FAIRY BEAST   作:ぽおくそてえ

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はい、今回は一話完結のお出かけ回です。正直こういうの得意じゃないのでたぶん他の人ので似たの見たぞと言われても言い訳できないです。
それではどうぞ(次は六魔将軍編かな?)


第43話 仲間と一緒に出かけよう

マグノリアから少し離れた街まで出かけにきた2人は何をするでもなく、お菓子を食べながらぶらぶらと並んで歩いていた。

 

 

「そうか、親父さんとは和解できたのか」

「うん。あの人とファンタジアの後に会ってね、その時に色々と話したら…なんていうか、歩み寄れた気がしたんだ」

「それでいいさ。話すことで分かることもあるってもんよ(親か…そろそろ亡くなった一族の墓参りでもしていろいろと報告してこなくちゃな)」

 

 

お菓子を食べ終え、ふと大通りに目を移すと青空市場が開かれていて、ファンタジアの余韻が残っていた。

 

 

「ねぇ、ちょっと見たいんだけどいいかな?」

「ああ、いいぜ。買いたいもんがあったら言いな、今日は俺の奢りだ」

「じゃあ…とりあえず本と服とあとは…」

「(多いな。そんなに生活に困ってんのか?)」

 

多めに持ってきた財布の中身が最後まで持つか多少不安になってきたジンヤだった。

 

 

 

服に本、生活雑貨といったものを一通り買い終わった2人は町外れの大きめな公園で休憩をしていた。

 

「ありがとうジンヤ!こんなに買ったの久しぶり!」

「喜んでもらえたようで、なにより」

「ごめんね、高いものばっかり買って。しかもこんなに」

「気にしなくていい。金の使い道がなかったし」

「それでもだよ。15万ジュエルなんて大金なんだし」

「今日は俺の奢りだって言ったじゃん?それにあん時助けてもらったのに比べたら安いもんよ」

 

そうしているうちにお腹が鳴るのが聞こえたので、そろそろ食べようとしたら、タイミング悪く声がかけられた。

 

「あら?誰かと思ったらジンヤちゃんじゃない!女の子と2人なんて羨ましいわ〜」

「こんなとこでデートってか?やるじゃねえか」

「デ、デート!?」

「おん?おお、誰かと思ったらボブにゴールドマインか。そんなんじゃねえよ。で、そっちは定例会帰りか?」

 

振り返ってみるとそこにはブルーペガサスとクワトロケルベロスのマスターたちが立っていた。どうも会議の合間に寄っていたら偶然見かけたから来たそうだ。ボブとルーシィが話している隙にゴールドマインが2人からジンヤを放していく。

 

「ところで…闇ギルド『オラシオンセイス』って奴ら知ってるか?」

「名前だけならな。そいつらがなんかあったのか?」

「今回の会議で決まったんだが…」

 

彼曰くラミア、ブルーペガサス、フェアリーテイルとケットシェルターの4つのギルドから精鋭を集めての合同作戦だと聞かされた。最近不穏な動きを見せているのでそれを牽制、壊滅させようというものらしい。

 

「ふむ…わかった、ありがとよ。じゃ、今度時間があったら酒でも飲もうや」

「そっちの奢りで頼むぜ。じゃ、俺らはこれで帰るよ」

 

そう言って立ち去ったところで座り直すとぽかんとしたルーシィが座ったまま固まってた。

 

「おい、どうした?なんか変なもんでも食ったか?」

「変なもの食べた、じゃないよ!他のギルドのマスターとなんであんなに仲良いの?」

「まあ仕事の関係でね。連携が取れてる方がいざって時に自分を助けてくれるんだよ。俺はその時に備えての橋渡しって訳」

「へぇ、すごいなぁ。私ももっと頑張んなきゃ」

「ま、無理すんなよ(たまにはこうやってゆっくりする日があってもいいかもな)」

 

気づいたらまたお腹が鳴ったので今度こそ食事にありつけた。

 

「おっ、サンドイッチか。美味しそうだな、いただきますっと」

「どうぞ…どうかな?美味しい?」

「おお、これはなかなか美味いな。わざわざすまんね」

「付き合ってもらったせめてものお礼だよ。たくさんあるからどんどん食べて!」

 

そう言って自分の持ってきたサンドイッチを勧めてきたので気の向くままに食べているとルーシィがすごく言いにくそうに質問してきた。

 

「ねぇ。ジンヤってさ、私のことどう思う?」

「ぶっ!急にどうしたんだよ!」

「ご、ごめん。なんかさ…ジンヤが他の女の子と話してるとモヤモヤして…ちょっと聞きたくなっちゃって」

 

爆弾発言に少し戸惑ったものの、言葉を濁すのは失礼だと思い、真剣に考え、慎重に言葉を紡いだ。

 

「そうだな…。少しおっちょこちょいなところがあるけど、仲間思いだし、優しい。それに一生懸命なところがあるから背中を任せられるし守りたくもなる、ってとこかな」

「なんか聞いてて恥ずかしくなってきたよ」

「ええい、それ以上は言うな!俺も恥ずかしいっての!」

 

そんな会話をしている2人を遠くから見つめている人たちがいた。例に漏れずナツ、グレイ、ハッピーとなぜかエルザとミラもいた。

 

「なんかあそこだけ空気ピンク色になっていないか?」

「でぇきてぇるう」

「こっちが恥ずかしくなって来るわね」

「ジンヤめ、や、やるな」

 

実は2人が出かけた直後に、ギルドに置いてあった悟空がこのことをバラし、ついていくことを提案していたのだ。

 

『なかなか面白いことになっておるのう』

「そうか?なんか飽きてきたぞ」

「おい行くな!こっからどうなるかが楽しいんだろうが、わかってねえな!」

 

静かにつけるべきなのに途中から少しずつ騒がしくなり始め、気づけば2人とも喧嘩をし始め、終いにはジンヤにバレてしまった。

 

「あのなお前ら、聞くのもどうかしてるけどなんで付いてきた?しかもエルザとミラまで…」

「「「「「悟空にそそのかされた」」」」」

『わしが言った。後悔はしてない』

「はぁ〜、お前なぁ」

 

 

 

結局2人きりでのお出かけはみんなと遊ぶ方向に行ってしまった。


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