すぐに来るだろう」

 

 警備員と暫し談笑していると、言った通り、すぐに案内役が来た。僕はその人に連れられ、天高く聳える建物の中へと入っていった。

 因みに、案内人は食堂で会ったちょび髭じゃなかった。

 

 

 

 

 

 

* * * *

 

 

 

 

 

 

 

 随分と長い時間エレベーターに乗り、僕は案内で最上階の階に来た。建物内の中は他の施設とは一線を画ほど美しく、改めてここがトップのいる建物なのだと実感した。

 

「ここでございます」

「ありがとうございます」

 

 とある一室に案内され、彼がドアを開けてくれたことに感謝の意に示して、僕は中に入った。

 

「それでは、私はこれで…」

 

パタンという軽い音がして、案内役の彼はドアを閉めて、自分の持ち場に戻っていった。

 僕は部屋を見渡してみた。

 低いテーブルが一つ、対面するようにソファが二つ。適当な家具に、神々しいまでに装飾が施された花瓶と活けられた花々。そしてその階数の高さを誇示するように一面鏡張りにされた壁。さしずめ応接室だろう。神というくらいだから玉座なんて大層なものを用意しているのかと思ったが、案外普通な感じだな。

 

(取り敢えず座っとくか)

 

 ドアから遠い方の客用ソファに腰掛け、膝上に肘を置いて手を組む。前傾姿勢から顔を上げて、まだ見ぬ神を想像してもう片方のソファを睨む。

 

 

 

 

 そのまま30分程したところで、不意にドアが開かれた。ノック無しで入ってくるところがまた神らしい。

 

「おや、もう来ていたのか」

「知らせが入っていた筈ですが?」

 

 そこには、いかにも神という感じの雰囲気を出した大人の女性がいた。その威厳と存在に恥じぬ風貌と気配を兼ね備えた彼女は、わざとそう言って挑発してきたが、それに当たり障りの無い返答で取り敢えず返しておく。

 薄らと分かるように力を纏い、こちらを脅してくる。これが神力というものか、この感覚、覚えておこう。

 

 さて、わざと分かるように神力を纏っているということは、早速僕を潰しに来たということだ。それも物理的ではなく、精神的に。

 改めて気を引き締めなければ。ここからはいつ呑まれてもおかしくない状況だ。相手の一挙手一投足に細心の注意を配り、表情、仕草、声音から、心理学に基づいて相手の心を読む。少しでもこちらが有利になる要素はフル活用し、籠絡(ろうらく)されるのだけは阻止する。

 

「すまんな、暫し用事に駆り出されてな」

「そうですか、なら仕方ありませんね」

 

 ここまでは社交辞令だ。こんなので心を乱されてはこの先どうにもならない。

 

「よっと…悪いな、すぐにお茶でも用意させよう」

「それはありがとうございます。なにせここまで走ってきましたので、喉が乾きまして…」

「下っ端というのは努力が欠かせないのか、研鑽ご苦労」

「なんと、ツクヨミ様に労いの言葉をかけてもらうなど恐悦至極。その優しさ、心に染みました」

 

 牽制のし合い。言外に色々と刺を含ませて互いを斬りあう。互いに笑みを浮かべて、僕は反対に座ったツクヨミ様を見る。

 

「そういえば、まだ自己紹介をしていなかったな。私は、知っての通りツクヨミ。この都市を治めている神だ」

「お噂はかねがね…。僕の名前は白城修司です。…と言っても、都市を管理しているあなた様ならば、とうの昔に知っておられるでしょうが。八意様の従者をしております」

「それと兼ねて防衛軍の兵士も務めているらしいな。毎日大変なのではないか?」

「ご心配にお呼びません。僕はたかが一介の兵士、毎日の訓練以外に、特にこれといった仕事もありませんので、そんなに辛くはありません。ツクヨミ様こそ、日々の激務、お疲れ様でございます」

 

基本は相手の挑発を活かして切り返すのが定石となるだろう。こちらから打って出ると、どんな反撃を喰らうか分かったもんじゃない。先手を取らなければいけない場面のみに迅速に対応すればいいのだ。

 

「ありがとう。…おい、お茶を持ってこい」

「…はい、ツクヨミ様」

 

 ドアの裏に隠れていたと思われる彼女の側近らしき人物が応答し、小さな足音が遠ざかっていくのが分かった。

 さてと…とツクヨミ様が漏らしたのを聞き逃さず、僕は彼女の目を真っ向から見つめ返す。本題を切り出す前に、まずは相手の力量を測らなければいけない。それはあちらも同じようで、瞳の奥の探るような光に臆することなく、こちらも同等のそれを返す。

 

「………お前、本当にただの兵士か?」

「勿論です。僕なんかがこの場に居れるなんて、なんて僕は幸福者なんでしょうか。しかも目の前にツクヨミ様がおられるなんて」

「ぬかせ。お前の事は八意から聞いている。さっさと化けの皮を剥げ、狐が」

 

 大袈裟に感激したふりをして様子を見てみたが、どうやら彼女はそんなに上っ面の会話は好きではないらしい。すぐに本当の姿を見せろと言ってきた。

 面倒なのが嫌なだけなのか、それとも、ただ単に僕の芝居が気に入らなかっただけなのか、どちらかは分からないが、これは少しいい傾向だ。

 

「………」

 

 僕はここで黙りを決め込んだ。

 第一、永琳から聞いているという事実が本当かどうか分からない。それに、その“程度”も知れないではないか。永琳が僕の事を洗いざらい話しているとは想像し難いが、もし教えているとしても、それは本当に少しの部分だけだろう。そこまで嫌われてはいないと思う。

 

「黙る…か。それも選択肢の一つだな」

 

ツクヨミ様は面白そうな目をして僕を見る。

 

「一言くらい言ったらどうだ?」

「…では一言」

 

表情は微笑。ここで一言口を開く。

 

 

 

 

「狐ではなく、そこは猫ではありませんか?」

 

 

 

 

「………は?」

 化けているという点では狐という表現は賛成だが、この場合、猫をかぶっているという方が近い表現なので、剥がすとなればそれは猫が妥当だろう。

 何故今こんな時に洒落を言ったかというと…

 

「……ふふふ…」

 

 こういう人は大体…

 

 

 

 

 

 

「────あははははははは!!!」

 

 

 

 

 

 

 こんな性格なのである。ここまでの会話と彼女の立場から、彼女の性格を予測し、怒られない程度に仕掛けてみたのだが、案外上手くいった。

 つまりは、面白い奴だと思わせればいいのだ。底の知れない不明な存在とは思わせず、興に乗らせてくれる楽しい人だと思わせる。

 簡単な事だ。臆せず、緊張せず、まるで神をそこらの友人と同じようにして接するその胆力を見せつければいい。

 

「神に屈しず、それでいて洒落の効いた事を吐けるとは、何とも面白い奴だな、お前は」

「これくらい当たり前ですよ」

 

そうかそうかと含み笑いをするツクヨミ様。神にここまで話せる人は少ない筈。神力に当てられて少しふらつくが、外面には出さずに耐えている。後は彼女の用件を聞いて、さっさと帰ろう。

 

「…少々遊びが過ぎたな、早速本題に入ろう」

「今日は何用で僕を呼んだのですか?」

 

「ツクヨミ様、お茶をお持ち致しました」ガチャ…

 

 ここで先の側近さんが帰ってきた。ここの人はノックはしないのだろうか。急須と湯のみを二つ盆に乗せ、目の前のテーブルに置く。

「粗茶ですが…」

急須を傾けて、湯のみに緑茶を注いでいく。

 二つ煎れ終わったら、側近さんは早々に退出してしまった。

 

「…うむ、まずは一杯飲んでからにしようか。走ってきたのだろう?」

「あ、はい。頂きます」

 

 嘘を嫌味で返されたが、それを言うわけにもいかず、僕は素直に緑茶を飲んだ。

 

「あ、美味しい」

「だろう?私の側近が淹れるお茶は格別なのだよ」

 

これは学ぶ必要があるな。能力を使ってお茶の情報を昇華しておこう。

 

 

 

 

 この時、僕は気付けなかった。知らぬ内に能力の制御が緩んでしまい、ツクヨミ様の何かを昇華していた事に。だが、それに気付くのは何億年も後の事である。

 

 

 

 

 ツクヨミ様は存外注意するべき人物ではないかもしれない。言葉の端々まで配慮を怠らなければ普通に会話出来るようだし、脅しで纏っていた神力も今は通常時まで下がっている。依然として従いそうになる神々しさは健在だが、それは神としての性質そのものなので仕方がない。というか、僕がそれに耐えれている事が少し驚きだ。

 それにしても、神…か。想像上の存在だと思っていたのに、今、それが目の前にいる。この世界と僕が元いた世界を比べてみると、やはりここは相当にファンタジーだな。

 でも、ファンタジーなら、他に都市があってもいい気がする。何故ここだけしか人間がいないのだろうか。何故妖怪なるものが全ての土地を跋扈しているのだろうか。

 色々と謎は尽きないが、今は一番の有力候補(永琳)がいるので、そんなに気にしていない。

 このまま過ごせば、きっと彼女を信じれる日が…

 

「さて、お茶なんかに時間を使ってられんな」

 

 おっと、今はツクヨミ様に集中しなくちゃ。彼女の声に反応して、僕は彼女と視線を交差させる。

 そこで僕は悟った。

 

 

 

 

「────単刀直入に言おう、白城修司、お前は何者だ?」

 

 

 

 

 ツクヨミという神が、一筋縄じゃいかない相手であることを。

 

 

 

 

 

 

 

* * * *

 

 

 

 

 

 

 

 彼女は、永琳と同じ質問を僕に浴びせた。しかし、今度はその意味が少し違うように感じる。それは、種族そのものを問うような永琳の質問とは違い、“存在”を問う雰囲気だった。

 

「何者…と言われましても…」

「妖怪と渡り合えるだけのただの人間…と言うのか?」

 

そこは永琳から聞いていたのか。どこまで知っているかは知らないが、下手に喋って墓穴を掘るのだけは勘弁だ。

 

 甘く見ていた。相手のガードを砕いたと思って、完全に油断していた。お蔭ですっかり心を乱されてしまい、咄嗟に何を言ってしまうか分からない状況に陥ってしまった。やはり年季が違う。相手は恐らく何千年も生きている神だ。他種族の頂点に座り、階段下の僕達を見下ろす種族。

 たかが20歳の青二才に相手が務まる奴じゃない。結局、僕如きでは崩せなかったのだ。

 

「…あなた様には…どう見えますか?」

 

 だが、こちらから崩せないなら、あちらから崩れてもらえばいいだけだ。そんなに簡単にボロを出すとも思えないが、こっちが馬鹿をやるよりはましだ。

 

「ふむ…どう見えるか…と。言っていいのか?」

「勿論です。僕自身も、今の僕の素性が知れないので、第三者の、それも神様からのご意見を聞けるならば」

 

(へりくだ)って、さり気なく僕が何も知らない事をアピールする。こうすれば先に僕の意見を求められることも無くなり、あちらを立てているので無返答は許されない。

 

 だが、少し余裕ができた心も、すぐに驚愕で染まることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前、妖怪に“なる”ぞ?」

 

 





 まだ腹の探り合いの描写が苦手な作者ですw。

 段々と性格に影が差していく修司。能力と胸中に渦巻く黒い『ナニカ』。これらがこれからどのように形を変えていくのか、乞うご期待下さい。

 今回は修司の軍での一日と、彼の中にある黒い部分、そしてやっとの思いで書き上げたツクヨミ様との対話です。ツクヨミ様との会話はもう少し続きます。
 序章の行き着く先は既に決まっているのですが、原作を知っている方ならある程度の予測がつくんじゃないでしょうか。そうです、あれですよ。

 まあそんなことは置いといて、やっと物語が進んだって感じがしますw。

 序章は、完結までの布石作りの章という意味合いがあるので、作者としては少々物足りない展開ではあります。展開の進みとフラグの両立を出来るように早く上達したいものです。


 そんではまた次回に!
 

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