FAIRY BEAST   作:ぽおくそてえ

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新年あけましておめでとうございます。ぽおくそてえです。2017年もどうかよろしくお願いします!
さて、今回は閑話休題の続きからになります。キャラ崩壊とかそういうのが多かったり崩壊しすぎたりしてるかもなので「そういうのいらんっしょ?」という方は早めのブラウザバックをお勧めします!それでも「構わん…続けろ」とおっしゃっていただける方はどうぞ!


第27話 血に染められた宵の月

「これで3種類集まったな。もう1種類集める前に一回通信しておくか」

カダノの森で採取を続けていたジンヤだが、ふと一緒に来ていたルーシィの様子が気になってきた。この森に入ってかれこれ3時間以上連絡も来てないし信号弾も見ていない。緊急時か集め終わってから連絡すると決めているが何かあってからでは遅い。

「あーあー、こちらそろそろ仕事さぼりたいジンヤでーす。応答願いまーす、どうぞ」

『ジンヤ!?ようやく出た!早くこっちに来てよー!なんか盗賊っぽいの来てるし!』

「(何やっているんだ、全く)まさか通信の入れ方わからんわけじゃないだろ?今できているし」

『そうじゃないの!早くー!』

「はぁ。通信できる状態にしとけ、今から行く」

何かと巻き込まれやすいな、などと呆れかえりながらジンヤはルーシィの居場所を逆探知し始めた。

 

 

 

「場所はここらへんだな。さてさて、ルーシィはどこかな?」

安い探知機を片手に動き回ること十数分、ルーシィが持ってるはずの通信機の在処に近づいた。盗賊らしき集団がいたと聞き警戒していたものの、周りには盗賊どころか人っ子一人いないことに違和感を覚えた。少し歩いたらすぐに目的の通信機がつながった状態で見つかったのだ。

「どういうことだ?…ん?」

見渡してると、通信機のあった場所に走り書きでメモが残っているのを見つけた。そこには…

『フェアリーテイルの女はこちらで預かった。明朝までに、森の最奥のツウセン堂に一人で来るのである。 フォックストロット代表キンタオ』

と記されていた。

「なんとも王道な脅迫文だこと。だけどツウセン堂ってどこだ?ユウギリに聞くか!」

手紙となぜか残されていた薬の材料を持ってユウギリの家へと戻っていった。

 

「ルーシィさんが誘拐された!?誰がそんなこと!」

持ち帰った薬を飲ませて窮地を脱したユウギリは突然の誘拐に驚いていた。

「ここに手紙があるんだがよ…フォックストロットなんて聞いたことないしツウセン堂なんて知らないんだけど、ユウギリは知ってるのか?」

「フォックストロットは魔導士の世界でいうと闇ギルドのような存在です。この地域には文字を名前に使った組織が多く存在していて自治連盟を作って治安を守っているのですが、その組織は密輸や恐喝と言った犯罪行為を陰で数年にわたってしていたので連盟から除名処分を受けていたんです。あと、ツウセン堂は医学薬学の神を祀っている本殿です。これが地図ですよ」

「すまんな。にしても何で今回の標的がルーシィなんだ?」

「おそらく大型ギルドのメンバーだからでしょう。フェアリーテイルほど有名なら金が出るかそれなりの対応があるだろうと踏んでのことかと」

「身代金かそれ相応の何か、ねぇ」

外を眺めてみるとすでに日は傾きかけていて、期限の明朝まで時間が迫っていることが一目瞭然だった。ルーシィの体力を考えるとそろそろ救出に出向かなければと思い立ったジンヤは指定場所のツウセン堂に駆けることにした。

 

 

日が沈んでから数刻後、月が顔を出したころにようやくツウセン堂の前にたどり着いた。

「(地図もらって正解だったな…)出てこい、要求どおり一人で来たんだ」

「ほう、期限より早かったな。律儀な男であるとみた。我が名はキンタオ、頂点を目指すものなり」

ツウセン堂の中や周りには見えるだけで50人以上はいた。一番高い玉座のような場所には親玉のキンタオと、縄で縛られているルーシィの姿があった。

「遅いよジンヤ!何やってたのよこの馬鹿!」

「おいおいせっかく早めに来たのにそれはないでしょうよ。そうカッカしてると小じわが増えるぞ?それに空気ぶっ壊れたじゃねえか」

「うう、そんなことどうでもいいから早くしてよ!」

「はぁ…(急いで来なくてもよかったか?)。キンタオ!その子を早く離してもらえないかね?これ以上の面倒ごとは遠慮したいんだ!(しかもうるせえし)」

「交渉するなら見返りが必要だ。だが、どちらにしろ聞くつもりはないのである。我が大志への礎になってもらう。どうしてもというなら『死』あるのみ、ぞ」

キンタオの手が振り下ろされたのを見計らったように一斉に襲いかかってきた。

「そうか、せっかくの機会を無駄にするか。…ならば黄昏に消え去るが良い」

今までにない殺気を放ちながら、一瞬にして沈めていった。

「お前は気絶程度では済まさんぞ、キンタオさんよ」

「訓練を積んだ我が同氏をいとも容易くなぎ倒すか!面白い、貴様とはいい勝負が出来そうである」

「(なにあれ!?あのジンヤがあんな殺気を!私の知らない一面がまだ…)」

内に秘めた殺意をぶつけ合う両者。果たして打ち勝つのはいずれであろうか。




たぶん次かその次で終わると思うので、楽園の塔編ももうすぐです。
深夜のテンションで書いたり編集しているのでおかしいところがあったら優しく教えてくだされ。
なんやかんやで三か月くらい続けることになったのですがまさかここまで行くとは思わなかったです(実は作者、結構飽きっぽいので)。それでは今年も頑張っていこうと思います!
それでは、また次回!

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