今回はエンカウントの話になります。
それでははじまります。
「イラトばあちゃん、こんにちはー。」
ゲームセンターに一人の少女が入ってくる。
「ああ、あんたかい。相変わらず悲しい青春送ってるねえ・・・。」
「良いじゃん、好きでゲーセンしに来てんだからさ。」
「だったらもっと金を起こしな。」
イラトばあちゃんと少女が会話をしている時にインフォが来る。
『ミサさん、こんにちは。本日もガンプラバトルですか?』
「あ、インフォちゃん!うん、そうだよ!」
ミサと呼ばれた少女は元気よくインフォに返事をする。
『ちょうど今初めてご来店されたお客様がガンプラバトルをされていますので、よろしければいていきますか?』
「え、そうなの?じゃあ見てみようかな。一体どんな人がガンプラバトルをしているのかな?」
『はい、何でもガンプラバトルには興味があるものの操作は初めてみたいでした。』
「そうなんだ・・・。ちょっと、その人の今の状況を見せてもらえるかな?」
ミサはインフォに頼むと、少年が操作しているゲーム機に案内された。
側面には操作している人の状況を見ることができるように画面が設置されていた。そしてミサは画面から少年のゲーム状況を見て驚いた。
「え?なにこれ?」
画面に映し出されていたのは、ザクやジオング、初代ガンダムやガンキャノンだった大量の残がいが山のように積み上がりその頂上で少年が操作しているであろうバルバトスがメイスを肩に担いで座っていた。
すると、いきなり警報が鳴り出した。
「この警報ってまさか!?」
「うん?この警報は何でしょうか?」
警報の音に気付いた少年は辺りを見回す。その時に上空からヒョウ柄のガーベラテトラが下りてきた。そして、ガーベラテトラを操作しているであろう相手が少年に話し掛ける。
『おい、お前。この辺じゃ見ないやつだな・・・?俺はタイガーってんだ。この辺でガンプラバトルをするならよう、まずこの俺に挨拶してもらわねえとな!!』
口調からしていかにもチンピラみたいなやつだなと少年は思った。
「そうですか?しかし、僕がガンプラバトルを始めたときにあなたはいなかった。挨拶なら、今はただの山になってしまったガンプラたちで間に合ってますが?」
『ちっ、たしかに来なかったことは悪かったよ!ってかお前どんだけ倒してんだよ!?』
タイガーはガンプラの残がいの山に突っ込みを入れている時に通信が入る。今度は少女の声だった。
『もしもーし、聞こえる?いきなりごめんねー。今乱入してきたのは初心者狩りが趣味みたい質の悪いチンピラなの。でも、そんなに強くないしガンプラの山を築きあげてる君なら余裕で倒せるかもだよー?』
『お前、邪魔すんなよ!』
『いい加減初心者に絡むのやめなよ?私が相手になるよ?』
『ふざけんなよ、俺は女には手を出さねえよ!!』
「おや、意外にも紳士なのですね?』
『ああ、俺よりも強い女にはな!!』
「・・・その言葉がなかったら紳士だと認めてあげようと思ったのに。」
『うるせえ!!とにかく始めるぞ!!』
タイガーはそういうと同時にマシンガンを少年のバルバトスに目掛けて乱射する。しかし、少年はスラスターを器用に動かし、避けていく。
『この野郎、なめてんじゃねえぞ!』
タイガーのガーベラテトラは大剣を構え少年のバルバトスに突っ込み壁に吹き飛ばす。しかし、少年のバルバトスは瞬時にメイスを構えていたのでそれほどのダメージはなかった。
「・・・なるほど、たしかにこれでは少し分が悪いですね。」
『どうした!もうへばってんのか!?』
タイガーは挑発する。しかし、少年は軽く流して言う。
「いえいえ、ただ少し本気を出そうと思っただけですよ。」
『なにっ!?』
少年はそう言った瞬間、へこんだ壁の中から早い速度でタイガーのガーベラテトラに目掛けて飛んでいき、そして勢いに乗せた状態でメイスを投合する。そして、そのままメイスはタイガーのガーベラテトラの胴体部に突き刺さる。
『な、なんだと!?』
「おや、腹部に刺さりましたね?」
『このっ!ふざけんじゃねえ!!』
「そうでもないですよ?」
タイガーのガーベラテトラは腹部にメイスが刺さった状態で大剣を少年のバルバトスに振り下ろそうとした。しかし、少年のバルバトスは目には見えない速度でをメイスをタイガーのガーベラテトラごと持ち上げ、メイスの先端部の杭を伸ばしタイガーのガーベラテトラの腹部を完全に貫き上下真っ二つにし戦闘不能にする。
『そ、そんな!?うそだろこんなの!!』
残がいと化したタイガーのガーベラテトラを見下ろしながら少年は言う。
「あなたの動きが僕の動きについてこれなかった。ただそれだけのことですよ。」
こうして初めてのガンプラバトルは終了した。
そして、少年はのちにガンプラチームに勧誘されることは今は知る由もなかった。
いかがでしたか?
今回は戦闘描写が単純だったと思いますがよろしければ感想をお願いします。