FAIRY BEAST   作:ぽおくそてえ

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第21話 立ち向かえ、妖精たちよ!

ナツたちが活躍したためか、どことなく魔導巨人の動きがぎこちなくなっている。そんな巨人の頭部ではグレイと三人目のエレメント、雨女こと大海のジュビアと交戦していた。

 

「アイスメイク・ランス!」

「ジュビアの体は水でできているの。だから物理的攻撃は効かないわ、ウォータースライサー!」

「うおっ!?…なんで攻撃だ、周りの壁が切れてやがる」

 

人体から作り出せるとは思えない高速水流に壁や床に断面ができていた。しかもその切れ味は相当なもので、断面に粗がないくらいに綺麗に切れていた。

 

「っと、アイスメイク・バトルアックス!」

 

グレイが新しく作った武器で斬りかかるものの、まるで手応えがなく、水の体を通り抜けるだけだった。

 

「このままじゃ埒があかねえな」

「それなら、ルーシィを連れて来て頂戴。そうすれば私から話して、マスターに退いてもらうこともできるわ。今ならまだ間に合うかも」

「ふざけるなよ、ルーシィは仲間なんだ。絶対に渡さねえぞ、コラ!」

「そう、なのね。そうとなるとあなたを殺すしかなくなったわ」

 

水と氷、似た力を持つもの同士の戦いはまだ続く。

 

====

 

場所は変わってギルド内ではジンヤとアリアの戦いはまだ続いていた。風の魔法を使った遠距離攻撃や、背後を取って奇襲してくるアリアに何発か拳や蹴りを入れて徐々に力を抑え込んで押していく。

 

「いい加減倒れろ、鬱陶しい(まだ隠した力があるのは伏せておきたいな。発揮しきれるかわからんし)」

「ふふ、ふ…ふふふ。それは出来ないな。貴様はここで死ぬことになるからだ。空域『絶』、まずはこの魔法で貴様の魔力、食い尽くしてやる」

 

再び背後に現れ、前の戦いでマカロフに使った魔法でとどめを刺しに来た。

 

「さあ、死に行きなさい」

「相手のことを知らないようだな。知らないなら教えてやる、俺には魔力がほぼ皆無なんだ。だから…」

「ぐふ!どこに、そんな…力が…」

 

アリアの首を掴み取り、力を加え始める。声が出ず、苦しみ、ついには気絶してしまった。

 

「その魔法は意味がないし、効かない」

 

自分以上に体格が大きい相手を絞めたおし、泡を吹いている男を叩きつけるように地面に置いた。

 

「お前には、マスターを倒したと言う武勇伝を抹消してもらう。いいな」

 

聞くことも話すこともできない大男を放っておき、部屋を出て行った。

 

再び屋上

 

「なぜ俺を殺しにかからない?さっきのは噓か?」

「私は、ルーシィを連れて帰ればそれで良い。そ、それに。実は、あなたのことが…そのぉ」

「なんだか雨が激しくなって来たな」

「ジュビア、じれったい!」

 

「まったく、ここまでくると鬱陶しいな、この雨」

 

この一言でトラウマを刺激されてしまったジュビアは激怒してしまい、体を熱湯に変えてしまうくらいだった。

 

「あなたは許さないわ!」

「なんだいきなり!…くそ、温度が高過ぎて魔法が溶けて!」

 

あまりの高温に氷が一瞬にして溶けてしまった。怒りの原因が分からないし、いまいち飲み込めないグレイだったが、ギルドとしての意地にかけて負けられないと全力を出す。

 

「シェラー!」

「負けられるかよ!お前なんかに、ファントムなんかによぉ!!!」

「周りの雨も氷に!?なんて魔力!!?」

「アイスゲイザー!!」

 

グレイの強力な一撃、氷山のような大きな塊で閉じ込め、力を奪うことで沈めることに成功した。

 

「どうよ?落ち着いたか?」

「雨が…あがってる?」

「おー、晴れたか!」

 

ジュビアにとっての初の青空。一生見れないと思ってた青空であった。

 

「で?まだやるか?」

 

なぜかその一言でダウンして幸せそうな顔をしていたと言う。

 

エレメント4、撃破。アビスブレイク消滅、更にファントムギルド崩壊。いよいよ闘いは終局へ!




エレメント4との戦い話終わりです。かなり端折って書いたのは重々承知ですが本編でも結構描写が少なくて困ってました、ハイ。
さて次はマスタージョゼ登場です、お楽しみに!
あ、そういえばアンケート。あれもうそろそろ行いますので!
それではまた次回!

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