FAIRY BEAST   作:ぽおくそてえ

69 / 99
どうも、ぽおくそてえです。今回から島での試験開始です。

それでは本編どうぞです。


第68話 選択した道

「暑い…鎧だときついな」

「海流の影響なんだっけか?」

「とりあえず、ルートに別れようぜ。ここより中の方が涼しいだろ」

「そうね、そうしましょうか」

 

試験当日、皆より先に島に辿り着いたS級4人は8つに別れたルートのどこか4つで待つことになった。

 

「“運のいい”奴が誰なのか、面白そうだな」

『楽しんでおるな、ジンヤ。そんなに奴らと戦うのが良いのか?』

「ああ。この一年でどれだけ成長したか、正面から確かめるいい機会だ」

『ふっ、それもそうじゃな』

「さてと、誰が来るかねぇ」

 

まだ見ぬ挑戦者に想いを馳せ、気分を高揚させていた。

 

======

 

「見えてきたぞ!」

「あれが天狼島!?」

「すげえ形だな。島の上に島がくっついてるような…」

「うぷっ、まだ…か…?」

「ナツ、もうすぐだよ」

 

島の近くで待機している船には選ばれた8人とそのパートナー、そしてマスターが乗っていた。

 

「あの島にはかつて妖精が住んでいたと言われている。そして初代マスター、メイビス・ヴァーミリオンの眠る地じゃ」

「そんな場所で試験をやるのか…」

「これより一次試験の内容を発表する。まずはあそこの煙が立ってる島の岸に行ってもらう」

 

少し離れたところには白い煙が一本、ゆらりと立ち昇っていた。

 

「あそこまで行った後、8つの通路のうち1つ選ぶんじゃ。ただし、1つの道につき1組しか選べん。そこを突破すれば合格とする」

 

地図を出すとそこには闘の文字と激闘の文字が浮かんでいた。その2つの違いが何なのか疑問に持つ者もいる。

 

「なぁ、そこに書いてある“闘”と“激闘”の違いってなんだ?」

「よく気づいた。この“闘”は別々に入ったメンバー同士で“闘”ってもらう。もう1つの“激闘”はS級魔導師とぶつかる最難関ルートという訳じゃ」

「邪魔をするってそういうことか。納得したぜ」

「この一次試験の目的は“武力”、そして“運”!」

 

その運という言葉に“そんなのありか”と言わんばかりに口をあんぐりと開けてしまう。

 

「さあ始めい!試験開始じゃ!」

 

そんな彼らを見てニヤリとほくそ笑みつつ、試験開始を伝える号令が下された。

 

=====

 

一方、島の方にも試験開始を伝える笛の音が聞こえてきた。

 

「……俺たちの出番って訳か。来い、挑戦者!」

「ふふふ、楽しみだ」

「誰が来るかしら?」

「久しぶりだな。胸が踊るぜ」

 

既に来ているS級魔導師4人も挑んでくるであろうペアが、いつ来るのかと待ち遠しく思っている。

 

「…一組目、来たか」

『ふむ、この声は雷神衆の男の方2人じゃな』

 

ジンヤの発達した耳には最初に来た2人を既に捉えていた。

 

「それにしても2組目と少し時間差があるな。術式でも使ったか…っと3組目も来たな」

 

外で水を弾き、砂を蹴る音が聞こえる。そのうちの1つがだんだんと近づきつつあった。手の届きそうな距離まで近づいてきたのはー。

 

=====

 

「すごい…魔力が溢れてる」

「大地からプレッシャーを感じる…」

 

島にやってきたのは2組目、レビィとガジルだ。フリードの作った術式をいち早く潜り抜けてやってきたのだ。

 

「どこのルートにする?」

「じゃあFで行くぞ」

「なんか理由でも?」

「直感だ」

 

ルートFを選んだ2人は薄暗い洞窟を抜けていく。少ししたところで洞窟が開け、明るくなってきた。

 

「あっ!道が開けてきた!」

「さあ誰と戦えるんだ?」

「…俺だ」

 

そこに居たのは難関S級魔導師の1人、獣人のジンヤ。レビィからしてみれば一番当たりたくなかったパターンだ。

 

「ええ!?」

「へっ、まさかテメェと殺りあえるたぁな」

「運がなかったな、お前ら。今回は俺が試験官を務めてやる」

 

果たして2人は無事突破できるのか!




はい、というわけでレビィ・ガジルペアと戦うことになります。
本格的に戦いを書くかはまだ未定です、はい。
S級が4人いる関係で“静”ルートは無しです

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。