ではどーぞです!
アルザックと同様に襲ってくる仲間たちを気絶させながら街中を慎重に走っているとギルドの方からエルザがやってくるのが見えた。
「おい、エルザか!石から復活したのか!」
「ジンヤ!?」
聞いてみると昔失った眼を義眼に換えていたことで自分だけ復活できたそうだ。そしてその原因のラクサスと雷神衆、そして同士討ちでギルドメンバーの大半がやられてしまったことを聞いた。
「なるほど、その右眼の義眼が功を奏したと。それに残り人数がミストガンの参戦を含めて五人のみ、か」
「どうやらそのようだ。で、ここからどうする?まずはエバを倒すべきか?」
「だな。人質が解放されたらこのバカな“ゲーム”とやらも破綻だな」
「よし、手分けして探すぞ。ジンヤはあっちを、私はこっちに行こう」
「雷神衆のやつらの目は見るなよ。眼鏡や仮面をとったらなおさらな」
お互いの敵を倒しに街を再び走り出した。
それから数刻した頃、おもちゃ屋の近くの屋根を通りかかったら鼻が嗅いだことのある臭いをとらえた。
「まさかテメェと当たるとはな、ビッグスロー」
「よお、久しぶりじゃねえか。こっちもビックリだ、まさかお前が参加するとはなぁ」
「こちとらうるせえ雷をとめなきゃならんのだわ。邪魔しないでほしいね」
「それはこっちのセリフだ!やっちまいな、ベイビー!」
ビッグスローの近くにいたトーテムポールのようなおもちゃが次々にビームを容赦なく打ち込んでいく。
「おい、街を無闇に壊すなよ。あとで弁償がメンドーだろうが!」
「んなことは知らねぇよ。今を楽しめりゃあいいんだよ」
「そこまで言うなら仕方ない。怪我しても後悔するなよ」
「いってくれるねぇ、でも勝つのは俺だぁ!もっとやっちまいなベイビー達!」
足元にある店からさらに新しいおもちゃを呼び出し、先ほどより苛烈な攻撃を放ってきて、何発か直撃していく。
「おいおい、ずいぶん手荒く攻めてくれんな」
「まだやりたりねぇくらいだぜ、もっと楽しませてくれよ」
「バカは休み休み言え!『鸚鵡返し』!」
「ぬっ、うぉおー!」
身体に蓄積されたダメージをそっくり返すかのような凄まじい衝撃におもちゃが粉々になり、ビッグスローがかなりの勢いで吹き飛ばされていった。
「くっそ、なんつー技だよ。でも無駄だぜ、俺の能力があればいくらでも呼び出せんだからよ〜」
「(確かにこのままじゃジリ貧か)クソが」
「どうやら僕たちの助けが必要みたいだね」
突如背後から聞こえた声に振り返ると見覚えのある顔が2つ、並んでいた。
「久しぶりだね、ジンヤ。これからは星霊として君をサポートしよう」
「大丈夫そうで良かったよ。やっと石から戻ったんだ!」
「ルーシィ、それにロキもか!そうか、そう言うことか!(やったんだな、エルザ!)」
ルーシィが復活したのを見て、エバーグリーンの撃破と石化の解除に成功したと確信を持てた。
「よーし、ここからは3人で行こう!」
「背中は任せて、2人とも」
「なら、時間を稼いでくれ。力を貯める。あいつの目は見るなよ!」
そう言って地面に胡座をかいて瞑想しはじめ、ゆっくりと気を練り上げていく。
「分かった!あの人形は僕が相手する、ルーシィはビッグスローの相手を!」
「うん、任せて!」
腰に巻いていた鞭を手に、ロキとペアでどんどん攻めていく。しかし、新しいおもちゃを投入してくるビッグスローには効果はあまりなく、しかもとっておきの魔眼・フィギュアアイズを投入してきて、2人の視界が封じられ悪戦苦闘を強いられていた。
「くっ、2人がかりなのに!」
「だから言っただろう!勝つのは俺だって」
「…そうかな?もう勝ちは俺の手に来る、これでな!奥義『仙法・獅子奮迅』」
その言葉に反応するかのようにいつかの白獅子髪と隈取りが姿を現した。
「2人は後方支援だ。ロキ、目潰しを…」
「ああ、後は任せたよ…レグルスは満ちた、『獅子光耀』!」
ロキを中心に眩しい光で溢れ、目を開いていたビッグスローは堪りかねて魔眼を閉じた瞬間にルーシィの鞭が彼の首をとらえて動きを封じていた。
「ビッグスロー、お前の敗因はかなりシンプルだ。とてもシンプルな理由だ。『テメェにゃ背中を守る奴がいねえ』」
「それが、なんだってんだ…」
「俺はいる。だから先に進めるし、テメェに勝てる!『獣王激烈掌』!」
「ぐっ、うおぁあー!」
激しい嵐のような一撃を喰らい、派手に吹き飛んだ雷神衆の2人目が遂に倒された。
「…2人ともきてくれて助かった。あいつには攻めあぐねててね」
「僕が来れたのもルーシィのおかげだし、彼女の要望でね」
「余計なことは言わなくていいから。ジンヤ、お礼ならまた後でたっぷりしてもらうから」
「はは、しっかりしたお嬢ちゃんだこと」
ビッグスローvsジンヤ&ルーシィ、勝者ジンヤ&ルーシィ。