今回で一応ファントム編終了です。22話とこの24話の間が抜けてたので入れました。
それでは、本編どうぞ!
ナツたちが騒いでる頃、ルーシィは実家に向かう列車の中にいた。
「(久しぶりだな、あの家も。書き置き残したけど、みんなに黙って来ちゃったから今頃騒いでるかな?)」
小さくため息をつきながら外の景色を眺めた。彼女の心の中と違いだいぶのどかな風景が続いていた。
「(あの人、なんて言うかな?今頃連れ戻そうだなんて考えてることが未だに分からないし)」
列車に揺られながら目的地にゆっくりと向かっていた。
数刻してようやく実家に戻った。ここを飛び出して以来なのに大きな感動を覚えることもなく門をくぐると、ルーシィに気づいた使用人たちに囲まれて大騒ぎになっていて、中には泣きだす人もいた。しばらくすると若い使用人が父親が書斎で呼んでいることを伝えに来た。
「(娘が久しぶりに帰って来たのに書斎に来なさい、か。あの人も変わらないなぁ)」
使用人にせっつかれて着替え終えたルーシィは早速書斎に向かっていき、ドアをノックした後に入っていった。
「来たか、ルーシィ」
「今回はお騒がせして申し訳ありません」
「分かっていれば良い。今回お前を呼んだのはちゃんとした理由があったからだ。何故かわかるな?」
「…」
厳格な雰囲気の中で、答えを聞く前に言葉を続けた。
「お前の婚約が決まったからだ。相手はとある国の皇太子。その国と関係を持てばこの会社を発展することは間違いない。そして男子を産め、跡取りのためにな。良いなルーシィ?…用件は以上だ。下がれ」
「…お父様。勝手に決めないでください」
「なに!?今なんて言った!」
「私は結婚するつもりはありません!」
ルーシィの毅然とした言葉には驚きを隠せない様子であった。
「勘違いしているようですので言わせていただきます。これからは私は自分の生きたいようにします。ママなら、やりたいようにしなさいって言うだろうから。…さようなら、お父さん」
そう言い残して部屋を出ていった。
「やはり…ルーシィはお前の子だな、レイラ。私はなにも分かっていなかったようだ」
父と別れた後、使用人たちに別れを告げて母の墓参りをしに来ていた。
「(余り来れなくてごめんねママ。心配は要らないよ?なんたって今は仲間がいるもん)」
久しぶりに来たのでたくさん話そうと物思いにふけっていたが、突然沈黙を破られることになる。
「ルーシィ!無事かぁ!」
「なにやってんだお前はぁ!」
「ルーシィ〜!!」
「ええー!?なんでいるの!?」
ナツたちの突然の来訪に驚きしかなかった。ハッピーに至っては泣きながら飛び込んでくる始末である。
「いやいや、なんでってお前。いきなりあんな置き手紙あったら誰でも驚くだろうが!」
「で、なにをしに来たのだルーシィ?」
「あー、いや。お墓まいりだよ。ママのね」
「なんだ、俺たちの早とちりかよ。まー、でも良かった良かった。ハッピーなんて泣いてたしな」
「泣いてないもん!」
「(やっぱりフェアリーテイルにいて良かった!私を大切に思ってくれるみんなに会えたんだから)」
ルーシィの無事を確認した一行はのどかな農道を歩いていた。
「それにしても、この街でかくねえか?」
「言われてみたら確かにそうだな。どこらへんまであるんだ?」
「あ、ここら辺全部私の家の庭だよ。あそこの山のあたりまでうちなんだ」
「「「「「はぁ?」」」」」
皆顔を揃えたかのように驚いていた。街一つ入る大きさの庭と言われれば当然だが。
「さりげ自慢来たー!」
「お金持ち来たー!」
「エルザ隊長、ジンヤ伍長!二人ともやられました!」
「空が…青いな」
「なんも言えない…。それしか言葉が見つからない」
「隊長たちもやられたー!」
こんなやりとりがあったとかなんとか。