それでは本編どうぞ!
「開け、白羊宮の扉・アリエス!彫刻具座の扉・カエルム!」
「二体同時召喚か。面倒な」
星霊魔導師が二体同時に召喚するとなるとかなりの魔力を消費するが、その代わりに強力な星霊を同時に呼べる。そうなれば苦戦するのは必須である。
「アリエス、やりなさい!」
「は、はい!ウールボム!」
「(こいつの相手をしたら時間をくうし、傷つけたらルーシィにどやされそうだ。それなら、本体をっ!)歩法・千鳥足…」
ジンヤは目を伏せて全身の力を抜き、酔っ払いのように歩き始めた。酒を飲んでいないのに不規則に、そしておぼつかない足取りで動いているにも関わらず、小さな穴に糸を一発で通すような正確さで攻撃を避ける様にエンジェルは焦りを感じる。
「このっ!アリエス、消えてろ!」
「焦りは禁物だぁ。勝てるもんも勝てなくなるぞ?」
「なんだその動きは!?キモいゾ!」
「キモいはねぇだろ。ま、それどころじゃないがな」
冷静さを失ったエンジェルはやたらめったらにカエルムを振り回したり出鱈目な方向に撃ち始めた。
「失せろ…。星霊を愛せぬ者に星霊魔導師たる資格無し!」
「く、来るな!」
「歯ぁ食いしばれよ。ボルティック・アッパー!」
脳震盪を起こすような衝撃が鳩尾に加えられ、痺れる拳で軽く3メートルは打ち上げられた。
「ったく、どうしてこんなゲスが星霊魔導師になれたんだ?」
気を失い、恐怖と痛み、そして痺れによって痙攣しているエンジェルを放っておき、再び森へと入っていった。
「(邪気が強まっている…。いよいよアレが本性を現すのか!)」
遠くの方を見やると、いつの間にかニルヴァーナの発する光が黒から白になっていた。復活も間近といったところだ。
「先に行かせたのはまずかったかな。ま、悟空もいるし、大丈夫か。さてと…こっちも誰かと合流せにゃいかんな」
鼻が効かないことを思い出したジンヤは目を極限まで遠視の状態にし、上空から探すことにし、高くまで飛んでいると大岩の上に座っていたウェンディたちを見つけて、立ち寄ることにした。
「よお、こんなとこでどうしたんだ?」
「あ、ジンヤさんでしたか。実は…」
「戦う力が低いから避難したのよ」
「なるほどね、そりゃしゃあないな。そんな状況じゃあ誰だってそうする、俺もそうする、多分」
「あ、あはは。それにしても、あの光なんか白くなってません?」
「どうやら完全復活も近いみたいだな…ん?2人とも、離れるぞ!」
「「えっ!?」」
何かが動き始め、それに伴う揺れを感じ、驚く2人を脇に抱えるとかなりのスピードで空へと逃れた。突然のことにウェンディたちはまだ混乱している。
「いきなり何すんのよ!危ないじゃない!」
「あれを見ても同じこと言えるか?」
「えっ?あれって…」
「ああ。あれが…ニルヴァーナの本性だ」
「誰も、止められなかったのね」
超反転魔法『ニルヴァーナ』、覚醒!!
これからニルヴァーナ突入です。
できれば連休中にもう一本いきたいな。
あと、今回出てきた技、参考にしたのは『しびれうなぎ』です。獣言うときながら魚類ですが気にしたら負けです。
そういえば、気になったことが1つ。伝承と噂の違いってなんなんでしょうね?ゲームやってて、気になって…。伝承の中に噂って含まれるんでしょうか?ご存知の方いましたら教えていただければです!