試験の部分はかなりサクッと終わらせました。
「よく来たなレビィ、そしてガジル」
「私、運なさすぎでしょ…」
「俺としちゃあラッキーなんだよな。ギヒッ!」
ガジルは『強い奴と戦える』という目的が達成されようとしているだけあって気持ちが昂りつつあったが、隣のレビィはげんなりしていた。
「長々と話すのもガラじゃないんでね。始めようか」
「テメェを倒して先に進んでやる!」
「なんかすごいやる気…私帰りたい」
涙目のレビィを横目に先に動いたのはガジルだ。
「鉄竜棍!」
「(キレがあるな。ファンタジアで共闘した時より動けてるじゃねぇか)」
「オラオラァ!」
「だが…まだまだ甘い!せいりゃあ!」
連撃の隙を突き、崩撃を繰り出して思い切り吹き飛ばした。
「ファイア!」
「うぉっ!」
「鉄竜剣!」
「危ねぇ!」
ガジルの特攻でようやく吹っ切れたのか、間髪入れずにレビィの攻撃が襲いかかる。復活したガジルと連携をとり、少しずつ追い込んでいく。
「やるじゃあねぇか」
「よく言うぜ!」
「速いよぉ〜」
「伊達にS級を十数年もやってないんでな…『センザンコウ』!」
しかし、後一歩というところが出ない。獣の能力を惜しまず使い、上手く避けていってしまう。何発か当たったが、頑丈な外殻を前に対してダメージを与えられずにいた。
「クソッタレ、まともに当たりやしねぇ!」
「悪いことは言わない、諦めて…」
「まだ諦めないよ!」
最初は弱音を吐いていたレビィだったが、その目には道を拓こうとする本気の眼に変わっていた。
「一つ提案だ」
「な、何?」
「本気の一発を撃て。それで合否を決める」
「勝たなきゃいけねぇんじゃなかったのか?」
「そんなもんこっちの裁量でどうにでもなる。来い悟空!」
相棒となって久しい如意棒を構え、2人の出方を伺う。
「鉄竜の咆哮!!」
「吹っ飛ばして!ウィンド!」
「(ユニゾンレイド!?)『金剛如意』!」
両者の力がぶつかり、轟音が鳴り響いた。あまりの振動に島中の鳥たちが一斉に飛び去っていく。
「ぶっ倒れろぉ!」
「いっけぇ!」
2人の全力の攻撃に少し押されていく。意志の強さが個の強さに勝ろうと、先に進もうとしているのが分かる。
「(個の力もさながら、仲間との絆もか。楽しませてもらえたな!)これで最後だ、奥義『三宝親和』!」
========
「ま、参りました」
「倒せなかったか…」
「2人とも合格だ、先に進め」
「いいの?」
「試験官がOK出してんだ、当たり前だろ」
久しぶりに良いものを見たと言い、先に進むためのゲートを開けた。
「二次試験はマスターが直々に見る、厳しい試験になるだろう。覚悟は出来てるか?」
「「望むところ!」」
「お前達なら出来る、頑張れよ」
晴々とした表情の2人を見送り、休憩地のテントに向かった。
一次試験合格者が集まる場所には今回五組が集まっていた。カナ、レビィ、エルフマン、グレイ、そしてナツが合格して二次試験に挑もうとしていた。
「今回は結構突破したみたいじゃな。それではこれから二次試験を始める、準備は良いな?」
「「「「「押忍!」」」」」
第二の試練への幕が切って落とされた。
11年休みなく連載した真島先生は凄いの一言に尽きますね。