本当はグレイやストラウス家、カナも書こうと思ったんですが、思いつかなかったので無しになりました。ルーシィとの結婚式とかもアイデアとしてはあったんですが、残念ながらこれも断念しました。
「(歩かなきゃ…前に…)」
ボロボロになった体で、少しずつ前へと進む。月の明かりが照らす中、ただひたすらに進む。
「(ロブおじいちゃんのいた、あのギルドに…)」
まだ幼さの残る少女はあるギルドを目指して歩き続ける。
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「…今回もえらい叱られたなジイさん」
「全くじゃ。どうにかならんかの」
評議院に呼び出しと注意を食らっていたマカロフとジンヤは疲れきった表情でベンチに座っていた。隣にはマスターの友人のヤジマも居た。
「気をつけなよ、マー坊。ワスは弁護スとるがギルドを潰そうって思っとる人は結構おるからな?」
「いつも済まんのうヤン坊」
「すみませんヤジマさん、いつもご迷惑を…」
いつも弁護してくれる彼には気苦労ばかりかけてしまっている。現に今までも彼のおかげで何度か罪を軽くしてもらえている。
「これ以上問題を起こせばそのうち弁護スきれなくなるよ?」
「気をつけます…ほれ、帰ろうぜ」
これ以上問題を起こさないようにどうにかしろと釘をさされ、謝罪をして評議院からギルドに戻る列車に乗った。
「また始末書か。何枚書けばいいのやら…」
「頭が痛いのう。問題児ばかりで困るわい」
「元はと言えばジイさんがちゃんと叱らないからだろ?」
「言うでないわ」
これからどうしようかと頭を抱えつつマグノリアに戻ると人集りが出来ている。しかもカルディア大聖堂の前にだ。
「何事じゃ?」
「ああ…マカロフさん、ジンヤさん、丁度いいところに。実は…」
町長に尋ねると困った表情をしてわかる範囲で話が聞けた。傷だらけの少女が倒れているのを見つけた人が大聖堂にかくまったそうだ。保護をしたものの、その後のことはギルドに任せた方が良いだろうと、こうして2人の帰りを待っていたのだ。
「ひどい傷だな」
「街の者で出来ることはしましたが…」
「そうか、ありがとう。後はワシらでどうにかしよう」
自分たちならちゃんと休ませられるだろう。両者はそう考え、緋色の髪を持つ小柄の少女を担いでギルドの医務室まで戻った。
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目を覚ますと、木組みの天井が見られ、陽の光が窓から入って部屋を照らしている。起きて見回すとそれに気づいたマカロフが近寄って来て、その隣にいるジンヤも誰かを呼んでから側にきた。
「起きたかね。名前は言えるかの?」
「エルザ・スカーレットです」
「
ジンヤの褒め言葉にエルザは少し困った顔をし、そして傷の手当てをしてもらったことに気づいた彼女は感謝を口にしていた。
「ありがとう、お兄さん、お爺ちゃん」
「良い良い。困った者を助けるのがこの街の人々の考えじゃ…当然ワシらもな」
「服にしてもその怪我にしても…何があったんだ?」
「それは…話せない。ただ、死んだロブお爺ちゃんのいたフェアリーテイルを探してて」
彼女の口から出た一つの名前にジンヤも、ロブの親友だったマカロフも目を見開き、肩を震わせる。特にマカロフのショックは大きく、呆然としてしまう。
「ロブ…お主に何があったというのじゃ…」
「ジイさん、気持ちは分かるがこの子をどうするか考えねえと。ロブのジイさんの為にもよ」
「くっ…」
肩を落として震えるマカロフを支え、エルザに顔を向けさせる。
「ロブのことは残念じゃが、今は君のことじゃ。どこでどう知り合ったか分からぬが、君にここに来るように言ってたんじゃな?」
「うん。ここなら安全だって…」
悲しそうな顔を浮かべるエルザに、可哀想になったジンヤは彼女のためにできることはないかとマカロフに耳打ちをする。
「結構深刻そうだぜ。やっぱり俺たちのところで預かった方が良いんじゃねえのか?」
「それは賛成なんじゃが、あの眼の怪我はどうするんじゃ?ワシらのギルドにあれを治せる者が居たかどうか…」
「…あんまり気乗りしねぇが、ポーリュシカに頭を下げるしかねえよ」
マスターもそれにはげっそりしたが、それしか可能性がないと諦めたように肩を下げる。
「エルザ、ワシらは君をこのギルドに迎えよう」
「良かった…」
「そして、明日はワシと共にある場所に行ってもらう」
次の日、新しく買ってあげた服を着せ、マカロフとエルザはロブの旧友の1人、ポーリュシカの元へと向かった。
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治療を施すことに成功し、遂には眼帯を外して帰ってきた。両目で世界を観れるようになってから、彼女はよく笑うようになった。
「ポーリュシカと話をつけるのに難儀したわい」
「まあ良いじゃねえか。いい笑顔を見せてくれてるぜ」
グレイやカナといった比較的年齢の近い子達が周りにいることも大きいのだろう。
「またギルドが賑やかになったな」
「…そうなのかもな。ふふ、ロブめ、良い子に育てたようじゃのう」
後に
なんだかんだで番外編まで来れました。あとは最後まで突っ走るのみです。