FAIRY BEAST   作:ぽおくそてえ

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今回から新章突入であります!
どうもお待たせしました!
長々と書くこともないので本編開始なり!


第3章 決戦!ファントムロード編
第17話 予感


ファントムロードによって壊された建物の地下へと続く階段を全員で降りた。

「ファントムねぇ、あいつら結構えげつないとは聞いているがまさかここまでな…」

「ああ、しかも前々から仲が悪いしな」

「それでもけが人が出なかったことが不幸中の幸いなの。深夜に入ってきたというのがまだよかったのよね」

「なるほどね。おい、じじぃ。約束通り連れ戻したぞ、一人も欠けずにな」

「おお、お疲れさん。ご苦労様じゃったな」

襲撃を受けた割にはなんとものんびり酒を飲んでいたマカロフにエルザやナツが突っかかっていく。

「マスター!けが人がいなかったとはいえギルドを襲撃されているのですよ!?」

「やり返えさねえと気が済まねえよ!!」

「落ち着かんか、そうして何になる。建物くらいなら、まだいくらでも替えがきくじゃろ」

「それに相手とこちらじゃ、戦力は拮抗している。ギルド間抗争禁止条約に触れるし、やれてもお互い弱体化するし、あんまり熱くなって反撃しないこったな。いいなテメエラ!」

ジンヤのドスの利いた一声で萎縮しきってしまい、周りも完全に黙りきってしまった。

「で?次“ちょっかい”かけてきたら、どうする?あいつらがこのまま黙ってるわけないぞ」

「放っとけ、みみっちい攻撃しかできない奴らなぞ」

(どうだか…。やつらの執着はハイエナの如し!今度はどう出る、ファントム!)

その夜

「おう、お前ら!ちょっと面かせ」

「何だよジンヤ、これから帰るって時によぉ」

「さっきの襲撃の件を考慮して、今日はなるべく数人で一箇所に固まっておきたいんだよ。襲撃されたのを考えるに、こちらの情報が流れていてもおかしくないはずだ。一人でいるときよりましだろう」

「それもそうだな。そうすると、どこに泊まるんだ?」

「ここの近くでいいところがある。それはな…」

 

 

「あーぁ、帰ってこられたと思ったら今度はギルドが襲われるなんて…」

「ぷんぷ~ん」

ルーシィは一足早くギルドから出ていたが風に当たっているうちにすっかり帰りが遅くなってしまった。今は愛玩星霊のプルーとともに家の近くまで来ていた。

「最初ね、私ファントムとフェアリーテイルでどっち入ろうか悩んでたけど、フェアリーテイルには入れて良かったかも」

「ぷぷーん!」

「ふふ、ありがとね!」

鍵を開けて家のドアを開けた。

「よお、ルーシィ!」

「なかなか良い部屋だな」

「よお…」

「おかー!」

「ようやく来たか、待つのもきついなぁ?」

「何でぇ!?しかも多いー!」

いつものメンツが勝手に部屋に入っていたのだ。まさかエルザまではいるとは思っていなかったルーシィは動揺しきっていた。

「悪いなルーシィ。これもファントムから身を守る方法なんだ。協力してくれ。そっちのほうが安心だろ?」

「うん、そうだね。ありがとうジンヤ!」

(大したことは言ってないんだが…。まあ、納得したんなら良いか)

 

数刻後

「(俺の鼻に何か反応したか)今から出かけてくる、少し待ってろ」

「敵か?」

「ま、似たようなのだな」

鉄のような、血に似たにおいをかぎつけて、飛び出すことになった。

(間に合ってくれよ!嫌な予感しかしない!)

そう願いながらたどり着いたのは、人気のないギルド前の大広場。なぜか数人の影が見えていて、しかも明らかに異様であった。

「こんなところで何してる?鉄竜のガジル、ファントムのエースが…」

「ジンヤ!助けてくれ、あいついきなり襲ってきたんだ!」

「ジンヤ?ああ、獣人か。てめえが相手となるとかなりやりにくいな」

「こいつらになんか恨みでもあんのか?それとも宣戦布告ってことでいいのか?逃げることはない、戦うなら俺が相手だ」

「さあ、どうだろうな。戦って勝てるかわかんねえ相手じゃやってらんねえから俺は退くぜ?」

「二度と顔を出すな…。この戦争が終わるまでは」

ジンヤの異様な威圧と殺気に押されるように相手の気配が完全に消えたあと、三人とも張っていた気が緩んだのか怪我の影響か一気に疲れて腰を抜かしてしまい、レビィに至っては気を失っていた。

「とりあえず、その傷は治さなくては。うわ、結構ひどい傷だな。ちょっと待ってろ」

腰に下げている巾着から出した塗り薬で一時的に治すことにして、その日のうちに治癒魔道士の元へと連れて行った。

 

翌日

「…ってことだ。怪我自体は出血の割にはひどくなかったそうだ。だが、俺が行かなかったらと思うと」

「あやつらぁ、ギルドのボロ建築までは我慢できたが。ガキ共に手を出すのは我慢ならん!戦争じゃ…!」

ついに巨人マカロフの怒りが頂点に達した。

 


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