さて、もうクリスマスも終わりましたが皆さんどう過ごしました?こっちは家に一日引きこもってました(汗)。外に出たのは犬の散歩くらいでしょうか。
さて、そんなことは置いておき、本編に移りましょう!どぞー!
ルーシィたちが長いこと列車に揺られてたどり着いたのは優しい風が吹くのどかな町である。
「なんか風が暖かいね」
「ここら辺の気候はフィオーレでも穏やかな方だから作物が取れやすいんだと。仕事後の食事が楽しみだ」
「あはは、食べるの好きだね」
「まあな…お、見えて来た!あそこが依頼人の家だ」
そこには小さな丘の上に立つ一軒家があり、町の中央からはかなり離れている。
「静かでいいかもしれんが、遠くに行くには少し不便だな。まあいいや、入ろうぜ」
ドアを開けてみると、そこには待っていたと言わんばかりにお茶と菓子の用意がたくさんされている部屋に依頼人の女性がいた。
「随分遅かったですね?しかも彼女連れとはどうかと思いますよ、ジンヤさん?」
「まさかお前がいるとはな、ユウギリ。」
「か、彼女!?違います!仕事仲間です!ジンヤ、知り合いなの?」
「自己紹介がまだでしたね。今回の件の依頼人で、ジンヤとは古馴染みのユウギリといいます。以後よろしく」
「古馴染みというより腐れ縁の方があってる気がするがな…とりあえず仕事の話をしようか」
「そうですね。お茶でも飲みながら話しましょうか」
せっかく用意したのだからと、促されるままに座ることになり、お互いの自己紹介と説明が始まった。
「…という訳なんです」
一通り、お菓子をつまみながら説明をざっと行った。ここ最近持病の喘息が悪化していて、医療機関を受診したり、治療を行ったりしたが効果が薄かった。最後の頼りである漢方は技術面と材料の希少性から勧められなかった。材料が多くあれば、と言われたが喘息であまり遠くまで出られない自分ではどうしようもないという
「なるほど。まだ持病の喘息が治ってないんだな」
「そうなんです。できれば自分で取りに行きたいんですが…」
「私たちが多めに取ってきますから。その為のギルドなんですし」
「助かります!いつ喘息が悪化するか分からないので」
聞くところによると喘息に効く薬の原料がここの近くだと裏手の森にしかない特殊な物が何種類かあるのだとか。
「お願いできますか?」
「当たり前だ、お前の頼みとなればなおさらな」
「これが今欲しい種類です。全部で8種、できるだけ多く集めてください。よろしくお願いしますね」
写真と特徴、名前といった情報が乗った紙を渡され、一通り目を通したところで出発することになった。
「確かに確認した。それじゃ行くぞルーシィ」
「行ってきます、ユウギリさん!」
「ええ、待ってますよ。お気をつけて!…うっ!ゲホッ、ゴホッ!はあ、はあ…喘息が。今日明日でお願いしますよ…ジンヤさん」
喘息の悪化に伴い、薬が必要になるまでの時間がさし迫っていた。果たしてジンヤ達は間に合うか。
ユウギリ宅・裏手、カダノ森林地帯
「ここにあるんだと。とりあえず手分けて探すか」
「そうしようか。ある程度見つけたらさっきもらった通信機で連絡を取ろう」
「念のためにこの閃光玉と回復錠、信号弾を持っていけ。この森、クマが出てもおかしくないぜ」
「気をつけるよ。じゃあ私はあっち行ってるね」
効率化を考えて、二手に分かれて探すことになった事にさしあたって、ユウギリにもらった資料といくつかのアイテムを渡しておいた。
「さてと、探すか。暗くならないうちに帰りてえ…。ええと何々?麻黄に桂皮、芍薬と半夏?なんだこれ、漢方薬の材料じゃねえか」
よく似た見た目が多いことに気づいたジンヤはこのままでは夕暮れには間に合わないと必死に森の中を進んでいくことにした。
「早く見つかるといいが…」
ジンヤの苦労はまだまだ続く。