FAIRY BEAST   作:ぽおくそてえ

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前に投稿が三月半ばになると言ったな。すまん、あれは嘘だ。
というわけで少し予定より早い投稿になります。なんかwifiが予想以上に飛んでたので出せました!いやはや、良かった良かった。
それでは約1ヶ月ぶりの更新です、どうぞ!


第5章 激動!バトルオブフェアリーテイル編
第36話 新生フェアリーテイル!


「ん?ここはどこだ?(こんな天井覚えてねえぞ?)」

長い眠りから覚めたジンヤは見覚えのない天井をぼやけた意識のなか見つめていた。

「ようやく起きたか。全く、三日間も起きないから心配したぞ?」

「エルザ…お前がいるってことは」

「ああ。無事あの塔から帰還したということだ」

聞いたところでは倒れた直後から塔に溜め込んでいた魔力が暴走し始めて脱出するのにも一苦労したという。結局最後まで下層に残っていたシモン達のお陰で全員死なずに帰ってこれたのだとか。

「…すまないなエルザ。お前、ジェラールのこと好きだったんだろ?それなのに…」

「いや、謝るのは私の方だ。1人で闘うと決めたのに皆を巻き込んでしまったしな」

「くくく、全く変わってないのを見て安心したぜ。で、他の奴らは?」

「それなら…」

ルーシィはこのホテルに帰ってから目が醒めるまでずっと看病をしていて、ついさっき部屋に着替えに行き、ナツとグレイは遊びに行っているという。

「ルーシィ達には後でお礼を言っとくか。そう言えばあの、なんだっけ?ファントムのあの水の子…」

「ジュビアなら帰ったぞ、お前が寝てる間にな。久しぶりに起きた感じはどうだ、この惰眠野郎」

「あ?今なんつった、変態クソ氷!生意気言ってるとその腕、喰い千切るぞ!」

外で遊んでたグレイがナツとハッピー、そして部屋に行っていたルーシィを連れて部屋にやってきていた。

「はいはい、ケンカしないの!それにしても良かったよ、意識取り戻して」

「ルーシィが看病してた時泣いてたんだよ」

「な、何言ってんのよ!ハッピー黙ってて!」

「へぇ、そりゃ嬉しいねぇ。俺のために泣いてくれたのか?」

「からかわないでー!」

仲間と笑うという、いつも通りの光景を取り戻し、明るい雰囲気に包まれていた。

「やはりこのギルドが一番、だな」

エルザの小さな声は明るい笑い声に吸い込まれていった。

 

 

それから数日、エルザの旧友とも別れ、ギルドに戻ってきた。そこにはかつてより大きくなり様変わりしたギルドが建っていた。

「うわぁ!」

「こいつはクールだな」

「新しいフェアリーテイルだぁ!!」

新しく生まれ変わったギルドにはオープンカフェやらグッズショップまで出来ていてナツは言葉が出ないほど驚いていた。中に入ってみるとプールや遊技場まで増設されていた。

「ウェイトレスの服まで変わってるし二階も出入り自由になったんか。(あの服、ジジイの趣味かねぇ?)…おいナツ、なに不貞腐れてんだ?」

「違いすぎて落ちつかねぇ」

「帰ってきたかバカタレども」

不服そうな顰めっ面でいるナツ達の元にやってきたのはメンバーに加わったジュビアを連れたマスターだった。

「本当に入ったなんてな!」

「アカネで世話になったな、あんまり話せなかったけど」

「みなさんよろしくお願いします!頑張ります!」

マスターが彼女の元々いたギルドで多少不安に思っていた部分もあったが、エルザやグレイの口添えで何事もなかったかのように話した。

一緒に戦った仲間と和やかな雰囲気で話していた場所を離れて、ジンヤがやって来たのはネジやボルトの積んであるテーブルの前だった。そこにいたのはかつて争い、敵同士だった鉄竜ことガジルだった。

「よお、ガジル。お前も来てたのか」

「まさかそっちから話しかけてくるとはな、獣人のジンヤ。俺としちゃあ仕事があればどこでも良かったんだが、あの雨女のせいでここに入る羽目になっただけだ。正直何処でも良かったんだよ」

「まあそう言わずに仲良くやってこうや。もう敵じゃねえんだし」

「ほっとけよ、お前と馴れ合うつもりはねぇんだよ!」

喧嘩腰の相手にこれ以上話すとおっかないと離れて元いた場所に戻っていくのだった。そこで待っていたのは一部始終を見ていたルーシィだった。どうも争いごとをしている様に見えたらしい。

「ねぇ、何かされなかった?大丈夫?」

「大丈夫だ、問題ない」

「なら良いけど。あ、そうだ!また仕事に行こう!」

「少し休んだらな(それにしてもなんか、少し嫌な空気を感じる…。こいつは一波乱ありそうだな)」

新しい仲間が増えたことで変わった空気に不穏な流れが見え隠れしはじめていた。




これにて楽園の塔編が終わって新しい章に入ります。そろそろ設定集を更新したいなとか思ってやり始めたんですが、自分の作品をもう一度読み直すって結構恥ずかしいですね(苦笑)。いつも以上に駄文で申し訳ないです。

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