というわけで、特別何かやるわけではありませんが今回は早めに投稿します!本編どうぞです!
八眷属の1人を倒し、散り散りの仲間を探す為に再び森を駆け、木々を飛び回る。
「思ったより時間を食ってしまったな」
『他の奴らが戦っててもおかしくないぞ!』
「だから走ってんだろうが!(間に合えよ)」
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悟空とユマが雌雄を決している頃、八眷属のゾルディオ(カプリコ)がロキの手によって倒された。カプリコに憑依していた男が消滅したことでルーシィの元には新しい星霊が仲間になっていた。
「ねぇ、ここから別れない?八眷属ってやつ、手分けして探した方がいい気がするの」
「敵が居るんでしょ?私やだよ1人になるなんて〜」
「こういう時は纏まって動くもんだろ。さっきのヤギ男みたいなのがいつ出てくるとも分からねえだろ」
「それでもよ。早く試験を再開させるにはこれが最善。それとも1人で動くのが怖いって訳?」
「…分かった。気をつけろよ」
そんな中、カプリコと戦っていたロキを除いたカナ、ルーシィ、そしてグレイの3人で行動していたが、カナの提案で別れることになった。
「ルーシィ、悪いんだけど私たちも別行動よ」
「そんな〜!1人なんて無理だよう!」
「そう言わずにさ。それに、いざって時には私が作ったこのカードがあんたの助けになるから」
そう言って一枚のカードを懐から出し、ルーシィに手渡した。
「何これ?」
「ルーシィに何か危険が迫った時に私の持ってるもう片方のカードに知らせてくれる特注品さ」
「うう、これ嬉しいけど、できれば2人で行動したいな」
「ごめんね、でも試験再開のためだからさ」
そう言って驚き惚けてポツネンとしているルーシィを置いて、カナは走り去っていく。そんなルーシィの近くでは草むらがガサガサと動き、思わず鍵に手を伸ばしてしまう。
「…誰!?」
「俺だよ。そう構えんなって」
背後の草むらから現れた味方のジンヤに安堵のため息を吐いた。
「そういえばカナはどうした?さっきまでそこにいた気がしたんだが…」
「どっかに行っちゃった」
「俺が言えた義理でもないがこういう時は団体行動が基本だろうに」
「タイミングばっちりだよ。来てくれなかったら1人だったし」
「何考えてんだか、こりゃあ不合格だわ」
カナの自分勝手な行動には只々呆れかえってしまい、頭を抱えてしまう。試験前に伝えた“協力”を放棄した彼女には厳しく当たらざるを得ない。
「信号弾見てるだろうから知ってるとは思うがグリモアの連中が攻めてきてる。さっき1人敵将を片付けてきたところでね」
「やっぱりそうなんだ。早くカナを探さなきゃ…」
「まだそう遠くには行ってねえんだろ?それじゃあ、そう難しくない。で、どっちに行ったんだ?」
不安を口にするルーシィを諭し、カナが走り去った方向に向かって歩き始めた。
「それにしても一次試験突破、頑張ったな。相手誰だったんだ?」
「フリードとビッグスロー。ギリギリだったけど、なんとかね」
「ほう、あの2人か。流石だね」
「私もカナも、ファンタジアの時より強くなってるんだもん!」
「ははは、こりゃあ頼りになりそうだ!」
2人で仲良く話しているとまたしても草むらが揺れ、そこから出てきたのは2メートルはあろうかという華院=ヒカルだった。
「敵でありますか。め、面倒でありますな…ウーウェイ…」
「こいつ誰?なんかふざけた感じがするけど…」
「敵を見た目で判断するなよ。こいつもさっきのユマと同じような嫌な魔力持ちだ」
「ユマを倒したとならば、敵で間違いなさそうで……それじゃあ始めようか。我が魔法、『丑の刻参り』をとくと味わえ」
そう言って懐から取り出したのは『呪』の一文字が書いてある小さな人形だった。
「人形?あれでどうするのかしら?」
「東洋の魔法に確か似たもので藁人形なるものがあった気がする。そいつは釘を使っていたが…」
「なかなかの知識量っすね。自分のこの人形『ノーロさん』は髪の毛をつけると色々と操れるっす」
「「喋って良かったの、それ?」」
今まで会ってきた敵で戦う前に能力を話した人間はヒカルが初めてだった。その失態に初めて気づいたのか、大袈裟なまでに驚き、ルーシィとジンヤはその間抜けさにかなり呆れていた。
「まあいい、始めようか。ルーシィ、2人で協力して倒すぞ。俺は前、お前は後ろだ」
「うん、了解!」
2人の久しぶりの共闘が始まった。
カプリコとザンクロウは犠牲になったのだ…というわけで、ザンクロウ戦とカプリコ戦を飛ばして華院=ヒカル戦です。