FAIRY BEAST   作:ぽおくそてえ

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どうも、ぽおくそてえでやんす。まだ夏休みがあるのでしばらくは週一くらいなら投稿できるかと…
それでは本編どうぞです!


第79話 その輝きは…

「やれやれ、ここまで苦戦するとは…」

「敵逃げちゃったけど良かったの?」

「あのまま追っても勝てないだろう。相手が降りればそれでいい」

 

苦戦しながらも華院=ヒカルを撃退することに成功した2人は体力と魔力切れでその場にへたり込んでしまった。

 

「ウェンディたちを探したいとこだが、いったい何処にいるのやら」

「一旦キャンプまで戻らない?そこに皆いるかもしれないし」

「分かった、そうしよう」

 

他の皆がどうしているのか気になった2人は緊急集合場所のテントへと急ぐことになった。

 

====

 

ルーシィと別れ、1人でメイビスの墓を目指して歩いているのはカナだ。

 

「ここのEルートに初代の墓が…一番乗りで来れた」

 

毎年墓参りに行くジンヤの身体に付いていた花の一片は一時試験場のしかもこのルートに多い。ここに来ればおそらくゴールにたどり着けるだろう。

 

「これで私が合格。私がS級魔導師になれる」

 

自分にとって大時な人に会う為に、伝える為にS級試験を受けて、今回が最後のチャンスだと大きな決意を心に秘めて挑んでいる。

 

「光…もしかして…」

 

ふと横を向くと、穴があいていて、そこから光が漏れ出していた。たどり着いたものを祝福し、迎え入れるかのような暖かい光が…。

 

====

 

「ナツとウェンディがこっちに来てるんだね!」

「うむ。何事もなければシャルルが案内してくれよう」

「回復してくれる人が来てくれるなら安心ね。お兄ちゃんもお姉ちゃんも、エバにガジルまで怪我してるから…」

 

テントには連絡係のリリーと負傷しているメンバー、そしてその看病に当たっているリサーナとレビィがいた。ジンヤたちが捜索に出た後、アズマの襲撃を受け、テントはボロボロになり、負傷者が増えている。雨が降りしきる中で、仲間を待つ。

 

「手負いのマスターも連れてくるはずだ。少し遅れるかもしれん」

「マスターまで。でもこんな時だからこそ皆で力を合わせなきゃ!」

「諦めも大事さ」

「誰!?」

 

森から出てきたのはエルフマンとエバを倒した無限に物を作る『具現のアーク』使い、ラスティローズ。

 

「俺の(カケラ)が叫んでいる。妖精を残らず食い殺せと!」

「(くそ、戦闘モードを維持できるか!?)」

「こんな時に…(私たちはもう戦えるほど力が残ってないわ!早く来てナツ、皆!)」

 

====

 

「そうか、カプリコーンって奴、さっきまで敵だったんだな?」

「なんか操られてたんだって」

「それは大変だったな」

 

2人でフラフラしながらも歩いているとナツとウェンディ、エクシードの3人と大怪我を負っているマスターと鉢合わせた。

 

「ルーシィさん!それにジンヤさんまで!」

「お前ら、ボロボロじゃねえか」

「しょうがねえだろ、二連戦は流石に応えるって」

「そうか。とりあえずキャンプに戻るぞ、話はそれからだ」

 

このまま追撃しても善戦はできないのを二回戦ったことでよく分かった。全快といかなくてもまともに動ける状況になる為にも致し方なく退くことになった。

 

「(しかし、マカロフがやられたとなるとハデス攻略は難しいな…)」

「どうしたんですか?何か考え事でも?」

「ああ、相手のマスターにどうやったら勝てるかをな」

 

ギルド1の実力者であるはずのマスターを一方的に叩きのめしただけあって、そう易々と勝たせてくれるとは思えない。しかもこちらは戦力が少ない上に傷だらけだ。

 

「どんなに不利でも俺たちは諦めねえぞ。仲間に手を出した以上はあいつらを島から出させはしねぇ」

「当たり前よ」

「あいさー!」

「そうだな」

 

一致団結して敵にあたる覚悟を決めて歩いていると、不自然に雨が降っている場所があった。

 

「誰か居るぞ?」

「な、なにこの魔力…」

「肌がビリビリするよ…」

「また敵か、クソッタレ!(急がねえといけねえのに!仙法『獅子奮迅』!)」

 

目の前を歩いているだけで重くのしかかり、肌を突き刺すような痛みを感じる。

 

「今日は飛べるかなぁ…いや飛べねえなぁ」

「何を言ってんだ、お前」

「テメェらくれえのガキじゃ足りねぇんだ…堕ちろ」

 

グリモアの副司令、ブルーノートが手を下に降ろした瞬間、前触れもなく重力がズドンとかかり、地面が陥没してそこにいた全員が押しつぶされた。

 

「うあああ!」

「きゃあああ!」

「じゅ、重力魔法か…(範囲が広すぎだろ!?)」

 

あまりに強力な圧力に立ち上がるどころか腕をあげるのさえ一苦労だ。そんなフェアリーテイルのメンバーを見下ろしながらポツリポツリと喋る。

 

「俺は正直、フェアリーテイルの連中にもゼレフにも興味ねえんだよ。一つだけ、欲しいものがこの島にある」

「ぐっ…もしや、アレを!?」

「ああ、テメェの予想通りだろうよ。フェアリーテイル初代の墓はどこにある?」

 

====

 

「これで私もやっとお父さんに、会える!」

 

皆がピンチを迎えている頃、メイビスの墓にたどり着いたカナの目の前では墓が光り輝いていた。

 

「な、何よこれ…」

 

その墓の隣ではもう一つの墓がある男を待っているかのように淡く光が灯っていた。

 

「お墓が…光っている?」




次80話ですね。いやぁ長かった…

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